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2015年2月

2015年2月26日 (木)

妄想劇場・番外編

妄想劇場・番外編

信じれば真実、疑えば妄想……

落語の原型とも言われている江戸小咄は、
話の春画ともいうべきもので、
江戸時代の庶民の楽しみとして広く伝わって
おおらかに性を笑いに取り入れて
現代にまで至っています。



破れ傘 


ある武者修行の男、山のなかの一軒家に泊まる。
その家には美しい年増がひとり住んでいるきりなので、
泊めるからには気があるだろうと、
女が寝たころを見はからって、
女の寝ている部屋へ忍びこんでいいよった。

女は武者修行の男をうまくあしらうが、
肝心のところへくるとさせない。
男はひと晩じゅう女を自由にしようとしたが、
ついにものにならぬうちに夜が明けた。

夜が明けてみると、女も一軒家もかき消えて、
残るは一本の破れ傘ばかり
「さては、あの女はこの破れ傘が化けたものか、
どうりで、させそうでさせなかった」

おあとはよろしいようで…


 

美しい娘と、ハンサムな農家の青年が山道を歩いていた。

青年は大きな桶を背負い、片手に鶏を抱え、
別の手に杖と、一匹の山羊をつないだ縄をもって歩いている。
二人は、薄暗い森の小道にはいった。
娘が言った。
「こんな所を、あなたと歩くのこわいわ。
あなたは、あたしにキスするかもしれないんだもの」

純朴そうな青年が、苦笑した。
「どうして、ぼくがキスなどできるんだい?
両手がふさがっているし、背中には、桶をかついでいるしさ」

「できるわよ。その桶をさかさまに下へおろして、
鶏を中に入れちゃうのよ。
それから、山羊は、杖にゆわえつけて、
逃げないようになさいよ。ね、そうでしょう?」…


おあとはよろしいようで…



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



歌は心の走馬灯、
花に例えた古い歌
 今さら聞いても仕方がないが
 何処に置いても飾っても
  歌も花も、枯れてゆく……
  人生、絵模様、万華鏡…


18禁 「そしてめぐり逢い」

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、


時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる





P R
きれいなお風呂・宣言

お風呂物語

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幸せがつづいても、不幸になるとは言えない
 不幸がつづいても、幸せが来るとは限らない


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント

明日という日はミステリー、



西成のおっちゃん

自分は3人兄弟の真ん中として、
どこにでもある中流家庭で育ちました。
父はかなり堅い会社のサラリーマンで性格も真面目一筋で、
それは厳格で厳しい父親でした。
母は元々小学校の教員をしており、典型的な箱入り娘で、
真面目なんだけどどこか気の抜けた天然の入った、
憎めない人でした。
そんな中育った俺も何不自由する事なく、
中学、高校とエスカレート式の私学に通い
特に問題を起こす事もなく、親の言われるがままに
毎日を過ごしていきました。

でも何もかも自分の敷いたレールに子供を乗せないと
気が済まない親のやり方に自分が納得いかなくなり、
徐々に親に対して憎しみが湧いてき、
気がつけば毎日親と喧嘩ばかりしていました。
自分自身、親との距離を空けるようになり気がつけば
地元のDQNとばかりつるむようになっていました。
行かしてもらった学校も中退し、毎日のように
遊びほうけていました。
ある時期から親も俺に何も言わなくなり、
ただ悲しそうな顔で俺の事を見守り続けていました。
俺自身もこのままじゃいけないって事を感じていましたが、
手を切ることによって仲間や先輩の報復が怖くて
ずるずる毎日を過ごしていました。
最初はほんの興味本位で首を突っ込んだ世界が
自分がその本質に気づいた時は全てが手遅れでした。
チーム同士の抗争した時は、相手側が俺んちの窓ガラスを破って
乗り込んで来た事もありました。
警察のお世話にもなり、親が泣きながら
警官に謝っている姿も見ました。

自分らは極道事の一つもせず、真面目にやってきたのに
怖かったやろう、悔しかったやろうと思います。
徐々に母親の精神が持たなくなり常に
安定剤と睡眠薬を服薬しないといけない体になっていました。
「俺のせいだ!」悔やんでも悔やみきれない
自責の念が自分を襲いました。
でもその時は手遅れで自分ではどう変えようもない
環境と現実がそこにはありました。
そして出した結論が自ら育った環境、
家族を捨てるということでした。
自分が居なくなる事が今自分が出来る最高の親孝行だって、
そう自分に言い聞かせ、家を出る決意をしました。

親に啖呵きって出てきたものの、行き場所が無く
途方にくれた自分が真っ先に思い付いた所が
「西成愛燐地区」でした。
前テレビのドキュメンタリー番組で見て日雇い労働の方々が
集まってくる場所っていうのは知ってたので、
「自分は若いし体力もあるし、仕事は何ぼでもあるやろ。」と
いう感じで行ったのですが、
現実はそんな甘いものじゃありませんでした。

僕が西成に着き最初の衝撃だったのが、その人の多さでした。
朝の4時にもかかわらず、労働センターでは
ワゴン車が立ち並び、日雇いのおっちゃん達が仕事を探し、
何やら雇い主みたいな人と交渉を行っていました。
自分も負けじと見よう見真似で声を掛けていったのですが、
「仕事、定員まだ空いてますか?」
「もう来る人間全部決まってるわ。」と
面白いように返ってくる答えが同じで、
そして次々と定員を満たした車が出発していきました。

すっかりその時は自分にも余裕が無くなって、
必死に片っ端から声を掛けていました。
しかし自分の思うように仕事は見つからず、
さらに追い討ちを掛けるように雇い主から
「それはそうと兄ちゃん手帳は持ってるんか?」
「は?手帳?なんですか、それ?」
「手帳も知らずに西成きたんかいな?
ここで働くのに必要な証明書みたいなもんや。」
「どこで発行してもらえるんですか?今日中にもらえますか?」
「ここのセンターの二階が発行元やけど、
例え今日手続きしたとしても
貰えんの最低半年は覚悟せなあかんで。」
「は、半年!?」 「そらそうやがな。ていうかそれなかったら、
間違いなくどこも雇ってはくれへんで。」
不安が自分の中で絶望に変わった瞬間でした。

絶望に打ちのめされた俺は、センターの近くの一角で
倒れるように、ヘタリこみました。
不安や希望、悲しみといった感情の糸が切れてしまって
生きていく気力が全く無くなってしまったのです。
着の身着のままで出てきてる分、とっくの昔に
お金は底をついていました。

後々考えたら煮炊き場とかあったのですが、
その時は本当にそこまで考える余裕も無く
心底このまま自分が死ぬ事を覚悟しました。
生まれて初めて死と向き合った瞬間でした。
そしたら、親の事、兄弟の事、ツレや当時付き合っていた
彼女の事とか思い出してきて、
とめどなく涙がポロポロ流れてきました。
とことん自分を責め、悔やみました。
そして僕に関わった全ての人の幸せを心から願いました。
不思議と死にたくないという感情は生まれてきませんでした。

そしてそこから何日が過ぎ、いよいよ自分の意識が
起きてるか寝てるか解らない状態になった時、
「おい、お前見た感じ若そうだけど、
何してんだこんなとこで。」 とある男性から声をかけられました。
「何だ若いのに、青い顔して。飯食ってないんだろう。」
「はい。。」 「ほれ見てみろ。今にも死にそうな顔して。
飯くらい奢ってやるから付いて来い。」 と
自分自身半分訳の分からぬまま、おじさんに付いて行き、
自分の西成来るまでの経緯を全て話しました。

おじさんは黙って俺の話を一通り聞いた後、
「馬鹿な事しやがって。」 と吐き捨てる様にいいました。
そして長い長い沈黙後 「坊主、ちょっと付き合え」と
突然店を出て歩きだしました。 ただ自分は訳も分からず
付いて行くことにしました。
シティーホテルの前でおじさんは突然立ち止まり、
「お前はそこで待ってろ」 と一人フロントに入って行き、
しばらくして自分も呼ばれ、ホテルの一室の中に通され
「しばらくだけどこの部屋寝泊りに使っていいぞ。」
「いや、そんな事してもらったら申し訳ないですよ。」
「一文無しの分際で知ったような口聞いてんじゃねぇ!!」
「でも。。。」 「いいんだよ。
今日パチンコで大勝ちしたから。」

そんなこんなやりとりがあり、俺はその部屋で
2週間寝泊りする事になりました。
その間の2週間おじさんと色んな話をしました。
おじさんホントいい人で言葉数は 少なくすぐ怒るんだけど、
まっすぐな人で、照れ屋で。
おじさんも若かった頃は九州でバリバリ働いて、
妻子も養っていたんだけど、病気で体壊して、
会社クビになって
妻子にも逃げられ、流れ流れて行き着いた先が
西成だったらしい。
ちょうど息子が順調に生きてたら、
今頃俺ぐらいの年で、実の息子には何もしてやれんまま
離れ離れになった から、路上で野垂れ死に寸前の俺を見て、
息子の変わりにこの子にできる事があればしてあげよう。
って思ったらしい。

そして一日一日が嘘のようにあっと言う間に過ぎていきました。
本当に良くしてくれました。
朝は一緒に喫茶店でモーニングを食べ、
食べ終わったらおっちゃん日雇いの仕事に行く前に、
自分の食べる昼ごはんと、俺の分いつも買ってくれて
「いい子で待ってろよ」ってまるで俺子供扱いでした。

おれ、何度も仕事手伝うよって言ったけど
最後まで連れていってくれませんでした。
そして晩は晩で一緒に食べに行き、
本当に親子みたいな関係でした。
おっちゃんが店のマスターに
「子供さん連れてきはったのですか?」て聞かれ、
本当に嬉しそうな顔して否定してた。

俺も今までこんなに人から親切にしてもらった事なかったから、
本当に嬉しかった。
世の中捨てたもんじゃねぇなって。
初めて心から信用出来る大人に出会えた喜びでいっぱいだった。
でも同時に俺の存在がおじさんに負担をかけてる
現実がたまらなく辛かった。
この生活はいつまでも続くものじゃないって、
何より自分が分かっていたから。
そして俺自身、いつ自分からこの事言い出そうって思ってた。
そしてある晩、おじさんから俺の部屋に入ってきて、話始めた。

「この2週間、お前と知り合えて楽しかったよ。
でもいつまでもお互いにこんな生活続けていかれへん。
お前これからどうするつもりや?」
「うん。とりあえず西成出て、仕事探しながら交通費貯めて
知り合いのところ訪ねていくつもり。やねん。」

「そうか。そのほうがええ。この街なんか一日も早く離れ、
養ってもらえる所があるんやったらそこに行きなさい。」
そう言っておっちゃんが最後に5千円を
俺のポケットにねじ込んでくれました。
「いや、おっちゃんかまへんって。そこまでせんといて。」
「かまへん。とっとけ。ええか? おっちゃんと約束してくれ。
まず2度とこの西成に戻ってくんな。

この街は人間の墓場みたいな所や。
お前にはおっちゃんと違って若さという可能性を持ってる。
だからこんなとこでお前の限りない可能性を無駄にはするな。
ほんである程度生活が安定したら両親に連絡したれ。
元気で頑張ってるの一言でええから。
どんな子供だって、親からしたら子供は宝であり、夢や希望や。
子供に幸せになってもらいたいと願わん親は無い。
だから絶対連絡はしたれ。約束できるな。」
「うん。。。。。」
もうその時は泣けて泣けて、人の別れで
こんな悲しいの初めてでした。
「あほ。男やったらいちいちピーピー泣くな。。。。
また明日な。」 とだけ言い残しておじさんは
部屋をでていきました。

明くる日、朝の喫茶店でモーニング食べている時から
二人とも黙ったままでした。
そして別れの時ホームでおじさんがポツリと
「俺が甲斐性ないばっかりにすまんかった。」
「そんなん言わんといて。今までほんまありがとう。
俺お礼言っても言い尽くされへんわ。」
「もしお前がどーしても頑張ってまた挫折した時は
西成帰っておいで。また出会ったあの場所で会おう。
わしもたまに見に行くようにするから。
ほんま体に気をつけて。」
そしておじさんとは地下鉄の動物園前のホームで
別れました。
(5年前の暑い夏の日の思い出)




離婚届を渡されました




誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだ…よ、
言えば愚痴になるから…。



時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる





P R
きれいなお風呂・宣言

お風呂物語

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.

幸せな家庭生活が妻の病死により一転、
悲しみの毎日へと変わった。
幼子を抱えて生きてゆくには
多くの人々の支えがあった。
精一杯生きる中での様々な出会いと
悲しい別れを繰り返し、
不思議な出来事にも遭遇する。
そして、そこには新たな愛が存在していた。……

Author: 壇次郎

どんぐりからの手紙 (29話)

お彼岸 3


その頃、私と隆は咲子の眠る墓の前にいました。
墓はよく手入れがされている様子で、
けっこう綺麗になっていました。
私たちは墓前に花を沿え、線香に火を灯し、
静かに手を併せ、目を閉じました。
私はゆっくりと目を開けると、目の前に
一粒のどんぐりが置いてありました。
秋でもないのに、何故、どんぐりがそこにあるのでしょうか。
それも、ピカピカのどんぐりです。
さっきまで、私たちには全く気付かれることなく、
どんぐりはそこにあったのでした。

剛 「あれ? なんでどんぐりがここにあるんだ?」
隆 「あっ、ほんとだ。母さんかなぁ・・・」
剛 「母さん、きっと、隆の高校進学、
 喜んでくれているんだよ」
隆 「そうなのかなぁ・・・。
 とりあえず、貰っておくね、母さん」
隆は、そのピカピカなどんぐりを
ズボンのポケットの中にしまいました。
そして、家に帰ると、お昼は
香絵ちゃんと母が作ったオハギでした。
大きな皿に盛り付けられた色々な大きさのオハギは、
様々な形をしていましたが、
とっても美味しいオハギでした。
午後になり、私は隆と香絵ちゃんを
かつて咲子と散策した、裏山の白樺林に連れて行きました。
雪はすでにすっかり消えていましたが、
雪解け水は遠くの山から絶え間なく流れ込み、
春先にしか現れない小さな小川を作っていました。
水芭蕉はもう、大きく成長し、
独特の美しさはありませんが、
周りのふきのとうとも重なり合って、
北国の森の中らしい、すがすがしさを
感じさせていました。

香絵 「わ~、綺麗・・・。ねぇ、ねぇ、隆、剛さん、
 一緒に手を繋ごうよ!」
隆 「やだよ、そんなの・・・」
剛 「隆、そんなこと言わないで、手、繋いで歩こう!」
香絵 「そうだよ、隆、ねっ、剛さん?」
香絵ちゃんは、急に私たちと手を繋いで歩こうと言い出しました。
そして、私たちは香絵ちゃんを真ん中に、
三人、仲良く手を繋いで、春の眩しい光が降り注ぐ中、
白樺林を奥の方へと進んで行きました。
その時の香絵ちゃんの笑顔は、なんと幸せそうであったでしょうか。
照れくさそうな隆の顔も、幼い頃そっくりの笑顔です。
その時の私にとって、咲子のことを
思い出すことはありませんでした。
まさに、三人が一緒の家族そのものの様に感じ、
幸せな気持ちで満ち溢れていました。

隆 「なんだか、なかよし家族だね」
香絵 「ほんとだね、隆もたまには良い事、言うね!」
隆 「でも、香絵ちゃん、いつかはお嫁に行っちゃうんでしょ?」
香絵「・・・・・」
隆 「香絵ちゃん、いなくなると、寂しいな!」
香絵 「大丈夫だよ。隆が私より綺麗な人、
 お嫁さんに貰うまで、私、そばにいるよ」
隆 「香絵ちゃんより綺麗な人、
 見つけるのは簡単だけど・・・」
香絵 「なんで、簡単なんだよぉ~」
香絵ちゃんは、隆の優しい言葉が嬉しかったのでしょう。
香絵ちゃんの長いまつ毛がうっすらと濡れていく様子が、
隣で手を繋いでいる私には解りました。
そして、香絵ちゃんの手を握る私の手には、
少しだけ力が入っている様でした。

短かった長野の休日も終わり、私たち三人は、
両親から野菜をいっぱい貰って東京に帰りました。
先に荷物を持った隆をアパートに降ろし、
私は香絵ちゃんを家まで車で送ることになりました。
香絵 「剛さん、私、今朝、奥さんの夢、見たの・・・」
剛 「えっ?」
香絵 「奥さん、私に何度も何度も、
笑顔でお礼を言ってたの・・・。
そして、『これからも、よろしくね』って言ってたの・・・。
嘘じゃないよ、ほんとに夢の中で言ってたんだから・・・」
剛 「ふ~ん、そうだったんだ・・・」
私は不思議な気持ちでいっぱいになりながら、
香絵ちゃんの自宅前で彼女を車から降ろし、
姉の家で預けていたクッキーを引き取った後、
アパートに向かいました。
そして、アパートの部屋に入り、ズボンのポケットから
車のキーを取り出したら、なんと、そこにはキーと一緒に、
一粒のどんぐりが出て来たではありませんか。

一方、家に着いた香絵ちゃんは、自分の部屋に入るや否や、
ベッドの上にドスンと横になり、ぼんやりと
部屋の天井を眺めていました。
でも、なんだか頭の後ろから首にかけて、
硬い物がゴロゴロと当たります。
何だろうと思い、手で探ったら、なんと、
それは一粒のどんぐりでした。
それも、ピカピカの大きなどんぐりでした。


続く

Author: 夢庵壇次郎
http://www.newvel.jp/library/pso-1967.html


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



歌は心の走馬灯、
花に例えた古い歌
 今さら聞いても仕方がないが
 何処に置いても飾っても 、
  歌も花も、枯れてゆく……
  人生、絵模様、万華鏡…



女房きどり 小林 旭



時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる





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2015年2月25日 (水)

妄想劇場・番外編

妄想劇場・番外編

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、



落語の原型とも言われている江戸小咄は、
話の春画ともいうべきもので、
江戸時代の庶民の楽しみとして広く伝わって
おおらかに性を笑いに取り入れて
現代にまで至っています。




赤貝
えー、ご新造さんがお風呂へはいっていると、
かわいがっている猫のタマが、
ニャアニャアと大騒ぎをはじめましてナ。
「おナベや、タマはどうしたんだい?」
「ヘエ、もうバカなんでござえます。
さっき魚屋から赤貝を買ったんですが・・・」
「あア、そうだったねエ、それで?」
「タマが、それにチョッカイを出しましたもンだで、
赤貝が驚いてギュッとカラをを締めたんでごぜえます。
だもンだから前足ィはさまれて、へェ、大騒ぎで・・・」 

「まアま、かわいそうじゃないの、え、
面白がって見てちゃいけませんよ。
おまえ、ちょいとユカタ貸しとくれ。
それから、なンかコジあける物をネ。・・・
まアまア、タマや、バカだね、おまえ。今、とってあげるよ」

ご新造さん、裸身にユカタを一枚フワリと羽織りましてナ、
お手ずから、赤貝のカラをコジあけて、とってやる。

「ホラ、とれた、痛かったでしょう、タマや・・・」と
猫をフトコロヘ抱きあげると、湯上りの肌でございます。
猫がツーッとすべって、ご新造さんの下腹へ
落っこちて行きましたが、とたんに、毛を逆立てて、
「フーウッ!!・・・」
おあとはよろしいようで…



尼
道後の湯で源の敏(あたる)という好き者が湯に浸かっているとき、
一人の尼法師が入湯して来た。
上品でなまめかしい、抱きつきたいがそうはいかない。
そこでこっそり足を伸ばして、股ぐらとおぼしいあたりをコチョコチョ、
尼はびっくりして怒る。

敏はすかさず、「とても世を よそに古江(ふるえ)のあま小舟 
葦のさわりをなに厭いとうらん」と詠む。
つまり遠浅の海で、海草とりをしている(尼)の舟が、
入江の葦(足)に触れたからといって、
別に気にすることはありますまい、という図々しい歌だ。

尼さんもさすが歌よみ、半分オツな気分になったのか、
「さらば棹さし寄せよ世の海の、 海松布(食用の海草)を
なおもいとうあま舟」と返歌した。
つまり、あたしはもう男を絶った尼、 人の見る目(海松布)が大変だから、
誰も来ないうちに、棹を私の舟にさしてごらん、というのだから、
これはどっちもどっち。
おあとはよろしいようで…



歌は心の走馬灯、
花に例えた古い歌
 今さら聞いても仕方がないが
 何処に置いても飾っても
  歌も花も、枯れてゆく……
  人生、絵模様、万華鏡…


18禁 替え歌
「飾りじゃないのよ乳首は」



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる





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お風呂物語

2015年2月24日 (火)

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昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー



読者登録しています。
心に灯をともすおいどんですさんの「記事物語」
経営者の覚悟の決断、「会社はだれのもの」より

私たちの日常の裏側ではまるで作り話のような出来事が
事実として起こっているのです。


3代続いた家電店の女性社長。
経営権は残るとはいえ自分の会社に外部の資本が入ることの
抵抗感は相当なものでした。外部資本とは買収にほかなりません。
地域密着型の5店舗で高度経済成長と共に歩んだ老舗。
しかし老舗も時代の波には勝てません。
このままだと経営が立ち行かなくなることは目に見えていました。

古くからの取引銀行から大手家電量販店の部長を紹介されます。
グループの傘下に入り再建すべきとの提案を意味しています。
古くから守り通してきた屋号を捨てる事ことへの断腸の思い。
しかし立ち止まること自体が死を意味しました。
この女性社長は英断します。

この大手グループの一員となり再起を賭けて店自体を残す・・・。
出資を受けるにあたっての事業資産価値の査定。
それによって出資金額(買収金額)の目安が決まります。
こんな時、より有利な査定額を狙って資産内容を
カムフラージュする経営者がいるものです。
この社長は包み隠さず全てをさらけ出しました。
しかし査定の結果出て来た出資案に社長は目をむきます。

まるで自分の会社が無価値だと言いたげな内容だったからです。
この話を蹴ります。
これでは当社の礎をつくってきた
父、祖父、従業員に申し訳が立たない・・・。
グループ入りは、白紙に戻りました。
しかし担当部長は、何度も何度も訪れます。
銀行も査定結果は現実問題として妥当な線であることを
社長に伝えます。

心が揺れます。行くも留まるもどちらも地獄ではないか・・・。
自分は一体どこを見て何を考えてこの道を選べばよいのだろうか・・・。
担当部長が云います。全てを私たちに託してもらえませんか。
私達と特約店さんとは一心同体ですから。
一心同体・・・。
そして最後に上乗せされた条件が提示されました。

社長、これが精一杯です。しかしこれは査定の上乗せではなく
貴社と共に歩みたいという私たちの「熱意」だとご理解ください。
それでも首を縦に振ることはできませんでした。

そしてその数日後、担当部長に電話が入ります。
社長からです。今晩10時に来て欲しい。
重たい話であることは口ぶりからわかりました。
何らかの相談かも知れない。聞くだけは聞こう・・・。
だがそれまでだろう。

担当部長が通されたのはいつもと違う社長の自宅でした。
大広間にテーブルをはさんで二人は差し向います。
社長が口火を切りました。
部長さん・・・・いろいろ考えました。
私たちはこれまで三代にわたり地域の皆様から
可愛がられてここまで来ました。
ですからお客様を裏切る形で商売を続けることはできません。・・・。
しかし、今、そのお客様たちが私たちの背中を、
押して下さっているのかもしれません。・・・・・。
お客様たちが私たちに敗者復活戦というチャンスを
与えて下さろうとしている・・・そう思いました。

社長の眼は真っ赤です・・・。
お世話になろうと決めました・・・。
部長は身を乗り出します。
そして、部長は生涯忘れられない光景を目にするのです。

部長さん・・・・私のお願いを、
いや私共の覚悟を聞いてください。
そう云うと社長は自らの右肩越しに
背後のふすまに向かって静かに告げました。開けなさい。

そのまま社長の背後のふすまが開かれると
部長は息を飲みました。
制服姿の老若男女。見事に整然と並んだ数列にわたる
正座姿です。
頭を垂れ、深く息をして社長が云いました。
当社の社員28名です。お世話になることを決めました。
何卒よろしくお願い致します。全員が揃って畳に額を伏します。

そのまままるで時が止まったようだった・・・と
部長は振り返ります。
グループ入りが決まった瞬間でした。
真っ赤に上気した顔の従業員たち・・・。
こらえ切った社長の一筋の涙。
部長の中に熱いものがこみあげてきます。
今、この人たちのこの「座礼」・・・・
決して自分に向けられたものではなく、
ましてやこれから入るグループに向けられた礼でもない・・・
部長はその時そう思ったと云います。

孫子三代分の礼。
地域のお客様に成り代わっての礼。
従業員の人生への礼 張りつめた空気の中に、
どこか凛としたあの時間。
何か大きなものを背負ったような気がした・・・。
最後の最後に社員を守り抜いた社長のことを
部長は一生忘れられないと云います。
そしてこう結びました。

会社とは誰のものなのか・・ではなく。
会社とは「誰のためのもの」なのか・ということなんです。
…某家電量販店での実話です。



北風哀歌



追記

大手家電量販店グループというのは
今の「エディオン」グループのことです。
そしてこの話はエディオングループの中核企業である
「デオデオ社」での出来事。
デオデオ社は広島市に本社があり中国地方で
古くから親しまれてきた家電のチェーン店です。
このデオデオ、古くからアフターサービスに定評があり
冬になると各家庭のストーブ磨きに店員が巡回したという
逸話が残っています。



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。


時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる



P R
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お風呂物語

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.

