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2015年4月

2015年4月28日 (火)

妄想劇場・番外編

妄想劇場・番外編
 
  信じれば真実、疑えば妄想……
 
  昨日という日は歴史、
  今日という日はプレゼント
  明日という日はミステリー
 

  落語の原型とも言われている
  江戸小咄は、 江戸時代の
  庶民の楽しみとして広く伝わって
  おおらかに性を笑いに取り入れて
  現代にまで至っています。
 
 
  お色気小咄は日本だけではなく、
  外国にもあります、西洋小咄です

 
 
 
生酔い勘定
  亭主の留守をさいわいに、若い男を連れこんで、
  一戦におよんでいるところへ、
  ヒョッコリと、亭主が帰ってきた。
 
  寝床にいる若い男の顔つきは、
  まるで青菜に塩、
  さすがに女は、ベテランの奥さん、
  落ちつきはらって、
  「どうやら酔っぱらって帰ったようだから、
  さわがない方がいいわ。
  そのまま、じっと動かないでね」
 
  そこへ亭主が、赤い顔をしてはいってきた。
  「ああ、酔った、酔った。眠くてしょうがないよ」と、
  ひとりで服をぬぐと、ベッドの中へもぐりこんだ。
  寝つきがわるく、何やらモゾモゾやっていたが、
  やがて、不思議そうな顔つきで、
  むっくりと起きあがった。
 
  「どうもおかしい?
  このベッドの中には、
  脚が六本あるようなんだが・・・」
  「何いってんの。おバカさんね。
  アルコールがはいると、すぐそれなんだから・・・。
  さあさあ、おとなしくねんねしなさい」
 
  すまし顔の細君の声に、一度は横になったが、
  また妙な顔つきで、「うんにゃ、たしかに六本だ!」
  細君も、もはや、これまでと覚悟をきめ、
  「あんたとあたしの脚が六本になったらバケ物よ。
  勝手になさい!」
 
  「よしっ!そんなら数えてみよう」
  ふらふらベッドをおり、毛布をめくり、
  ひィ、ふゥ、みィ、と数えていたが、
  「ちがいねえ、おまえのいうとおりに、
  やっぱり四本だ!」

 
  おあとは、よろしいようで…
 
 
  問わず語り
  「昔はよかったなあ、昔は・・・」
  ボギー爺さんは、いつもの話をやり出した。
  「なにしろこのオクラホマだって
  今みてえに人間がウジャウジャいなかった。
  それに娘っ子だってみんなきれいで純情で、
  いまどきの若い者みたいに、
  浮気しようなどと考えている娘は
  一人もいなかったもんだ」
 
  ボギーの婆さんが、口をはさんだ。
  「そうともさ。昔はよかったねえ。
  いまどきの夫婦みたいにすぐ出るの
  別れるのという騒ぎもなかったし・・・
 
  それに、この辺に森や林が沢山あって、
  浮気しても見つけられる
  心配なんかしたことがなかったよ」
 
 
おあとは、よろしいようで…
 
 
  みつお

 
人の為(ため)と
  書いて
  いつわり(偽)と
  読むんだねぇ

 
 
 
 
誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
  誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
  ただ、黙っているだけなんだよ、
  言えば愚痴になるから……

 
 
  歌は心の走馬灯、花に例えた古い歌
  今さら聞いても仕方がないが
  何処に置いても飾っても
  歌も花も、枯れてゆく
  …人生、絵模様、万華鏡…

 
 
 
18禁 「フィーリング」  
 
 
 
  時は絶えず流れ、
  今、微笑む花も、明日には枯れる

 
 
 
 
 
 
 
 
  ふろ
  P R

 
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お風呂物語

 
 
 
 
 
 

 

2015年4月27日 (月)

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
「国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」。
そんな彼を描いた小説。




韓信-37

安陽で宋義を討ち、鉅鹿で趙を救い、
殷墟で章邯を降伏させ、
新安で二十万の秦兵を穴埋めにして、
ようやく函谷関にたどり着いた項羽軍が目にしたものは、
関門に林立する劉邦軍の旗印と、
侵入を拒むよう配置された、無数の守備兵たちだった。
入ることができない項羽は、怒りを抑えることができない。

すでに咸陽は劉邦によって平定された、と聞いたときには
さらに怒り、「撃ち破れ。踏みつぶしてしまうのだ」と、
黥布をけしかけて関を実力で突破してしまった。
項羽は沛公のことなど、友軍だとも思っていない。
自分のために道を開けてくれる存在だとも
思っているのだろう。

しかし沛公がいつまでそんな地位に甘んじるか……
韓信は、新安で二十万の秦兵を穴埋めにした
項羽を信用できなかったばかりか、
顔を見るのも拒むほど嫌った。
黥布などは感情のない、殺人兵器のように見える。
鍾離眛には、裏切られたという思いが強かった。
例の穴埋め作戦の一件以来、
韓信と鍾離眛の関係は思わしくない。
秦兵を穴埋めにするのに鍾離眛が
積極的だったことを韓信が責めると、
鍾離眛は韓信が項羽の作戦行動に
なんの寄与もしていないことを責めるのである。

「眛……。君と私とでは考え方が違うようだ。
しかしここで袂を分かったとしたら、
我々はお互いに敵になるということなのだろうか。
君と私は、昔からの仲だ。
できれば殺し合うような関係に陥ることは、避けたい。
何とかならぬものか」韓信の問いに対して、
鍾離眛は興味がなさそうな態度で答えた。

「信、お前と私とでは、幼少の頃から考え方が違った。
今に始まったことではない。
それに……以前にお前は言ったはずだ。
敵同士になったときには、ためらわずに斬る、と。
あれは嘘だったとでも言うのか? 
まあ、もしお前がそれを避けたいと言うのであれば、
お前自身が考えを正せばよい」

「正す? 正すとはどういうことだ。
私の考え方が間違っていると言うのか。
間違っているのは君の方だ。
二十万もの士卒を穴埋めにする行為を、
いったい誰が正しいと言えるのか! ……
しかも君は喜んでそれをやったのだ!」
韓信が語気を荒げても鍾離眛は動じる様子を見せない。
他ならぬ項羽から寵愛を受けている、という
自信のなせる業であった。

「今さら言うまでもないことだが、
戦争に犠牲が生じるのは仕方のないことだ。
いずれ天下が定まれば、
私のしたことは正しいと評されるだろう。
お前はそうやって私や上将軍のことを
批判ばかりしているが、なんのことがあろう。
私はまったく気にならない。……
お前は口ばかりで、結局は何もできない男だからな!」
韓信はこれを聞き、心底落胆した。

あの幼き日、母をともに弔った日の眛は
どこに行ってしまったのか。
「眛、君は変わったな。私の知っている眛は、
正義感が旺盛で、長いものに巻かれて
生きるような男ではなかった。
私が見るに、君の変わりようは考え方だけではない。……
眛、君自身は気付かないだろうが……
今の貴様の目はひどく濁っているぞ!」

韓信はもはや関係は修復不可能と悟り、立ち去った。
あとに残された鍾離眛は、
たいして気にも留めない素振りをみせた。
しかし、陣中に戻ると急に思いついたように
配下の者を呼び止め、
「おい、お前。私の目は以前と同じように黒いか?」と
確認したりした。

項羽という男は素朴で直情的な性格であったが、
そのためか思考にやや安定性を欠いた。
敵対する者を憎み抜く一方で、
慕う者を溺愛した彼には、
必死に許しを請う者に慈悲の心を示す傾向があった。
劉邦はそのような彼の揺らぎがちな心に
一縷の期待を寄せ、行動に出た。

その結果として劉邦は項羽の関中王としての
覇権を認める形となったが、
一命を取り留めることになる。
その過程には不思議とも思える人の縁と、
壮絶な忠誠心が存在した。
韓信はそれらを目の当たりにする。

つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、 花に例えた古い歌
今さら聞いても、歌っても、何処に置いても、飾っても
花も歌も、枯れてゆく....人生、絵模様、万華鏡...



王将- 美空ひばり



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる










P R

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チャンネル掲示板

チャンネル・ニュース

幸せがつづいても、不幸になるとは言えない
 不幸がつづいても、幸せが来るとは限らない


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント

明日という日はミステリー



名無しの恋人さん( 29分の1の時間)
付き合って1年目。
彼の友人からの電話で知った。
それまで病気ひとつしたことがなかった彼が、
ある日突然倒れた。
2週間と2日の壮絶な闘病生活の後、
29歳でこの世を去った。

彼は最後まで笑っていた。
抗ガン剤の猛烈な副作用に苦しみながらも、
治療のため面会が制限されるまでの間、
いつも笑顔で冗談を言っては、
訪れる人たち皆を笑わせていた。

お互い、忙しい生活だった。
彼は朝4時に起きて仕事に行っていたし、
私の仕事は不規則で、泊まりになることも珍しくなかった。
そんな私たちがどうやって出会い、
どうやって愛を育んだのか・・・
考えれば考えるほど、あれは奇跡だったとしか思えない。
でも、もっとたくさんの時間を過ごせたはずだった。
と、今は思う。

急性骨髄性白血病。
もともと身体が丈夫だったのが災いした。
自分の体調が悪いことにすら気づかずに
仕事に行った彼は、突然吐血して病院に運ばれた。

彼が書き残したメモがある。
「わがまま」
たとえあと一日しか生きられないとしても
その一日を あなたと生きたい

偶然にも見つけてしまったとき、
彼は痩せた顔を赤らめて照れていた。
どうしてこれが「わがまま」なの、と聞くと、
彼はこう答えた。
「僕が死んだ後も○○は生きていかなきゃいけない。
だとしたら、いつまでも一緒にいたいなんて思うのは、
僕のわがままなんだ」

涙が止まらなかった。でも、何も言えなかった。
最後の瞬間を、私は知らない。
馬鹿みたいに仕事していた。
心から愛した人が、この世を去ろうとしている時に、
私はニコニコ笑いながら、
赤の他人のオムツを替えていた。
仕事が終わって駆けつけたときには、
もう遅かった。

「葬式」は行われなかった。
代わりに、彼の友人たちの手で、追悼式が行われた。
彼のご両親も快諾してくれた。
近くの文化会館を借りて行われた追悼式には、
一体どこで知り合ったのか、
92歳のおばあちゃんから野球友達の小学生まで、
300人を超える人が集まり、
尽きないエピソードに笑い、そして涙した。
祭壇も、線香もない、お別れ会だった。

世の中、完璧な人間はいないと思う。
でも、彼ほど皆から愛された人を、私は他に知らない。
彼のルーツを知れば知るほど、今でもそう確信する。
その夏、私は病院を辞めた。

数ヵ月後、すっかり夏になった頃、彼の部屋を訪れた。
机の上に、貸したままのCDがあった。
タンスの引き出しには冬物のセーターがあった。
彼のお母さんと二人、涙がとまらなかった。

追悼式の日、みんながそれぞれに思い出を語った。
最後に私は、走り書きしたメモを読んだ。
あなたと出逢ってから
思えばまだ たった一年しか経っていないんですね
そのわずか一年の間に
いろんなことがありました
あなたは どんな時も笑顔でした

最後の二週間は 特に濃密な時間でした
あなたが生きているという、ただそれだけのことを
こんなにも愛おしく感じたことはありませんでした
残された時の間に あなたは
できる限りのものを残そうとしてくれましたね

あなたの言葉を、あなたの笑顔を
そのすべてを 私は確かに受け止めました
だから、もうこれ以上 苦しまないで下さい
あなたは 充分すぎるほど頑張りました
だから ゆっくり休んで下さい
あなたの29年という時間は
ここで終わってしまうけれど
あなたの時間は
ここにいるすべての人達が
確かに 受け継いでゆきます

そして、あなたの人生の29分の1の時間を
一緒に過ごせただけで
私は十分 幸せでした。…!!