幸せな家庭生活が妻の病死により一転、
悲しみの毎日へと変わった。
幼子を抱えて生きてゆくには
多くの人々の支えがあった。
精一杯生きる中での様々な出会いと
悲しい別れを繰り返し、
不思議な出来事にも遭遇する。
そして、そこには新たな愛が存在していた。……

Author: 壇次郎

どんぐりからの手紙 (27話)
お彼岸 1


とうとう、隆の高校受験の日が来てしまいました。
隆はどうしても英語に自信がありません。
前の晩まで一生懸命に単語を暗記していましたが、
今さら覚えられる訳もありません。
おかげで、少々寝過ぎてしまった様です。
そんな慌しい中、香絵ちゃんが来ました。
香絵 「たかし、隆、何やってんのよ! 早くしないと遅刻だよ」
隆 「駅まで走れば大丈夫だよ」
香絵 「そんなこと言ってないで、私の自転車に乗りな!」
なんと、香絵ちゃんは隆を自転車の後ろに乗せて、駅まで行くとのことです。
隆 「だめだよ、自転車の二人乗りは禁止だよ」
香絵 「バカだね! そんなこと言ってたら、遅刻するよ。
いいから早く乗りな! 立ち乗りだよ!」
香絵ちゃんは隆を自転車の後ろに乗せて数十メートル走ったでしょうか、
おぼつかない香絵ちゃんのハンドル裁きに耐えかね、
今度は隆が香絵ちゃんを自転車の後ろに乗せ、
駅まで向かうこととなりました。駅に向かう途中の商店街では、
香絵 「どいて、どいて! 急いでるんだから・・・」
八百屋 「おっ、今日はお受験だな、隆、がんばれよ!」
パン屋 「あれじゃあ、隆、テスト前に疲れきっちまうぞ!」
花屋 「意外と、いいカップルね!」
真理子 「・・・?」
岡田 「・・・?」
二人はどうにか無事に駅に着きました。

香絵 「あぁ・・・よかった、間に合った。ほら、弁当とお守りだよ」
香絵ちゃんは自ら作った弁当と、お守りを隆に渡しましたが、
なんと、そのお守りは巣鴨地蔵のお守りでした。
早朝の軽い運動が良かったのでしょうか、
隆は試験問題に集中することができ、自分の力を発揮できた様です。
そして、合格発表の日がやって来ました。
隆は発表会場の掲示板の前に立っていました。
何故か、そこには香絵ちゃんも一緒でした。
隆 「あまり、くっつかないでよ・・・」
香絵 「なに、照れてんのよ! 誰も恋人同士って見てないわよ」
隆 「事務所、忙しいのに、わざわざ来るんだから・・・」
香絵 「ほら、あったよ! 隆の名前、あったよ!」
隆 「そんなに大声出さなくたっていいよ・・・」
香絵 「すぐに、おじさんに電話、しなきゃね」

香絵ちゃんからの電話に、私は、とりあえずほっとした気持ちでしたが、
受験の日とは言え、合格発表の日とは言え、
心の底から香絵ちゃんには感謝していました。
まさに香絵ちゃんは、隆の母親代わりになっていました。
それも、兄弟でもあり、友達でもあり、
母親でもある様な関係に私たちは感謝と幸せな気持ちで
満ち溢れていました。

三月も中旬を過ぎると、確定申告も終わり、
香絵ちゃんも忙しさから開放されていました。
私は、また、香絵ちゃんを長野の実家に招待することにしました。
咲子は実家近くの墓地に私の先祖と共に眠っています。
お彼岸の墓参りをして、隆の高校合格の報告をしなければなりません。
今回、真理子さんは一緒ではありませんでしたが、
車の中は、絶えず笑い声で満ち溢れていました。

実家に着くと、いつもの様に私の父と母が出迎えてくれました。
なんだか、二人とも、また歳をとった様に感じてしまいました。
父 「隆、高校、決まったんだってなぁ、よかった、よかった・・・」
母 「香絵さん、なんだか、随分と隆が世話になっているそうで、
 本当に有難うございます」
香絵 「いいえ、私は全然、お世話してるなんて思っていませんから・・・、
 自分独りで楽しんでいるだけで、かえって迷惑かけているんですよ」
母 「まあぁ、そう言ってくれると嬉しいですよ・・・。
 どうぞ、また、ゆっくりとしていって下さいね。
 自分の家だと思って、全然遠慮しないで下さいね」

周りの山々には、まだ残雪が春の光に霞んで見えていましたが、
里の畑では、すっかり雪も消え、
農作業の準備が着々と進められていました。
私たちを出迎えてくれた両親も、農作業の途中に手を休め、
昼食を共にしたら再び作業に入るつもりでいました。
剛 「父ちゃん、俺、昼食べたら手伝うけど、今、何してるんだい?」
父 「ああ、今日は天気もいいし、土お越しをしてるよ」
剛 「じゃあ、俺、その続きでもするか・・・。
 隆と香絵ちゃんは、釣でも行くのか?」
香絵 「私、今日、おじさんの手伝いしたい! だめ?」
剛 「別にいいけど、鍬で畑を耕すんだぞ、
 でも、せっかくだから、トラクターの操縦でも教えてあげるよ」
香絵 「わー、やったー・・・。 隆、一人で行っといで!」
隆 「じゃあ、僕は化石探しに行くよ。
 うるさいのがそばにいない方が、集中出来て、収穫が多いかもね!」
香絵 「なに? 隆、うるさいのって、私のこと?」

私の両親にとっては、久しぶりの賑やかで楽しい昼食となりました。
その後、隆は化石採集に近くの川に向かい、
私と香絵ちゃんは、両親を家に残し、農作業に出かけました。
母の作業着に着替えた香絵ちゃんは、すっかり農家のお嫁さんの様です。
長靴にゴム手袋、それに、ひさしの長い帽子をかぶっている姿は、
似合い過ぎる程、似合っていて、
自然と笑いが込み上げてきてしまいます。


続く

Author: 夢庵壇次郎
http://www.newvel.jp/library/pso-1967.html


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



歌は心の走馬灯、
花に例えた古い歌
 今さら聞いても仕方がないが
 何処に置いても飾っても
  歌も花も、枯れてゆく……
  人生、絵模様、万華鏡…


小林旭 / 流浪




時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる





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チャンネル掲示板

チャンネル・ニュース

幸せがつづいても、不幸になるとは言えない
 不幸がつづいても、幸せが来るとは限らない


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント

明日という日はミステリー、



炎の中へ5回も飛び込み、
全身を焼かれながら子猫を救った母猫




チョットいい話

きんちゃん

萩本欽一さんは、若い人が失敗した時、
かける言葉に気を付けてきたといいます。
小堺一機さんは、ものすごい上がり症で、
初めて番組に出した時、震えてめちゃくちゃになったそうです。
欽ちゃんは番組が終わった後、
小堺さんにこう言いました。
「俺、あがる奴って好きだよ」
正直な気持ちとしては、「バカヤロー、
なにあがってんだよ」だったけど、
自分の若い頃に似ているなと感じた。
こういう子には、「ダメじゃないか」って怒ったり、
「あんなにがたがた震えていたんじゃ
放送できないよ」ってギャグにしてはいけない。
いい言葉をかけてあげた方がいいというのです。
後に、人気タレントになった小堺さんは、
こう言いました。「昔、大将が言ってくれた
『あがる奴は好きだ』って言葉、
あれで僕は救われました」もし厳しいことを言われていたら、
自信を無くして潰れていたかもしれません。
「たった一言で」人生は変わるのです。



犬の気持ち
あるペットショップの店頭に「子犬セール中!」の
札が掛けられました。
子犬と聞くと子供はたいそう心をそそられるものです。
しばらくすると案の定、男の子が店に入ってきました。
「おじさん、子犬っていくらするの?」
「そうだな、30ドルから50ドルってところだね。」
男の子はポケットから小銭を取り出していいました。
「僕、2ドルと37セントしかないんだ。でも見せてくれる?」
店のオーナーは思わず微笑むと、
奥に向かってピィーと口笛を吹きました。

すると、毛がふかふかで丸々と太った子犬が5匹、
店の奥から転がるように出てきたのです。
ところが1匹だけ足を引きずりながら
一生懸命ついてくる子犬がいるではありませんか。
「おじさん、あの子犬はどうしたの?」と男の子は聞きました。
「獣医さんに見てもらったら、生まれつき足が悪くて、
多分一生治らないって言われたんだよ。」と
店のオーナーは答えました。

ところがそれを聞いた男の子の顔が輝き始めました。
「僕、この子犬がいい。おじさん、この子犬を売って!」
「坊や、よした方がいいよ。
そりゃあ、もしどうしてもっていうのなら、
ただであげるよ。どうせ売れるわけないから。」と
店のオーナーが言うと、男の子は
怒ったように睨み付けました。「ただでなんかいらないよ。
おじさん、この犬の何処が他の犬と違うっていうの?
他の犬と同じ値段で買うよ。

今2ドル50セント払って、残りは毎月50セントづつ払うから。」
その言葉をさえぎるように店のオーナーは言いました。
「だって、この子犬は普通の犬みたいに
走ったりジャンプしたり出来ないから、
坊やと一緒に遊べないんだよ。」

これを聞くと男の子は黙ってズボンのすそをまくり上げました。
ねじれたように曲がった左足には、
大きな金属製のギブスがはめられていました。
男の子はオーナーを見上げて言いました。
「きっとこの子犬は、自分の気持ちが
わかってくれる友達が欲しいと思うんだ。」


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだ…よ、
言えば愚痴になるから…。



時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる





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2015年2月23日 (月)

妄想劇場・番外編

妄想劇場・番外編

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、



落語の原型とも言われている江戸小咄は、
話の春画ともいうべきもので、
江戸時代の庶民の楽しみとして広く伝わって
おおらかに性を笑いに取り入れて
現代にまで至っています。



蚤と虱 (のみ と しらみ)
のみ

のみ 「おめぇのほうにもいろいろあるだろう?」
しらみ 「ああ、俺ァほんの二,三日前よ、
 あぶなく命びろいをしたばかりよ」
の 「へえ、どうしたい?」
し 「まァ、きいてくれ。湯ゥ屋でひょいと取っついた着物の女がよ、
 随分色の白い、餅肌のいい女だ」
の 「うまくやりやァがったな。で、どうしたい?」
し 「上のほうから下のほうへと、だんだん這ってゆくてえと、
 やがて草むらん中へ入り込んじゃった。
 草むらてえより、ありゃァ森だな・・・」
の 「ほう、ほう・・・」
し 「森をやっとこさ抜けて、しばらく行くてえと、
 こんだァ沼みてえなところへ出て、
 そこから生あったかい水みてえなものが、
 ペチャペチャと出ているんだ・・・」
の 「ほう、ほう・・・」
し 「そこを渡るにゃァ、俺の体じゃ広すぎる。
 でも土手あるから、さて、右回りにしようか左回りにしようかと、
 考えてるところへ、おめえ!」

の 「急に大きな声をしたな、どうしたいし 
 「そこへ、大入道だ。物凄い大入道が、いきなり立ちゃァがって、
 頭から体ごとその沼の中へ、『こんにちは』も言わねえで、
 ズブッと突っ込んで来やがった。いやァ、おどろいたのなんの・・・。
 入ったと思ったら、こんどはすぐもどって来やがった。
 入ってもどって、入っては出る・・・
 そんなことをしばらくくりかえしているうちに、
 沼の水かさがドーッと増して来た」
の  「洪水だな、そりゃァ。逃げねえと危ないぜ」
し「逃げようと思ってもおめえ、水で足ァ取られる、
 体ァ押し流される。おまけにこちとらァ、泳ぎは苦手と来てるから、
 水の中でアップアップ・・・。こりゃァ、とてもダメだ、
 神さま仏さまとおがんだ途端・・・・」
の 「どうしたい?」
し 「うん、紙(神)のおかげで、助かった」

おあとはよろしいようで…



まめ
「ご隠居さん、こんちはァ」
「おお、八っつァん、お上がり。なンだね?今日は—–」
ヘエ、ご隠居さんに一つうかがいてえんですが、
夜這いってものがありますね。
そのことを豆泥棒ともいうと聞いたんですが、
どういうわけで、夜這いが豆泥棒ってんです?」

「ヘンなことォ持ちこんで来やがったナ。
豆泥棒というのはナ、あア、女の—-あのところをだナ、
豆ってえんだ。ナ、だから、豆泥棒じゃァねえか」
「—–あっ、なるほど、豆ねえ、えへへッ、ちげえねえや、
ご隠居さん、いい年して、よくそんなこと知ってるね、
このスケベじじい!」

「なンだ、おまえが聞きに来たんじゃないか——」
「するってェと、うちのかかアなんかァ、
さしずめ、何の豆だろうねえ」
「あア、おまえンとこのよめさんは、素人だからナ、白豆だな」
「ははア—–。すると、芸者なんかは—-」
「もちろん、玄人だから、黒豆だ」
「フーン、じゃ、横丁の小唄の師匠みてエな大年増は?」
「ありゃァ、まア、ナタ豆てえとこだな」
「ナタ豆か。うまく言いやがる。
下駄屋のお美代坊みてエな小娘は?」
「おしゃらく豆、ハジキ豆かナ」
「そいじゃ、ご隠居さん、
天女なンてエのは、なンの豆です?」
「あ、ありゃ、ソラ豆じゃ・・・」


おあとはよろしいようで…



歌は心の走馬灯、
花に例えた古い歌
 今さら聞いても仕方がないが
 何処に置いても飾っても
  歌も花も、枯れてゆく……
  人生、絵模様、万華鏡…

 

「戦争を知らない子供たち」
18禁・替え歌
「●ックスを知らない子供たち」 


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる





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2015年2月22日 (日)

妄想劇場・番外編

妄想劇場・番外編

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、


落語の原型とも言われている江戸小咄は、
話の春画ともいうべきもので、
江戸時代の庶民の楽しみとして広く伝わって
現代にまで至っています。



かべ

え~、落語のほうで、居候ともうしますと、
道楽がすぎて親父さんから勘当、
てぇのが通り相場でございますが、
ここで、お話に出て来る居候は、いたって、ウブでございまして、
女のこたア、なンにも知らない。
行くとこなくなって、知り合いの夫婦もンの所へころがりこんで、
小さくなって、三日目でございます。
夫婦もンのほうも、他人がはいって来ましたから、
二晩ぐらいは辛抱しておりましたが、三日目になると我慢ができない。
亭主「おい、隣室の居候はねたかナ」
女房「シッ、大きな声だしちゃだめです」
亭主「そうか。じゃ、静かにナ、もっと、そばに寄んねえ……」

隣の部屋の居候、ハッと聞き耳たてまして、
あア、そばへ寄れと言っている。
夜なかに、なんの内緒話だろうと思っていると、
そのうちにタンスの金具が、カタカタと鳴ります。
あれはタンスの金具の音……夜なかに、タンスをあけて、
どうするのだろう
そのうちちに、ご夫婦のほうは、もう、こらえきれなくなりまして、
女房「あア、おまえさん、あたしゃもう行くよ……」
亭主「ちょいと待ってくんね、おれもいいっしょに行く行くえ……」

居候、ガバッと布団の上に起きまして、腕ェ組みまして
居候「はて、困った。困った、おいらァ、
明日ッから、どこへ行こう……」

おあとはよろしいようで…


まったけ


甲 「えッ、おう、見てみろイ、
  ここァ伊勢屋の妾の寮だぜ、
  今度新築しやがった……」
乙 「フーン豪勢な家ィたてやがったナ、
  なんでえ、この壁ァ……。
  え、真っ白な白壁じゃァねえか。
  シャクにさわるなア、まったく……」
甲 「どうでえ、ひとつイヤがらせに
  落書きでもしてやろうじゃァねえか……」ッてんで、
職人が二人、矢立てを出して
墨黒々と落書きをしてまいります。

女中 「あッ、ご寮さん、ちょっとごらん遊ばせ。
   壁に、こんな、松茸の落書きがしてありますわ……」
妾 「ま、やだねえ。今日は旦那が来るはずだから、
   これを見られたら、どんなにごきげんを
   損ずるかも知れない。
   急いで左官の熊さんを呼んで、
   上塗りをしてもらっておくれ」
上から塗り消しておきますと、翌朝、

甲 「おい、もう、塗り直してけッかる」
乙 「フーン、生意気なやろうだ。
   もっぺん、書いたれ、書いたれェ……」
女中 「……あら、ご寮さんご寮さん、
   また、書いて行きましたよ、
   昨日より、もっと大きな松茸を……」
妾 「ほんとにしょうがないわねえ。
   旦那は昨日来るといって来なかったから、
   今日はきっと来るに違いない。
   早く早く、熊さんを呼んで来とくれ……」

そのまた翌朝……。
甲 「見やがれ、また、壁を塗り替えやがったぜ……」
乙 「よオし、こうなりゃこっちも男だ、
   ひっこんでたまるか。壁いっぱいに書いたれ!」
てんで、壁いっぱいに大きな松茸を書いて行く。
女中 「まーア、ご寮さん、今度は、
   壁いっぱいに大きく書いて行きましたヨ。
   左官の熊さんを呼びましょうか?」
妾 「もう、やめにおし」
女中 「あら、どうしてですの?」
妾 「考えてごらん、松茸は、
   サワればサワるほど、大きくなるんだよ……」


おあとはよろしいようで…


歌は心の走馬灯、
花に例えた古い歌
 今さら聞いても仕方がないが
 何処に置いても飾っても
  歌も花も、枯れてゆく……
  人生、絵模様、万華鏡…


私もいろいろありました 小林旭


『私もいろいろありました』 小林旭 銀座旋風児より
作曲作詞:野村浩二 編曲:安形和巳
歌詞は誤りがあるかも知れません。…



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる





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幸せがつづいても、不幸になるとは言えない
 不幸がつづいても、幸せが来るとは限らない


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント

明日という日はミステリー、



10円・この話は実話です、
この話を読むと、「価値観」や「解釈」は
人によって違うことを感じます。


その子は、生まれながら知恵おくれでした。
幼稚園は、近所の子供たちと一緒に通っていましたが、
小学校に上がると、ちょくちょく学校を休むようになり、
一年生が終わる頃には、全く学校へ
行かなくなってしまったそうです。
二年生になっても、三年生になってもその子は、
学校に行こうとはしませんでした。
そして、四年生に上がる頃、
父親と、母親が話し合って、
養護学校に預ける事にしました。
養護学校には、寮みたいなものがあって、
勿論、家に帰る事はできませんでした。
四年生で入ったその子は、一年生の学習から
始めなければなりませんでした。
専門の先生が、主要教科を一対一で
丁寧に教えていきました。

その日習った新しい事を、毎日毎日、
その子は母親に電話で報告していました。
ほんの少しずつでは、ありましたが
一年間でその子は、たくさんの事を学び、
覚えていきました。

その子を、ずーっと教えていた先生が、
ある日、算数を教えようとして
お金の問題を出しました。
「ここに、五百円玉、百円玉、十円玉、
三つのお金があります。
どのお金が、一番大きなお金ですか?」と、
その子に質問しました。
「十円玉」と、答えるのだそうです。
先生は、「五百円なのよ」と、教えましたが、
同じ問題を繰り返すと、どうしてもその子は、
「十円玉」と、答えてしまうのです。

何度も、何度も、やはり答えは、十円玉だったので、
先生は、「五百円玉と、百円玉と、十円玉では、
五百円玉が、一番たくさんのものが買えるのよ。
だから、一番大きいのは、五百円玉でしょ?」
と、言うのですが、
その子が、どうしても違う、十円玉だと言うので、
先生は、「それじゃ、
十円玉のほうが大きいと思う訳を言ってごらん」
と、言ったそうです。すると、その子は、
「十円玉は、電話が出来るお金。
電話をするとお母さんの声が聞けるの!」と
話したそうです。…



犬と猫の種族を超えた愛情表現


運不運は紙一重、
その人の、時間の巡り合わせ


2014年8月16日2時過ぎのこと、
2車線道路を進行中
側道から出てきた車を避けようとして、
中央分離帯に乗り上げ、
横転(逆転)でも運良く、無事

事故1

ところが半年して、今度は、
朝起きたら、手足が痺れ
フラフラして眠たいので、
昼過ぎまで寝ていたら良くなった、
忙しかったので4~5日して、
病院で検査したら、脳梗塞と診断、
手遅れとのこと、…
血圧が高くて血管が切れたのは、
糖尿病から来ている可能性が高いとのこと、

事故3

1ヶ月での検査で、脳の切れた血管の影は
微かに見えるけど、殆ど影響はないとのこと、
糖尿病も現在クスリは飲んでるが、
普通の健康体に戻りつつ、今に至る
3ヶ月検査でも、脳梗塞の後はなくなってた。

事故2

人生にはいろんな出来事が起るが、
命に影響する事が、間を置かず、
2回も死ぬような目に遭うと、生き方も変り、
タバコは吸わなくなり、食事も野菜中心になり、
考え方も、怒ると言う感情も、我慢するということも
自然と身についたような気がします。
でも、なくなったこともあります、
体力と、気力の衰えです、

事故4

人間万事塞翁が馬、成るようにしか成らない
命ある限りは生きられる…そして、今が在る

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだ…よ、
言えば愚痴になるから…。



時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる





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信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.

幸せな家庭生活が妻の病死により一転、
悲しみの毎日へと変わった。
幼子を抱えて生きてゆくには
多くの人々の支えがあった。
精一杯生きる中での様々な出会いと
悲しい別れを繰り返し、
不思議な出来事にも遭遇する。
そして、そこには新たな愛が存在していた。……

Author: 壇次郎

どんぐりからの手紙 (25話)
初恋


まりこ美容室の真里子さんは、最近、温泉旅行に
凝っているそうです。
私の実家に行った時の露天風呂が
忘れられなくなってしまったのでしょう。
美容室はお弟子さんに任せ、友達同士、ご主人抜きで、
熊が出そうな山奥の露天風呂に浸かるのが
楽しみだそうです。
香絵ちゃんは、今のところ全く結婚願望がありません。
相変わらず多くのボーイフレンドが彼女の誕生日に
贈り物を貢いでいる様子です。そして、
たまにその一部が私の店に並ぶことがあります。
「おじさんとなら、結婚してもいいよ」
なんて、嬉しいことを言ってくれますが、
歳が十八才も離れています。いくら私でも本気にはなれません。
また、正直なところ、咲子への遠慮があるのかもしれません。
一方、隆は高校の受験勉強に励みながら、
新聞配達を始めていました。雨の日も、風の日も、
そしてどんなに寒い雪の日も、暗い内から起き出しては
商店街で新聞を配り回っていました。
時には帰り道、朝早くから働いている
お豆腐屋さんやパン屋さんからおすそ分けを頂き、
帰って来ることもありました。
アンティークショップの売り上げも順調になり、
なにかと忙しかったこの年も、残るカレンダーの枚数が
あとわずかになっていた頃でした。
真里子さんが、温泉旅行のお土産を持って、
私の店を訪れました。

真里子「剛さん、こんにちは。これ、
 新潟のお土産、少ないけど、隆君と食べてね」
剛「あれ、真里子さん、また温泉だったの? 
 どおりで、お肌ツヤツヤだと思ったよ。
 これ以上綺麗になって、どうするの?」
真里子「いつも嬉しいこと言ってくれるね、あんたは・・・。
 ところでね、隆君、最近様子はどう?」
剛「別に、普段と変わりないけど、隆がどうかしたの?」
真里子「実はねぇ、夕べ、旅行から帰って来た時、
 駅前で隆君のこと見たの。
 女の子と手を繋いで、歩いていたけど・・・。
 気まずい思いをさせちゃったら可愛そうだから、
 別に声も掛けずにいたけどね・・・。
 剛さん、知ってた?」
剛「いや・・・、俺、初耳だよ。
 隆もそんな年頃になったんだ・・・。
 俺の場合は、野球ばっかりしていたから、
 隆の年頃の時には、女と付き合うなんてことは無かったし、
 経験ないからなぁ。どうしたらいいんだろう、・・」
真里子「別に、放っておいて、いいんじゃない? 
 でも、もし、帰りが遅くなってきたり、
 訳のわからない事言い出したら、要注意だよ。
 相手の子も、真面目そうだったから、心配ないよ」
剛「それならばいいんだけど・・・。
 俺、男女交際は、ほんと、経験不足だからなぁ・・・」
真里子「じゃあ、剛さんって、奥さんが初めての女性?」
剛「自慢して良いのかどうか解らないけど、最初で最後さ」
真里子「どおりで、あんた、香絵の気持ちが解らないはずだよ」
剛「えっ、香絵ちゃんの気持ちって?」
真里子「いや、そんなのどうでもいいの・・・。
 それよりも、隆君のこと、よく見ておくのよ」

時が経つのは早いものです。
隆に彼女が出来ていたなんて、
隆はもう、そんな年頃なのでした。
よく考えると、咲子を亡くし、十年になります。
私にとって悲しい気持ちは、あの頃とちっとも
変わっていませんが、どれほど回りの人々に
助けられていたことでしょうか。
隆が付き合っていた彼女は、同じクラスの同級生でした。
その女の子は美穂と言い、常にクラスで
一、二番を争う程の成績優秀な可愛い女の子でした。
美穂の父親は、老舗呉服屋の三代目で、
美穂は何不自由無く、お嬢様として育てられていました。
美穂の父親も三代目と言うこともあり、
周りにチヤホヤされていたせいか、
世間知らずな部分もありました。
友人に借金の保証人を頼み込まれた
人のいい美穂の父親は、
それを断ることも出来ず、借用書の保証人欄に
判を付いてしまいました。
しかし、その友人は借金を残して行方不明となり、
保証人である美穂の父親がその借金を
返す羽目となってしまいました。
でも、借金の額は膨大です。
所有していた店やビル、土地はおろか、
家族と暮らす家までも手放すことになってしまいました。
それでもまだ借金は残り、
美穂の家族は途方にくれている状態でした。
そして一家は、次第に、心身共に追い詰められた
生活に代わっていった様子でした。

隆「美穂は、高校、どこにするの? 
 俺と違って、美穂は頭がいいから、
 どこ受けても合格、間違い無しだよな・・・」
美穂「そんなこと無いよ。ほんとは、私、
 高校どころじゃないかもしれないんだ・・・」
隆「・・・?」
美穂「うちのお父さん、なんだか仕事、苦しいらしく、
 借金抱えて悩んでるんだ。だから、お母さん、
 毎日不機嫌で・・・。うちにはお金が無いって、
 いつもぼやいているの・・・。
 私にもヤツ当たりするし・・・。夕べも、
 お父さん、ご飯食べようとしたら、『お米が減る』って、
 お母さん怒鳴ってた。私、もう、うんざり・・・。
 お父さん、いつ死んでもいい様に、
 生命保険だけは、ずっと掛け続けるって、
 お母さん、言ってるんだ・・・」

美穂は幼い頃の父親との思い出を思い出していました。
父親は休みになると、必ず美穂を遊園地や動物園、
水族館に連れて行ってくれました。
海や山にも連れて行ってくれました。
そんな時の父親が自分を見ている笑顔からは、
溢れんばかりの愛情を感じることが出来ました。
美穂には父親とどこかに行った記憶が多い反面
、母親と出かけた記憶がありません。
いつもの父親との外出には、母親の姿はありませんでした。
世間では、母親と買い物をする女の子の姿が
よく見受けられますが、美穂の場合、
そんな記憶さえありませんでした。

隆「お金って、無ければ無いなりに工夫すればいい、
 助け合えばどうにかなるもんだって、
 うちの父さん、よく言ってるけど・・・」
美穂「うちのお母さん、うちが裕福だったから、
 お父さんと結婚したんだって・・・。
 それが、今みたいに、こんな風になるなんて、
 思ってもいなかったって、いつも愚痴こぼしてるよ。
 お父さん、お母さんに何を言われても黙っているだけで・・・。
 私、今、お小遣い貰ってない事お父さん知っていて、
 きのう、そっと私に千円くれたんだぁ、
 『お母さんには内緒だよ』って言って・・・。
 お父さん、お昼も食べていないみたい・・」
隆「うちの父さん、店の売り上げがあまり無い時、
 高田さんに世話になってたみたいだよ。
 夜中に働きに出ていた時なんか、
 俺、おばちゃんちに行ってたよ。
 それでも、だれも何も言わなかったけど・・・」
美穂「いいなぁ・・・、隆んちは・・・」
隆「美穂には、父さんも母さんもいるじゃないか・・・。
 俺んちは、母さん、いないし・・・。
 俺、5歳の時死んじゃったから、あまり覚えてないし・・・」
美穂「でも、隆のところ、いろんな人来るじゃない・・・。
 香絵さんって言うお姉さんや、まりこ美容室の先生や、
 税理士さんから、八百屋さんから、商店街の人たち、
 いっぱい来るじゃん・・・。羨ましいよ。
 うちも、以前は、いろんな人来てたけど、
 お父さんに借金が出来たとたん、誰一人、来なくなっちゃたよ」
隆「うちも、父さん、借金したら、誰も来なくなるのかなあ・・・」
美穂「なんだか、人って、寂しいね・・・」


続く

Author: 夢庵壇次郎
http://www.newvel.jp/library/pso-1967.html


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



歌は心の走馬灯、
花に例えた古い歌
 今さら聞いても仕方がないが
 何処に置いても飾っても
  歌も花も、枯れてゆく……
  人生、絵模様、万華鏡…


泣いた数だけ倖せに 小林旭



時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる





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きれいなお風呂・宣言

お風呂物語

2015年2月21日 (土)

信じれば真実、疑えば妄想……

妄想劇場・番外編

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、

落語の原型とも言われている江戸小咄は、
話の春画ともいうべきもので、
江戸時代の庶民の楽しみとして広く伝わって
現代にまで至っています。

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これは、昔の宿屋でございますが、
今で申します・・・あいまい宿、
いかがわしい営業をしている宿屋の一つでございます。
宿の亭主というのが、エ、田舎から出て来たばかりという
家出娘を専門に狙って、
えー、けしからん稼ぎをしている。
親切ごかしにだまして、自分の宿へ連れこんで、
えー、泊めまして、ムリヤリに、
この・・・客をとらせるんですナ。
亭主「おいおい、ねえちゃん、ねえちゃん・・・
ええ、おう、そこ通るねえちゃん!」
娘「へ、へえ、おらですだか?」
亭「あァ、その”おら”だ・・・ウン。どうしたね、
え、見れば、藁草履(わらぞうり)をひきずって、
おうおう、ほこりまみれになって、
ずいぶんクタびれてる様子だ。どっから来たね」
娘「ヘエ、安孫子の在から、夜通し歩いて来ましただ・・・」
亭「いやア、そりゃたいへんだ。で、どこへ行きなさる?」
娘「行くアテはねえだ。どっか奉公サしてえと思ってるだ・・・」
亭「うーん、そいつア危ねえ話だなア。
 江戸てェところは、生き馬の目ェ抜くってェくれえなもんだからナ」
娘「エ、あンですだと?」
亭「生きた馬の目の玉ァ抜くんだよ」
娘「ハレ、馬の目玉ァ抜いてどうするだ、
 つくだ煮にでもするのけエ?」
亭「なに、馬だからつくだ煮にゃしやしねえ、
 ウマ煮にして・・・あ、いやいや、
 そんなくだらない話をしてるんではない・・・。
 西も東もわからねえで、ましておめえさんのような
 きれいなねえちゃんが、マゴマゴしてると、
 悪いやつにブツかったら、とんだ目に会う。
 奉公口なら、どうだ・・・。
 私が世話してもいいんだぜ・・・」
娘「ハレマ、フンとですだか・・・」
亭「あア、なんならうちへ奉公してくれてもいいんだ。
 サ、サ、ま、くわしい話はあとにして、
 疲れていなさるだろう。うちへ上がって、お休みなさい」
娘「おら、宿賃持ってねえ・・・」
亭「そんなもの、心配いりゃしねえ。さアさ・・・
 足ィすすいだら、この階段をトントントントーンとあがってナ、
 廊下ァ、まっすぐ行くと・・・右へまっすぐだぜ。
 左へまっすぐだど、非常口から落っこちて、
 小便つぼへはまるから・・・。右へまっすぐ行って、
 一番奥の部屋・・・ああ、六畳だ。
 そこがあいてるからナ、勝手に押し入れから
 ふとんひっぱり出して休みなせえ」
娘「へ、ヘエ、すみましねえだ」
亭「昼間ンうちは、忙しいから、相手はできねえが、
 夜になったら、部屋へ行って、
 とっくりと相談に乗ろうじゃねえか、
 あ、真っ暗な中じゃ、人違いでもしたらいけねえ。
 ここに、麻裏の羽織がある。
 こいつを裏ッ返しに着て行くからナ。
 暗がりでも、手でなでて・・・。
 あァ、なでてごらん、エ、その手ざわりをよく覚えておくんだ、
 ナ。その手ざわりが入って来たら、
 黙って中へ入れるんだ。
 どんな悪いやつが狙うかわからない、
 その手ざわりがなかったら、大きな声を出してさわぎなさい。
 この手ざわりがあったら、黙ってる、
 えッ、何があっても声を出さない。いいね、わかったね?」
娘「へエ、ありがとうごぜえます。
 そんならおことばサあまえまして・・・」
トントントントンと二階へあがる。
亭「おう、悪いヤツにゃ気をつけるんだぜ、おい・・・」
なに、てめエが一番、悪い・・・。

客「おう、おやじさん、いるかい?」
亭「へえ、いらっしゃい、おう、旦那ですかい?」
客「どうだい、近ごろア・・・
 たまにゃ、かわったいい娘ァいるかい?」
亭「あ、ちょうどよござんした。今夜いるよ、
 もうできたてのホヤホヤ・・・」
客「つきたての餅じゃァねえや。
 なンだい、そのホヤホヤてえのは?」
亭「ヘエ、田舎から出たばかりってエ、
 まじりっけなしのオボコ娘を仕入れたんで・・・」
客「おやじさんのオボコ娘はあてにならねえや、
 こないだなんかは、てえへんなアバタ面をあてがわれたじゃねえか。
 文句いったら、顔に、ボコボコ穴があいてるから、
 オボコ娘だ・・・ッてやがる」
亭「いえ、あのう、今日はもう間違ェのねえところで・・・」
 ええ、糸も通したことがねえという新鉢なんで・・・。
 その代り値はちっと張りますぜ」
客「いくらだい?」
亭「二分です」
客「二分?二分とはまた、気張りやがったナ、
 格子女郎なみだ。ま、いいや、
 新鉢ってェなら・・・ホラよ、二分金だ」
亭「ヘエ、どうも、ありがとう存じます」
客「女ア、どこにいるんだ?」
亭「ええ、この二階をトントーンと上がりましてネ、
 右へまっすぐ行って、右ですぜ。
 左ィ行くと非常口から落っこちる。
 右ィ行って廊下の一番奥の部屋なんで・・・。
 あッ、この羽織をね、裏返しに着てっておくんなさい。
 手ざわりでもって、黙って迎え入れる話が、
 デキてるんですから・・・」
客「あ、そうかい。じゃ、ちょいと行って來らア」
亭「ヘエ、行ってらっしゃい。あ、右ですぜ。
 左ィ行くと落っこちるから・・・」
トントントントーンと二階へ上がって行きまして、
半刻もすると、トコトコ、トコン、トコン・・・降りて來る。

亭「いよッ、旦那ァ・・・おたのしみ。どうです。
 よかったでやしょう?」
客「(ため息)何ヲ言ってやンでえ。
 おう、おやッさん、何がオボコ娘だよ、
 あれが・・・えッ、何が新鉢でえ!」
亭「へッ、ど、どうしたんで?」
客「羽織の手ざわりも何もありゃしねえや。
 部屋へはいると、いきなりしがみついて来て、
 鼻息を荒くしてよ・・・」
亭「はてネ?」
客「下ァ大ほころびが切れてやがって、
 たちまち、グショグショになりやがって・・・」
亭「へーえ?」「腰ァ使う、茶臼ァつく、
 おまけに、おれが一ぺん行くうちに、
 三べんも行きゃァがった。
 あれがオボコ娘たァすさまじい、金ェ返せ」
亭「おかしいナ、そんなはずァねえんだがナ。
 廊下のつきあたりの・・・左ィかわの
 部屋にへえったんでしょうナ」
客「なンだかしらねえが、おめえが右々とさわぐもんだから、
 右ッ側の部屋に入った」
亭「えッ、右ッかわ?し、しまったあ!」
客「ど、どうしたんでえ?」
亭「そ、そりゃァ・・・あたしの、女房です・・・・」
おあとはよろしいようで…



歌は心の走馬灯、
花に例えた古い歌
 今さら聞いても仕方がないが
 何処に置いても飾っても
  歌も花も、枯れてゆく……
  人生、絵模様、万華鏡…


夜の阿呆鳥 小林旭



定本艶笑落語
さるお屋敷の若様がお嫁さんをおもらいになりました。
ところがこの若様というのが堅いお人で、
いまだ童貞でございまして...
さて、初めてのお床入りということになりますが、
いったいどうしたらどうなるのか、
皆目見当もつかない。そこで、爺にこっそりときいてみた。
爺 では、若、こういたしましょう。
 この爺めが次の間に控えまして、
 太鼓にて合図をいたしましょう。
若 太鼓にて、ふむ。で、いかがいたすのじゃ?
爺 さよう。まず、若が姫様の上に、お乗り遊ばしませ
若 予が、上に乗るのじゃな
爺 御意  しかる後、若のお道具を姫様の秘め所に
 おあてがいなさいませ
若 うむ、予の抜き身を姫の秘め所にな
爺 御意  そのとき、拙者が太鼓をひとつ叩きまする。
 その一番を合図に、まず若はお道具を秘め所に、
 ズズイ、とお進めください
若 なんと、ズズイと...差し込むのじゃな
爺 御意  しかる後、拙者が二番太鼓を打ちますれば、
 こんどは中ほどまでお抜きくだされ
若 中ほどか。全部抜くのではないのだな。
 ふむ。一番で入れ、二番で中ほどまで抜くのじゃな。
 ふむふむ...
爺 三番でまた入れ、四番で抜く。
 つまり太鼓の拍子の通りになさいませ
若 うむ! 心得た。大儀であるぞ
どーん...どーん...どーん...
爺は忠義の心をバチに込めまして、
ゆっくりと一番、また一番、おごそかに太鼓を打ち続ける。
すると、襖が三寸ほど開きまして
若 爺...
爺 はっ!
若 もう少し早打ちにいたせと、姫が申しておる...
そもそも、「姫」という言葉の響き自体が
エロティックだ...と思うのは私だけでしょうか?
お後がよろしいようで…



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
     今、微笑む花も、明日には枯れる





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明日という日はミステリー



葬られた課長の過去


旦那の上司の話です。
(亡くなったお子さんの話。)
主人の上司のA課長は、病気で子供を失いました。
当時5歳。幼稚園でいえば、年中さんですね。
原因は分かりません。不治の病だったそうです。














Aさんも、Aさんの奥さんも絶望の淵に立ったそうです。
奥さんは、突然Aさんに皿を投げつけたりする
DV行為を行ったそうです。
ストレス発散だったのでしょうか。
Aさんは事情が理解できていたので、
黙って見守っていたそうです。
我が子を失った思いというのは、
自分さえ深く深く傷ついている。
ましてや、奥さんは私が仕事でいない間も
ずっと一緒だった。
たとえば入院してからも、自分は
仕事で病院に行けない日があったのに、
奥さんはずっと通っていたわけです。
Aさんも悪いなあと思っていました。
その時点では、いずれ退院したら、
どっか連れて行こうか、女房と子供は
ディズニーが好きだから、連れていけばいいや、と
軽く考えていたそうです。

その矢先のお子さまの突然の天界。
Aさんも自分の過ちを気づいたそうです。
その時、その一秒でも子供と、
奥さんと共に接していれば、わずかな時間でも
共有していれば、たとえ結果は一緒だったけれど、
過程は全然異なる。そう自責の念に駆られたそうです。
子供を失った夫婦というのは、
とてつもなく大きな暗い穴が広がるそうです。
我が子はうざいと思う時もありますが、
いざ、最初からいないと仮定すると、
それは考えられない。失う、消えるという事態が
突然自分の事になるのはとても
理解できないと思います。
そういう場面にAさん夫妻は直面したわけです。
その後は毎日が夫婦喧嘩。一方的に奥さんが
罵るわけですが、
Aさんも耐えてるけれど、悪いとは思いながらも、
時折言い返してしまう。

メビウスの輪の悪循環。
Aさんと奥さんは精神的にボロボロに
崩れ落ちていました。
当時A課長は、私の旦那を送ってきた際に
『きみの子たちは元気だね。
それは結構幸せな事なんだ。
ゼロになるというのは本当に
信じられないことなんだ。
気が狂うよ。』と涙目で。言ってました。
後々になって話を聞くと、実際に、
備長炭を用意していたそうです。
死ぬ一歩手前。そんな時の話です。

『ディズニーランドに行ってみようか。』
そう思ったA課長はその考えを
奥さんに言いました。
なぜならその日は生きていれば我が子の
誕生日だったからです。
それに、子供は病院で息を引き取る前に、
ミッキーのぬいぐるみを抱いていたほど
ディズニーが大好きだった。
Aさんは、子供が亡くなるまで毎年、
ディズニーランドで子供の誕生日を
祝っていたのでした。
今年も生きていれば当然ながら行っていた。
自分の家のイベントだった。
それを思い出したんです。
それで一周忌に子供の約束は
守ろうかって思ったんですね。

Aさん夫婦はディズニーランドに行きました。
最初は後悔したそうです。すれ違う親子連れ。
ミッキーの帽子をかぶってじゃれ合う親子連れ。
同い年であろう子供を見るたびに
涙がこぼれそうになったそうです。
だって我が子も一緒に来ていれば
同じことをしていたわけです。
手の温かさを思い出したそうです。
『パパ、ママ。』亡き子供の声を何万回も
聞いたそうです。
もし、自分の子供が生きていたら、
こんなふうに乗り物に乗っていたんだろうか。
こんなものを一緒に食べて喜んでいたのかなあ。
ディズニーランド内を歩くたびに亡くなった子供の
笑顔ばかりが頭に浮かんだそうです。