家族の幸せ



親友がいました:大人になった名無しさん

4歳の時、保育園にて。
何が気が合ったのか、今ではもう忘れてしまったけど、
俺達はは毎日のように遊んでいたよな。
ザリガニの釣り方や、自転車の乗り方を
お前は教えてくれた。

小学校に入り、お前とは2年間だけ同じクラスだった。
一緒のクラブに入ろうと誘ってくれたのは
お前だったよな。
俺が水泳苦手なのを知っていて誘ったんだよな、
水泳部。運動音痴な俺が、
未だに泳ぐことだけは人に誇ることが出来るのは、
あの時お前が誘ってくれたからだよ。

あと、お前のあだ名を付けたのは俺だった。
ひどいあだ名だったよな。
それでも、そのあだ名は高校に行っても
言われ続けていたよな。
嫌なら言えよって言ったら、折角のあだ名だし
結構気に入ってるって言ってくれたのが救いだった。
学芸会で一緒に悪い虫の役をやったよな。
真っ黒の服きて 二人してセリフは一緒に叫んだ
「逃げろ、逃げろ」だったな。
あの時に歌っていた劇中歌は酒飲むと必ず歌ったな。

中学に入って、同じクラブに入ろうと誘ったのは
俺だったよな。
お前が生き物好きでよかったよ。
名前だけの生物部だったけど、
餌やりなんかを理由にしては
夜の学校で遊びまくったな。

ある日突然、池の鯉が全滅したのは、
お前が治療薬を間違えて入れたことだってのは
誰にも言ってないぞ。
あの頃、お前が好きだと言った子は
俺の好きな子の親友で、
何だか変なところでも気が合うなぁって言ったよな。
俺はお前と彼女の取り合いにならなくて
ほんとに良かったと言ったら、
「戦わずして負けを認めるか」と言ってよな。
俺は負けても良かったよ、お前を失いたくなかったから。

高校は別々になったよな。
お前が受ける高校に、俺の成績では入れなかったから。
でも、休みになるとキャンプや釣りに行ったり、
時間を作って遊んでたよな。
お前が演劇部で、俺は放送部。
よく手伝いに行かせてもらったよな。
機材の使い方や台本のチェックとか
何かあると頼りにされて嬉しかったよ。
この頃に麻雀や煙草に酒を一緒に覚えたよな。
今でも煙草は美味くないが吸っている。
お前と一緒の銘柄だ。

大学は何故か俺が先に入ったよな。
心理学の勉強したいと言ったら、
おまえらしいなって言ったよな。
そのお前が浪人するは、

やっと某有名国立大学に入学したと思ったら、
獣医になりたいって大学受け直して、
北海道に行っちまったんで、帰省した時にしか
遊べなかったよな。
お互い、女性に奥手だけど次の年には
彼女の写真を持ってこようっていって、
二人とも彼女は見付けられなかったよな。

あの後から、お前の実習が忙しくなって、
俺が就職して、だんだん連絡取れなくなった。
お前は、俺より5年も長く学生だったんだよな。
その5年間に何があったんだ。
俺も仕事の忙しさと辛さに耐えてたんだぞ。
薬飲みながら休職と復帰を繰り返してたんだ。

そう、俺もお前と同じ様に耐えてたんだ。
うつ病って病気に。奇遇にも同じ
病気になって毎日苦しかったんだ。
お前もそうなっているとは知らずに。
俺がお前に相談できなかったように、
お前が俺に何も言えなかったのはよく解る。
けど、死ぬことはないだろう。

何が安楽死だ。競走馬に使う
点滴を自分に打ちやがって、
何が安らかな死に顔でしただ。お前のお袋
話も出来ないほど泣いてたぞ。
獣医師免許の資格を取ったばかりなのに何でだ。

力になれなかったのが悔しい。
電話をしなかったのが後悔される。
メールだって送れたのに何故出来なかったんだ。
お前が死んでから
俺はしばらく何も出来なくなっちまったよ。
逃げやがってよ。

あれから、何年か経つけど、俺の近況だ。
俺にも娘が出来た。もう2歳 になる。
この前、息子も生まれた。
子供達の母親は病気の時に俺を支え
続けてくれた人だ。
お前に紹介したかった。

良い嫁さんだろって、
今まで苦しかったんだ。
伝えたい事が色々あったのに言えなくってさ。
親友へ。
またお前と話したい。
そちらには天国も地獄もないことを祈る。…!!



甲子園にかけた思い




人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。


時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる










P R

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お風呂物語






2015年4月26日 (日)

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
「国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」。
そんな彼を描いた小説。




韓信-36-咸陽落城

しかしそうとばかり言ってはいられない。
ここで劉邦自ら宮廷を荒し回る行為に出ると、
士卒がそれをまねて咸陽全体が大略奪の場になってしまう。
そうなってはこれまで築き上げた民衆の信用はがた落ちで、
支持基盤を失うことは明らかだった。
沛公は項羽が恐ろしくなって、
一時的に現実逃避をしているのだ。
そう思うと、張良は劉邦を哀れに思った。
あの恐ろしい項羽と近い将来対決しなければならないと思うと、
誰だって逃げ出したくなるだろう。
ここは優しく、説得するべきであった。

「どうか樊噲の言うことをお聞きください。
良薬は口に苦し、と申しますが、
同じように忠言は耳に入れ難いものです。
今、天下のために害賊を除こうとするならば、
逸楽に安んじることなく、質素を旨とするよう、
沛公自ら示さねばなりません」

これを聞き、劉邦はようやく抱いていた宮女を離した。
「害賊……害賊とは秦のことを言っているのか。
それならもう滅んだ。
子房、お前は、まだこのうえ害賊がいると言うのか」
「おります」劉邦はやっと居ずまいをただした。
「聞こう」張良は、特に強調するでもなく、
さも当然のことを述べるように言った。

「沛公にとって、今後害賊とみなすべき人物は、
項羽以外におりません」
劉邦はそれを聞いて気分を良くしたらしく、高らかに笑い、
そのせいで息ができなくなり、何度も咳き込んだ。
「項羽! げほっ! ……あの項羽が、害賊だというのか! 
本気か、子房?」
張良には特に変わったことを言った意識はない。
涼しい顔をして答えた。
「本気です。沛公が天下を統べる人物たらんと思うならば、
項羽は敵というしかありません。
敵は、つまり害賊です」

劉邦は、それを聞いてしばし考え込み、
やがて立ち上がって宣言し始めた。
「ええと、おほん。……今後宮廷の庫をあばいて重宝、
財物などの物を持ち去ろうとした者は死罪に処す。
すべて封印せよ。あぁと、
それから……宮廷の婦女に対しても同様である。
いたずらに淫らな行為を犯した者は、
三族すべて皆殺しとする……この言葉を士卒に伝えよ」
最後の言葉は、いかにも名残惜しそうであったが、
張良は劉邦のそんな様子に不満はなかった。
ちなみに劉邦のこの言葉が伝えられる前に、
庫をあばいた者が少なからずいた。
多くの者は金銀財宝を山分けしたのだが、
ひとり、劉邦のそばにあって内務を担当している
蕭何だけは、
秦の法令や政治文書をいちはやく持ち出し、
これを将来のために保存した、という。

元来がけちな盗賊上がりの劉邦は、
自らに確固とした信念や政略があったわけではない。
劉邦にあったのは、人の能力を直感的に見極め、
それを適所に配置する能力だった。
貴族とは違い、市井にもまれて暮らしてきた者にしかない
能力だと言える。
そして任せたからには、徹底的に任せた。
そうすれば、彼らが勝手に政略などを決めてくれる。
しかし、劉邦は関中の父老連中を集めた際に、

珍しく自らの方針を自分で決めて発表したことがある。
「秦の法は厳しく、父老には過酷だったこと
この上なかっただろう。わしもつらかった。
よって以後、法は三章だけとする。
人を殺した者は死刑、人を傷つけた者、
また人の者を盗んだ者はそれ相応の罪に処す。
その他の秦の法は撤廃じゃ」
この布告が広まり、秦人たちはおおいに喜び、
劉邦を歓待しようと肉や酒をこぞって持ち寄った。
しかし劉邦はこれを断り、
「いやいや、軍糧が余っているわけではないが、
みなさんに負担を強いるわけにはいかない」と述べたという。

単に人気取りをしているようにも見えるが、
この時代の豪傑たちの中には、
この程度の人気取りをする者もいなかったのである。
かくて秦人たちは劉邦の人柄に惚れ込み、
関中王の座が劉邦以外の者の手に渡ることを心配し始めた。
劉邦自身にもそれがわかる。
子房は、関中は一時項羽に明け渡さなければならない、
と言ったが、それでは民衆は浮かばれん。
あの男なら、この地を民衆もろとも
穴埋めにしてしまいかねない。……
わしは項羽と戦ってでもここを堅守するべきではないのか。
柄にもない使命感を感じて、
考え込む劉邦に幕僚でもない男がひとつの提言をした。
「函谷関を閉ざして、項羽の軍が通れないように
守備を固めればよいではありませんか」
そうか! なぜ今まで気付かなかったのか?
民衆の行く末を思うあまり、
項羽と戦っては勝てないことを失念してしまった劉邦は、
この提言をもっともだと思い込み、函谷関を閉ざしてしまった。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、 花に例えた古い歌
今さら聞いても、歌っても、何処に置いても、飾っても
花も歌も、枯れてゆく....人生、絵模様、万華鏡...



とまどいルージュ:すぎもとまさ



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる










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民話

鳥追いの森
むかしむかし、鹿児島県北西部の川内(せんだい)に、
日暮らし長者という大変なお金持ちが住んでいました。
この長者には美しい妻と二人の子どもがいて、
二人の子どものお姉さんはお北(きた)、
弟は花若丸(はなわかまる)という名前です。

この長者の家には左近充(さこんじゅう)という男が
働いていましたが、
どういうわけか長者の妻の悪口を言うのです。
それがいかにも本当らしく言うので、
それを信じた長者は妻を実家に返してしまいました。
それから間もなく長者は左近充の世話で
新しい妻を迎えたのですが、
今度の妻はとてもいじわるな人で、
血のつながっていないお北と花若丸を
いつもいじめていたのです。

ある日、長者は仕事で、京都へ行く事になりました。
しばらく帰って来られないが、子どもたちをよろしく頼むよ
「はい、旦那さま」
ところがその間に継母(ままはは)と左近充はぐるになって、
長者の家も財産も全部自分たちの物にしてしまったのです。

それからというもの、お北と花若丸へのいじめは
前よりもいっそうひどくなりました。
朝から晩まで二人を休みなく働かせ、
秋になってイネが実ると一日中、
鳥の群れを追い払う仕事をさせました。
お北と花若丸は小さな舟にのせられて、
鐘やたいこを叩いては川を上ったり下ったりして
鳥を追い払うのです。

とり幼い二人には、
とてもつらい仕事でした。
二人はいつも、「母さまが、
いてくれたら」
「父さま、早う帰ってきて」と、
泣きながら烏を
追い払っていました。

でも京都へ行った父親は、なかなか帰ってきません。
継母と左近充の毎日のいじめに
絶えられなくなった二人は、
「母さま、父さま、わたしたち、もう疲れました。
ごめんなさい」と、しっかりと手をつないだまま、
川に身を投げて死んでしまったのです。
「まだ小さいのに、かわいそうな」
あわれに思った村人たちは、
二人の亡骸(なきがら)を川の近くに
手厚く葬ってやりました。

それから間もなく、長い旅からようやく長者が
帰って来たのです。
しかし帰ってみれば二人の子どもはおらず、
家と財産は左近充と妻の物になっています。
「なぜ、こんな事に! 子どもたちは!」
「長者さま。実は・・・」
村人からすべてを聞いた長者は、
左近充と妻を刀できり殺しました。

そして二人の子どもが葬られた、
川のほとりに腰をおろすと、
「すまんかった。金もうけに夢中で、
帰るのが遅くなったばかりに。・・・
お北。・・・花若丸。
今から父も、
お前たちのそばへ行くぞ」と、
長者も自らの命を絶とうとしたその時、
長者の耳に二人の子どもたちの声が
聞こえてきたのです。

『父さま。お帰りなさい。わたしたちは、
木に生まれ変わったの。どうか、
わたしたちの木を育てて』…
その声に目を見開いた長者は、
川のほとりに二本のタブの木
(クスノキ科)が生えているのを見つけました。

「そうか。お前たちは、木になったのか。
よし、父が必ず、お前たちを立派に育ててやるぞ」
やがて二本の小さなタブの木はどんどん大きくなり、
二本が四本に、四本は八本にと、
木から林に、林から森になりました。

村人たちは死んだ二人の子どもの事を思い出して、
この森を『鳥追いの森』と呼び、
小さな観音さまをたててやったそうです。

この森は太平洋戦争の爆弾で焼けてしまいましたが、
観音さまは今でも残っているそうです。

おしまい



星の金貨


大いびき善六


むかしむかし、善六という木びき
(木を切り倒す仕事)がいました。
大男のくせに怠け者でしたから、
一日かかっても仲間の半分ほどしか
仕事がはかどりません。





「善六かよ、あいつはとてもものになるめえ」
みんなは善六を、『木びき』でなく
『小びき』だと馬鹿にしていました。
それを聞いて、善六は面白くありません。
そこで近くの神社にお参りをして、
日本一の大びきになれる様に願をかけるとにしたのです。
「何とぞ神さま、神社の前に寝そベっている
大きな石のウシをひける程の力を授けたまえ」

やがて、満願(願かけが終わる日)の日が来ました。
善六は試しに、寝そべりウシをひいてみる事にしました。
ギイコー、ギイコー・・・
善六のノコギリは、たちまち石で出来た
大きな石のウシ、真っ二つに切り割ってしまいました。
「やった! もう今までの『小びき』の善六ではないぞ! 
これからは『大びき』の善六さんと呼んでもらおうか」
ところが山へ入って仕事にとりかかったものの、
さっぱり仕事がはかどりません。
石を真っ二つに出来たノコギリなのに、
うまく木が切れないのです。

その様子を見ていた親方が、ゲラゲラと笑いました。
「善六よう。願かけが間違っていたんじゃねえか? 
木びきは木をひくのが仕事だぞ。
お前は石をひくとしか頭になかったろうが」
それを聞いて、善六はハッと目が覚めました。
「そうだ、おらは力持ちを良い事に、
天狗になっていたのかもしれん。
よし、もういっペん神さまにお願いしてみよう」
改心した善六の目からは、
ポタポタと涙がこぼれていました。

「神さま、おらが間違っていました。
心を入れ替えて、ちっこい丸太をひく事からやり直します。
どうか見守って下さいまし」
そして善六が一晩中かかって、
やっと一本の丸太をひき終えた時、
善六の腕にはまるで石の様な力こぶが出来ていました。

善六は、その日から人が変わった様に仕事に励みました。
励むにつれて、その仕事の確かさが
評判になっていきます。
ある時、江戸の工事現場ヘ出かけた事がありました。
主人は大きなノコギリを背負って現れた善六を見ると、
ちょっとからかってやろうと思いました。
「おい若い衆。一丁ひいてみな。
ただし、スミの通りだぞ」
そう言って、大きな丸太にスミで波の様な
模様(もよう)を描いたのです。
「はい」善六は短く返事をすると、
たちまち波の様な模様をひき終えました。
大ノコギリ一つで、これほどの難しい模様をひき切るのは
大変な事です。
「これは参った。大した腕前だ」
こうして善六の名は、江戸でも有名になりました。
木びきの仲間たちは、
「善六かよ。ありゃあ、ただの木びきじゃねえ。
『大びき』というもんだ。あのくらいのひき手は、
広い江戸にも他にあるみゃあよ」と、
うわさしたそうです。


おしまい



竹の子のおとむらい


人の為(ため) と書いて、
いつわり(偽) と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。


時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる









ふろ

 
 
 

 
 
 

2015年4月25日 (土)

妄想劇場・番外編

妄想劇場・番外編
 
  信じれば真実、疑えば妄想……
 
  昨日という日は歴史、
  今日という日はプレゼント
  明日という日はミステリー
 

 
  落語の原型とも言われている
  江戸小咄は、 江戸時代の
  庶民の楽しみとして広く伝わって
  おおらかに性を笑いに取り入れて
  現代にまで至っています。
 

 
 
 
お色気小咄は日本だけではなく、
  外国にもあります、西洋小咄です

 
 
  おなじ仲間
 
  女中のマリーが妊娠しました。
  もう、かくすにもかくせない恰好です。
  やかまし屋の奥さん、たまりかねて、
  「これ、マリーや、いわないことじゃない、
  誘惑に負けちゃいけないよ、と、
  あたしが、あれほど注意したのに、
  いうことをきかないから、天罰てきめん、
  それ、そのとおり、お腹が大きくなってしまった。
 
  いいかい、その恰好では、もうこれ以上、
  ウチにいてもらうわけにはいかない。
  さあ、荷物をおまとめ、
  一週間分のお給金は、あげるから、
  出て行っておくれ」
 
  「でも、奥さま」と女中は泣き出し、
  「妊娠って、そんなに大それたことでございましょうか?
  奥さまだって妊娠なさいます」
  「それは、わけがちがうのよ。
  あたしのは、うちの旦那さまだよ」
 
  「だって、奥さま。あたくしも・・・・」

 
  おあとは、よろしいようで…
 
 
  亭主の趣味
 
  ビアホールで悪友どもが集まって、
  ある問題について論議しあっていた。
  ある問題とは、
  「何をしているときが一番幸福か?」
  ということであった。
 
  ある者は、「映画をみているとき」といい、
  ある者は、「芝居小屋で女の手を握るとき」と、
  それぞれに思い思いのことを言いだした。
 
  気の弱いジャックは、自分の答える番になって、
  小さな声で、「家内を抱いているとき」という答えをした。
 
  そのジャックが家に帰って、
  今日の友達との話題を、細君にたずねられ、
  話題だけは正直に打ちあけたが、
  さすがに「家内を抱いているとき」とは、いいかねて、
  「馬にのっているとき」と、
  言ったと、ごまかしてしまった。
 
  それを聞いたジャックの細君は、
  ニヤニヤしながら、ジャックの顔を見ていた。
  と、いうのは、近ごろ、習いはじめた乗馬で、
  彼がいかに醜態を演じているかを、
  彼女はよく知っていたからである。
 
  数日後、例の悪友どもは、
  道で、ぐうぜんにもジャックの細君にあった。
  「お宅のご主人は、
  大へんいいご趣味をお持ちですな」と、
  人のわるいのが、彼女をつかまえて、
  ちょっとからかうつもりで言った。
  他の連中も、このあいだの
  ジャックの答えを思い出して、クスクス笑いだした。
 
  ところが、細君は、もっともらしい顔つきで、
  「そんなこと、ほんとにしていただいては困りますわ。
  ウチの人ったら、
  それは見かけだおしなんですから・・・。
  このあいだも、やっと乗ったのはいいんですが、
  下から二、三回はねあげられると、
  マゴマゴして、首にしがみつくやら、
  声をたてたりして大騒ぎ。
  あげくのはては、お尻からすべりおちてしまう始末。
  ホホホホ・・・ほんとに意気地なしなんですのよ」
  さすがの悪友どもも、
  これにはアゼンとして皆、息をのんだ。

 
 
おあとは、よろしいようで…
 
 
  みつお

 
人の為(ため)と
  書いて
  いつわり(偽)と
  読むんだねぇ

 
 
 
 
誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
  誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
  ただ、黙っているだけなんだよ、
  言えば愚痴になるから……

 
 
  歌は心の走馬灯、花に例えた古い歌
  今さら聞いても仕方がないが
  何処に置いても飾っても
  歌も花も、枯れてゆく
  …人生、絵模様、万華鏡…

 
 
 
18禁 「よせばいいのに」
 
 
 
  時は絶えず流れ、
  今、微笑む花も、明日には枯れる

 
 
 
 
 
 
 
 
  ふろ
  P R

 
  きれいなお風呂・宣言
 
 
お風呂物語

 
 
 
 
 

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
「国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」。
そんな彼を描いた小説。




韓信-35-咸陽落城

秦の領土は小さくなった。
実効的支配地域は関中に限られ、
その関中もいまや危機にさらされている。
趙高は関所の外の諸王国を刺激しないよう思案を巡らし、
空名を擁して皇帝を称することを避け、
胡亥の兄の子である子嬰(しえい)という人物を探し出して、
これを単に「秦王」とした。

趙高の意図は、はっきりしない。
この段階に至って、わざわざ子嬰を擁立することに
一体どんな意味があるのか。
趙高はかつて劉邦に密使を送り、
「二人で関中王の座を分け合おう」という意思を
伝えているが、胡亥の殺害に成功した時点で、
自ら王位に就くという意志は
持ち合わせていなかったようである。

ではその反対に、子嬰を擁することで
秦の社稷を保つという、臣下としての
責任感があったかといえば、それ以前の行動から判断して、
そうとはいえないであろう。
つまりは陰茎を抜いた、男でも女でもない
宦官という精神不安定な人間のなせる業であった。
擁立される側の子嬰には、それがわかる。

「趙高は皇帝を殺した。いずれ私も同じように
殺されるであろう。趙高は、
楚を相手に密約を交わそうとした、とも聞いている……。
私は機会を見て、趙高を殺そうと思う」
子嬰は二人の息子にそう話したという。
王となるには、その身を清め、
先祖を祀るみたまやで玉璽(ぎょくじ)を受け取ることが
伝統的な習わしとなっており、子嬰もこの例にならい、
斎戒して宗廟に出向くことになっていた。
ところが子嬰は斎戒の途中で病気を発したと称し、
いっこうに宗廟に姿を現さない。

趙高は人をやって何度も催促したが、
子嬰は動かなかった。そこでしびれを切らした趙高は
ついに自ら説教しようと子嬰のもとに足を運んだのである。
これにより機会を得た子嬰は、
斎戒の場に伏兵を忍ばせておき、
趙高の姿を確認するや、斬ってかからせた。
しかし複数の兵に斬られながらも、趙高はしぶとかった。
いくら斬られてももんどりうつばかりでなかなか
息絶えようとしないのである。 

兵たちはしだいに気味が悪くなり、後ずさりを始めた。
苛立った子嬰は叫ぶ。「早く首をおとさないか!」
だが、兵たちは揃って首を振った。
「私どもの剣では、もうどうにもなりません。
剣が脂まみれで刃がたたないのです」
しかたなく子嬰は、自ら剣を振るって、趙高の首をおとした。

「人間の化け物め。兵士の剣まで腐らせるとは……。
私のこの剣はすでに汚れた。
もう二度と使うことはないであろう」
稀代の奸臣を討ち取ったという達成感はない。
子嬰の心に残るものは、後味の悪さと
薄気味悪さばかりであった。

嬰が秦王として君臨してから四十六日め、
劉邦の軍は武関を破り、ついに関中への侵入を果たした。
劉邦軍は決して破竹の勢いでここまで来たのではなく、
あちこちの城を攻めては攻めきれず、
あるいは勝ち、あるいは負けたりしながら、
ようやく武関までたどり着いた、というのが実情であった。

その後、覇上(はじょう)に駐屯した劉邦軍は、
ひとりの客を迎えた。その客こそが秦王子嬰である。
子嬰は車にいっさいの装飾をせず、
身に白装束をまとい、自らの首に縄をかけて
劉邦の前に拝謁した。
首の縄は、いつでもそれを縛って
自殺する覚悟ができていることを示している。
手には皇帝の玉璽と割り符を治めた函があった。
それを劉邦に渡そうというのである。
誰の目にも降伏するつもりであることは明らかだった。
諸将の中には秦を恨む者も多く、
そのため子嬰を殺そうと主張する者は少なくない。
しかし劉邦は子嬰を殺さず、
処分を保留し、監視するに留めた。

「子房、秦王をどうすべきであろうな? 
懐王のもとにでも送り届けるべきであろうか」
子房とは張良の字である。
張良は戦国時代の韓の遺臣で、
このころから劉邦の幕営に身を寄せ、
軍師として活動している。
負けてばかりいる劉邦が苦しみながらも
関中にたどり着いたのはこの張良の策によるところが大であった。
張良は必要以上に敵を殺さず、
城市に戦乱を持ち込むことを極力避けるよう主張し、
それを実行した劉邦は民衆の支持を得ることに
成功したのである。

その張良は次のように答えた。
「せいぜい警備を固くし、士卒に変な気を
おこさせないようにしておくことが大事です。
いずれ項羽率いる軍勢がこの地にも到達しましょう。
そのときに引き渡してしまえばよかろうと存じます」
劉邦はおもしろそうに答えた。
「どうせ殺さねばならないのであれば、
項羽にその役をやってもらおうというのか。
それはいい。……しかし、
それでは関中の覇者は項羽、ということになりはしないか」
張良は静かに答えた。
「我々は関中に一番乗りを果たし、
懐王は確かに一番に関中に入った者を
関中王にする、と申されました。

しかし、だからといって項羽をさしおいて
関中王を称するのは、具合がよくありません。
楚の一番の実力者は、恐れながら懐王ではなく、
項羽です。
彼自身が沛公(劉邦のこと)を関中王と認めてくれれば
問題ありませんが、おそらくそうはなりますまい。……
秦が滅んだ今、沛公が天下を望むならば、
競争相手は項羽ということになります。……
しかし兵力の差は歴然としていますので、
しばらくは項羽に花を持たせる形となりましょう」

劉邦は、それを聞いて項羽の軍神のような姿を想像し、
あからさまに震え上がったが、
しばらくして覚悟を決めたのか、
それとも虚勢を張ろうとしたのか、
いきなり大声で宣言するように言った。
「では項羽めがくる前に、咸陽を鎮撫せねばならん」
劉邦はそう言うと、いきなり宮殿に乱入した。
今のうちにやりたいことをやってしまおう、というのである。

宮殿にはおびただしい数の豪勢な調度品、
財宝、駿馬の類が揃っており、
劉邦の目を楽しませた。しかし、それ以上に
劉邦が興味を示したのは、全国から集められた
麗しい宮女たちであった。
劉邦は我慢できなくなり、鼻息荒く宮女たちを追い回し始めた。
「いかん」張良は劉邦の痴態をみて、狼狽した。
傍らにいた、もと犬の屠殺人の樊噲とともに
必死に諌めようとした。樊噲が叫ぶ。
「おやめください。信用を失います。
沛公には、女や財宝に目が眩んだのですか」
すでに劉邦は宮女の一人に馬乗りになっていた。

樊噲は言うだけでなく、力づくでそれをひっぺがえそうとする。
だが劉邦は強情になっていた。
「噲、やめろ。どうせ項羽が来て、
そのうち死なねばならぬのなら、わしはここで死ぬ。
死ぬ前に道楽を極めるのだ!」
張良はそれを聞き、なんとも情けなくなった。
しかし、劉邦の不思議なところは、
そんな姿でさえも憎めないところである。
どこか滑稽で人間臭く、
近寄り難い聖人のような印象はまったく無い。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、 花に例えた古い歌
今さら聞いても、歌っても、何処に置いても、飾っても
花も歌も、枯れてゆく....人生、絵模様、万華鏡...



舟唄 - 美空ひばり



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる










P R

きれいなお風呂・宣言

お風呂物語




2015年4月24日 (金)

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
「国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」。
そんな彼を描いた小説。




韓信-34-咸陽落城

秦は趙高という奸臣によって私物化され、
滅亡の危機に瀕していた。
当時天下に戦乱の渦を巻き起こした
人物たちにとっては、それこそが望みであり、
そうである以上、
秦がなくなれば戦いは止むはずだった。
しかしそうならなかったことは周知の事実である。
要するに、彼らが命をかけて戦うのは
世を憂いてのことではなく、
自らの野心を成就するためであった。
秦の衰退は彼らにとって単なる機会に過ぎず、
世の乱れを正すために政治の
腐敗を取り除くなどという気は、さらさらない。
彼らの中にあるのは、次の世における
覇権への欲望のみであった。

このころになると、皇帝胡亥の耳にも
ようやく事態が切迫していることが伝わっている。
胡亥は何度か趙高を呼んで、
戦況のほどを説明させようとしたが、
その度に趙高は病と称し、
朝見を断り続けたのだった。

実は趙高はこの間に、
ひそかに劉邦へ使者を送り、
関中王の座を二人で分け合おう、と
提案していたのだが、
受け入れられなかったという経緯がある。

これに落胆した趙高は、
このことが皇帝に露見するのではないかと心配し、
誅される前に先手を打とうと考えた。
そして

閻楽

(

えんがく

)

という婿
(若いころから宦官だったとされる趙高に
娘がいたとは考えられないので、
おそらく養女の婿だと思われる)を呼び、
自らの反乱に引きずり込むに至る。

閻楽が心変わりしないよう、
その母を捕らえて監禁することで盤石を期し、
皇帝の在所の

望夷宮

(

ぼういきゅう

)


千人余りの兵を率いさせて突入させたのである。
宮中を弓を放ちながら進む閻楽の部隊に
宦官連中は驚いて逃げ出し、
皇帝が呼んでも馳せ参じる者はいなかった。

ただひとり逃げ遅れて、
そばにいたある宦官に皇帝は嘆いて言った。
「こんな事態になるまで、
どうしてお前は朕に注進も何もしなかったのだ」
その宦官は下を向いたまま答えた。
「注進しなかったからこそ、
私は今まで生きながらえています。
陛下は注進したところで信じず、
私はとっくに殺されていたでしょう」

この言葉を聞き、抵抗を諦めた皇帝は、
踏み入ってきた閻楽に対し、
哀訴するしかなかった。
しかし母親を趙高によって人質に取られた
閻楽のかたくなな態度は、
皇帝が相手でも動じることがなかった。

「足下は驕り高ぶり、
権力をほしいままにし、
人を不必要に殺した。
天下の者が皆叛くのは必然である……

自分で自分の身を裁け」
閻楽はそう言って迫った。
皇帝はひれ伏し、「なんとか
丞相(趙高のこと)に会わせてくれないか」と
頼んだが、閻楽は、「駄目だ」と一蹴した。

皇帝は、足の震えを抑えることができない。
閻楽は自分が他ならぬ皇帝の生死を
握っていることに緊張を抑えきれなかった。
だが皇帝はそれ以上に震え、
泣き出しそうな声で閻楽に訴え始めた。
「朕が皇帝としてふさわしくないというのであれば、
せめて一郡の地でもいい。
王として生かしてもらえないか」
閻楽はこれも拒否した。
「王で駄目なら、万戸侯にでも……」

皇帝も必死である。頭をこすりつけて、
文字通り哀願した。
「ならぬ」
「……ならば妻子ともに平民となって……」
なおも皇帝がそう言うと、
閻楽はついに剣を抜いて叫んだ。
「私が丞相から受けた命は、
天下のために足下を殺すことだ! 
どう言われても取り次ぐことはできん!」
そう言いながら部下の兵を差し招く仕草をした。

皇帝はそれを見てようやく、
もはやこれまでと悟って自らの剣を右手に持ち、
その剣で喉元を突き刺して死んだ。
卑賤の兵士の手にかかって
惨殺されるよりは、
少しはましな最期であった。

つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、 花に例えた古い歌
今さら聞いても、歌っても、何処に置いても、飾っても
花も歌も、枯れてゆく....人生、絵模様、万華鏡...