Aさんは『来なければよかったよ』と
思ったそうです。
奥さんも同じことを考えていたのか、
Aさんを睨み付けるばかり。『帰ろうよ。』
さらに『あなたは私に悲しみを与えるばかり。』
『最悪の夫だよね。』とも言われたそうです。
宣告ですね。
Aさんは、ふと、そんな奥さんを見て思ったそうです。
ぼくと一緒にいるから彼女は子供のことを思い出し、
救いようのない泥沼から這い上がれずにいる。
それは自分も同じだ。お互いに幸福になるには?
導き出した結論は離婚でした。
子供を亡くした親は必ず離婚を意識するそうです。
理由はこれ以上、子供のことを思い出して、
互いに傷つきたくはないから。
それが天国にいるであろう、我が子に対しての償い。
償いとは、自分自身に対する運命のカルマです。

真剣に離婚を考えながらもA課長は、
予約してあるレストランへ行きました。
そこではお互い、言葉は交わすことはなくても、
これが一緒に取る最後の食事であることは
なんとなく、感じていました。
子供が生きていたら喜ぶであろう、
ミッキーマウスのショーが見れるレストラン。
これが最後の晩餐になるんだろうなぁ、と
夫婦共に考えていたそうです。

A課長は自分の心は死んだ子供にある。
奥さんも亡くなった子供だけしか
考えられなくなっている。
どんなに思おうが、子供は生き返らない。
苦痛のジレンマ。
だけど、二人にとっては決して
忘れることができないし、
忘れる気持ちも毛頭ない、
楽しい日々の思い出がある。
共有する楽しい思い出と共に、
残酷なまでに続く悲しい思い出。
子供の笑顔が脳裏で蘇るたびに、
罵り合い、互いに傷つけ合う。

レストランに入り、
「予約していたAですが。」と伝えると、
係の者(キャスト)は席に案内してくれました。
テーブル席。空席がありますが、
それは亡くなった子供の席です。
Aさんと奥さんの間にポツンとある一つの空席。
あいにくと、その日は非常に混んでおりました。
日本はおろか、アジア中から
客(ゲスト)が来ていたから当然です。
Aさんの席は二人だけなのに、
4人掛けのテーブル。
Aさんもちょっぴり悪いかな、と考えました。
そんな時に、キャストは来て言いました。
『お客さま、大変申しわけございませんが、
御夫婦さまでしたら、二人掛けのテーブルに
移っていただけないでしょうか?
御家族連れに、困っているお客さまのために。』
そう言ったそうです。

夫婦だけなら、もっと小さなテーブルに行って、
大きなテーブルは待ち疲れたファミリーに譲る。
それはディズニーに限らず、レストランで
食事を摂る者の当たり前のマナーです。
だけど、Aさんは「悪いな」とは思いつつ
言いました。
『混んでいるのは分かるんだよね。
できることなら僕だって席を譲りたい。
でも、実は、昨年、私たちの子供が
病気で死んだんだ。
今日は、私たちの子の誕生日なんだ。
私たちは子供の誕生日を祝ってあげたい。
この真ん中の席には、子供が
座る予定だったんだ。
約束していたんだ。二人だけであれば当然、
席を譲ろうかとも思うんだけれど、
亡くなった子のバースディだから、
大変申しわけないんだけど、このままで
いさせていただけないだろうか』と
言ったそうです。

そのキャストは、しばらく考えると、
『お客さま、それは大変失礼な事を
言ってしまいました。
大変申しわけございません。どうぞ、
このままの状態でいらしゃって下さい。』と
言って去って行ったそうです。
しばらくして食事が来ました。
注文したのは二人分のフレンチの
コースだったのに、
なぜか三人分が来たそうです。
しかも、真ん中の席にはきちんと
お子さまランチが置かれたそうです。
ドリンクはオレンジジュース。
Aさんはキャストを呼びました。
『自分たちは子供の分までは注文していない。』と。
すると、『これは店のサービスです。
お子さまの分はお店のサービスです。』
そうキャストは言ったそうです。

しばらくして、天井の明かりが少しばかり
落とされたかと思うと、突然、
アナウンスがありました。
Aさん夫妻は何だろう?と思い、
マイクの発信先に目をやりました。
すると、そのキャストが大きなケーキを
持っていました。
それもバースデーケーキを。
『みなさま、大変申しわけございません。
本日は特別な日です。ここにいらっしゃる方の
お子さまの誕生日なのです。
どうかみなさま、いっしょにハッピーバースデーを
一緒に歌ってはいただけませんか。』
そう言うと、音楽と共に、ケーキをAさんの
テーブルに運んできてくれたそうです。

幾人ものお客さんが、音楽に合わせて、
ハッピーバースデーを歌ってくれたそうです。
テーブルに運ばれてきたケーキ。
すると自然に蝋燭の火が消えたそうです。
理由は分かりませんが静かに消えた。
Aさん夫婦が立ち上がってお礼のために
頭を下げると、拍手が起こったそうです。
おめでとう。おめでとう。
やがてショーが始まったそうです。
ミッキーのショーですね。
そのとき、Aさん夫婦は、奇跡を見たそうです。
真ん中の席に、誰もいないはずの席に、
我が子が座っている。
ミッキーの踊りを見て喜んで手を叩いている。

ああ。ああ。君と一緒に見たかったんだよ。
Aさんは涙目になりながら、我が子、
生前の我が子からは少し成長した
我が子を見たそうです。笑顔で喜ぶ我が子を。
横に目線を走らせると、Aさんの奥さんも
ハンカチで目頭を押さえて、同じように、
空席に座る少し成長した我が子を
見ることを体験したそうです。

そのとき、夫婦で悟ったそうです。
ぼくたちは間違っていたのかもしれないね。
ぼくたちが喧嘩ばかりしていたら、
亡くなった子供はますます悲しくなってしまうよね。
悲しみがひどすぎて、天国へもいけないね。 
ぼくたちは間違っていたんだ。
子供のことは忘れてはいけない。
だけど、前に進まなればならないんだね。
そう、夫婦で一瞬にして悟ったそうです。
その直後、真ん中に座る子供は
Aさんと奥さまを右、左とゆっくりと見て、
微笑んだそうです。
声は出すことはなかったそうですが、
こう聞こえたそうです。

『ありがとう。ありがとう。
パパとママ、ありがとう。』
やがてショーが終わり、店内に明かりが
再び灯りました。
Aさん夫婦の間には手を付けられていない
料理が一つ。
だけど、いま体験した奇跡は
夫婦は本物であると疑いを持つことは
ありませんでした。
二人手を握り締め合って、
ディズニーランドを後にしたそうです。…




 

メビウスの輪とは、
テープの端を180度ひねって、
もう一方の端につないだものである。


このメビウスの輪を半分に切ったら、
どうなるだろう。? 三択、予想。





















誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。


時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる



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お風呂物語

2015年2月19日 (木)

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昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー



一杯のかけそば、この物語は、
1972年の大晦日の晩、札幌の時計台横丁
(架空の地名)にある「北海亭」という
蕎麦屋に、閉店間際に、子供を2人連れた
貧相な女性が現れる。…から始まりました。…


そば屋にとって一番のかき入れ時は大晦日である。
北海亭もこの日ばかりは朝からてんてこ舞の
忙しさだった。
いつもは夜の12時過ぎまで賑やかな表通りだが、
夕方になるにつれ家路につく人々の足も速くなる。
10時を回ると北海亭の客足もぱったりと止まる。
頃合いを見計らって、人はいいのだが
無愛想な主人に代わって、
常連客から女将さんと呼ばれているその妻は、
忙しかった1日をねぎらう、大入り袋と
土産のそばを持たせて、
パートタイムの従業員を帰した。

最後の客が店を出たところで、
そろそろ表の暖簾を下げようかと
話をしていた時、
入口の戸がガラガラガラと力無く開いて、
2人の子どもを連れた女性が入ってきた。
6歳と10歳くらいの男の子は真新しい
揃いのトレーニングウェア姿で、
女性は季節はずれのチェックの
半コートを着ていた。
「いらっしゃいませ!」と迎える女将に、
その女性はおずおずと言った。
「あのー……かけそば……
1人前なのですが……よろしいでしょうか」
後ろでは、2人の子ども達が
心配顔で見上げている。
「えっ……えぇどうぞ。どうぞこちらへ」
暖房に近い2番テーブルへ案内しながら、
カウンターの奥に向かって、
「かけ1丁!」と声をかける。
それを受けた主人は、チラリと
3人連れに目をやりながら「あいよっ! 
かけ1丁!」とこたえ、
玉そば1個と、さらに半個を加えてゆでる。
玉そば1個で1人前の量である。
客と妻に悟られぬサービスで、大盛りの分量の
そばがゆであがる。
テーブルに出された1杯のかけそばを囲んで、
額を寄せあって食べている3人の話し声が
カウンターの中までかすかに届く。

「おいしいね」と兄。「お母さんもお食べよ」と
1本のそばをつまんで母親の口に持っていく弟。
やがて食べ終え、150円の代金を支払い、
「ごちそうさまでした」と頭を下げて出ていく
母子3人に、「ありがとうございました! 
どうかよいお年を!」と声を合わせる
主人と女将。
新しい年を迎えた北海亭は、
相変わらずの忙しい毎日の中で
1年が過ぎ、再び12月31日がやってきた。

前年以上の猫の手も借りたいような、大晦日
10時を過ぎたところで、
店を閉めようとしたとき、
ガラガラガラと戸が開いて、
2人の男の子を連れた女性が入ってきた。
女将は女性の着ているチェックの
半コートを見て、
1年前の大晦日、最後の客を思いだした。
「あのー……かけそば……
1人前なのですが…よろしいでしょうか」
「どうぞどうぞ。こちらへ」
女将は、昨年と同じ2番テーブルへ
案内しながら、「かけ1丁!」と
大きな声をかける。
「あいよっ! かけ1丁」と主人はこたえながら、
消したばかりのコンロに火を入れる。
「ねえお前さん、サービスということで
3人前、出して上げようよ」
そっと耳打ちする女将に、
「だめだだめだ、そんな事したら、
かえって気をつかうべ」と言いながら
玉そば1つ半をゆで上げる夫を見て、
「お前さん、仏頂面してるけどいいとこあるねえ」と
ほほ笑む妻に対し、
相変わらずだまって盛りつけをする主人である。

テーブルの上の、1杯のそばを囲んだ
母子3人の会話が、
カウンターの中と外の2人に聞こえる。
「……おいしいね……」
「今年も北海亭のおそば食べれたね」
「来年も食べれるといいね……」
食べ終えて、150円を支払い、
出ていく3人の後ろ姿に
「ありがとうございました! どうかよいお年を!」
その日、何十回とくり返した言葉で
送り出した

商売繁盛のうちに迎えたその翌年の大晦日の夜、
北海亭の主人と女将は、
たがいに口にこそ出さないが、
九時半を過ぎた頃より、そわそわと落ち着かない。
10時を回ったところで
従業員を帰した主人は、
壁に下げてあるメニュー札を裏返した。
今年の夏に値上げして
「かけそば200円」と書かれていた
メニュー札が、150円に早変わりしていた。
2番テーブルの上には、
すでに30分も前から「予約席」の札が
女将の手で置かれていた。

10時半になって、店内の客足が
とぎれるのを待っていたかのように、
母と子の3人連れが入ってきた。
兄は中学生の制服、弟は去年兄が着ていた
大きめのジャンパーを着ていた。
2人とも見違えるほどに成長していたが、
母親は色あせたあのチェックの
半コート姿のままだった。
「いらっしゃいませ!」と笑顔で迎える女将に、
母親はおずおずと言う。
「あのー……かけそば……2人前なのですが
……よろしいでしょうか」
「えっ……どうぞどうぞ。さぁこちらへ」と
2番テーブルへ案内しながら、
そこにあった「予約席」の札を何気なく隠し、
カウンターに向かって「かけ2丁!」
それを受けて「あいよっ! かけ2丁!」と
こたえた主人は、玉そば3個を
湯の中にほうり込んだ。
2杯のかけそばを互いに食べあう
母子3人の明るい笑い声が聞こえ、
話も弾んでいるのがわかる。
カウンターの中で思わず目と目を見交わして
ほほ笑む女将と、例の仏頂面のまま
「うん、うん」とうなずく主人である。

「お兄ちゃん、淳ちゃん……
今日は2人に、お母さんからお礼が言いたいの」
「……お礼って……どうしたの」
「実はね、死んだお父さんが起こした事故で、
8人もの人にけがをさせ
迷惑をかけてしまったんだけど
……保険などでも支払いできなかった分を、
毎月5万円ずつ払い続けていたの」
「うん、知っていたよ」
女将と主人は身動きしないで、
じっと聞いている。
「支払いは年明けの3月までになっていたけど、
実は今日、ぜんぶ支払いを済ますことができたの」
「えっ! ほんとう、お母さん!」
「ええ、ほんとうよ。
お兄ちゃんは新聞配達をして
がんばってくれてるし、
淳ちゃんがお買い物や夕飯のしたくを
毎日してくれたおかげで、
お母さん安心して働くことができたの。
よくがんばったからって、
会社から特別手当をいただいたの。
それで支払いをぜんぶ終わらすことができたの」
「お母さん! お兄ちゃん! よかったね! 
でも、これからも、夕飯のしたくはボクがするよ」
「ボクも新聞配達、続けるよ。
淳! がんばろうな!」
「ありがとう。ほんとうにありがとう」

「今だから言えるけど、淳とボク、
お母さんに内緒にしていた事があるんだ。
それはね……11月の日曜日、
淳の授業参観の案内が、学校からあったでしょう。
……あのとき、淳はもう1通、
先生からの手紙をあずかってきてたんだ。
淳の書いた作文が北海道の代表に選ばれて、
全国コンクールに出品されることになったので、
参観日に、その作文を淳に読んでもらうって。
先生からの手紙をお母さんに見せれば
……むりして会社を休むのわかるから、
淳、それを隠したんだ。
そのこと淳の友だちから聞いたものだから
……ボクが参観日に行ったんだ」
母「そう……そうだったの……それで」
「先生が、あなたは将来どんな人に
なりたいですか、という題で、
全員に作文を書かしました、

淳くんは、『一杯のかけそば』という題で書きました。
先生『これからその作文を読んでもらいます』って。
『一杯のかけそば』って聞いただけで
北海亭でのことだとわかったから……
淳のヤツなんでそんな恥ずかしいことを
書くんだ! と心の中で思ったんだ。
作文はね……お父さんが、交通事故で死んでしまい、
たくさんの借金が残ったこと、
お母さんが、朝早くから夜遅くまで働いていること、
ボクが朝刊夕刊の配達に行っていることなど
……ぜんぶ読みあげたんだ。

そして12月31日の夜、
3人で食べた1杯のかけそばが、
とてもおしかったこと。
……3人でたった1杯しか頼まないのに、
おそば屋のおじさんとおばさんは、
ありがとうございました! どうかよいお年を!
って大きな声をかけてくれたこと。
その声は……負けるなよ! 頑張れよ! 
生きるんだよ! って
言ってるような気がしたって。
それで淳は、大人になったら、お客さんに、
頑張ってね! 幸せにね! って思いを込めて、
ありがとうございました! と言える
日本一の、おそば屋さんになります。って
大きな声で読みあげたんだよ」

カウンターの中で、聞き耳を立てていたはずの
主人と女将の姿が見えない。
カウンターの奥にしゃがみ込んだ2人は、
1本のタオルの端を互いに
引っ張り合うようにつかんで、
こらえきれず溢れ出る涙を拭っていた。

「作文を読み終わったとき、
先生が、淳くんのお兄さんが
お母さんにかわって来てくださってますので、
ここで挨拶をしていただきましょうって……」
「まぁ、それで、お兄ちゃんどうしたの」
「突然言われたので、
初めは言葉が出なかったけど
皆さん、いつも淳と仲よくしてくれてありがとう。
……弟は、毎日夕飯のしたくをしています。
それでクラブ活動の途中で帰るので、
迷惑をかけていると思います。
今、弟が『一杯のかけそば』と読み始めたとき
……ぼくは恥ずかしいと思いました。
……でも、胸を張って大きな声で
読みあげている弟を見ているうちに、
1杯のかけそばを恥ずかしいと思う、
その心のほうが恥ずかしいことだと思いました。
あの時……1杯のかけそばを頼んでくれた
母の勇気を、忘れてはいけないと思います。
兄弟、力を合わせ、母を守っていきます。
これからも淳と仲よくして下さい、って言ったんだ」
しんみりと、互いに手を握ったり、
笑い転げるようにして肩を叩きあったり、
昨年までとは、打って変わった
楽しげな年越しそばを食べ終え、300円を支払い
「ごちそうさまでした」と、
深々と頭を下げて出て行く3人を、
主人と女将は1年を締めくくる大きな声で、
「ありがとうございました! どうかよいお年を!」
と送り出した。

また1年が過ぎて……。
北海亭では、夜の9時過ぎから「予約席」の札を
2番テーブルの上に置いて待ちに待ったが、
あの母子3人は現れなかった。
次の年も、さらに次の年も、
2番テーブルを空けて待ったが、
3人は現れなかった。
北海亭は商売繁盛のなかで、
店内改装をすることになり、
テーブルや椅子も新しくしたが、
あの2番テーブルだけはそのまま残した。
真新しいテーブルが並ぶなかで、
1脚だけ古いテーブルが中央に置かれている。
「どうしてこれがここに」と不思議がる客に、
主人と女将は『一杯のかけそば』のことを話し、
このテーブルを見ては自分たちの励みにしている、
いつの日か、あの3人のお客さんが、
来てくださるかも知れない、
その時、このテーブルで迎えたい、と説明していた。
その話が「幸せのテーブル」として、
客から客へと伝わった。
わざわざ遠くから訪ねてきて、
そばを食べていく女学生がいたり、
そのテーブルが、空くのを待って
注文をする若いカップルがいたりで、
なかなかの人気を呼んでいた。

それから更に、数年の歳月が流れた
12月31日の夜のことである。
北海亭には同じ町内の商店会のメンバーで
家族同然のつきあいをしている仲間達が
それぞれの店じまいを終え集まってきていた。
北海亭で年越しそばを食べた後、
除夜の鐘の音を聞きながら仲間とその家族がそろって
近くの神社へ初詣に行くのが
5~6年前からの恒例となっていた。
この夜も9時半過ぎに、魚屋の夫婦が刺身を
盛り合わせた大皿を両手に持って入って来たのが
合図だったかのように、いつもの仲間30人余りが
酒や肴を手に次々と北海亭に集まってきた。
「幸せの2番テーブル」の物語の由来を知っている
仲間達は、互いに口にこそ出さないが、
おそらく今年も空いたまま新年を迎えるであろう
「大晦日10時過ぎの予約席」をそっとしたまま、
窮屈な小上がりの席を全員が少しずつ身体を
ずらせて遅れてきた仲間を招き入れていた。
海水浴のエピソード、孫が生まれた話、
大売り出しの話。賑やかさが頂点に達した10時過ぎ、
入口の戸がガラガラガラと開いた。

幾人かの視線が入口に向けられ、全員が押し黙る。
北海亭の主人と女将以外は誰も会ったことのない、
あの「幸せの2番テーブル」の物語に出てくる
薄手のチェックの半コートを着た若い母親と
幼い二人の男の子を誰しもが想像するが、
入ってきたのはスーツを着てオーバーを手にした
二人の青年だった。
ホッとした溜め息が漏れ、賑やかさが戻る。
女将が申し訳なさそうな顔で
「あいにく、満席なものですから」

断ろうとしたその時、
和服姿の婦人が深々と頭を下げ入ってきて
二人の青年の間に立った。
店内にいる全ての者が息を呑んで聞き耳を立てる。
「あのー……かけそば……3人前なのですが……
よろしいでしょうか」
その声を聞いて女将の顔色が変わる。
十数年の歳月を瞬時に押しのけ、
あの日の若い母親と幼い二人の姿が
目の前の3人と重なる。
カウンターの中から目を見開いて
にらみ付けている主人と
今入ってきた3人の客とを交互に指さしながら
「あの……あの……、おまえさん」と、
おろおろしている女将に青年の一人が言った

「私達は14年前の大晦日の夜、
親子3人で1人前のかけそばを注文した者です。
あの時、一杯のかけそばに励まされ、
3人手を取り合って生き抜くことが出来ました。
その後、母の実家があります滋賀県へ越しました。
私は今年、医師の国家試験に合格しまして
京都の大学病院に小児科医の卵として
勤めておりますが、年明け4月より
札幌の総合病院で勤務することになりました。
その病院への挨拶と父のお墓への報告を兼ね、
おそば屋さんにはなりませんでしたが、
京都の銀行に勤める弟と相談をしまして、
今までの人生の中で最高の贅沢を計画しました。

それは大晦日に母と3人で札幌の北海亭さんを訪ね、
3人前のかけそばを頼むことでした」
うなずきながら聞いていた女将と主人の目から
どっと涙があふれ出る。
入口に近いテーブルに陣取っていた八百屋の大将が
そばを口に含んだまま聞いていたが、
そのままゴクッと飲み込んで立ち上がり
「おいおい、女将さん。何してんだよお。
10年間この日のために用意して待ちに待った
『大晦日10時過ぎの予約席』じゃないか。
ご案内だよ。ご案内」
八百屋に肩をぽんと叩かれ、気を取り直した女将は
「ようこそ、さあどうぞ。 
おまえさん、2番テーブルかけ3丁!」
仏頂面を涙でぬらした主人、
「あいよっ! かけ3丁!」
期せずして上がる歓声と拍手の店の外では、
先程までちらついていた雪もやみ、
新雪にはね返った窓明かりが照らしだす
『北海亭』と書かれた暖簾を、
ほんの一足早く吹く睦月の風が揺らしていた。



『一杯のかけそば』は、栗良平による日本の童話、
および同作を原作とした映画作品。
ブーム終焉のきっかけとなるのは
美談の語り部と讃えられていた作者について
美談とは相反するスキャンダルが報じられたり、
フジテレビ『笑っていいとも』で、司会のタモリが
「その当時、150円あったらインスタントのそばが
3個買えたはず」「涙のファシズム」と
作品を批判したことである


類似した台湾の実話
2006年3月、台湾に似た実話があることを
毎日新聞が報じた。
ある貧しい7人家族がおり、母親がガンで入院しているために
看病をしていた5人の子供が食事がろくに食べられず、
それを見かねた病院の看護婦がその家族に
ワンタン麺を与えた所、5人のうち3人の子供たちは
麺だけを食べ、母親に元気になってほしいと
ワンタンを母親の為に残した。
これを見た看護婦が感動し台湾中の人々に伝え、
台湾中の人々が涙しその家族に対し寄付が殺到した。
同年4月21日にその母親が子供を残し
ガンで死去し、陳水扁総統が哀悼の意を表した



いじめがなくなった作文



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。


時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる



P R
きれいなお風呂・宣言


お風呂物語

2015年2月18日 (水)