美空ひばり & 森進一



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる










P R

きれいなお風呂・宣言

お風呂物語




2015年4月23日 (木)

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
「国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」。
そんな彼を描いた小説。




韓信-33

楚軍の兵たちはかつて、咸陽に賦役をした際に、
そこで秦の役人にこき使われたり、
辺境守備の軍役にかり出されたときに、
秦人の上官に酷使されたりした者たちばかりであった。

立場が逆転した今、楚の兵士たちは
秦兵たちを些細なことで侮辱し、
事あるごとに奴隷のように扱ったりした。
秦兵たちが自分たちの境遇を嘆くのは無理もなく、
彼らは集まる機会があると、口々に愚痴をこぼした。

「今に皆、殺される。とてもこのままでは……」
そう話している姿が、楚の兵たちにとっては
反逆の相談をしているように映り、
軍中の噂の種になった。

項羽もそのまま放っておくわけにはいかなくなり、
黥布と鐘離眛を呼び、ひとつの策を授けた。
韓信にもその策は伝わった。
策とは驚くべきもので、韓信は鐘離眛を引き留め、
二人きりになったところでやめるよう説得しにかかった。

「眛、君が……そんな汚れ役をやるというのか。
人道にもとる作戦だ。栽荘先生が生きておられたら、
何と言うと思う。理由はなんでもいい、
体調が悪いとか言って辞退するんだ。
君が辞退すれば、
上将軍(項羽)も作戦を考え直すだろう」

「信。君はこれが楚の一大事だということを
わかっていない。今
ここで秦兵どもが暴動を起こしてみろ。
楚軍は崩壊する。
阻止するには今が最後の機会だ。
関中に入ってからでは、遅すぎる。……

新安の地で決行だ。
それに、かりに私が嫌だと言っても、
黥布将軍がおられる。
彼一人でも決行は可能で、
作戦が中止になることはないだろう」
「だったら君は辞退すればいいではないか。
眛、君は決行に参加しないことで
上将軍の不興を買うことを恐れているのではないのか」

鐘離眛は、むっつりとしてその問いには答えず、
そのまま踵を返した。
新安城は高台の上にそびえており、
特にその南側はえぐりとられたような深い谷になっている。
項羽は全軍をここに留め、
一夜を明かすことにした。
夜も深くなり、何も知らぬ秦兵たちが寝静まった頃、
作戦は決行された。

北側から黥布と鐘離眛に先導された楚軍が
音もなく進軍し、
秦兵たちに近づいたところで一斉に
閧の声をあげた。
驚いて跳ね起きた秦兵たちは南側に逃げるしかない。
夜の闇の下、足もともろくに見えない中で、
恐慌をきたした秦兵たちは相次いで谷底へ落ちた。

落ちることを免れた者は楚兵に追い立てられ、
やはり強引に落とされる。
死体の上に死体が積み重なり、
やがて谷底は埋め尽くされていった。
楚軍は自らの血を一滴も流すことなく、
夜明け前には秦兵の大量虐殺を完遂したのである。

朝になって谷の下の様子を見た項羽は、
安堵した様子を見せ、低い声で言った。
「混乱の要素は、除去された」
こうして約二十万人に及ぶ秦兵は、
章邯と副将の司馬欣、董翳を除き、
すべて坑(穴埋め)にされたのである。

つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、 花に例えた古い歌
今さら聞いても、歌っても、何処に置いても、飾っても
花も歌も、枯れてゆく....人生、絵模様、万華鏡...


星空のトーキョー すぎもとまさと




誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……

人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ


時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる










P R

きれいなお風呂・宣言

お風呂物語




2015年4月22日 (水)

妄想劇場・番外編

妄想劇場・番外編

信じれば真実、疑えば妄想……


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー



落語の原型とも言われている
江戸小咄は、 江戸時代の
庶民の楽しみとして広く伝わって
  おおらかに性を笑いに取り入れて
現代にまで至っています。




お色気小咄は日本だけではなく、
  外国にもあります、西洋小咄です

 


えー、亭主が旅から帰って参りましたのが、
  もう夜更けでございますから、子供ァ寝ております。
  あくる朝ンなって、起きるのを待って、
  「さァ、金坊、ゆンべはよく寝てたから
  起こさなかったが、お土産だよ。
  ほうら、これが煎餅で、これが羊羹だ。
  それにこれは、おもちゃだよ・・・」
  と、いろいろ出してやります。
  子供ァ大よろこびで、「やァ、うれしいな・・・。
 
  お父ッちゃん、おっかさんに買って来たお土産、
  当ててみようか」

「ほう、わかるかい?」
  「足袋だろ」
「足袋? なんで?」

 
  「だってさ、ゆンべ、布団の中で
  そういってたじゃないか。
  もっと足を持ちあげないと入らないって・・・」


おあとは、よろしいようで…



車が浅瀬に突っ込んでしまい、
抜け出せないでいるところを、
たまたまそこで釣りをしていた年金生活者の
男二人が押しあげたおかげで
車は無事道路にもどった。
ドライバーの魅力的な女性は大喜びである。

「ああ、感謝感激!
ぜひお礼させてください。
お金でよろしいならすぐにも
お支払いしますし、




何だったらパンツを脱いでも構いませんのよ」
女性が引き上げていき、
家路についた二人の男の一方がつぶやいた。
「金にしたのは正解だったな。
パンツなんてもらっても何の役にも立たない。
オレにはデカすぎるし、
お前はいつもフンドシだもんな」


 
おあとは、よろしいようで…
 
 
 
注意がかんじん

湯気が、もうもうとたつお風呂の中で、
  サリーは、ゆっくりと手足をのばして、
  からだを洗っていた。
  うら口から入って来た彼女の夫は、
  それを見て、サリーの濡れたからだを、
  軽くたたいて、言った。
  「よう、いつもながらきれいな肌だな。
  いま体重はどのくらいあるんだい?」

 下を向いたまま、
一生懸命からだを

洗っていたサリーは、
  甘ったるい声で言った。




「五十八キロよ、あなた。そんなことより、
うら口のドアにカギをかけて来たの?
それから靴ももってきたでしょうね。
  注意しなきゃダメよ。
なにしろ、うちの夫は、
すごいヤキモチやきなんだから・・・

おあとは、よろしいようで…   



人の為(ため)と
書いて
いつわり(偽)と
読むんだねぇ


 


  誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
  誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
  ただ、黙っているだけなんだよ、
  言えば愚痴になるから……
 
 

歌は心の走馬灯、花に例えた古い歌
  今さら聞いても仕方がないが
  何処に置いても飾っても
  歌も花も、枯れてゆく
  …人生、絵模様、万華鏡…
 

18禁 「湯けむり情話」



時は絶えず流れ、
      今、微笑む花も、明日には枯れる

 
 
 





 
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きれいなお風呂・宣言

お風呂物語
 

 


信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
「国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」。
そんな彼を描いた小説。



韓信-32


実は章邯は司馬欣の帰還後まもなく、
何度か使者を項羽のもとに送っていたらしく、
講和が成立するのは時間の問題であった。
しかし正式にそれが成立するまでの間に、
徹底的に相手を痛めつけるというやり方は、
いかにも項羽らしい。
敵はあくまでも敵であり、味方となるまでは、
項羽にとって敵なのである。
残酷なようだが、
結果的にこの最後まで容赦しない態度が、
章邯の意思を決定させた。

章邯と項羽の会見は幔幕を張られ、
その中で行われた。こういう場合、
韓信は郎中という役目上、
幕の外で警護することが多く、
今回もその例に違わなかった。
幕の中で、章邯の声がする。
しだいにその声は涙を交えたものになっていき、
最後の方にはまともな言葉になっていなかった。

章邯は項羽に対して、
自分は秦の国運を背負って戦ってきたが、
最後には趙高という

奸臣

かんしん

のために追いつめられ、
進退極まった、という内容のことを話していた。
韓信には章邯の表情を見ることはできない。
しかし話の内容は充分に同情するに値した。
ここにも、不遇な男がいる。
章邯は、私と同じように、良い上官に恵まれていない。
不覚にも涙をこぼしそうになった。

このあたり韓信は滑稽な男である。
この時点の功績の面からいって、
章邯と韓信では比べ物にならない。
それをわかっていながら、
章邯を自分と同じようだ、と思っているのである。

少々自意識過剰な若者だった、と言えそうである。
幕の中からふたつのすすり泣きの声が聞こえた。
いっぽうは章邯の声であることは間違いない。
だとすればもうひとつの声は、項羽であろう。
この会見では立会人として范増も幕の中にいたが、
韓信には范増が章邯に同情して
泣く男にはどうしても思えなかった。

范増老人は、章邯を誅殺しろ、と主張するだろう。
しかし項羽がそれをするはずがない……
もはや章邯は敵ではなくなった。
項羽にとっては殺す理由がない。……
項羽とは、そういう男だ。

韓信は幕の外でそう思ったが、
その予測は的中する。
項羽は章邯を優遇し、

雍王

ようおう

として楚軍の中に置き、
司馬欣を将軍として秦軍を指揮させることにした。
項羽の激情家の部分がさせた人事であり、
危険を感じた范増は、
これに反対して意見を述べたが、
項羽は聞き入れなかった。

うまくいくわけがない。
そもそも項羽は章邯しか見ていないのだ。
章邯の下には何万もの秦の兵がいて、
それが何万もの意志を持っていることを、
項羽は理解しようとしない。
やはり貴族には、
しもじもの気持ちなどわからないのだ。

韓信はそう思いながらも、
捨て置くには重大な問題に過ぎると感じ、
項羽に献言することにした。
面会を求めた韓信に向かって、項羽は、
「お前か。お前のことは士卒が噂しているぞ。
いつも気合いが足りない臆病者だと。
淮陰では市中の者の股の下をくぐったそうだな。
戦地で男を上げようとは思わないのか」と、
おもしろくもなさそうな顔で言った。
韓信はあえてそれを無視して話し始める。

「……雍王(章邯のこと)をはじめ、
秦の兵たちはすべて、武装を解除して
彭城の懐王のもとへ送り届けるべきです。
いま、項将軍においては雍王に同情なさり、
優遇されておいでですが、
事情を知らない楚の兵にとって秦兵は皆、
父母、兄弟の仇なのであります……
彼らは、秦兵とともに戦うなどとは考えないでしょう。
いずれ、衝突がおこる気がしてなりません。
どうかお考えください」

項羽は少し考え込む顔をしたが、
やがて、「君の言うことはわかるが、
すでに決めたことだ。もう言うな」と言って、
奥に引いてしまった。
会見はものの十分かそこらで終わった。
まもなく、破綻はおとずれた。

つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、 花に例えた古い歌
今さら聞いても、歌っても、何処に置いても、飾っても
花も歌も、枯れてゆく....人生、絵模様、万華鏡...



ささやきのタンゴ 石原裕次郎



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……

人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ


時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる










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お風呂物語





2015年4月21日 (火)

歴史・履歴への許可証

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歴史・履歴への許可証


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー



日本民話

Hikoiti_2 彦一は、きっちょむさんや
一休さんと共に、
日本を代表する
とんち話の主人公ですが、
先の二人と違って、
空想の人物といわれています。


むかしむかし、彦一(ひこいち)と言う、
とてもかしこい子どもがいました。
彦一の村には、金作(きんさく)という、
とてもつむじ曲がりのおじいさんが住んでいます。
この金昨は、人が山と言えば川と言うし、
右と言えば左と言うような人です。
そんな金作にすっかり困り果てた村人たちが、
彦一のところにやって来ました。
「のう、彦一。お前さんのちえで、
金作じいさんのつむじ曲がりを治してくれないか」
「わかった。おらにまかせておくれ」

次の日、彦一は金作じいさんのところへ
やって来て言いました。
「金作じいさん。いい天気だね」
「おう彦一か。なにが、いい天気なもんか。
こんなに日が照っていては道が乾いて、
ほこりがたってしょうがないわい。
どうせなら、雨でも降ればいいんだ」
「おやおや、さすがは有名なあまのじゃく」

彦一は首をすくめると、金作じいさんに言いました。
「ねえ、じいさん。明日からおれと、
あまのじゃく比べをしようじゃないか」
「なに、あまのじゃく比べだと」
「そうだよ。お互いに何を言っても
『うん』って返事をしないで、
反対の事を言うのさ。
じいさん、得意だろ?」
「アハハハハハッ。とんち小僧が
何を考えているのかは知らんが、
わしは子どもの頃からのあまのじゃくじゃ。
あまのじゃく比べで、わしにかなうわけがなかろう」
「さあ、それはどうかな? とにかく、
明日からあまのじゃく比べをしよう」
「ようし。受けて立とう。その代わりわしに負けたら、
二度ととんち小僧なんて言わせんぞ」
「いいとも」

さて、次の朝、金作じいさんは川へ魚釣りに行きました。
そしてすぐに、カゴに一杯の魚が釣れました。
「さあ、ずいぶん釣れたぞ。さて、帰るとしようか」
金作じいさんが帰ろうとすると、そこへ
彦一がやって来て尋ねました。
「やあ、じいさん、魚釣りかい?」
ここで 『うん』と答えたら、あまのじゃく比べに
負けてしまいます。そこで金作じいさんは、
「なあに。魚を捨てに来たのさ」と、答えて、
魚の入ったカゴをポンと投げ捨てました。
すると彦一は、ニッコリ笑って、
「もったいないな。捨てた魚なら、
おらが拾っていこう」と、魚のカゴをかついで、
さっさと行ってしまいました。
「彦一め! よくもやったな!」
金作じいさんは、地面を蹴って悔しがりました。

次の日、金作じいさんは彦一が田んぼで
稲刈りをしているのを見つけました。
「しめたぞ。あの稲を取り上げてやろう」
金作じいさんは、彦一のところへやって来て、
「おう、彦一。稲刈りか?」と、声をかけました。
彦一も、ここで『うん』と言ったら負けになるので、
「いいや、稲捨てだよ」と、答えました。
それを聞いた金作じいさんは、うれしそうに笑うと、
「捨てた稲なら、わしが拾っていこう」と、
彦一が刈った稲をみんなかついで、
村の方へ持って行きました。

Inekari すると彦一は、
平気な顔で金作じいさんの
あとについて歩きます。
そして自分の家の前まで来ると、
「じいさん。おらの田んぼに
稲を拾いに行ったのかい?」と、
尋ねました。

金作じいさんは、
「いいや。稲刈りに行ったのさ」と、答えました。
それを聞いた彦一は、にっこり笑うと、
「アハハハハハッ。借りた物なら、
返しておくれよ」と、言って、
金作じいさんが運んできた稲をみんな
取り返してしまいました。
これでは、金作じいさんは彦一の稲を田んぼから
家まで運んでやったようなものです。
さすがの金作じいさんも、これにはすっかり
まいってしまいました。
「いやいや、お前は大したとんち小僧だ。
この勝負は、わしの負けだ。
もうこれからは、あまのじゃくは言わない事にするよ」
その日から金作じいさんは、
とても素直なおじいさんになったということです。


おしまい



二本のロウソク




盗っ人小僧
ある日の事、彦一は殿さまのお使いで、
船に乗って遠くの島に行く事になりました。
そしてその夜は、船で寝る事になりました。
(さて、そろそろ寝るとするか)と、思ったその時、
「海賊だー!」と、言う叫び声がしました。

海を見てみると、手に手に武器を持った
海賊船が、もう間近まで迫っています。
「大変だー! 奴らに身ぐるみはがされるぞ!」
「大切な物を早く隠すんだ!」
お客たちは持っている金や大切な物を、
どこに隠そうかと大騒ぎです。
でもどこに隠そうと、海賊は隠した物を
見つけてしまうでしょう。

Hikoiti_3 そこで彦一は台の上に乗って、
大きな声で言いました。
「みんな、落ちついて! 
海賊はどこに隠しても
見つけてしまいます。
ですから、お金は少しだけ
自分のふところに入れて、
あとは全部
わたしに預けて下さい。


わたしが必ず、海賊からお金を守りますから」
彦一が自信たっぷりに言うので、
お客たちはワラにもすがる思いで彦一に
お金を預けました。
「わかった。お前に任そう」
すると彦一はお金を少しずつ袋(ふくろ)に分け、
見ただけでは分からない様に
着物のあちこちに隠しました。
そしてお客に頼んで、柱に体をグルグル巻きに
しばりつけてもらいます。

それからしばらくして船に乗り込んで来た
海賊の親分は、お客から財布を取り上げにかかりました。
「よしよし、素直に従えば、乱暴はしないからな」
そして柱にしばられた彦一に気づいて、
親分は声をかけました。
「小僧! そのざまはどうした?」

すると彦一はうそ泣きをして、目に涙を浮かべます。
「おら、みなし子で、腹が減ってたまらねえから、
船に忍び込んで客の財布を盗もうとしただ。
だども見つかって、一文も取らねえうちに
捕まってしもうただ」

それを聞いた親分は、ニヤリと笑うと、
「小僧のくせに盗みに入るとは、大した奴だな。
だが、この船の客はみんな貧乏人ばかりで、
大した稼ぎにはならねえ。お互い、
今度はもっと金持ちを狙うとしよう」
親分はそう言いながら、子分とともに
自分の船に戻っていきました。
その後、お金も少し取られただけで済んだお客たちは、
かしこい彦一にとても感謝したという事です。

おしまい


田舎ネズミと都会ネズミ




誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。


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韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
「国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」。
そんな彼を描いた小説。



韓信-31


李斯を斬殺してから自ら丞相の位に登り詰めた趙高は、
ひそかに皇帝を餌にして講和の条件としようと考えていた。
皇帝の首を諸侯に渡し、その替わりに
身の安全をはかろうとしたのである。
そのためには宮中の者たちの協力が不可欠で、
彼らがどれだけ自分の言うことを聞くかが問題となる。
皇帝の言うことより、自分の言うことを聞く者が多いほど
都合が良かった。

そこで実際にどれほど自分の言うことを聞く者がいるか
試してみたいと考えた趙高は、
皇帝の面前に一頭の鹿を連れてこさせた。
その鹿を指して、趙高が皇帝に言った。
「陛下。これは馬にございます」
皇帝は目をぱちくりさせて、しばらくなにも言わなかったが、
やがて笑い、「丞相も間違うことがあるものか……
これは馬ではなくて、鹿であろう」とからかうように言った。
ところが左右にひかえる近侍の者の中には、
趙高の言う通り、「あれは馬に違いありません」と
言う者がいた。趙高に追従(ついしょう)する者である。
またある者は、「鹿です」と言う者もいた。
皇帝の権威に従う者である。
またある者はなにも言わず、黙っていた。
態度を決めかねていた者である。
趙高はあとでひそかに鹿と主張した者たちを処刑した。

群臣たちはこの一件でよりいっそう趙高を
おそれるようになったという。
この話は、後世につたわり、
「馬鹿」という成語の語源になったとも言われている。
趙高がこのように急いで自分の取り巻きを
強化していこうと考えていたのには、
劉邦の軍が南の武関まで迫っており、
今にも関中に到達しそうだという情報があったからであった。

東の状況もよくない。鉅鹿で章邯は敗戦し、
多くの将兵を失った、という情報も入っていた。
函谷関が再び破られ、賊が関中に侵入するのは、
そう遠い日のことではあるまい。
趙高は章邯に使者をやって、何度も叱責した。
もちろん趙高の名ではなく、
皇帝の名をかたって、である。
棘原(きょくげん)の地に陣していた章邯は、
いっそ皇帝に直接指示を仰ごうと考えた。
「そういうことでしたら、私が行って参りましょう」
と言ったのは副将の司馬欣である。
「行ってくれるか。陛下にはなにとぞ、
よしなに……よろしく頼む」
このころの章邯は、弱気になっている。
司馬欣にもそれが感じられた。
司馬欣は馬を飛ばし、咸陽に入り、
宮殿の外門で用件を告げた。
「章邯将軍の命により、皇帝陛下にお目にかかりたい」
という内容のことを告げたが、
門番は彼をそのまま留め置き、引見させなかった。

司馬欣が直訴することで、実情が皇帝に漏れることを
趙高が警戒したからである。
門の外で野宿して待つこと三日、
司馬欣は門番の様子がいつもと違うことに気付いた。
第一に人数が違う。それまで門番は
十数名しかいなかったが、
その日に限ってはその倍以上だった。
そして彼らがそれぞれ示す緊張の表情が
事態が容易でないことをあらわしていた。
殺気立っている。危険を感じた司馬欣は、
殺されると思い、朝見を諦め、身を翻して逃げた。
「追え!」門番たちの声が聞こえた。

司馬欣は来た道とは別な道を辿り、
なんとか追っ手を撒いて章邯のもとに
到着することができた。
「咸陽では宦官の趙高が政権を握っています。
将軍、あなたが勝てば、趙高はその功を妬み、
あなたを殺すでしょう。
勝たねば、それを罪として、殺されます。
どちらにしても、待っているのは死のみです!」
司馬欣は章邯の前で泣きながら報告した。

章邯は迷った。迷いつつも敵が前面に現れれば、
戦わなければならない。
項羽は鐘離眛の軍を送り、漳水の南で秦軍を破った。
さらに項羽は全軍を率いて汙水(うすい)>のほとりで
章邯の軍と対峙し、おおいに打撃を加えた。
章邯は決心した。
もはや、戦っても勝てない。
ついに項羽と盟約を結ぶべく、
講和のための使者を送った。
これを受けた項羽は、「軍糧も尽きてきたことだし、
盟約を受け入れることにする」と言い放ち、
殷墟(いんきょ)(殷王朝の旧都)に
会見の場を設けることを約した。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、 花に例えた古い歌
今さら聞いても、歌っても、何処に置いても、飾っても
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置き手紙 すぎもとまさと



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……

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時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる










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お風呂物語





2015年4月20日 (月)

チャンネル掲示板

チャンネル・ニュース

幸せがつづいても、不幸になるとは言えない
 不幸がつづいても、幸せが来るとは限らない


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント

明日という日はミステリー



野球やりたいんだろ?

俺はガキの頃から夢があった。
『野球選手』だ。
野球が死ぬほど好きで毎日野球をやっていた。
だけど、家庭環境が最悪で、
親父が暴力振るったり、
大麻に手を出したりなどで
入っていた野球チームを辞めさせられた。

高校は入れたけど、野球はやれなかった。
クラスでも、同じ中学の奴に家庭環境ばらされて、
省かれて、常に一人だった。
だけど、そんな俺にいつも声をかけてくれた人がいる。
当時担任だった、S先生だ。
S先生はいつも俺の話を聞いてくれたり、
お袋が忙しい時は一緒に飯食ったりもしてくれた。
若くて、弱そうで、情けないっぽい先生だったけど
俺は大好きだった。
ある日俺は何気無く、先生に野球の話をした。
そしたら先生は

『お前はやれるならずっとやっていたいぐらい
野球がすきか?』って聞かれて、俺は頷いた。
先生はそうか・・・って感じだった。
ある日、学校に課題を忘れた時に職員室の前を通ったら、
S先生の大きい声がした。
なんだろうと覗いてみたら、S先生が
野球部の顧問の前で土下座していた。
何かしちゃったのかなって盗み聞きしてみたら・・・

『○○(俺)は凄く野球が好きなんです。
彼は心から野球をしたがっています、
勝手かも知れませんが○○を野球部に
入部させてやってください!』
って言ってたんだ・・・
もう俺おお泣きで、どうしていいかわかんなくなって
職員室のドア開けて先生にもういいよ・・・
先生ありがとうって言ったんだ。
それでも先生は土下座をやめない。

『こいつに思い出を作らせてあげてください』って。。
俺は思わず何で赤の他人にここまでできんだよ!って
先生を怒鳴っちまった、そしたら先生は
『その歳で夢を諦めんな! 野球やりたいんだろ?』
そう言われて俺もいっしょに野球をやらせてくださいって
必死で頼んだ
そしたら顧問がOKしてくれて、
俺は晴れて野球部に入部できた。
レギュラーにはなれなかったけど
凄く満足できる三年間だった。

S先生がいなければこんな満足できなかったし、
きっと学校も辞めていたと思う。
S先生は白血病を煩っても、悪化して、
もうこの世にはいないけど、先生が死ぬほど好きだ。
野球できない運動音痴なのに一緒に
キャッチボールしてくれたり、ノックもやってくれた。
先生、本当にありがとう、
俺の人生で一番の恩師だったよ。…!!