歴史・履歴への許可証

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歴史・履歴への許可証

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

















上野の動物園の、象の檻の前の広場では、
  今、3頭の象が、芸当の真っ最中です。
  長い鼻を、天に向けて、
  日の丸の旗を振ったり、カラランランと
  鈴を振り鳴らしたり、
  よたよたと、丸太渡りをしたりして、
  大勢の見物人を、喜ばせています。
 
  その賑やかな広場から、少し離れた所に、
  一つの石のお墓があります。
  あまり気の付く人はありませんが、
  動物園で死んだ動物たちを、お祭りしてあるお墓です。
  お天気の良い日は、いつも、
  暖かそうに、お日様の光を浴びています。
 
  ある日。
  動物園の人が、その石のお墓をしみじみと撫で回して、
  哀しい象の物語を聞かせてくれました。
  今、動物園には、三頭の象がいます。
  名前を、インデラ、ジャンポー、メナムといいます。
  けれども、その前にも、やはり三頭の象がいました。
  名前を、ジョン、トンキー、ワンリーといいました。
 
  その頃、日本は、アメリカと戦争をしていました。
  戦争がだんだん激しくなって、東京の街には、
  毎日毎晩、爆弾が雨のように振り落とされてきました。
  その爆弾が、もしも、動物園に落ちたら、
  どうなることでしょう。
  檻が壊されて、恐ろしい動物たちが
  街へ暴れ出したら、大変なことになります。
  そこで、ライオンも、トラも、ヒョウも、クマも大蛇も、 
  毒を飲ませたのです。
 
  三頭の象も、いよいよ毒を飲ませる事になりました。
  まず第一に、いつも暴れん坊で、言う事を聞かない、
  ジョンから始めることに成りました。
  ジョンは、ジャガイモが大好きでした。
  ですから、毒薬を入れたジャガイモを、
  普通のジャガイモに混ぜて、食べさせました。
  けれども、利口なジョンは、
  毒のジャガイモを口まで持っていくのですが、
  すぐに長い鼻で、ポンポンと、
  遠くへ投げ返してしまうのです。
  仕方なく、毒薬を身体へ注射することになりました。
  馬に使う、とても大きな注射の道具と、
  太い注射の針が用意されました。
  ところが、象の身体は、大変皮が厚くて、
  太い針は、どれもぽきぽきと折れてしまうのでした。
  仕方なく食べ物を一つもやらずにいますと、
  可愛そうに、十七日目に死にました。
 
  続いて、トンキーと、ワンリーの番です。
  この二頭の象は、いつも、可愛い目を
  じっと見張った、心の優しい象でした。
  ですから、動物園の人たちは、
  この二頭を、何とかして助けたいと考えて、
  遠い仙台の動物園へ、送ることに決めました。
  けれども、仙台の町に、
  爆弾が落とされたらどうなるでしょう。
  仙台の街へ、象が暴れ出たら、
  東京の人たちがいくらごめんなさいと謝っても、
  もうだめです。そこで、やはり、
  上野の動物園で・・とのことになりました。
  毎日、餌をやらない日が続きました。
  トンキーも、ワンリーも、だんだん痩せ細って、
  元気が無くなっていきました。
  時々、見回りに行く人を見ると、
  よたよたと立ち上がって、「餌をください。」
  「食べ物をください。」と、
  細い声を出して、せがむのでした。
 
  そのうちに、げっそりと痩せこけた顔に、
  あの可愛い目が、ゴムまりのように
  ぐっと飛び出してきました。
  耳ばかりが物凄く大きく見える
  哀しい姿に変わりました。
  今まで、どの象も、自分の子供のように
  可愛がってきた象係の人は、
  「可哀相に。可愛そうに。」と、檻の前を
  行ったり来たりして、うろうろするばかりでした。
 
  すると、トンキーと、ワンリーは、
  ひょろひょろと身体を起して、
  象係の前に進み出たのでした。
  お互いにぐったりとした身体を、
  背中で凭れ(もたれ)合わして、
  芸当を始めたのです。
  後ろ足で立ち上がりました。前足を折り曲げました。
  鼻を高く上げて、万歳をしました。
  縮み切った身体中の力を振り絞って、
  芸当を見せるのでした。
  芸当をすれば、昔のように、餌がもらえると
  思ったのです。
  トンキーも、ワンリーも、よろけながら
  一生懸命です。
 
  象係の人は、もう我慢できません。
  「ああ、ワンリーや、トンキーや。」と、
  餌のある小屋へ飛び込みました。
  そこから走り出て、水を運びました。
  餌を抱えて、象の脚に抱きすがりました。
  動物園の人たちは、みんなこれを
  見てみないふりをしていました。
  園長さんも、唇を噛み締めて、
  じっと机の上ばかり見つめていました。
  象に餌をやってはいけないのです。
  水を飲ませてはならないのです。どうしても、
  この二頭の象を生かしてはいけないのです。
  けれども、こうして、一日でも長く生かしておけば、
  戦争も終わって、助かるのではないかと、
  どの人も心の中で、神様にお願いをしていました。
  けれども、トンキーも、ワンリーも、
  ついに動けなくなってしまいました。
  じっと身体を横にしたまま、空に流れる雲を
  見つめているのがやっとでした。
 
  こうなると、象係の人も、
  もう胸が張り裂けるほどつらくなって、
  象を見に行く元気がありません。
  他の人も苦しくなって、象の檻から
  遠く離れていました。
  ついに、ワンリーは十幾日目に、
  トンキーは二十幾日目に、
  どちらも、鉄の檻にもたれながら、
  やせこけた鼻を高く伸ばして、
  万歳の芸当をしたまま死んでしまいました。
 
  「象が死んだあ。象が死んだあ。」
  象係の人が、叫びながら、
  事務所に飛び込んできました。
  拳骨で机を叩いて、泣き伏しました。
  動物園の人たちは、象の檻に駆け集まって、
  みんなどっと檻の中へ転がり込みました。
  象の身体にとりすがりました。
  象の身体を揺さぶりました。
  みんな、おいおいと声をあげて泣き出しました。
  その頭の上を、またも爆弾を積んだ敵の飛行機が、
  ごうごうと東京の空に攻め寄せてきました。
  どの人も、象に抱きついたまま、
  こぶしを振り上げて叫びました。
  「戦争をやめろ。」
  「戦争をやめてくれえ。やめてくれえ。」
 
  後で調べますと、盥位(たらい)もある
  大きな象の胃袋には、
  一滴の水さえも入っていなかったのです。
  その三頭の象も、今は、このお墓の下に、
  静かに眠っているのです。
  動物園の人は、目を潤ませて、
  この話をしてくれました。
  そして、石のお墓を、
  いつまでも撫でていました。…




犬と猫の種族を超えた愛情




誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
  誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
  ただ、黙っているだけなんだよ、
  言えば愚痴になるから。
 

 
  時は絶えず流れ、
   今、微笑む花も、明日には枯れる

 


P R
  きれいなお風呂・宣言

 
 
お風呂物語

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.

幸せな家庭生活が妻の病死により一転、
悲しみの毎日へと変わった。
幼子を抱えて生きてゆくには
多くの人々の支えがあった。
精一杯生きる中での様々な出会いと
悲しい別れを繰り返し、
不思議な出来事にも遭遇する。
そして、そこには新たな愛が存在していた。……

Author: 壇次郎

どんぐりからの手紙 (追加話)
少女2


香絵 「関川先生、お久しぶりで~す」
関川 「あれっ、なんだ、香絵じゃないか、
 また、ずいぶんと色っぽくなって、
 先生、気が付かなかったよ」
香絵 「そう言ってくれるの、先生だけだわ。
 先生、まだ、教頭になれないの?」
関川 「なれないんじゃなくて、ならないんだよ。
 教頭や校長なんて仕事は、するもんじゃないよ」
香絵 「先生、全然変わってないね。安心したよ。
 ところでね、『高橋えり』って子、いるでしょ?」
関川 「いるけど、どうかしたのか?」
香絵 「最近よく、私のダーリンの店に来るんだぁ~」
関川 「なんだ? 香絵にもダーリンが出来たのか? 
 世の中、物好きな人もいるもんだねぇ・・・、
 どこの店の人だ?」
香絵 「駅前商店街の『アンティークハウス』だよ」
関川 「な~んだ。あそこなら、
 女房がこの前、たんすを買ったところだよ。
 少し虫食ってて、それがまた、いいんだってさ。
 ところで、えりがどうかしたのか?」
香絵 「なんだか、見ていて可愛そうでね。
 あまり食事していないみたいだし・・・、
 服も洗ってもらってないみたいだしね。
 どうにかしてあげられないの? ねぇ、先生・・・」
関川 「あぁ・・・。それは先生も知っているんだ。
 家庭訪問の時、母親にもお願いしてるんだけどね・・・。
 母子家庭なんだよ。母親は地方出身で、
 この辺には親類もいないそうなんだ。
 夜の仕事で、身体もきついそうだ。
 あの子の面倒をもっと見てあげたいそうなんだけど・・・」
香絵 「福祉施設とかで面倒見てあげられないの?」
関川 「そう簡単には行かないよ。
 今、別に虐待されている訳ではないしね・・・。
 学童保育も薦めているんだけど・・・。
 最近、こんなケース、多くなってきてるんだよなぁ・・・。
 毎日、ブランド物をとっかえひっかえ着て来て、
 自慢している子供もいるし・・・」
香絵 「なんか、世の中、おかしくなっちゃったんじゃない? 
 先生、どうにかしてよ・・・」

関川先生の話は、我々の想像通りでした。
えりちゃんの母親は夜の仕事の為、
えりちゃんが登校する時間は、
まだ、寝ているそうです。
えりちゃんは、何も食べずに、
学校に来るそうです。
関川先生が家庭訪問にアパートを訪れた時、
えりちゃんの母親は出勤前で、
部屋には男がいたそうです。
なんと、えりちゃんは、ずっと外の階段に
座っていたそうです。

えりちゃんが店に来る様になってから
一ヵ月程がたった日のことでした。
店を姉に任せ、私は、まりこ美容室の床の
タイルを修理していました。
そこに救急車のサイレンが聞こえてきました。
商店街の近くで交通事故があった様です。
私は気にも留めず、剥がれた床のタイルに
ボンドを塗っていました。
そんな時、私の肩が鏡の横に置いてあった、
香絵ちゃんが作ったドングリのトレイに触れました。
そのとたん、トレイは床に落ち、
どんぐりはバラバラに壊れ、床一面に飛び散りました。
その瞬間、私に不吉な予感が訪れました。

「ちょっと見てくる」と言い、
私は事故現場に走りました。
現場にはすでに救急車は無く、
警察が現場検証をしていました。
車同士、出会い頭の衝突で、
一台が弾みで歩道に乗り上げたそうです。
それに歩行者が数人巻き込まれた様子で、
割れたヘッドライトやバンパーがあちこちに
散らばっていました。
胸騒ぎが治まらない私の目に飛び込んで来たのは、
散乱している破片の中にある、
使い古した一足の子供の運動靴でした。
歩道の端の方に、ぽつんと放置してある
片方だけの運動靴は、
見覚えのある穴の開いた靴でした。
それは、あろうことか、えりちゃんの靴でした。
愛らしい靴ひとつだけが持ち主のいないまま、
そこに転がっていました。

現場警察官に搬送先の病院を聞いた私は、
急いで香絵ちゃんがいる事務所に走り、
香絵ちゃんと一緒にえりちゃんが運ばれた病院へと
向かいました。
病院に着くと、そこにはえりちゃんの母親が
すでに到着し、娘の様態を気遣っていました。
母親は出勤前であったのか、
夜の仕事独特の服装と化粧をしていました。
えりちゃんが寝ている病室の外にいた彼女は、
我々を見つけるなり、泣き出しそうな顔で
深々と頭を下げました。
我々の事はえりちゃんから聞いていたそうです。
「御礼にも伺わずすみません」と、
彼女は何度も何度も我々に頭を下げていました。
そして、一粒のどんぐりを我々に見せました。
それは病院に運ばれたえりちゃんが
ずっと握り締めていたどんぐりだそうです。
少しして、母親が病室の中に呼ばれました。
我々は、扉の向こうにいるえりちゃんが
気がかりで、たまらない気持ちでした。
「えり! えり、・・・」
えりちゃんの母親が大声で泣き叫ぶ、
悲鳴とも言える声が廊下に響きました。
母親 「えり、えり、ごめんね。
 ごめんね、えり、ごめんね・・・・、
 起きるんだよ、えり・・・、目を開けてよ、
 えり・・・、お願いだよ、えり・・・、
 ごめんよ、えり・・・」
剛 「なんてこった・・・」
香絵 「なんでだよ、こんなこと、
 あっていいのかよ。バカヤロー・・・」
その後、えりちゃんが私の店に顔を出すことは
 二度とありませんでした。
クッキーやケーキを美味しそうに
ほおばる笑顔を我々に見せてくれることは
ありませんでした。


続く

Author: 夢庵壇次郎
http://www.newvel.jp/library/pso-1967.html


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


(

『ビートたけし』おまえたちは あっちにいってろ





誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる





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お風呂物語

2015年2月17日 (火)

歴史・履歴への許可証

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歴史・履歴への許可証

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、



心の余裕



マシュマロテスト(桜ニュースより)
ルターミシェル氏が4歳の子供を対象にはじめた.
実験です。簡単にあきらめないこと。
それが人生の基本と. 言っています。

マシュマロテストとは1960年代に
心理学者ウオルターミシェル氏が
4歳の子供を対象にはじめた実験です。
子供を試す実験ですが、
4歳の子供と大人が二人きりになります。
目の前には、お皿にのったマシュマロが一個。
大人が「今から部屋をあけるけど、
戻ってくるまで待っててくれたら、
ごぼうびにマシュマロを二つあげるね。
今すぐマシュマロを食べてもいいけど、
待てない場合は、マシュマロひとつだけだよ。」と
いって、部屋を出ます。
そして、帰ってくるまでの15分ほどで
子供が我慢できるかどうかを調べたテストです。
マシュマロを使ったからマシュマロテストなんですね。

子供ですから、70%の子供は、
目の前のマシュマロをすぐに食べてしまいました。
ところが、30%の子は大人が帰ってくるまで耐えて、
マシュマロを2つもらった子供もいたそうです。
マシュマロテストは、その後の追跡調査が、
とても面白いのです。

待つことで2つのマシュマロを
食べることができた子供は、
すぐに食べてしまった子供に比べて、
高校時代の学業の成績がかなり
優秀だったそうです。
我慢できた子供たちは成人してから、
壁や困難がきても、立ち向かい
乗り越える、コミュニケーション能力に優れ・
自己主張もキチンとでき、
自信を持ち、信頼に足る誠実さを持つという
特徴があったそうです。

逆に、すぐマシュマロを食べた子供たちの
三分の-は、自分のことをダメ人間で
無価値だと思いやすく、人間関係が苦手で、
なるべく避けようとする。
ストレスを受けると落ちこみ、
行動できなくなり小さな挫折にも落ち込む.
疑い深く、自分が
「恵まれていない」ことを恨み.
嫉妬しやすい。
感情の起伏が激しく、
言い合いや喧嘩になりやすく、自分を
コントロールできない傾向があったそうです。

宮城県の古川商業高校の元バレーボール部監督
(弱小だった同校バレーボール部を
10回日本一に導いた名監督)
東北福祉大学特任教授の言に
以下のような言葉があります。
『この世で我慢の時なくして
夢を実現した人は-人もいない』
夢を追うならわが身に降りかかる
すべてを積極的にプラス思考で受け止め
簡単にあきらめないこと。
それが人生の基本と言っておられます。
東日本大震災で世界の国々から
忍耐強い国民と称賛のあった日本なので、
この持ち味を子育てにも、仕事にも、
人生にも生かしていきたいものですね。

自然災害は「運命」の一部と見られています。
そして「運命」という言葉は
「運動と「生命」を表す文字を
組み合わせてできているのです。
16世紀の宣教師が書いた物ですが、それには、
地震で大被害にあった村で、
村民達が数時間後には
家を建て始めた光景が書かれていたそうです。



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。


時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる






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きれいなお風呂・宣言


お風呂物語

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、



ブルーライトヨコハマ-Harmonica
南 里沙 クロマチックハーモニカ




アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.

幸せな家庭生活が妻の病死により一転、
悲しみの毎日へと変わった。
幼子を抱えて生きてゆくには
多くの人々の支えがあった。
精一杯生きる中での様々な出会いと
悲しい別れを繰り返し、
不思議な出来事にも遭遇する。
そして、そこには新たな愛が存在していた。……


Author: 壇次郎


どんぐりからの手紙 (第22話)
時代2
私が店に帰ったのは、昼時を過ぎたころでした。
店番をしていたはずの姉に代わって、
そこには香絵ちゃんが座っていました。
剛 「あれ? うちの姉ちゃんは?」
香絵 「今、銀行に行ってる。
 おじさん、なかなか帰って来ないから、
 私、ここの前を通ったら、
 店番、頼まれちゃった。
 あれっ、そのカメラ、
 原本さんのおじいちゃんのじゃない?」
剛 「あぁ、今、挨拶に寄ったところなんだ。
 そしたら、これ、くれたんだ」
香絵 「原本さんのおじいちゃん、
 うちのおじいちゃんとは幼なじみで、
 私、小さい頃、よく、面倒見て貰ったんだ。
 なんだか、私、寂しいなぁ・・・」
剛 「原本さん、言ってたよ。
 自分の役割は終わったって・・・」
香絵 「ふ~ん・・・、私の役割って、
 なんだろう・・・。ところで、
 おじさんの役割ってなに?」
剛 「俺の役割は、骨董品を売ることさ!」
香絵 「そうじゃなくってさぁ・・・、もう・・・」
剛 「別れもあれば、その分だけ出会いもあるさ。
 原本さんにも、きっと、新しい出会いがあるよ。
 若い女性、ゲットするかもよ」
香絵 「なによ、それ! 
 男って、いくつになるまで女、求めるの? 
 あぁ、いやらしい! 私、もう、行くよ。
 お昼、食べてないんだからね・・・」

数日後、私は均ちゃんに誘われて、
振興組合の事務所で開かれる
組合の理事会に出ることとなりました。
理事会は武田さんと言う、
お弁当屋さんのご主人が理事長を務め、
その他、専務理事、常務理事と言った
役員がいます。
まるで、会社の役員会の様です。
均ちゃんは会計主任だそうで、
組合の会計全般を取り仕切る役割をしています。
しかし、実際は、香絵ちゃんが勤めている
会計事務所の岡田先生が実務をしているそうで、
均ちゃんは、いったい何をしているのか、
私には解りませんでした。
理事長の武田さんは、
ガッチリした体格の持ち主で、
若い頃は学生運動のリーダーをしていただけあって、
組合員をまとめる力には素晴らしいものがありました。

武田 「森田さん、今日は無理を申しましてすみません。
 今、この商店街でも整備計画がありまして、
 よく、地方に行かれている森田さんにも、
 色々とご意見を伺おうと思っているんですよ。
 なんせ、我々は、殆どこの商店街から
 外に出ないもんで・・・」
剛 「私でもお役に立てれば、何なりと言って下さい」
均 「そうそう、中山商店さん、
 今度、コンビニチェーンに加盟するそうだよ。
 今でも、なじみのお客さん、
 けっこう多いんだけど、これからは、
 やっぱり有名な看板が必要だなんて言ってたよ」
常務 「じゃあ、中山さんのおじいちゃん、
 あの派手なコンビニ服着て、
 『いらっしゃいませ』ってするのかい?」
専務 「ははは・・・、あのハゲ頭じゃ、
 似合わねぇーぞ」
均 「まだまだ、隠居はしねえよって言ってたよ。
 これからも、お客さんと世間話を
 していたいんだってさ」
専務 「その気持ち、解るなぁ。
 俺と話をしたいって言うお客さんもいるし、
 買わなくてもいいから、寄っていきなよって
 声掛けること、あるもんなぁ・・・」
均 「ところで、理事長、補助金の方、
 どうでした?」
武田 「あぁ、今、役所の振興課、商工課、
 それに道路課で詰めているところだそうだ。
 なんせ、議会の森先生が、
 ついているから安心してるよ」
常務 「街路灯とインターロッキングの
 歩道整備で行くんだろ?」
専務 「デザインはどうする? 
 デザイナーにコンペ方式で頼むか、
 それとも、基本は我々で造るか・・・」
武田 「我々の商店街だから、
 基本構想ぐらいは自分たちで考えようや。
 予算も限られるから、良く勉強しないとな。
 植栽は無しで考えるけど、いいかな?」
剛 「なんだか木が一本もなくなると
 寂しいもんですね。
 ある街では、植栽を多くして、
 夏の暑い時期に打ち水をしたりして、
 そこを歩く人には評判がいいそうですよ」
均 「そうだよな、ここらも、夏、暑いもんなぁ・・・」
専務 「植栽を入れると、枯葉の掃除が大変だよ。
 手入れも誰がするんだい? 
 枝が伸びりゃ、枝払いもしなきゃならんし・・・、
 毎年の経費、大丈夫かい?」
武田 「でも、みんな、自分の店の前、
一日に一度も掃除しない日ってあるか? 
 手入れは植木屋の徳さんに頼めば
 いいじゃないかなぁ・・・。
 商店街の維持、管理は、基本的に自分たちで
 やろうや・・・。
 まあ、当然、組合である程度の支払いは
 しなきゃならんが、限られた予算だ、
 出来るだけ身内で回そうぜ。」
常務 「そうだよな、みんな、暇を見つけては、
 ちょこちょこホウキで掃いたり、
 水まいたりしてるよな。
 そのついでと思えば、別に枯葉の掃除ぐらい、
 いいんじゃないかな?」
均 「金が無かったら、商店街の人たち、
 総出で枝払いすればいいじゃん。
 脚立や梯子だったら、
 徳さん以外でも電気屋の西野さんからも
 借りりゃあいいじゃん」
専務 「それもそうだな。じゃあ、
 何植える?柿の木でも植えるか?」
均 「だめだよ、果物の生る木なんて
 植えちゃぁ・・・。そんな事したら、
 うちの商売、上がったりだよ」
剛 「以前、この辺りでは、
 どんぐりの生る木が多かったと聞いていますが、
 いかがですか? 通りの名前も
 『どんぐり通り』なんて言うのもどうでしょう?」
均 「いいねぇ・・・。ついでに
『どんぐり通り商店街』なんてのに名前、
 変えちゃうかい?」
武田 「書類の関係上、名前をすぐに
 変えることは出来ないけど、
 なんだか、夢がありそうだね・・・。
 街路灯のデザインや、
 インターロッキングの色も、
 どんぐりに合わせて考え直すか?」
常務 「なんだか、今までお堅い感じだったけど、
 親しみが出ていいんじゃないかな?」