遠足に持ってきたお花入りの弁当



道化師の涙
昔、ある国に演技の上手い道化師がいました。
その道化師が演技を始めると、
どんな仏頂面の人も笑顔になりました。
道化師の演技を一目見ようと近隣諸国からも来る程でした。

ある日、国王が近隣諸国の来賓へのレセプションの為に、
その道化師と小屋の仲間を呼びました。
レセプションの当日、道化師の息子は
大病を患い寝込んでいました。
年をとってから出来た子供で夫婦はとても
可愛いがっていました。

『今日のレセプション、断ろうか?』と
道化師の夫婦が話していると息子がベッドの中から
『パパの道化師、大好きだよ、
だって皆がパパを見て笑顔になるんだもん、
僕は大丈夫だから皆を笑顔にしてきて!』

道化師は後ろ髪を引かれる思いで
レセプション会場へ向かいました。
仲間が口々に言います。
『こんな日位、休めば良いものを、
そんなに名声が大事なのか!』

道化師は演技を始め、観客をわかせました。
使いの者が道化師に耳打ちします。
『息子さんが先程息を引き取りました、
帰ってあげて下さい。』
しかし道化師は演技を辞めません、
観客をわかせ続けます。
『子供より名声を取りやがった!』
小屋の仲間が言いました。

道化師は演技を続け観客をわかせ続けました。
客席がざわつき始めました。
『道化師が泣いてる…』
『皆を笑顔にしてきて!』
道化師は息子との最後の約束を果たす為に
ステージに立ち演技を続けていたのですが
観客の子供と息子がダブり泣いてしまいました。
顔は笑っているのですが涙がとまりません。
道化師は、演技を恥じて
二度とステージに立ちませんでした。

その後、その道化師を讃え
メイクには一筋の涙を描くようになったそうです。
道化師の笑顔の下には深い悲しみが隠れています。


命をかけた彼の勇気


あの人を追いかけたが
阪神淡路大震災で、彼女は帰らぬ人になった

学生の頃、ふとしたことで出会った娘に惚れて、
しばらく付き合ったけど、
ある夏の日、兄に借りた車走らせて会いに行って
少しドライブして、ゆっくり話そうと車を停めた海で、
「もう会わないほうがいいと思う・・・」と言われた。
近くの駅で降ろして、と、言われるまま駅で降ろして
「じゃあ・・・」彼女が改札を抜けたのを見てから
俺はアクセルを踏んだ。ふと、
「(やっぱこのまま帰れないよ俺・・・)」って
思いが浮かんで、その途端タイヤ鳴らしてUターン、

信号も守らないでもう一度駅に戻り、
車を停め駅まで走った。
恋愛に対して、あんなになり振り構わぬ
行動した事はなかった。
入場券を買って、通路を走って、
階段駆け上がって、ホームに着いたら
ちょうど電車のドアが閉まったところだった。
俺は走った、走って電車を追っかけた。
涙なんか浮かべちゃって、どこかで、
俺一体何やってんだろって思いながらも必死で追った。
でも、これでもう会えないんだって思うと切なくて、
小さくなっていく電車が、涙でよく見えなかった。

そんなとき、遠く・・・いや、近くかな。
聞き慣れた声が俺を呼ぶのに気付いて。
その声がした方を振り向くと、
追いかけたはずのその人が笑ってた。
「何やってんのー? 私こっちの電車だよー」
今まで張り詰めてた気持ちが全部一度に解けた感じがして、
笑いながら泣きながら、
ごちゃごちゃの感情で反対のホームまで走った。

彼女も走ってきてくれた。
笑ってたけど、ちょっと泣いてた。
抱き合って、やっぱまだ離れられないよって、泣いた。
二人して泣きながら、
でもホーム間違えてるのカッコ悪いよなんて笑って。
結果的にもう一度付き合うことになったが、
あの時、走ったホームを間違えてなかったら
こうはならなかったかもしれないなんて、
いい笑い話になってた。…!!

そしてそれから数ヵ月後の1月17日。
阪神地方を襲ったあの大きな地震で、
彼女は帰らぬ人となった。
俺も俺なりの人生見つけたけど、  
あの須磨駅であの人を追いかけたこと、
今でも忘れられない想い出です。…!!



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
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衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
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そこから始まる彼の活躍…
「国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」。
そんな彼を描いた小説。


韓信-30


そこへ黥布と鐘離眛に率いられた二万の楚軍が現れた。
籠城中の趙軍は歓喜に沸いたが、
これでようやく秦軍と互角程度に戦えるくらいである。
それまで高みの見物を決め込んでいた陳余は
使者を通じて楚軍へさらなる援軍を要請し、
項羽はそれを受けてついに自ら軍勢を率い、
鉅鹿に乗り込んだ。

出陣にあたって項羽は士卒たちが全員川を渡り終えると、
船をすべて沈めてしまった。また、
作戦前の最後の食事をとり終えると、
煮炊き用の釜をすべて打ち壊した。
どちらの行為も「死ぬまで戦う」という意思を
劇的に示したものであった。

死を決意した者にとって、帰るための船は必要なく、
二度と食事をとる必要もない、というわけである。
項羽のような激情家が自らこのような行為をすると、
士卒たちは心を打たれ、感情が高ぶるのだった。
かくして鉅鹿に突入した楚軍の兵たちは、
天地を揺るがす雄叫びをあげ、
一人で十人の兵を相手にして狂ったように戦った。
諸侯たちはその様子を見て呆気にとられるばかりで
余計に動けなくなった。
燕や斉などの兵は秦軍よりも味方の
楚軍の方を恐れ始めた。

楚人は個人ではおとなしいが、
集団になったとたんに剽悍
(ひょうかん)になる、とされている。
感情が激しやすく、あらゆる物事に心を動かされては、
怒ったり、泣いたり、笑ったりする。
このときの楚軍に、細かな戦術などは無きに等しく、
あるのは項羽の個人的武勇のみであった。
激情した司令官が先頭に立ち、
激情した部下たちがそれに続く。
彼らは死をも恐れぬ殺人集団となって
敵陣深くまっすぐに進むのである。

しかし韓信は決して彼らと同調できない。
この集団の中にいるのが、恐ろしく感じられた。
私は、この連中とは明らかに違う。
自分は、楚人ではないのだろうか。
項羽の激情に化学反応を示したように、
集団が揃いも揃って同じ感情を示すというのも
不思議でならなかった。

つまりは、楚人とは主体性のない奴らばかりなのだ。
いや、そういう私も楚人か……。
韓信はひとり気のない戦をし、
それを見た者から罵声を浴びせられた。
「臆病者め!」韓信はいつまで
この集団の中にいられるか、不安になってきた。

そもそも韓信は楚人とはいっても北東部の
大きく国境が入り組んだ地域で生まれ育っている。
そのような地域では他国との混血や
文化的な交流が盛んであっただろうし、
自分が純粋な楚人であることを確認できる手段など、
この時代にはなかった。
もしそうでも幼少時代から楚人的な教育を
叩き込まれていれば、
あるいは楚人らしい楚人として育っていたかもしれない。

しかし栽荘先生は決してそのような
教育をしてくれなかったし、
今思えば反楚的だったとさえ思う。
先生、やはり私はここに居場所がないように
思うのですが、本当にこれでいいのでしょうか……。
先生は私を評して物事を客観的に見れる、
とおっしゃりましたが、それはそのはずです。
私だけがこの中では別物なのですから。
それを承知で楚軍行きを勧められたのでしたら、
お恨み申し上げます!

しかし自分はどこの組織に入っても
素直なものの見方をせず、
周囲から白眼視される人物であろうことは、
この時期の韓信にはようやくわかってきた。
自分のことさえも客観的に判断できる段階に
入ってきたのである。
項羽は章邯配下の将のうち、蘇角を殺し、
王離を捕虜とし、渉間を追いつめて自殺せしめた。
章邯その人は取り逃がしたものの、
見事鉅鹿城の解放に成功したのである。
この戦果を受け、楚は趙、斉、燕などの
諸侯国のなかで第一の存在となった。
皆項羽に服属したのである。
かくて趙は滅亡の危機を免れたわけだが、
その過程で禍根を残した。

建国の臣のふたり、張耳と陳余が
仲違いしてしまったのである。
張耳は援軍を出さなかった陳余を責め、言った。
「君とわしはお互いのために死のうと
誓い合った仲ではないか。
それなのに君は数万の兵を抱えながら、
助けにも来てくれなかった。いったいどういうわけだ」

陳余にも言いたいことはある。
彼は悪びれもせず、答えて言った。
「現実を見ろ。秦との戦力差を考えれば、
軍を進めても結局は趙を救うことはできず、
無駄に全滅させるだけだった。
私が軍を進めずに君とともに死のうとしなかったのは、
いつか趙王と君のために秦に報復したいと思ったからだ。
だいたい、今の国情で君と私が二人とも死んでしまっては、
誰が国を保つのか冷静に考えてみるべきなのだ」

張耳には陳余の言うことが理屈としては、わかる。
それよりも気に入らないのは陳余の態度であった。
年長である自分や趙王に苦労をかけたことを
気にも留めておらず、結果的に助かったのだから
よかったではないか、と言わんばかりの態度であった。

張耳は繰り返し陳余を責めた。
根性を叩き直すつもりだったのである。
しかしこれに逆上した陳余は、
いきなり将軍の印綬(いんじゅ)を外し、
張耳に押しやって便所に立った。
位など惜しまず、いさぎよく下野するというわけである。
陳余はまさか張耳がそれを本気にするとは思っていなかったが、
便所から帰ってみると、張耳は既にその印綬を腰の帯につけ、
陳余の指揮下の軍を配下におさめていた。
愕然とした陳余はごく少数の仲間を連れ、
その場をあとにしたのである。

張耳は項羽の軍とともに、
函谷関を目指して進軍することになる。
咸陽にも戦況の報告は届く。
しかし届いても皇帝の耳には入らないのだった。
なぜかと言うと、趙高が知らせないからである。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、 花に例えた古い歌
今さら聞いても、歌っても、何処に置いても、飾っても
花も歌も、枯れてゆく....人生、絵模様、万華鏡...



夕ンゴの御堂筋 小林旭




誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……

人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ


時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる










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きれいなお風呂・宣言

お風呂物語

2015年4月19日 (日)

妄想劇場・番外編

妄想劇場・番外編

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー
 

落語の原型とも言われている
江戸小咄は、 江戸時代の
庶民の楽しみとして広く伝わって
おおらかに性を笑いに取り入れて
現代にまで至っています。

お色気小咄は日本だけではなく、
外国にもあります、西洋小咄です

ぶじょく
警察へ呼びつけられた百姓息子のパーカ、
いきなり、署長に、こう聞きかれた。
「娘がおまえに、ひどく、ぶじょくされたと
主張しているが、おまえのいいぶんはどうだ」

すると、パーカ、どもりながら、こう答えた。
「あっしが野良でしごとしとると、
あの娘っ子が、自転車がパンクしたから、
なおしてくれ、お礼はするというのでさ」

「それで、おまえは、なおしてやったんだな?」
「へい。すると、あの娘っ子は、
お礼の金がないから、こちらへ来いといって、
あっしを森の中へつれて行って、
いきなり、パンティをぬいだんでさ」

「それで、どうした?」
署長は、思わず、のりだしてきいた。
すると、パーカ、首すじの汗を、
大きな手でぬぐいながら、
ぼそりといった。

「あんなパンティなんぞ、
あっしには、はけないもんだから、
かわりに自転車をとりあげたんでさ」

おあとは、よろしいようで…


拝借
オーデル夫人が、自宅で編物をしていると、
隣家の息子が、電話を借りに来た。
電話をかけようとした時に、ベルが鳴った。

受話器をとると、
夫君のオーデル氏の声がきこえてきた。
「もしもし、オーデル家かね?」
「はい、そうです」
「きみは誰かね?」
「ぼくは隣のジョンです。
これから拝借しようとしたら、
あなたからお電話でしたので・・・」

    「拝借ってきみはいうが、
妻は承知したのかね」
「はい、奥さんはこころよく
承知してくれましたので、

もう少しで拝借してしまうとこだったんです。
ですから、ただいまのベルが
もう少しおそければ、
万事用は済んで、ぼくは帰るとこでした」 と、
ジョンが説明すると、
オーデル氏は、怒声をはりあげて、
「チキショウ!夫の留守を幸いに、
若い男に大事なものを貸すなんて、
けしからん女房だッ!」

おあとは、よろしいようで…   


スッポン
父「金坊、おとっつァん、 二、三日仕事で
 留守をするが、
 帰りに何ぞ土産を買って来てやろう。
 何がいい?」
子「うわーッ、だったら、亀の子がほしいよ」
父「亀の子か? そんなものわけァねえ、
 きっと買ってくるからな・・・」

てんで約束をいたしまして、
しばらくして戻って参りますと、
ちょうど金坊は遊びに行っていて留守。
これ幸いと、かあァちゃんとチョンの間を
たのしんでおりますところへ、
金坊が裏口から入って来た。

子「やァ、父ちゃんお帰り、お土産は?」
その声にびっくりして、
親父ァあわてて抜きましたから、
大きな音がスッポン、…!!
子「スッポンじゃないよ、亀の子だい」

おあとは、よろしいようで…






誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……

人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ


歌は心の走馬灯、 花に例えた古い歌
今さら聞いても仕方がないが
何処に置いても飾っても
歌も花も、枯れてゆく
…人生、絵模様、万華鏡…

   

18禁 「よせばいいのに」



時は絶えず流れ、
     今、微笑む花も、明日には枯れる






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お風呂物語

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!


信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直


韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
「国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」。
そんな彼を描いた小説。



韓信-30


項羽は、宋義の言うことが本当に正しいのか、
まじめに考えた。
そんな様子を見て宋義は項羽に対して
韓信と同じような感想を持ったようである。
自分に対しなにも言えない項羽の弱みにつけ込み、
楚軍の中での勢力を打ち消そうと考えた。
このあたりの宋義は、いかにも老練な政治家らしい。
宋義は軍中に触れを出し、
「虎のように獰猛、羊のように言うことを聞かず、
狼のように欲深な者は、みなこれを斬る
(猛きこと虎のごとく、很(もと)ること羊のごとく、
貪ること狼のごとくは、皆之を斬る)」と記した。

名こそ出していないが、明確に項羽を示したものである。
しかし項羽はそれでも我慢し続けた。
滞陣は四十日を超え、士卒の士気が萎え始めた。
軍糧も底をつき始めていた。
おまけに冷たい雨が降る季節となり、
兵たちは凍え始めた

陣中の誰もが不信を募らせ始めた頃、
宋義はようやく行動を開始した。
ついに軍を動かした、のではない。
宋義は懐王から行軍を遅らせる命を受けたのをいいことに、
その時間を利用して斉を相手に政治的遊戯に興じていた。
自ら率いる卿子冠軍は、その道づれである。

宋義はこの卿子冠軍に息子の
宋襄(そうじょう)を同行させていたが、
この息子を斉の宰相にするべく、
自ら無塩(ぶえん)という地まで見送りに行った。
ひと月以上も軍を留め、
わざわざこの時機に送り出したのは、
斉側の準備に時間がかかったからだろう。
無塩で別れの大酒宴会を開いた宋義が、
悠々と戻ってきたのには韓信もあきれた。
しかし次将として軍に責任をもつ項羽としては、
「あきれる」のひと言で済ませられようはずがなく
、烈火の如く怒り、翌朝になって猛烈な勢いで
宋義の幕中に飛び込んだ。

「士卒は飢え凍えているというのに、
宋義は酒宴などを開き、趙と力を合わせて
秦を攻めようともせず、秦の疲れに乗ずるという。
秦軍の強さで建国間もない趙を攻めたら、
趙が敗れることは必定、
趙が敗れれば秦が強くなるだけである。
なにが疲れに乗ずるだ! まして国家の危急時に
子の私情に溺れるとは社稷(しゃしょく)の臣に非ず」

項羽は斬りかかり、宋義は逃れながらも必死に反論する。
「楚と斉の間は、今良好とは言えず、
一本の細い糸でかろうじてつながっているようなものだ。
その糸をわしが太くしてやったことが、わからんのか。
貴様のように戦うしか頭にない男に
政略というものが理解できるはずがあるまい」

項羽は頭に血が上った。目尻から
血が噴き出さんばかりの形相で宋義を睨みつけると、
「今、問題にしているのは斉ではなく、趙だ。
貴様の言うのは詭弁である」と言って、
ついに斬り捨てた。

そして宋義の子、宋襄を追い、
斉の地に入ったところでこれを殺した。
安陽に滞陣すること四十六日めのことであった。

懐王はこれを伝え聞き、宋義の愚か者め。
だから早めに処断せよ、と言ったのだ。と内心で
愚痴をこぼした。
しかし、こうなってはほかにとるべき道はなく、
あらためて項羽を上将軍に任命し、
宋義の下においた軍を項羽の下に再配置した。
これによりやっと楚軍は進撃を開始したが、
遅れは取り戻せそうになく、
関中王の座は劉邦に奪われることを
覚悟せざるを得なかった。

籠城戦は救援の見込みがあってこそ成り立つ戦法であり、
籠城していた側の張耳としては、
見込みがないわけではなかった。
ともに刎頸(ふんけい)の交わりを結んだ弟分の陳余は、
北方で兵を集め数万の兵を引き連れて
鉅鹿の北に陣していたし、
燕、斉、楚にも救援の依頼はしてあった。

しかし、他国の軍が到達するより前に、
真っ先に動くべきの陳余が動こうとしない。
頭にきた張耳は使者をやって陳余をなじらせたが、
陳余は動かず、わずかに五千人の兵を
その使者に与えることしかしなかった。
その五千人も秦軍の前にあえなく全滅し、
これによっていよいよ秦軍を警戒した陳余は
陣を構えるばかりで、まるで動こうとしなくなった。
諸国の軍もぽつりぽつりと到達してきているが、
どれも陳余にならって見物しているだけである。
こうして鉅鹿は完全な孤城となった。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る

歌は心の走馬灯、 花に例えた古い歌
今さら聞いても、歌っても、何処に置いても、飾っても
花も歌も、枯れてゆく....人生、絵模様、万華鏡...



時代おくれの酒場/cover新二郎



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……

人の為(ため)と書いて
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お風呂物語







2015年4月18日 (土)

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
「国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」。
そんな彼を描いた小説。

韓信-29

遅すぎる。……
韓信は卿子冠軍の行軍の遅さが気になってならない。
趙の窮乏は急を要しているのに、
早く行って助けたいという気持ちがまったく無いかのようであった。
さすがに懐王が宋義に命じてわざと行軍を
遅滞させていたとは気付かず、
ひとりひそかに懸念を抱いていたところ、
安陽に到着した時点でついに軍はその歩みを止めてしまった。

なにかある。いや、……この作戦自体に
裏の目的があるに違いない。
思い切って韓信は項羽に直言しようと考えてそばに寄った。
というのも、この日の項羽は上機嫌だと
人づてに聞いたからである。
「お前はおとなしそうな顔の割に、たいそうな剣を携えているな」
だしぬけに項羽から声をかけられた韓信は
返事のしようもなく、
「はぁ……。よく言われます」とだけ答えた。

項羽を信奉する者ならば、声をかけられただけでも
泣いて喜ぶべきであったが、
特別そのような感情を持っていない韓信には喜ぶ理由はなく、
表情も変えなかった。
項羽はそれが気に入らなかったようで、
急にぶっきらぼうな態度をとった。
「なにか用か。わしは忙しい。
言いたいことがあるなら早く申せ」

韓信は、「失礼ながら、お耳に入れたいことが」と
話を切り出した。
「それはわかっている。早く申せと言っているのだ」
項羽はいらだち始めた。
韓信はそれを気にしないように努力し、話を進める。
「趙では一刻も早い救援を望んでいると思われますが、
我が軍の進軍速度ははなはだ緩く、
今に至っては完全に停まってしまいました。
これは上将軍の宋義どのになにかの思惑があることに
原因があると存じます」
項羽はこれを聞き、「なにかの思惑といえば……
作戦であろう。
それともお前は宋義に邪心でもあると言っているのか?」と
宋義を弁護するような言い方をした。
「確証はございませんが……。
その可能性はあると考えています。もしそうでなくとも、
こうしている間に沛公の軍は関中に迫り、
我が軍は遅れをとります。
宋義どのに対処を迫ったほうがよろしいかと」
韓信は決して項羽に関中王になってほしいわけではなかったが、
本意でないことを言うことも仕方のないことだと思い、そう話した。

「なるほど……。それは確かにそうだ。
明日、宋義に会って確かめてみよう」
実は韓信は項羽の性格であれば、即座に宋義を討ち、
上将軍の位を奪おうとするものと考えていた。
しかし項羽は存外謹み深く、過激な行動をとろうとはしなかった。
家格に対する貴族の本能的な遠慮か……。
しょせんは項羽も貴族、ということか。
しかし、これ以上言ってやる義理は私にはない。
翌日。項羽は宋義のもとに参上し、
柄に合わないような丁寧な口調で宋義に問いただした。
「秦が趙王を鉅鹿に囲んでいること久しいが、
早めに兵を率いて黄河を渡り、
外より楚が、内より趙が秦軍を挟むようにして戦えば、
きっとこれを破れると思われる。

如何

いかが


気性の荒い項羽としては充分すぎるほど慎み深く、
上官をたてて物を言ったことは確かである。
しかし、これを見越した宋義は
項羽の献策を以下のように却下した。

「例えば手で牛を打ったとしても、
表面の虻は殺せるが、毛の中の虱は殺せない。
勝負を焦るあまり、大局を見ないようでは、
虻を殺すことと同じなのだ。
つまり、今秦は趙を攻めているが、
秦が趙に勝ったとしてもその軍は疲弊する。
我々はその疲れに乗じればよいのだ。
秦が負けた場合はなおさらである。
よって得策なのは秦と趙を戦わすことである」
それでは事実上趙を見殺しにしろ、ということではないか。
項羽は思ったが、口にできない。
このあたり韓信の項羽に対する評価は正しいものであった。
押し黙る項羽に対し、
宋義は自分の優位を主張した。
「わしは鎧をつけて戦場で戦うことは、
そなたには及ばないが、
策略をめぐらすことではそなたはわしに及ばない」
余裕の発言だった。
項羽は宋義の権威にうちのめされ、
なにも言えずに退出した。


つづく

Author :紀之沢直
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歌は心の走馬灯、 花に例えた古い歌
今さら聞いても、歌っても、何処に置いても、飾っても
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泣いて昔が返るなら 小林旭


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
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チャンネル掲示板

チャンネル・ニュース

幸せがつづいても、不幸になるとは言えない
 不幸がつづいても、幸せが来るとは限らない


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント

明日という日はミステリー



白髪の車掌さん
『ほんならな。』その老車掌は最後にそう言葉を残し、
車椅子の彼の列車を後にした。
オレが通学に利用している、県すらまたがない程度の
小さな小さな私鉄、『山陽電鉄』。
利用者こそそれなりにはいるものの、車両もボロく駅も小さい。
すぐ側を通るJRに敵うはずもなく、
ほそぼそと地元の人の交通手段のひとつになるに過ぎなかった。

通学の足にその電車を利用しているオレは、
今日のように夕方頃にその電車で帰っていると、
普段から見知ったひとりの青年を見かける。
年齢は20を過ぎたあたりだろうか。
彼には重度の障害があった。
脳の障害を初め全身の末梢神経が麻痺し、
歩くことも手をスムーズに動かすことも、
喋ることさえできないようだ。

それでもいつも、電動車椅子にのって
終点の駅から終点の駅へと、
どこかへ通うためにこの電車を利用していた。
通う理由が何なのかはオレは知らない。
でもひとつ言えるのは、車椅子で通うには
多くの苦労と人の手がかかってるであろうというくらいか。
そしていつもその彼を助ける、ひとりの車掌の姿があった。

60前後の、背の小さな白髪の車掌さん。
オレが見る限り、彼が勤務している時は
ほとんど彼に会いに行っているんじゃないだろうか。
オレが今まで見た限り、彼の世話をしてあげるのは
たいていはその白髪の車掌さんだった。
車掌の仕事は、段差のあるホームから車両へと、
板を架けて乗車できるようにするというもの。
恐らく利用者へのボランティアだろう。
しかしその車掌さんは、他の無愛想な車掌と違い
いつも彼に親しく話しかけ、
乗り換え駅のホームに早くからその板を持って
彼が乗る列車を待っていた。

今日もいつもの通り。オレは彼と同じ車両に乗り合わせ、
乗り換えに降りる彼を迎える例の車掌の姿も。
明るく話しかける老車掌と、喋れないがために
ワープロ形式の合成音声に頼る彼とのテンポの遅い会話。
指も麻痺しているため、伸ばした人差し指で
おぼつかない様子で簡単な言葉を打ち込む彼の姿も、
オレとしても変わらない光景だったろうし、
彼にとってもそうだっただろう。

しかし老車掌が雑談の後に切り出した話は、
いつもの雰囲気とは大きく違うものだった。
『わし、もうここ辞めるんやわ。多分会えるのも、
今日で最後やと思う』
あまり変化させることのできない彼の表情も、
気持ち曇ったように感じた。
定年退職だろうか。電鉄業界にどのような
規則があるのかはわからないが、
その車掌は確かに辞める旨を伝えた。

彼は文字を打つのすら忘れて、固まっていた。
発せられた言葉を、未だに信じられないとでも言うかのように。
老車掌は話し続けた。
わしがおらんで大丈夫かだの寂しいかだの、
皮肉で、『わしがおらんくなってせいせいするか、ははは。』と
笑ってみせたりもした。
なのに彼は何も言わない。下を向いて固まっていた。
しばらく話し続けると、老車掌は左腕の腕時計を一瞥した。
発車時刻が近いのだろう。

『ほんならな。元気でやれよ』そう言って、
下を向いたままの彼を車内に残し、
ドアの外へ向かおうと足を踏み出した。
すると車掌の腕に何かが触れた。
それは、ぎこちない、彼の手だった。
話せない彼の、精一杯の意思表示。

ちょっと待って、と。振り向いた車掌を確認した彼は、
その右手でおぼつかなくキーボードを叩いた。
たった五文字。『 あ り が と う 』と。
そのたった五文字に、口べたな彼の想い全てが
つぎ込まれていた気がした。
車掌は振り返り、涙が混じりつつも、
今日一番の笑顔をしてみせた。
そして出発のブザーが鳴り響く。
車掌はドアの外のホームに出る。

車掌は最後に、彼に笑顔で敬礼をしてみせた。
それに答えるように、上手く伸ばせず曲がりきった五本の指で、
彼も目一杯の敬礼をする。
老車掌は、ドアが閉まり列車が動き出してもなお、
ホームで敬礼を続けた。
そして彼もなお、瞳から大粒の涙をこぼし、
いつまでも敬礼を続けていた。…!!




お兄ちゃん有難う




赤い交換ノート
私が中学2年生の時の話。
思春期に入り、親と喧嘩することが多くなった。
家が大嫌いで煙草を吸ったり万引きをしたり
毎日夜遅くまで遊んで家に帰らなかったりした。

そんな不良になった私を両親はいつも真剣に叱ってくれた
なのに私は「うるさい。私の事は放っといてよ?
もう見捨ててくれていいし。」なんて
両親を傷付けるような事ばっかり言っていた。
ある日、久々に家に帰り自分の部屋に行くと、
見たことのない真っ赤なノートが机の上に置いてあった。

中を見てみると、1ページぎっしりに文章が書いてあった。
それは母の字で「 これはゆな(私)とお母さんの
秘密のノートです! 
あなたが産まれた時、私は本当に嬉しかった。
やっと会えたねって泣きながら喜びました。
産まれたばかりのあなたは小さくて、本当に可愛いかった。
そんなあなたも中学2年生!
本当に成長しました。今、
あなたは多感な時期できっといろんな事に敏感だと思う。
しんどい事もきっとあるはず。
でもあなたは1人じゃない。お母さんや、お父さんがついてます!

何があってもお母さんはあなたを見捨てたりしません。
死ぬまでずっとあなたの味方です。
あなたが大事だからお母さんは叱ります。
あなたにとってお母さんはうざったい存在かもしれないけど、
愛があるのであなたに向き合います。
最後に、こんなお母さんだけど
時には喧嘩しても仲良くしてね。
産まれて来てくれて、ありがとう。お母さんより。」

涙が止まらなかった。今までの自分を恨んだ。
私、お母さんを傷付けたのに迷惑かけたのに、
それでもお母さんは真剣に向き合ってくれた。
そして最後に、「これは交換ノートだから
暇な時に回してね!」と書いてあった。
お母さん、中学2年にもなって交換ノートなんて恥ずかしいよ。
でも、恥ずかしさなんて忘れるぐらい嬉しいよ。
お母さん、ありがとう。…!!