何気ない無責任な私の意見でしたが、
これほどまでも皆さんが賛同するなんて、
私は思ってもいませんでした。
そんな話をしていると、
香絵ちゃんが組合の帳簿を持って
現れました。そして、私に気付くなり、
香絵 「こんちワ! あれ? 
 何でおじさん、ここにいるの?」
武田 「森田さんから、今、
 大変貴重なご意見を頂いたところだよ。
 ところで、香絵ちゃん、なんだいその足は・・・。
 ちょっと出し過ぎだぞ!」
香絵 「やーだ、武田さん、そんなに見ないでよ」
武田 「見られたくないんなら見せるなよ」
香絵 「そんなこと言って、
 これから皆さんで駅裏のパブ、行くんでしょう? 
 あぁ、いやらしい! 
 均ちゃん、また、口紅つけて帰って、
 奥さんに怒られるんじゃないわよ!」
均 「おいおい・・・、なんでそんなこと
 知ってるんだよ!」
専務 「ははは・・・、香絵ちゃんにかかったら
 大変だな」
香絵ちゃんは、ここでも人気者でした。
いったいあの明るさは、
どこから来るのでしょうか・・・。
その後、私たちは香絵ちゃんの言う通り、
皆で駅裏のパブに繰り出すこととなりました。
その晩は、片言の日本語を話す
若いお姉ちゃんを横に、カラオケ三昧の夜でした。


続く

Author: 夢庵壇次郎
http://www.newvel.jp/library/pso-1967.html


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる





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お風呂物語

歴史・履歴への許可証

pass into history
歴史・履歴への許可証

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、



心の余裕



マシュマロテスト(桜ニュースより)
ルターミシェル氏が4歳の子供を対象にはじめた.
実験です。簡単にあきらめないこと。
それが人生の基本と. 言っています。

マシュマロテストとは1960年代に
心理学者ウオルターミシェル氏が
4歳の子供を対象にはじめた実験です。
子供を試す実験ですが、
4歳の子供と大人が二人きりになります。
目の前には、お皿にのったマシュマロが一個。
大人が「今から部屋をあけるけど、
戻ってくるまで待っててくれたら、
ごぼうびにマシュマロを二つあげるね。
今すぐマシュマロを食べてもいいけど、
待てない場合は、マシュマロひとつだけだよ。」と
いって、部屋を出ます。
そして、帰ってくるまでの15分ほどで
子供が我慢できるかどうかを調べたテストです。
マシュマロを使ったからマシュマロテストなんですね。

子供ですから、70%の子供は、
目の前のマシュマロをすぐに食べてしまいました。
ところが、30%の子は大人が帰ってくるまで耐えて、
マシュマロを2つもらった子供もいたそうです。
マシュマロテストは、その後の追跡調査が、
とても面白いのです。

待つことで2つのマシュマロを
食べることができた子供は、
すぐに食べてしまった子供に比べて、
高校時代の学業の成績がかなり
優秀だったそうです。
我慢できた子供たちは成人してから、
壁や困難がきても、立ち向かい
乗り越える、コミュニケーション能力に優れ・
自己主張もキチンとでき、
自信を持ち、信頼に足る誠実さを持つという
特徴があったそうです。

逆に、すぐマシュマロを食べた子供たちの
三分の-は、自分のことをダメ人間で
無価値だと思いやすく、人間関係が苦手で、
なるべく避けようとする。
ストレスを受けると落ちこみ、
行動できなくなり小さな挫折にも落ち込む.
疑い深く、自分が
「恵まれていない」ことを恨み.
嫉妬しやすい。
感情の起伏が激しく、
言い合いや喧嘩になりやすく、自分を
コントロールできない傾向があったそうです。

宮城県の古川商業高校の元バレーボール部監督
(弱小だった同校バレーボール部を
10回日本一に導いた名監督)
東北福祉大学特任教授の言に
以下のような言葉があります。
『この世で我慢の時なくして
夢を実現した人は-人もいない』
夢を追うならわが身に降りかかる
すべてを積極的にプラス思考で受け止め
簡単にあきらめないこと。
それが人生の基本と言っておられます。
東日本大震災で世界の国々から
忍耐強い国民と称賛のあった日本なので、
この持ち味を子育てにも、仕事にも、
人生にも生かしていきたいものですね。

自然災害は「運命」の一部と見られています。
そして「運命」という言葉は
「運動と「生命」を表す文字を
組み合わせてできているのです。
16世紀の宣教師が書いた物ですが、それには、
地震で大被害にあった村で、
村民達が数時間後には
家を建て始めた光景が書かれていたそうです。



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。


時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる






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お風呂物語

2015年2月16日 (月)

チャンネル掲示板

チャンネル・ニュース

幸せがつづいても、不幸になるとは言えない
 不幸がつづいても、幸せが来るとは限らない


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント

明日という日はミステリー、



「敏君のこと」
雲南元気学校代表・大島健作さん
「今を変えれば未来も変る」より


敏君は、特別支援学級で担任した子です。
敏君の家は学校から四キロちょっとあるんです。
ですから車で送り迎えされていたんですけど、
私が三年生で担任させてもらい、
「お母さん、やっぱり人間って歩くことが基本ですから、
歩きましょう」って提案したら、
とってもいいご家族の皆さんで、
「先生がそう言ってくださるなら歩かせます」 ということで、
行きはお兄ちゃんが集団登校で一緒に歩き、
私が帰りに送っていくようになりました。

四キロっていったら、大人の足で一時間ですけども、
一緒に帰ると一時間半は最低かかります。
二時間以上かかったこともあります。
授業でも敏君と歩いて、
一年間に五百キロぐらい歩きました。
三年間担任して千五百キロ以上歩いたと思います。
敏君を送り家に着くと、
家にはおばあちゃんしかおられないんです。
ガラガラって玄関を開けると、
おばあちゃんが奥の居間におられて、
そこでテレビを観ておられて、
「おばあちゃん、帰りました」 と言うと、
「敏、お帰り。先生ありがとうございます」 と言われて、
こたつに入ったまま迎えられるんですね。

「先生ごめんなさい。私、足がちょっと悪いんで、
玄関までよう行きませんけど」
「分かりました。ご無理なさらないでください」と言って、
手を振って、私が玄関の戸を閉めて帰るんです。
こういうことがずっと続いていました。
ある時、いつもと同じように敏君を送っていったら、
おばあちゃんが玄関の土間のところまで
這うように来ておられて、
「今日はちょっとだけ出てきました」って
おっしゃるんです。
「無理なさらないでください、おばあちゃん」 と
言って帰りました。
それからしばらくすると、玄関から出て、
立っておられたんです。
「おばあちゃん大丈夫ですか?」 と尋ねると、
「大丈夫です…」とおっしゃいましたが、
痛そうでした。

そういうことが続き、敏君を担任して
三年目の事です、 ある時、
家の外の橋の所まで歩いて来ておられるんですよ。
しばらくすると、今度は公民館の所まで来ておられ、
びっくりしました。
自宅からかなり離れているのですから。
歩き方はヨチヨチとした歩き方です、
足が痛いですからね。
それでお母さんに聞いたんです。
「お母さん、おばあちゃん大丈夫ですか。  
足がお悪いのに、公民館の所まで歩いてこられて・・・」
そしたら、お母さんがこう言われました。
「あれだけ歩かなかった敏がこれだけ歩くようになった。  
それを見とって、私が歩かずに、
こたつの中におるわけにはいかん。  
敏もがんばっとるから、私もがんばらにゃあ。
敏には負けとられへん。  
だから、一生懸命歩くんだ」
こうおばあちゃんが話されたと言われるのです。
がんばっている敏君を見ながら、
ちょっとずつ、 ちょっとずつ歩かれる距離を
増やしていかれたおばあちゃん。
敏君は何にも言わないですよ、
「おばあちゃん頑張れ。」とか。
まとまった言葉が、あまり出ないお子さんですから。
ですけど、その敏君の言葉を越えた一生懸命な姿に、
おばあちゃんの心の中の種が発芽したんですね。
ああ、敏君の姿も「一灯照隅」であるのだなと
思いました。……
一燈照隅 万燈照国
(いっとうしょうぐう ばんとうしょうこう)


旦那へ~・ありがとう。



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだ…よ、
言えば愚痴になるから。



時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる





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きれいなお風呂・宣言

お風呂物語

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、



マーラが与えた人生 (百万本のバラの前身の曲)
アイヤ・クレレ 1981年~が歌った原曲



アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.

幸せな家庭生活が妻の病死により一転、
悲しみの毎日へと変わった。
幼子を抱えて生きてゆくには
多くの人々の支えがあった。
精一杯生きる中での様々な出会いと
悲しい別れを繰り返し、
不思議な出来事にも遭遇する。
そして、そこには新たな愛が存在していた。……


Author: 壇次郎


どんぐりからの手紙 (第21話)
時代

私が店を出している商店街は、
駅前通りに位置しています。その為、
昼間の主婦の買い物客が一段落すると、
勤め帰りのOLやサラリーマンで賑わいを増す、
比較的恵まれた環境にありました。そこでは、
その駅前通りのお店、およそ百件による
商店街振興組合が結成されており、
組合員は互いに知恵を出し合い、
助け合って商売をしていました。
商店街では、数十年もの永きに渡り
商売を続けている店もあれば、
私の様につい最近商売を始めた店まで様々です。
それでも、どの店主も分け隔てなく声を掛け合い、
仲良く仕事をしていました。

私の店の斜め向えは八百屋さんで、
二代目の均ちゃんが奥さんと一緒に
店を切り盛りしていました。
35歳になったばかりの均ちゃんは、
店が暇になると私の狭い店に入り込み、
話し込むといった毎日が続いていました。
均ちゃんより3歳年上の奥さんは、
「よくもまあ、毎日、毎日、話題が尽きないものだ」と言い、
呆れていました。
そんな均ちゃんは、商店街振興組合の役員も勤め、
ポイントカードの導入や、共通駐車券を提案するなど、
組合員の信望も厚い人柄でもありました。
その日も均ちゃんが私の店を訪れました。
均 「きのう、理事会の会合があってさぁ、
 写真屋の原本さん、店、たたむことにしたらしいんだ。
 仲間がいなくなるって、なんだか、寂しいよなぁ・・・」
剛 「何でまた、急に・・・?」
均 「そんな急に決めた訳でもないんだ。
 最近、客が少なくって、商売、
 やって行けなくなったらしいんだ。
 今は皆、デジカメだろ、
 原本さん、もう現像の時代じゃないって、ぼやいてたよ」
以前でしたら、連休明けや運動会の後など、
写真の現像を頼む多くの人々が、
写真屋さんを訪れるものでした。
今では写したその場で写真の確認ができ、
家庭でプリントも出来る時代です。
原本写真館には、成人式のシーズンを除くと、
たまに証明写真を撮りに来る人がいるくらいしか、
お客さんはいなくなったとのことでした。
原本さんには、以前、古いカメラを
直してもらった経緯があり、私も知らない仲ではありません。
写真店をたたんだ後、
どうされるかは誰にも告げていない様子でした。

均 「うちらも、どれだけスーパーに客を取られたことやら・・・。
俺も時々、いやな夢、たまに見るんだ。
朝、店開けてから、夜閉めるまで、
一人も客が来ないっていう夢さ。
それが毎日、続くっていう夢さ。
汗、びっしょりかいて夜中に目が覚めるんだ。
まあ、女房ときたら、横でグーグー寝てるけど・・・。
そこで、女房の寝顔を見て、またまた、ため息だよ。
剛ちゃん、今度、一緒に若いお姉ちゃんのいるとこ、
遊びに行こうや・・・」

商店街の人々は、郊外に出来た
大型ショッピングセンターに対抗しようと必死でした。
価格ではどうしても大型店には対抗出来ません。
小さな店でしか出来ないサービスや、
特徴を活かし、皆、工夫を凝らしていました。
均 「俺らは新鮮さが勝負だけど、
 剛ちゃんのところは逆だよな。
 新鮮な骨董品じゃあ、売れねえもんなぁ・・・」
剛 「今度、俺、仕入れに出たら、
 産直出来る農家、探してみるよ」
均 「そうかい? 頼むよ・・・」
そんな話をしていたら、均ちゃんの店の方から
奥さんの大声が聞こえてきました。
奥さん 「こら、あんた、いつまでサボってるんだい、
 お客さん来てるんだから、仕事だよ!」
均  「女房も、新鮮だったらいいんだけどねぇ・・・。
 わかったよ、今、行くよ! 
 そうだ、今度、剛ちゃんも組合の理事会、
 出てみないかい? そして、いろんな意見、聞かせてよ。
 その帰りでも、若いお姉ちゃんのところでも・・・」
奥さん 「あんた、なにやってんだい!」
均  「わかってるよ、今行くって・・・」

翌日、私は原本写真館の前を通りました。
店の中では年老いたご主人の原本さんが、
後片付けをしていました。
剛 「ごめんください」
原本 「よう、森田さん、いらっしゃい」
剛 「きのう、八百屋の均ちゃんから話を聞きまして、
 私、驚きました。なんだか残念ですねぇ・・・」
原本 「あぁ・・・。時代の流れには歯がたたんよ。
 私も、もう、限界だ。もっと若かったら、
 他にすることもあるんだろうけどね。
 この歳になってしまうと、気力が無くなってねぇ・・・」
剛 「でも、以前の様に、壊れたカメラを
 直して下さったんですから、
 まだまだ、出来ること、ある様に思えるんですが・・・」
原本 「いやぁ・・・、詳しいのは古い物だけだよ。
 この老いぼれた身体じゃあ、新しい物なんか、
 チンプンカンプンさ。
 女房もおととし先に逝っちまったし、
 無理して店、続けることも無いのさ。
 祖父さんからの写真屋だったけど、
 とうとう、私でお終いさ。
 戦後の混乱も乗り越えて来たんだ。
 私の役目も終わったよ。
 ご先祖様だって許してくれるだろうさ・・・」

剛 「これからは、どうされるんですか?」
原本 「あぁ、上の息子のところで
 世話になろうと思ってるよ。
 今、千葉にいるんだけど、転勤族さ。
 下の娘は外国にいるし、この歳になって、
 言葉もわからん外国じゃあ、暮らせないもんなぁ・・・。
剛 「寂しくなったり、困った時には、
 いつでも戻ってきて下さいね。
 僕たち、出来るだけのことはしますよ」
原本 「あぁ、ありがとう。
 でも、そんな訳にゃぁいかんだろう。
 そうだ、いらない物ですまんが、
 時代物のカメラだ、貰ってくれないかい? 
 君の店に並べたら、欲しい人、いると思うよ。
 私には、もう、必要が無いからね・・・」
剛 「えっ、これ、ライカじゃないですか。
 お宝物ですよ。いいんですか?」
原本 「あぁ、いい物だから君にあげるんだ。
 君には、古くても価値がある物の見分けがつく。
 是非、貰ってくれたまえ・・・」
原本さんは寂しそうでもありましたが、
何か、大きな役割を終えた様なすがすがしさも
表情に感じることが出来ました。
私は原本さんの宝を有難く頂き、店に戻りました。
別れ際、振り返ると、
原本さんは再び片付けを始めていました。
その後姿は、まさにセピア色の風景でもありました。


続く

Author: 夢庵壇次郎
http://www.newvel.jp/library/pso-1967.html


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる





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お風呂物語

妄想劇場・番外編

妄想劇場・番外編

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、


慈善療法 
ガニマータ君は、どうかしたはずみに、
意味もなく「オタンチン」という言葉を発する
妙なクセがあった。
家庭の中で発するぶんには、
べつにどうということもないが、
公衆の、それもお歴々の面前などで発すると、
とんでもないことになる。
ある日、とうとう権威ある舞踏会の席で、
それがでてしまい、いっしょに踊っていた
貴婦人のご機嫌をそんじ、大恥をかいた。
ガニマータ君は、すっかりくさってしまい、
細君にすすめられて、医者のところへ相談にいった。

「どうも、この病気は、薬ではなおりませんな。
精神療法というやつでやりましょう。
つまり、だんだんになおしていくというやりかたです。
まず、あなたが、その妙な言葉を口にしたら、
すぐポケットから百フランだして、
手近かにいる誰かに、にめぐんでやりなさい」
「うむ。そりゃいい、慈善療法というやつですね」
ガニマータ君は、さっそく、
この療法をやることに決心した。 
その日は、友だちのひとりが、
結婚をすることになっていたので、
教会へいった。が、驚いたことには、
中は、からっぽで、
若くて美しい掃除婦のほかには、だれもいなかった。

ガニマータ君は、
床をみがいている娘に近づいて聞いた。
「ドン君の結婚式が、今日、ここであるはずなんだが、
きみはしらないかね」
「あら、ドンさんの結婚式なら、昨日おすみでございますよ」
「なんだって?昨日、すんだ。チェッ!
このオタンチンめ!」
そこで、はっと気づいて、あわてて百フラン取りだすと、
その娘の手に握らせた。

百フランを握らされた娘は、
少なからずあわてた様子だったが、
ポッと頬をそめて、
むこうの懺悔室の方を流し眼にみながら、
「あそこでよろしいでしょうか?」

西洋風流小咄集 より



同じ仲間
女中のマリーが妊娠しました。
もう、かくすにもかくせない恰好です。
やかまし屋の奥さん、たまりかねて、
「これ、マリーや、いわないことじゃない、
誘惑に負けちゃいけないよ、と、
あたしが、あれほど注意したのに、
いうことをきかないから、天罰てきめん、
それ、そのとおり、
お腹が大きくなってしまったでしょう。
いいかい、ふしだらな子は、もうこれ以上、
ウチにいてもらうわけにはいかない。
さあ、荷物をまとめ、
一週間分のお給金は、あげるから、
出て行っておくれ」

「でも、奥さま」と女中は泣き出し、
「妊娠って、そんなに
大それたことでございましょうか?
奥さまだって妊娠なさいます」
「それは、わけがちがうのよ。
あたしのは、うちの旦那さまだよ」
「だって、奥さま。あたくしのも・・・・」

西洋風流小咄集 より




ご注文品
肉屋の主人のヘンリいィ氏、
ゆっくりとお風呂につかって
一日の疲れを落していると、
かたわらの電話器が鳴った。
「もし、もし、ヘンリィ?わたし、
ベネットよ。
今晩逢いたいの。ぜひいらしてね。
え、今?
そうよ、もう裸でベッドに入ってるの。
じゃ、すぐいらしてね」

楽しい期待に胸をワクワクさせながら、
風呂からあがろうとしているところへ、
彼の妻が入ってきて、ヘンリィ氏を見ると、
嬉しそうに叫んだ。
「まあ、あなた! 今晩が楽しみだわ」
ヘンリィ氏、うっかり、
「ばか、これはご注文品だ。
すぐ届けに行かなくてはいけないんだよ」……

西洋風流小咄集 より




氏神様
えー、夏の夜なンぞは、
寝られないままに公園など散歩いたしますと、
あっちこっちの木かげなンぞで、
よく若い男女が抱き合ったりなンぞしてましてナ、
そんなのを見せつけられて、
かえって寝つかれなくなったりするもので・・・。

こんなのは、昔からあった風景で、昔はと言うと、
村の鎮守のお社、氏神さまの境内なんぞが、
よく利用されたんですナ。
今とちがって、めったに会えない。
人目忍んで、やっとの思いで会うんですから、
会ったとなったら、さアたいへん。

一度すませまして、用意の桜紙かなんかで、
始末しまして、始末したそばから二回戦、
こいつをまた始末しまして、
また、次回がはじまるってエわけで・・・。
そこへ折悪しく、その神社の神主さんが
回って参りましてナ、

「これこれ、おまえたちは、
ここをどこだと思っている。
えッ、神聖な境内で、何をしておるかッ!!」
ハッと驚いたが、苦しまぎれに、
言い訳けのチエも出るもので、

「ハ、ハイ、私どもは、
この神社のためにご奉仕を
させていただいております・・・」
「なに、奉仕じゃと?」
「ハイ、その、氏子をふやす
作業をいたしております・・・
ウーム・・・と神主さん、ツマりましたが、
ふと、この累々たる戦いのあとを見まして、
「ウム、氏子をふやすとは奇特だが、
神社の境内にて、なンたることだ!」
「へ、へッ、と、申しますと?」
「見ろ、このように、神(紙)を
粗末にしておるではないか・・・」 

艶笑落語 より


浮世舞台の花道は  表もあれば裏もある
花と咲く身に男がいれば、咲かぬ花には、
女あり ...



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる






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きれいなお風呂・宣言

お風呂物語

2015年2月15日 (日)

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、



百万本のバラ  アラ・ブガチョワ



ロシアのアラ・ブガチョワが歌ったオリジナル曲
1983年以降、のコンサートと思われます。
還暦すぎたそうです、




アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.

幸せな家庭生活が妻の病死により一転、
悲しみの毎日へと変わった。
幼子を抱えて生きてゆくには
多くの人々の支えがあった。
精一杯生きる中での様々な出会いと
悲しい別れを繰り返し、
不思議な出来事にも遭遇する。
そして、そこには新たな愛が存在していた。……


Author: 壇次郎


どんぐりからの手紙 (第20話)
少女
私のアンティークショップでは、
「こんな物を探してほしい」という要望が増えてきました。
写真の切抜きを見せられて、要求されるお客さんもいます。
私はすっかり、あちこちの骨董市や
フリーマーケットに顔を出す様になっていました。
ある骨董市で、私はお客さんから依頼されていた
木製の火鉢を手に入れることが出来ました。
それを店の奥で磨いていると、
一人の赤いランドセル姿の少女が店先に干してある
ドングリを一粒、一粒、手に取って眺めていました。
小学生低学年ぐらいの少女は黄色い帽子をかぶり、
ドングリを見つめる目は、どことなく寂し気でもありました。

剛 「お嬢ちゃん、こんにちは。学校は終わったのかな?」
少女 「・・・・・」
剛 「そのドングリ、持って行っていいよ。
そろそろ帰らないと、ママ、心配するかもよ?」
少女 「・・・・・」
少女は、ただ、うなずくだけで、ドングリをひとつ握り締め、
薄暗くなった商店街をゆっくりと歩き出しました。
店には、よく、色々な小学生が集団で
帰りに寄ったりしていました。
古い物を珍しそうに眺めながら、
「博物館で見た」とか言いながら騒いでいることもありました。
商売にはなりませんが、私は子供たちの
騒がしい声が好きでした。
何時間も店の中で騒がれては困りますが、
帰宅途中のほんの少しの間だけでしたので、
そんな光景を微笑んで見ていました。
但し、中には商品をいじ繰り回して
壊してしまう子供も居るのには困ったものです。
お客さんには、「子供から聞いて・・・」と言って、
立ち寄ってくれるお母さんもいます。
お父さんよりもお母さんの方が
古い物に興味があるのかもしれません。

ある日、私は仕入れのときに拾ってきた松ぼっくりを
店先に干していました。すると、
以前、ドングリをあげた少女が、
今度は松ぼっくりを眺めていました。
剛 「お嬢ちゃん、また、学校の帰りかな? 
 今度は松ぼっくりだよ」
少女 「・・・・・」
剛 「それも、持って行っていいよ。
 お嬢ちゃん、何年生かな?」
少女 「二年生」
剛 「そっかぁ・・・、二年生か・・・」
私は、隆が一年生の時に運動会で
一緒にお昼を共にした美紀ちゃんのことを
思い出していました。
元気で成長してくれていればいいなと、考えていました。
美恵子さんは元気でいるのだろうか・・・。
そして、何気なく、松ぼっくりを眺めている
少女の足元に目が行きました。
最近では珍しく、穴の開いている靴を履いています。
靴底はかなり使い古し、磨り減っていて、
今にもかかとが飛び出しそうな靴でした。
少女の着ている服の袖口や襟元は汚れたままで、
明らかに何日も同じ服を着させられている様子でした。
そんな時、香絵ちゃんが現れました。
香絵ちゃんは私と少女の様子を見ていると、
すぐにそこの少女は、何か訳有りであると感じた様でした。
香絵 「お嬢ちゃん、お姉さんと一緒に
 お菓子、食べようか? 美味しいクッキーがあるんだよ。
 お姉さんが作ったんだけど、美味しいよ」

私と香絵ちゃんは、少女を放っておくことが出来ず、
店の奥に誘いました。
香絵ちゃんが焼いたと言うクッキーと
店の冷蔵庫の中にあったオレンジジュースを差し出すと、
少女は美味しそうにもぐもぐと食べ始めました。
剛 「どうだい? 美味しいかな?」
少女「うん !」
剛 「お嬢ちゃん、お名前、おじさんに教えてくれるかな? 
おじさんはツヨシって言うんだよ。
 こっちのお姉さんは香絵ちゃんって言うんだ」
少女 「わたし、高橋えり」
香絵 「そう、えりちゃんって言うんだ。東小学校かな?」
少女 「うん !」
香絵 「東小学校だったら、お姉さんと一緒だね。
 関川先生、まだいるのかな?」
少女 「うん、わたしのクラス」
香絵 「えっ、お姉さんも6年生の時、関川先生だったんだよ」

少女、えりちゃんは、すっかり笑顔になっていました。
クッキーをほおばる頬は、あかぎれで、
痛々しそうに見えました。
いったいこの子はどんな環境で育てられているのだろう。
剛 「えりちゃんは、おうちに誰かいるのかな?」
えり 「ママがいるけど、もうすぐお仕事に出かけるの」
香絵 「じゃあ、夜はえりちゃん、いつも独りなの?」
えり 「うん・・・」
剛 「じゃあ、寂しいねぇ・・・」
えり 「だいじょうぶたよ」
私も香絵ちゃんも、この会話だけで
えりちゃんの家庭環境が想像出来ました。
どうにかしてあげたくても、他人の家庭にまでは
口を出すことは出来ません。

えり 「ママが出かける時間になるから、
 もう、帰る・・・」
香絵 「じゃあ、このクッキー、全部持って行きなね。
 夜、お腹すいたら、食べるんだよ。
 お姉さん、また、作って来るからね・・・。
 今度は、もっと大きくて美味しいの作ってあげるからね。
 また来るんだよ」
剛 「気をつけて帰るんだよ」
えり 「うん、ありがとう。バイバイ!」

私と香絵ちゃんは、薄暗くなって人通りの増えた
商店街を、走って帰って行くえりちゃんの後姿を
いつまでも見送っていました。
えりちゃんの赤いランドセル姿が見えなくなると、
ふたり顔を見合わせ、ため息をつき、
我々には言葉が見つかりませんでした。

その後、えりちゃんは、学校の帰り道、
遠慮なく店に寄ってくれる様になりました。
その時間になると、香絵ちゃんも必ず
店に顔を出す様になっていました。
いくら香絵ちゃんの事務所が店の近くだとは言え、
仕事を放り出して来ているのではないかと、
心配になるほどです。
えりちゃんは店に来る度に、
香絵ちゃんの作ったクッキーやケーキを
美味しそうにほおばっていました。
えりちゃんは、ドングリや松ぼっくり、そして栗など、
自然が置いていってくれたお土産が好きでした。
白樺の木なんかは、ぽろぽろと剥がれていく幹を
楽しそうに剥がしていました。

香絵 「えりちゃん、今度、お姉さんと一緒に
 どんぐりでオブジェ造ろうか・・・?」
えり 「オブジェってなに?」
香絵 「どんぐりや木の実だとか、葉っぱだとか、
 木の枝とかでお皿だとか飾りを造るんだよ。
 えりちゃんも好きなものを造るんだよ。
 えりちゃん、なに造ろうか?」
えり 「んー・・・、解んない・・・」
剛 「香絵ちゃん、事務所の方はいいのかい? 
 仕事しないと、クビになっちゃうぞ?」
香絵 「平気、平気、今、うちの先生、
 高校野球見てるから・・・。
 ねっ、おじさん、今度、いっぱいどんぐりと木の実、
 採って来てね」
剛 「ああ、任せとけ! 
 今度、えりちゃんにすっごく綺麗な、
 おっきなどんぐり、拾ってきてあげるからね」
香絵 「あれ? おじさん、私にも忘れないでね・・・」
偶然にも香絵ちゃんの恩師が
えりちゃんの担任の先生であった為、
香絵ちゃんは時間を見つけて恩師の関川先生を
訪ねました。

続く

Author: 夢庵壇次郎
http://www.newvel.jp/library/pso-1967.html


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
     今、微笑む花も、明日には枯れる





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きれいなお風呂・宣言
お風呂物語

チャンネル・ニュース

幸せがつづいても、不幸になるとは言えない
 不幸がつづいても、幸せが来るとは限らない


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、



百万本のバラ--Harmonica
南 里沙 クロマチックハーモニカ






ある不治の病の女の子の話です。

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一歳の時から入退院を繰り返して、五歳になりました。
様々な治療の甲斐もなく、
ついにターミナルケアに入りました。
もはや施す術もなく、安らかに死を迎えさせる終末看護、
それがターミナルケアです。
冬になり、お医者さんがその子のお父さんに言いました。
「もう、なんでも好きなものを食べさせてやってください」
お父さんはその子に、何が食べたいか、ききました。
「お父さん、ぶどうが食べたいよ」と、
女の子が小さな声で言いました。
季節は冬、ぶどうはどこにも売っていません。
でも、この子の最後の小さな望みを叶えてやりたい。
死を目前に控えたささやかな望みを、
なんとか、なんとかして叶えてやりたい。
お父さんは東京中のお店を探しました。
思いつく限りのお店、あのお店も、このお店も、、、、、、
足を棒にして、探し回りました。
でも、どこのフルーツ売場にも置いていません。  
最後に、あるデパートのフルーツ売場を訪ねました。
「あの…、ぶどうは置いていませんか?」
祈る気持ちで尋ねました。
「はい、ございます」信じられない思いで、
その人のあとについて行きました。
「こちらです」と案内されたその売場には、
きれいに箱詰めされた、立派な巨峰がありました。
しかし、お父さんは立ちすくんでしまいました。
なぜなら、その箱には三万円という
値札が付いていたのです。
入退院の繰り返しで、そんなお金はもうありません。
悩みに悩んだ末、
必死の思いでお父さんはその係の人に頼みました。
「一粒でもいい、二粒でもいい、
分けてもらうわけにはいきませんか?」
事情を聞いたその店員は、
黙ってその巨峰を箱から取り出し、
数粒のぶどうをもぎ、小さな箱に入れ、
きれいに包装して差し出しました。
「どうぞ、二千円でございます」
震える手でそのぶどうを受け取ったお父さんは、
病院へ飛んで帰りました。
「ほら、おまえの食べたかったぶどうだよ」
女の子は、痩せた手で一粒のぶどうを口に入れました。
「お父さん、おいしいねえ。ほんとにおいしいよ」
そして間もなく、静かに息を引き取りました。……

有名な話なのでご存知かもしれませんが、
聖路加病院に入院されていた患者さんと
高島屋の店員さんの実話です。


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだ…よ、
言えば愚痴になるから。



時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる





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きれいなお風呂・宣言

お風呂物語

2015年2月14日 (土)

妄想劇場・番外編

妄想劇場・番外編

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、

 

東京ラプソディー 藤山一郎
「東­京ラプソディー」は原曲が「スペインの花」
昭和モダンを高らかに歌いあげます





「東京ラプソディ」藤山一郎主演の音楽映画。
P.C.L.映画製作所、佐伯孝夫原作、
永見柳二脚本、伏見修監督作品。


金持ち文化人が歌手を育てる計画を練り、
選ばれた歌の上手い洗濯屋が、
町一番のラッキーボーイになるはずだったが…、


洗濯屋の若旦那 若山は、大の歌の名人。
今日も朝から、仕事をしながら自慢の咽を披露している。
そんな若山に、店の向いでいつも仕事をしている
靴磨きのとし坊が、今日は鳩ぽっぽが遅いねと挨拶をする。
鳩ぽっぽとは、同じく、洗濯屋の向いにある
タバコ屋の売り子で、若山の恋人である鳩子の愛称であった。
その鳩子は、ダンスホールの踊子マキと同じ部屋で
同居暮ししていたが、その日は寝坊したのだった。
そんな鳩子が若山と仲が良い事を知っているマキは、
彼に洗濯を頼んだピンクのドレスが
まだ届かなくて困っているので、
早くホールに届けるように催促して来てくれと
頼んで送りだす。
電車で勤め先のタバコ屋にやって来た鳩子は、
さっそく洗濯屋の若山に会いに行くが、
残念ながら、若山は今、マキのドレスを
ホールに届けに行っていて不在だと、
やはり二人の仲を知っている店員たちがからかう。
一方、ダンスホールに来たマキが、
バンドでサキソフォンを吹いている船橋と
談笑をしている所に、若山がドレスを届けに来る。
三人もかねてより馴染み同士だった。
やがて、ホールで踊りが始まり、
マキは、常連の紳士別井に誘われて踊り出す。
配達から帰って来た若山は、
いつものように、とし坊と鳩子に土産で買って来た
菓子を渡しながら、鳩子には、
今日も仕事が終わったら、例の所で会おうと誘う
例の所とは、都会のネオンが見える
ビルの屋上のことだった。
アコーデオンを奏でながら、若山は、
鳩子の為に歌を披露する。
それを聞きながら、幸福な気分に浸っていた鳩子だったが、
何時かこの幸せが逃げてしまうのではないかと、
秘かな不安も感じていた。

同じ頃、銀座ホテルに泊まっていた別井に
招待されていた女性文化人の矢野ハルミは、
原稿依頼を受けている出版社に、
締め切り時間を遅らせてくれと電話していた。
そこへ戻って来た別井は、
窓の外から聞こえて来る歌声に気がつき
、眺めてみると、近くのビルの屋上で歌っている
若山と鳩子の姿を見かけ、
原稿を書いていたハルミを呼び寄せる。
若山の歌声を聞いていたハルミは、
その素人離れした実力を認めると共に、一つ、
自分達二人で、あの青年を人気歌手に
育ててみないかと思いつきを提案する
その唐突な提案に、最初は戸惑いを見せた別井だったが、
才能の世に出してやるのは意義があると考え賛成する。
才気活発なハルミは、又、
やりがいがある仕事を見つけたと張り切る。
屋上にいた若山と鳩子は、ホテルのボーイに呼びに来られ、
別井の部屋に招かれると、
歌手にさせてやると言う話を聞かされるが、
正直、若山には気乗りしなかった。
しかし、ハルミたちにハッパをかけられ、
しぶしぶ承諾する事になる。
数日後、新人歌手として新聞に載った
若山の写真を観ていたマキは、
すっかり有名人になった若山のことを羨むと共に、
鳩子に、船橋と三人で、
若山の出世祝いをしてやろうと提案する。

一方、ハルミが手際良く開いた事務所で
待機状態となった若山は、鳩子に会いたいが、
煙草を買いに出かける事さえ許されない状況になっていた。
若山は、マネージャーになったハルミが言うがまま、
スケジュールをこなさざるを得なくなり、
早速事務所を訪れて来たレコード会社の猪俣にも
挨拶させられていた。
その後、どうにか事務所を抜け出し、
鳩子の店にやって来た若山だったが、
とし坊からいつものように靴を磨かせてくれと言われ、
台に置いた靴はピカピカの新品で、
有名人になった友達の靴を磨こうと
張り切っていたとし坊を白けさせていた。
鳩子は、今夜9時、家でささやかなお祝をするので
来てくれと誘い、若山も快諾する。
ところが、事務所に戻って来た若山は、
その夜、吹き込みの打合せがあると
ハルミから言われてしまう。
その夜、船橋を伴って帰って来たマキは、
手料理を前に、鳩子が一人で待っているのに気づく。
気を利かせて、少し遅れて帰って来たつもりだっただけに、
若山が来ていないのを船橋とともに不思議がる。

同じ頃、若山は、連れて来られたキャバレーで、
接待に浮かれる音楽関係者たちと、
面白くない時間を過ごしていた。
ボーイに鳩子の家に連絡を頼んでもらうが、
先方に電話がないのでどうしようもない。
空腹のまま待たされている舟橋らに気づかった鳩子は、
秘かに置き時計の針を1時間戻してしまう。
結局、若山はやって来ず、舟橋は帰ってしまうし、
マキからは、人間なんてこんなもので、
自分さえ良ければ人のことなんか考えなくなる。
もう、純情に若山の事とを慕うなんて
止めた方が良いと忠告された鳩子は泣き出していた。


『つづく』

浮世舞台の花道は  表もあれば裏もある
花と咲く身に男がいれば、咲かぬ花には、
女あり ...



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる






P R
きれいなお風呂・宣言

お風呂物語

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、



南 里沙 クロマチックハーモニカ
人生いろいろ --Harmonica






アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.

幸せな家庭生活が妻の病死により一転、
悲しみの毎日へと変わった。
幼子を抱えて生きてゆくには
多くの人々の支えがあった。
精一杯生きる中での様々な出会いと
悲しい別れを繰り返し、
不思議な出来事にも遭遇する。
そして、そこには新たな愛が存在していた。……


Author: 壇次郎


どんぐりからの手紙 (第19話)

失恋
香絵ちゃんは、心優しくとても明るい性格の女性です。
隆はすっかり、自分の姉の様に慕っていました。
特に決まった恋人が居るわけではありませんが、
結構、ホーイフレンドも多く、
男女共に多くの人から好かれていました。
私の店は、香絵ちゃんの通う事務所の近くですので、
彼女はよく、仕事の帰りに寄ってくれます。
また、香絵ちゃんの家は、
私の帰り道の途中でもあり、
一緒に帰ることがよくありました。
その年も暮れようとしている12月の頃の出来事でした。
香絵ちゃんは年末調整の事務仕事で、
いつもより帰りの遅い日が続いていました。
そろそろ店を閉めようとしている時でした。
香絵 「おじさん、おじさん」
剛 「どうしたの? そんなに息を切らして・・。
 宝くじでも当たったのかい?」
香絵 「誰かにつけられているみたい」
剛 「なんだ? チカンかな? 
 でも、香絵ちゃんを襲うやつなんてこの世にいるのかい? 
 後姿で暗いから、相手もよく判らないのかなぁ・・・」
香絵 「おじさん、冗談言ってる場合じゃないよ。
 ここんところ、毎日続いてるんだから・・・」
剛 「どれどれ・・・。誰も追いかけて来てないよ」
香絵 「でも、なんだか気味が悪い」
剛 「じゃあ、しばらく一緒に帰ってあげるよ。
 おじさん、香絵ちゃんのことだったら、
 襲ったりしないから・・・」
香絵 「なによ、それ、どういう意味?」
翌日も、その翌々日も、
香絵ちゃんは誰かに後をつけられている様子でした。
香絵ちゃんは、まりこ美容室の前を通り過ぎて
私の店に来ます。 
そこで、私は、まりこ美容室で香絵ちゃんが
通り過ぎる様子を観察することにしました。
私と携帯電話でコソコソと連絡をとりながら、
香絵ちゃんは目の前を通り過ぎて行きました。
その二十メートルほど後ろを作業服姿の
一人の若者が歩いていました。
明らかに香絵ちゃんの後姿を見つめ、
歩調を併せて歩いています。
私と真里子さんはその男の後を追いました。
打ち合わせどおりに、香絵ちゃんは路地を曲がり、
隠れました。
その男が路地で止まったとたん、
香絵ちゃんと男は面と向かい、
私と真里子さんは男を囲みました。そのとたん、
香絵 「あれっ、雄二じゃないの・・・」
剛  「え? 知ってるのか?」
真里子 「あれ? あんた、たしか
 香絵の中学の同級生だよね」
香絵 「私の後、毎日つけていたの、
 あんただったの?」
剛  「いくら同級生でも、
 ストーカーしてりゃ警察に突き出すか?」
香絵ちゃんの同級生であったストーカー男の雄二は、
今にも泣き出しそうでした。
雄二は、ただ、ただ、謝るだけでした。
とりあえず、香絵ちゃんをまりこ美容室に待たせ、
私は自分の店の中に雄二を入れました。
店にはもう、客はおらず、
姉の由美が私たちを見守っていました。
剛 「お前、香絵ちゃんが好きなのか?」
雄二 「はい・・・」
剛 「じゃあ、はっきりと告白したらいいじゃないか?」
雄二 「この前、告白したら、断られまして・・・」
剛 「そっか、ふられたのか。
 でも、お前、男だろ、未練たらしいと、
 心が腐って、どんどんもてなくなるぞ」
由美 「そうだよ。女はネチネチした男が
 大っ嫌いだからね・・・」
剛 「でも、好きなのは、しょうがないよな。 
 男だからと言っても、なかなか諦め切れないよな? 
 でも、ストーカーは良くないぞ」
雄二 「はい、分かっています。
 でも、仕事の帰り、最近、
 必ず香絵さんを見かけるんです。
 別に待ち伏せをしていた訳ではないのですが、
 気になって、そっと後をつけてしまいました」
剛 「そっか・・・。でも、夜、
 後をつけられるってのは恐いもんだぞ、
 特に女にはな」
雄二 「はい、すみませんでした。もう、しません」
剛 「ところで、仕事、何やってるんだ?」
雄二 「工場で働いています」
雄二の指を見ると、爪の間には
真っ黒な機械油が染み込んでいるのが見えました。
いくら洗っても取れない機械の潤滑油です。
私はかつての自分を思い出しました。
毎日、毎日、機械とにらめっこで、
変化の無い毎日を送る若者の気持ちが理解出来ました。
まだ、雄二の年頃ならば、綺麗な服を着て、
チャラチャラと遊び歩きたい盛りです。
仕事がつまらなくなるとすぐに辞めてしまう若者が多い中、
毎日、真面目に不満も言わず
機械と向かい合っている雄二は、
私にとって他人事でない様な気持ちになってしまいました。
そして雄二は、何度も我々に頭を下げながら、
独り、暗くなった道を帰って行きました。
まあ、香絵ちゃんが変質者に狙われていた訳でなく、
我々は一安心でした。

その後、雄二は決まって毎日同じ時間に
店の前を通って朝晩、通勤していました。
雄二は私と目が合うと、
いつも軽く会釈をしていました。
特に笑顔も無く、毎日、何を楽しみにしているのかと、
疑問に思ってしまう様な若者でした。
ある夕暮れ時、私は雄二に声を掛けてみました。
剛 「たしか、雄二君と言ったね。
 たまにはお茶でも飲んで行かないか?」
雄二は、照れくさそうに店の中に入って来ました。
剛 「どうだ、仕事、楽しいか?」
雄二 「いや、別に・・・。
 いつも同じ仕事ですから・・・」
剛 「ところで、雄二君、休みの日は何してるんだ? 
 友達と遊びにでも行くのか?」
雄二 「いいえ、僕には友達があまりいませんし、
 何もしていません」
剛 「じゃあ、野球やらないか? 野球ぐらい出来るだろ?」
雄二 「小学生の頃、すこしやっていました」
剛 「それなら十分だ」
私は高田さんがやっている野球チームに、
雄二を誘いました。時間と場所を書いたメモを雄二に渡し、
剛 「必ず来るんだぞ、待ってるからな」
雄二 「はい。有難うございます」
さっきまで暗い雰囲気しか見られなかった雄二は、
すっかり笑顔になっていました。
二日後、雄二は待ち合わせのグランドに
工場の作業服のまま、姿を現しました。
私は店を姉に任せ、久しぶりにユニフォームを着ていました。
似たような仕事や生活をしている仲間同士、
雄二はすぐにチームの一員になって行きました。
もう、あの晩の様な雄二ではありません。
若い人は、ほんの少しの弾みで
反れた道を歩んでしまいがちですが、
反対に、ちょっとしたきっかけで
本来の人生に戻ることが出来るのだと、
私は実感しました。

しばらくして、私は雄二と酒を飲むことがありました。
野球の練習の帰りに、かつて咲子と通った
焼鳥屋さんに立ち寄りました。
剛 「どうだ、雄二。野球、楽しいだろ」
雄二 「はい、みんな良くしてくれるし、
 こんなに友達が出来たの、初めてです」
剛 「試合になると、相手チームの応援団で、
 美女の大群が押し寄せることがあるんだ。
 中には群れから、はぐれ出て来る美女もいるから、
 よーく注意して見ておけよ」
雄二 「それは、すごいですね。
 美女の大群ですか・・・? でも、僕、
 まだ香絵さんのことが忘れられないんですよ。
 でも、好きでどうにかしたいと言った
 気持ちじゃないんです。
 忘れようと思っても忘れられないだけなんです」
剛 「当たり前だよ、雄二。一度でも好きになった女を、
 忘れることなんて出来ないもんだ。
 俺なんか、毎日、何十人もの女を思い出すよ」
雄二 「えっ? 何十人もですか?」
剛 「そうだよ。男ってものは、ふられれば、
 ふられるほど、エネルギーが胸の中に
 溜まっていくんだ。そして、本命が現れたとたん、
 それが一気に爆発するんだ。ドッカーンとな・・・。
 そして、情熱的な恋が出来るんだ。
 だからな、雄二なぁ、今の内に、どんどんふられろ!」
私は、今は亡き咲子のことを思い出していました。
かつて、咲子が必ず座っていたこの場所に、
この席に、今、自分が座っています。
当時の私は、失恋エネルギーが溜まりに溜まって
爆発したわけでも、情熱的な恋だったわけでも
ありませんでしたが、
愛する人間を失った悲しさを、
時間が解決することはありませんでした。

続く

Author: 夢庵壇次郎
http://www.newvel.jp/library/pso-1967.html


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる





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お風呂物語

2015年2月13日 (金)

妄想劇場・番外編

妄想劇場・番外編

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、



フラメンコ・ギター パコ・デ・ルシア
Moliendo Cafe' (コーヒールンバ)



銀座の猛者(「銀座三四郎」改題短縮版)
1950年、新東宝、富田常雄原作、八田尚之脚本、
市川崑監督作品。

荒井は、大陸で約束したね。内地に帰ったら、
カナリヤを飼ってマリエを待っているよって…と告げるが、
マリエは笑いながらありがとうと繰り返し、
でもダメなんですと悲し気に答える。
そんなことはない。例えそんなことがあったにせよ、
君のせいではない。式を挙げよう。
これからが本当の生き甲斐だよと説得するが、
マリエは、私、あなたとは結婚できない。
あの男と一緒なの。ごめんなさいと詫びる。
それを聞いた荒井は、今夜、限りきれいに
約束は取り消そうと呟くのだった。
マリエは、今の私は、バーのマダムで
贅沢な暮らしですと答える。
そんなマリエに、酒を注いでやった荒井は
一杯やろうと勧め、2人はグラスの酒を飲む。
帰り際、マリエはこのカナリヤを私に下さらない?と
頼んで来たので、荒井は鳥籠ごと渡してやる、
送ろうと言うが、マリエは1人で帰りたいのと言い残して
去って行く。

翌日、生死不明の女にバッタリ出会ったと話しながら、
「鳥銀」へやって来た荒井と松原を出迎えた銀平は、
松原さんに1本つけて来いと種子に命じる。
ただ、その女とは結婚できないんだ。
人の奥さんになっていた。改めてお願いがある。
絹江さんをお嫁にくれないかと荒井が申し込むと、
喜んだ銀平は、俺にも1本持って来い!と
種子に声をかける。
もういつ ころっと往っても良いんだと
銀平は相好を崩しっぱなし。
その日から、女学校の生徒たちも、
今日は絹江先生がとても張り切っている。
昨日の午後も1人で走っていたわと噂し合う。
荒井の診療所には、今日から松原大三さんが
手伝ってくれますという貼紙が貼られていた。
そんな中、電話が鳴ったので、
荒井が受話器を取ると、何!倒れた?と声をあげる。
カナリヤのマリエが倒れたという知らせだった。
早速往診に出向いた荒井は、
カナリアの鳥籠が置いてある寝室で寝ているマリエを診て、
神経衰弱なので静養が必要だと診断すると、
ひどく悩んでいるね。正直に言って欲しいと頼む。

マリエは、私は浅ましい奴隷なんです。
獣のような男の暴力に犯されたのです。
今はその男の情夫の1人です。
その男は刑務所に行くことを誇りにしているような
相手ですと苦しそうに打ち明ける。
それを聞いた荒井は、バカバカしい話だ。
僕は君を徹底的に回復させると約束する。
しかし、診療所に戻って来て、
マリエのためにヤクザと戦うつもりだと打ち明けた
荒井の言葉に松原は反対する。
我々は警察ではないと言いかけるが、
相手が言い出したら聞かない性分であることを
知っているので、
まあ、やれる所までやるんだなと逆に励ます。
早速警視庁に出向き、川本次席に会った荒井は、
君の管轄には暴力団がいる。その被害者の中には、
恐怖のため自殺したものもいるんだと訴える。
それを聞いていた川本は、協力してくれるかね?と
問いかけ、荒井はやろうと賛同する。
「鳥銀」に帰って来た荒井に、
松原から電話がかかって来て、
マリエさんは世田谷の吉田病院に入院させたと
連絡して来た。翌日、荒井の診療所には、
患者ではなくヤクザが次々とやって来て、
マリエを出せと脅しながら居座る。
女の行方を言うまでは商売をさせないというのだった。
派手なマフラーをした若いヤクザは、
サツが怖くて渡世が渡れるか!と凄んでみせる。
その日の深夜2時、一旦引揚げたヤクザたちだったが、
マスクで顔を隠して怪し気な女がやって来て、
喀血して倒れたので往診して欲しい。
車は外で待たせてあると依頼する。
用心しながら車に女と乗り込んだ荒井だったが、
動き始めてしばらく行くと、故障だと運転手が言い出し、
車が人気のない場所で停まる。
外に出ると、案の定、ヤクザたちが荒井の廻りを取り囲み、
カナリヤのマダムはどこだ?
マリエはどこだ?このまま無事に帰れると思うか?と
脅して来たので、近くの公衆電話に近づいた荒井は、
マフラーをした若いヤクザがサツに電話をかけるのか?と
怯えたように近づいて来たので、
サツなんか怖くないと行ってたな?と逆に脅す。
荒井が電話をした相手は「鳥銀」の銀平だった。
よんどころない事情で、例の約束
破らざるを得なくなったと伝えると、
銀平は馬鹿野郎!と怒鳴りつけ電話を切る。
熊田は約束を破ると言って来た。
クマは会わせる顔がねえと言ってたぞと種子と絹江に伝えると、
それを聞いた絹江は笑い出し自室に戻るが、
すぐに真顔に戻ってしまう。
荒井は、ヤクザたちと戦い始める。
川の側に場所を移動した荒井は、
次々とヤクザたちを川に放り込む。
翌日の夕刊に、銀座三四郎の登場!と、
この出来事を報ずる記事が踊る。
それを読んだ銀平は大喜びで種子に、
その方の約束破るんだったら問題ないんだと種子に話し、
2階の絹代にも、夕べの話を勘違いするなと伝えに行くが、
何故か絹江の表情は悲し気だった。
絹江が持っていた新聞には、
荒井が数十名のヤクザをやっつけた活躍は
「愛人のため」と書かれてあったからだった。
その後、当の荒井が「鳥銀」にやって来ると、
約束を破ってすまなかったと詫びるが、
銀平の方も、あしも片目ばかりに見損なった。
男らしくきっぱり別れようと答える。
荒井は覚悟していたように、
絹江さんによろしく…と言い残して店を後にする。

その後、世田谷の吉田病院にいた
松原とマリエに会いに行った荒井は、
俺はマリエさんと結婚すると言い出す。
よく考えたのか?と聞く松原に、
絹江さんは俺じゃなくても相手はいる。
だが、マリエさんは今度の事件で暗い影を背負う。
俺が結婚するしかないと言うのだ。
廊下で2人きりで話を聞いていた松原は、
とにかく女2人に会え。
どっちの女性が君を必要としているかと助言する。
診療所に来て荒井に会った絹江は嫌よと答える。
私に、あなた以外の誰がいると言うの?
私は誰にもあなたが好きだって言えなかった。
でも私…と言いかけて泣き出してしまう。
それを聞いていた荒井は、そうか、
俺がバカだったな〜…と、
自らの不明を恥じるのだった。

絹江は花嫁衣装を着ていた。
その横で嬉しそうに眺めていた種子は、
お前はわがままだから言っとくけど、
何でもはいはいと言っとくんだよと言葉をかけるが、
絹江は笑い出してしまう。
何だね、この家ともお別れなんだよと種子は注意するが、
でも私たちの所、近すぎるわとぼやく。
新居がすぐ近くということだった。
外は雪が降り始めていた。
待機していた荒井の背後に、
休業日を知らずに来たらしき客が休みかい?と
声をかけて来たので、タバコを吸っていた荒井は、
婚礼だよ。ここの娘さんが結婚するんだと
振り向かずに答える。
すると客は驚いたように、
どんな奴が花婿になるんだろう?と
言いながら帰りかけるが、
どんな奴が花婿かか…と荒井が笑うと、
一旦去りかけていた客は驚いたように戻って来て
中を覗き込む。
そこに大きなふろしき包みを背負ってやって来たのは
看護婦の美子だった。
ふろしき包みの中から取り出したのは、
荒井のお馴染みさんからの祝儀の贈り物の山だった。
診療所に届いたのだという。
みんな、先生を尊敬しているんですよと言う美子は、
結婚って良いですわ…と憧れるように呟く。
そこに、川本次席と銀平、種子がやって来て、
式を始めるのでと荒井を奥の部屋に連れて行く。

その直後、店に駆けつけて来たのが松原で、
マリエさんのことだ、心配いらんよ。
あの人は1人でやっていける人だ。回復したら、
俺の助手をやってもらうつもりだと荒井に声をかける。
ウエディングマーチが聞こえる中、
結婚式の贈答品が置かれた部屋の窓の外から
中を覗き込んだのはマリエだった。
お幸せに…そうマリエは呟く。
一人今に戻って来た銀平は、
嬉しそうに踏み台に登って棚の上に置いてあった
だるまの片方の眼に墨を入れようとしていたが、
足を踏み外して転げ落ちてしまう。
畳に落ちただるまは、ちゃんと両目が入り、
しっかり起き上がるのだった。


おわり


浮世舞台の花道は  表もあれば裏もある
花と咲く身に男がいれば、咲かぬ花には、
女あり ...



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる






P R
きれいなお風呂・宣言

お風呂物語

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歴史・履歴への許可証

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、


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むかしむかし、京の都に、
清原正高という横笛の名人がいました。
そのうわさが帝(みかど)の耳に入り、
宮中の宴(うたげ)の席で笛を吹くようになったのです。 
ある日の事、宮中勤めをするようになった
正高(まさたか)が笛ならしをしていると、
どこからともなく、その笛に合わせるように
美しい琴(こと)の音(ね)が流れてきました。
それは、小松女院という姫のかなでる琴でした。
その日から、宮中では笛と琴の音あわせが、
毎日のように聞かれるようになったのです。そして、
二人はおたがいに心を寄せ合う仲になったのです。
ところが、これを知った帝は大変怒りました。
笛吹きの正高と、帝と血のつながりのある姫とでは、
身分が違い過ぎるというのです。
正高は豊後の国(ぶんごのくに→大分県)へ、
姫は因幡の国(いなばのくに→鳥取県)へと、
離ればなれにされてしまいました。
さて、それからいく年もたちましたが、
どうしても正高のことが忘れられない姫は、
ある夜、ひそかに豊後の国へと旅立ったのです。
十一人の侍女(じじょ)とともに、
けわしい山を越えて海を渡るその旅は、
命をかけての旅でした。

豊後の国の玖珠(くす)という所にたどり着いたのは、
因幡の国を出てから百日余りもたった頃です。
みんなは身も心も疲れ果てて、
三日月の滝のほとりで休んでいました。
するとそこへ、一人の年老いた木こりが
通りかかりました。侍女の一人が、
「あのう、もし」と、声をかけます。
「このあたりに、清原正高さまというお方が
住んでいると聞いて参ったのですが」
「ああ、横笛の正高さまかね。
正高さまなら、五、六年前から
この里に住んでおいでじゃが、
今じゃ、里の主の兼久さまの娘婿になってます」
「なっ、なんと・・・」
これを聞いた姫や侍女たちは、
言葉もなくたたずみました。
生きる望みがたたれた姫は、
よろよろと三日月の滝のふちに近寄ると、
手を合わせて飛び込んだのです。
そしてその後を追って、十一人の侍女たちも
次々と身を投げてしまいました。

年老いた木こりは、あまりの出来事に、
息をのんで見つめているだけでした。
この木こりから話しを聞かされた正高は、
姫とその侍女たちの霊(れい)をなぐさめるために
寺を建てました。
そして心をこめて、横笛を吹いたのです。
正高の建てたその寺は、
正高寺(しょうこうじ)と呼ばれて、今も残っており、
三日月の滝のほとりには、
嵐山神社(あらしやまじんじゃ)が建てられて、
正高の横笛が大切に保存されています。
おしまい




パニック障害を告白した堂本剛さんが語る





ほんのりと怖い話

木守り;木守りという風習を御存知でしょうか。
実った木の実を全て取り入れてしまわず、
いくつか残す風習は昔からあって、
取り入れずに残した実のことを、
木守り(きまもり)と呼びます。
諸説ありますが、来年もまた沢山の実を
つけてくれるように、という願いを込めた行為です。
これは、私の祖父の姉が子供の頃に体験したお話です。

祖父の家の裏山には、大きな柿の木があります。
その柿は渋柿で、毎年干し柿をたくさん作っています。
祖父の家では、一本の縄に10個ずつ柿を吊るします。
それがズラーッと並ぶと壮観ですね。
良い具合に干された頃に、猿がやってきて
盗んで行く事もあるそうです。
毎年、学校から帰ると、お婆ちゃん(祖父の祖母)と
姉、弟と一緒に干し柿作りをしていました。

その年の秋も、裏山の柿の木は
鈴生りに実を付けていました。
お婆ちゃんは風邪をこじらせ寝込んでしまっており、
祖父と姉が干し柿作りを任されました。
柿の実は父親が取り入れてくれており、
皮を剥いて縄に吊るすだけです。
祖父と姉は数日掛かりで作業しました。
そろそろ終わりに近付いた頃、姉は柿の実の数が
足りない事に気がつきました。
柿が7個しかありません。
几帳面な姉は、木にいくつか残っていた事を
思い出して見に行きました。
ちょうど3個残っています。
姉は少し考えたんですが、
区切りが良いので取ることにしました。
家に戻って竹の棒を持ち出し、
竹の先の切れ込みに柿の枝を挟んで捻ると
簡単に取れます。
3個目の柿を取った時に、
「ギャ-ッ」という鳴き声が聞こえたそうです。
驚いて怖くなったんですが、
きっと鳥の鳴き声だろうと思い、家に帰りました。
翌日、父親から柿を全部取ったことを
きつく叱られたそうです。

秋も過ぎて山の木の葉も全て落ち、
もうじき雪が降り始める頃の事です。
裏の畑に大根を取りに行った姉は、
ふっと山の柿の木に違和感を感じました。
柿の実が一つ木になっています。
全部取ったはずなのにおかしいな?と思った姉は、
木の近くに見に行きました。
じっと柿を見ると、突然柿が能面のような
真っ白い女性の顔に変わり、
「お前の右足を食べたいねえ」と言った途端に
ポトリと落ち、コロコロ転がってきて、
真っ赤な口を開けて、姉の右脛に齧り付きました。
姉は痛みと恐ろしさで、夢中で家に駆け戻りました。
家に入り足を見ても何もなく、
不思議と傷も付いていなかったそうです。
母に話したのですが、気のせいだと
笑って聞き流されてしまいました。

翌日、友達何人かと一緒に学校から帰る途中の事です。
通学路の途中にある桜の木の下に差し掛かった時、
上から「ギャ-ッ」という鳴き声が聞こえたので、
パッと目を向けた瞬間、体中動かなくなりました。
枝に柿が二つぶら下がっています。
柿を見たまま動けないでいると、
昨日のように一つが真っ白い女性の顔に変わり、
「お前の右足は美味かったよ」
そしてもう一つが白髪の老婆に変わり、
「私は左足を食べたいねえ」と言って
二つともポトリと落ち、コロコロ転がってきて、
真っ白い女性の方は姉の右脛に入ってしまい、
白髪の老婆の方が、真っ赤な口を開けて
姉の左脛に齧り付きました。
痛いと感じた途端に体が動くようになり、
左足の老婆も消えていました。
周りを見ると、友達はポカンとこっちを見ています。
姉が声が聞こえなかったかと聞いても、
「何も聞こえなかった」と言い、
柿がなかったかと聞いても、「何もないよ」と言います。
それよりも、急に立ち止まったので、
お腹でも痛くなったのかと心配したと言います。

恐ろしくなった姉は急いで家に帰り、
お婆ちゃんに昨日、今日の事を泣きながら話しました。
話した後も恐ろしくてたまらないので、
布団に入って泣きながら震えていました。
これはただ事じゃないと思ったお婆ちゃんは、
寺の住職様に相談に行きましたが、
まともに取り合ってもらえませんでした。
他に頼る当てもなく、途方にくれたお婆ちゃんは、
その日一睡もせずに仏壇の前で御先祖様に、
「何とか姉を助けて下さい」と繰り返し
お願いをしたそうです。
お婆ちゃんがお祈りしている晩、姉は夢を見ました。
暗闇の中から真っ白な着物を着た男の人が現れ、
姉の前に正座して深々とお辞儀をした後、
こう言いました。
「力が及ばず誠に申し訳ない。
全部許してはもらえなかった」
そして、また深々とお辞儀した後、
ゆっくりと立ち上がり、また暗闇の中に消えて行きました。

翌日、目が覚めた後、お婆ちゃんに話をすると、
姉を抱きしめて泣き出し、
「ごめんね、ごめんね、
何もしてやれずにごめんね」と、
姉と一緒に大泣きしたそうです。
それから、何をするにも姉にお婆ちゃんが付き添いました。
ところが、おかしな事は昨日を最後に全く起こりません。
1ヶ月が過ぎ、2ヶ月が過ぎても何も起こらないので、
段々とお婆ちゃんとも離れ、以前の生活に戻りました。

3年目の夏、お婆ちゃんは肺炎にかかって亡くなりました。
そして秋になり、柿の実が色付いてきた頃、
姉は裏で畑仕事の最中に右足で釘を踏み抜いてしまい、
その傷が化膿してしまって、右足の膝下を切断しました。
ただ、それ以降は無病息災で何事もなく
平和に生活できました。
その姉も、83才で大往生いたしました。
自宅で寝ている最中に自然と息を引き取ったので、
天寿を全う出来たのだと思います。
姉のお婆ちゃんの命日と1日違いなのは、
ただの偶然でしょう。

姉の生前の口癖は、
「私は欲をかいたばっかりに、右足を無くしたんだよ。
御先祖様とお婆ちゃんの力が無かったら、
生きていなかったかもしれない。
お前たちも、足るを知って慎み深く生きなさい」
私の祖父はもちろん、姉の子供たちも
繰り返し聞いた言葉です。
私も自分の心に刻んで、
大切に守っていこうと思います。




誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。


時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる






P R
きれいなお風呂・宣言


お風呂物語

2015年2月 4日 (水)

信じれば真実、疑えば妄想……

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.

幸せな家庭生活が妻の病死により一転、
悲しみの毎日へと変わった。
幼子を抱えて生きてゆくには
多くの人々の支えがあった。
精一杯生きる中での様々な出会いと
悲しい別れを繰り返し、
不思議な出来事にも遭遇する。
そして、そこには新たな愛が存在していた。……


Author: 壇次郎


どんぐりからの手紙 (第11話)

その後の私は、スーパーで買い物をすると、
必ず美恵子さんのレジに並びました。
そのレジがどんなに長い列になっていようとも、
私はその列に並びました。隣のレジが開いて、
「お待ちのお客様、こちらにどうぞ」と、言われても、
私は美恵子さんのレジの列から
離れようとしませんでした。
美恵子さんは、そんな私を見て、
吹き出しそうになるのをじっとこらえている様子でした。
私はいつもより仕事帰りが遅くなった時など、
美恵子さんの帰宅姿を見かけることがありました。
そんな時、私から声を掛けたり、
逆に、美恵子さんから声を掛けられたりしたものした。
私たちはその度に、短い距離でしたが並んで歩き、
二人、会話を楽しみました。
美恵子「森田さん、お帰りなさい。
 今日も残業でしたの?」
剛「ええ、景気が悪いのに、
 何故か会社ですることがあるんですよ。
 美恵子さんも、お疲れですね? 
 美紀ちゃん、きっと、お腹すかしていますよ」
美恵子さんが母子家庭でいるのは離婚したからだと、
私は隆から聞いていました。
姓は旧姓なのか、前夫の姓を続けているのかは
判りません。
事情があって、やむを得ず姓を変えていない事も
あるでしょう。
私はあえて、美恵子さんを名前で呼ぶことにしていました。
また、美恵子さんも、自分を名前で呼んでくれることに
喜びを感じている様子でした。

美恵子「いつもお帰りが遅いと、
 お好きな野球も出来ませんね?」
剛「そうですね、でも、今まで飽きるほど野球、
 やってきていますから・・・。
 美恵子さんも毎日遅くまでお仕事ですが、
 お休みはいつなんですか?」
美恵子「私には、お休みなんか御座いませんのよ。
 スーパーがお休みのときは、
 別のアルバイトでもしなければ、
 親子、生きて行けませんもの・・・」
剛「でも、僕、そんな貴方を見ていると、
 お身体のことが心配になってしまいますよ」
美恵子「あら・・・、そんなお優しい言葉聞いたの、
 私、何年ぶりかしら・・・」
剛「せっかくデートにお誘いしようと思ったんですが、
 もしかして、今が一番のデートの時間なんですね?」
美恵子「ふふふ・・・、そうですね!」
美恵子さんがわずかな食品の入った
買い物袋を持ち替えた時、
長袖のブラウスの袖口から、
彼女の細い腕が少し覗きました。
その腕には、真新しい火傷の痕が
痛々しく残っているのを私は見てしまいました。
しかし、私は何も見ていないかの様に目をそらし、
小柄な美恵子さんの歩調に併せ、
彼女の傍らを歩き続けました。
その晩は、秋風が身に沁みてくる星空の
美しい夜でした。
ある日のことでした。私が隆と夕食を共にしていると、
いきなり隆は、私に、
隆「美紀ちゃんのお母さん、
 DVだったんだって。お父さん、DVってなに?」
剛「そうだねぇ・・・。
 ビデオみたいな物かなぁ・・・」
隆「・・・???」
私は返事に困り、とっさにこんな答えをしてしまいました。
母親のいない小学一年生に、
ドメスティックバイオレンスの説明を
したくはありませんでした。
私は美恵子さんが愛おしく、たまらない気持ちに
なってしまいました。
数日後、私はまた、スーパーに買い物に行きました。
しかし、お目当ての美恵子さんは、
そこにいませんでした。
剛「隆、今日、美紀ちゃんのお母さん
 スーパーにいなかったけど、
 美紀ちゃんに何か聞いている? 
 病気なのかなぁ・・」
隆「今度、美紀ちゃん、
 おばあちゃんちに行くんだって・・・。
 引っ越すんだってさ」
私は、それ以来、美恵子さんを
見かけることはありませんでした。
スーパーのレジに立つ美恵子さんの笑顔を
見ることは出来ませんでした。
残業で遅くなった帰り道、
後ろから声を掛けてくれた美恵子さんは、
もう、この街にはいなくなってしまいました。
ただ、「頑張って下さいね」と最後に一言、
言いたかったのですが、
私には、そう願うことしか出来ませんでした。

続く

Author: 夢庵壇次郎
http://www.newvel.jp/library/pso-1967.html


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



ある女の詩(美空ひばり、ギター:木村好夫)
作詞:藤田まさと・作曲:井上かつお

雨の夜来て ひとり来て
わたしを相手に 呑んだ人
わたしの肩を そっと抱き
苦労したネと 言った人
あああなた 遠い遠い日の
わたしの あなたでした





誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる






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きれいなお風呂・宣言

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カビ汚れの無い、お風呂
バスタブ・タイル目地の黒カビ !!
~今日でさようなら~
バスルームの、
簡単・カビ防止コート剤!!


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