甲子園にかけた思い




相合い傘
高校生の時、嫌な事があった
クラス全員から冷たい目で見られてるような気がした。
学校帰りの夕方、運悪く朝は晴れていたのに
どしゃ降りの雨が降ってきた
バス停で濡れ、バスを降りる時、濡れた床に足を取られ、
豪快にぶっ倒れた。
バスの運転手が面倒くさそうに、「大丈夫か?」の一言
その顔がひどく冷淡に見え、
返事もせず、慌ててバスを降りる俺
まだ強く雨が降っている
傘など持ってない俺
転んでドロドロだしどうでもいいわと歩き出すと、
背後から声をかけられた

「あの~○○寺に行きたいんですが」
眼鏡をかけた初老のおじさんと、妻らしき人
うっとおしく思いながらも丁寧に道を教える俺
足早に帰ろうとしたら、
「行き先途中まで一緒に行きませんか」とおじさん
俺が不機嫌な顔で断っても
「まぁいいじゃないですか」とニコニコしながら
傘に入れてくれたおじさん

体の大きい俺。おじさんの傘は小さく、
肩がはみ出て濡れてしまう
俺が濡れたら悪いので走って帰りますと言っても、
「濡れついで。道もわからないしつきあってくださいな」
寺は一本道なんだけどな。
そうこうしてるうちに俺の家の前まで来た
「ありがとうございました。寺はすぐそこです」と礼を言うと、
おじさんは「ありがとう助かったよ。
風邪ひくからすぐ体ふきなよ。じゃあね」と、
寺に向かい歩き始めた。

なぜか小さくなっていくおじさんの背中を
眺めていた俺。
おじさんの奥さんの声が聞こえたんだよね
「お父さん、寺なんか行ってどうするんですか(笑)
もう閉まってるだろうし」
おじさん傘に俺を入れるため
行きたくもない寺まで歩いてくれたのかな
雨で冷たくなったはずなのに
なぜか俺の体があったかくなるような感じがしました……



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。

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2015年4月17日 (金)

歴史・履歴への許可証

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歴史・履歴への許可証


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー



日本民話

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きっちょむさん(漢字では吉四六)は、

大分県大野郡野津町に実在した人物で、
酒造業をいとなんでいた
初代広田吉右衛門であるとされています。

吉四六さんの水風呂
ある時、吉四六さんは大勢の百姓たちと一緒に
米を馬に積んで、年貢を納める為に
役人の所へ向かいました。
この日はとても暑い日だったので、みんなへとへとです。
特に馬は重い米だわらをつけているので、
可哀想なほど苦しそうです。
でももう少し行くと、小さな泉があります。

あまり水が良くないので人は飲めませんが、
馬なら大丈夫です。
「もう少しだ、我慢しろよ」
みんなはそれぞれ自分の馬をいたわりながら、
山道を進みました。そしてやっとの事で、
その泉に到着したのです。

「さあ、飲みな」先頭の百姓が、
馬を泉のそばに引き寄せましたが、
「あっ! ・・・なんて事だ!」
長い日照り続きだった為に泉の水が減って、
もう少しの所で馬の口が水に届かないのです。
「おい、誰かおけを持っていないか?」
「・・・・・・」
しかし誰も、そんな用意はしていません。
百姓たちは代わる代わる自分の馬で試してみましたが、
どの馬ももう少しのところで届きません。
「やれやれ、これは弱った」
「このまま水も飲ませずに無理をすれば、
馬が倒れてしまうぞ」みんなが困っていると、
吉四六さんが言いました。 

f:id:campbll:20150417205245j:plain
「おいみんな、ちょっと待ってろ。

おれが馬に水を飲ませてやるから」
そして吉四六さんは着物を脱いで、
裸になりました。
「吉四六さん、もしかして掘るつもりか? 
いくら掘っても、これ以上は水はわかないよ」
みんなはそう言って笑いましたが、
でも吉四六さんは構わずに泉の中に飛び込んで
首までつかると、向う側に身を寄せました。

「うひゃーーっ、ちょっと冷たいが、
こりゃいい気持ちだ。さあ、これで水かさが増したぞ。
もう何人かが手伝ってくれりゃあ、
馬の口が届くはずだ」それを聞いたみんなは、
ようやく吉四六さんの考えがわかりました。
「なるほど! 掘るんじゃなくて、
飛び込んで水かさを増したのか。これは名案、
さすがは吉四六さんだ。
よし、わしらも手伝うぞ」
ほかの百姓さんたちも裸になって泉に飛び込んだお陰で、
馬は無事に泉の水飲む事が出来たのです。

おしまい



小人とクツ屋



犬と鏡
ある年の暮れの事、吉四六さんが
お正月に必要な物を町へ買いに来ていると、
突然横道から女の子の泣き声がして、
続いて大勢の子どもたちが騒ぐ声が聞こえて来ました。
「はて、何事だろう?」
吉四六さんが急いでその横道に入ってみると、
子どもたちがある侍屋敷の裏門の周りに集まって
騒いでいるのです。
後ろからのぞいてみると、門のわきにつないである
一匹の猛犬が、きれいなマリをくわえて
子どもたちをにらみつけながら、
「ウー! ウー!」と、うなり声をあげているのです。

吉四六さんが子どもたちに話を聞いてみると、
この町の油屋の娘が落とした大切なマリを、
犬がくわえて放さないというのです。
子ども好きの吉四六さんは、
泣いている油屋の娘に言いました。
「よしよし、心配するな。おじさんが取ってやるからな」

吉四六さんは犬に手を出して、
犬をなだめようとしましたが、「ウッーー!」
犬はせっかく手に入れたおもちゃを取られると思い、
ちょっとでも近づくと噛みつく姿勢を取ります。
「こりゃ、知らない人では駄目だな。
飼い主でなくては」
吉四六さんは家の中に声をかけましたが、
あいにくとみんな出かけているらしく、
家には一人もいません。

f:id:campbll:20150417205426g:plain

「こうなると、 エサでつるしかないな」
そこで吉四六さんは、
正月用に買ってきたおもちを一つ、
犬に放り投げたのですが、
この犬は普段から 良くしつけてあるので、
飼い主がやるエサしか食べないようです。
さすがの吉四六さんも、相手が犬ではいつもの
とんちが働きません。

油屋の娘を見ると、吉四六さんが
何とかしてくれると思い、真っ直ぐな目で
じっと吉四六さんを見つめています。
「うーん、これは難題だな」しばらくの間、
犬の顔をじっと見つめていた吉四六さんは、
「あ、そうだ! 確か買った物の中に、
嫁さんに頼まれていたあれがあるはず」
吉四六さんは荷物の中から何かを取り出すと、
すたすたと犬に近づいて、
取り出したある物を犬の鼻先にさし向けました。

すると犬は驚いて、「ワン!」と、吠えたのです。
そのとたんマリは犬の口から離れて、
コロコロと吉四六さんの前に転がってきました。
吉四六さんは素早くマリを拾い上げると
、喜ぶ油屋の娘にマリを返してあげました。
「おじさん、ありがとう。でも、
何で犬はマリを放してくれたの?」
尋ねる油屋の娘に、吉四六さんはさっき
犬に見せた物を見せました。

「あ、かがみだ!」
犬はかがみに映った自分の姿を見て、
かがみの中に別の犬がいると思い、
その犬に向かって吠えたのでした。…!!

おしまい


アリとキリギリス




誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。


人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ


時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる






P R
きれいなお風呂・宣言

お風呂物語

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
「国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」。
そんな彼を描いた小説。



韓信-28
宋義率いる楚の主力軍は
卿子冠軍(けいしかんぐん)と称され、
趙に遠征することとなる。
このとき韓信は項羽のもとに配属となったが、
その地位は郎中という警備役に過ぎなかった。
俸禄は多少もらえる。我慢すべきだ。
自分にそう言い聞かせ、心中にわだかまる不満は
外に漏らさないようにした。というのも、
それなりの役得があるからである。

韓信は貴人の護衛を理由に項羽の周辺に
常にいることを許された。身分は低く、
よほどのことがなければ発言も許されないが、
軍の中枢部に近いところにいれば、
なにか得るところもあるに違いない、
そう思えたのである。

しかし、このときの項羽は近づけないほど荒れ狂っていた。
「なぜだ! なぜわしが関中に向かうことを許さぬのだ!」
項羽は怒り、周囲の者はひれ伏してなだめるしかない。
近侍の者に責任があるわけでもあるまい。
不満があるのなら懐王に直接言えばいいのだ。
韓信は少し離れたところにいるからこそ、そう思える。

これが項羽の怒気の飛沫を浴びる距離にいたら、
やはりひれ伏すしかなかっただろう。
項羽はさらに吠える。
「いくさ下手の劉邦などが関中にたどり着けるわけがない。
そうなればこの作戦自体が失敗だ。
このわしが行けばあっという間にことはおさまる。
それなのになぜ懐王はわしではなく劉邦を選んだのか!」

項羽という男にとって、世の中は
敵か味方かしかなかった。
敵に従うものはどういう事情があろうとも、
すべて敵であり、中間は存在しない。
襄城の一件がいい例であった。
城中の市民は「襄城に住んでいる」という理由だけで
敵とみなされ、項羽によって兵もろとも
生き埋めにされたのである。

懐王は項羽のそのような残忍さを嫌い、
その結果、このような人事になったようである。
韓信は思う。項羽という人は、
己の感情で世界を支配しようとしているかのようだ。
好きか嫌いかで敵味方を判別しようとする態度は……
実にわかりやすい。欠点は多いが……
政治的ないやらしさがないことだけは事実だ。

そして、その対極にいるのが、宋義だ。
彼を大将に据えるとは、
懐王はよほど項羽が嫌いらしい。
宋義は名家の出とはいっても、
基本的に文官であり、
軍の指揮などは経験したことはない。
それをあえて大将に任じたのは、
明らかに項羽に対する当てつけであった。

かつて懐王は斉からの使者に
次のように言われたことがあった。
「宋義どのは武信君の軍が敗れることを
私にほのめかしておりました。
私はそのときは半信半疑でありましたが、
数日するとはたしてその通りになりました。
戦わぬうちから敗れるとわかるとは、
兵法を知った者のなせる業でございましょう」

それを頭から信じるほど、
懐王は馬鹿ではない。懐王にとって
趙を救援することは擬態であり、
極言すれば戦う必要はなく、
そのふりをすればいいだけなのである。
よって宋義でもその任に堪えると思ったのであった。
宋義にはせいぜい行軍に時間を割き、
戦況が決したころに鉅鹿に到達するように言い含めた。

「劉邦などは関中王の位を与えてやっても、
余は御していく自信がある……。
しかし項羽がそうなっては、手が付けられない。
宋義、これは内密だが、
軍中で項羽が不穏な動きを見せたら、
口実を見つけて処断せよ。よいな」
「……わかりました。きっと、そのように」


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、 花に例えた古い歌  
今さら聞いても、歌っても、 
何処に置いても、飾っても  
花も歌も、枯れてゆく....   
人生、絵模様、万華鏡...



惚れた女が死んだ夜は 杉本眞人

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……


人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる






P R


お風呂物語

2015年4月16日 (木)

妄想劇場・番外編

妄想劇場・番外編

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

 


落語の原型とも言われている
江戸小咄は、 江戸時代の
庶民の楽しみとして広く伝わって
おおらかに性を笑いに取り入れて
現代にまで至っています。

お色気小咄は日本だけではなく、
外国にもあります、西洋小咄です



殿さま、家来をひそかに呼び、
「おれは、くだんのやりかたを知らぬが」
と、おおせければ、
家来 「では、ご指南もうしあげましょう」
「そんなら教えてくれ」


家来 「ならば御前は恐れながら、
物かげよりごらんあそばしませ」と、
屏風を立て、
その陰に殿おすわりあり、

屏風のこちらにて、
十四,五なるお腰元を呼びだし、
御意なりと言い聞かせて、
殿に見えるようにいたせど、
まだはじめてのことゆえ、思うようにならず、
たびたび指につばをつける。
・・・殿つくづくごらんあって、
「なにもかも知れたが、
ときどきひろって食うものはなんじゃ」

 

おあとは、よろしいようで…


ご婦人用
料理屋で、いささか着こしめしたイギリス紳士、
用がたしたくなり、
地下室の便所へおりてゆき、
番人のばあさんがとめるのも聞かず、
婦人便所へ飛びこんだ。
「もしもし、そちらではございません」と、
ばあさんが大声をあげる。
イギリス紳士はそれにはかまわず、
ゆうゆうと用をしつづけた。
ばあさん、たまりかね、
「それはご婦人用でございますよ!」
イギリス紳士、そのかっこうのまま、
グルリとばあさんの方へ向きを変え、
「もちろん、これはご婦人用さ」

おあとは、よろしいようで…


花ぬすびと
ある未亡人の家に押しいった賊が、
よくよく、その女を見ると、
なかなか捨てがたい風情なので、
ムラムラッとなり、
行きがけのだちんとばかり、失礼して、
立ちさろうとすると、未亡人が、
「泥棒・・・・」と一声。
賊はふりかえって、「なんだ!」
未亡人「こんど、いつきてくださる」

おあとは、よろしいようで…


ある会話 (胎内復帰)
出生まえ、数週間のある日、
二人の双生児(もちろんまだママの胎内である)が
語りあっている。
兄 「オヤ、ごらんよ。パパがいらしたらしいよ」
弟 「ちがうよ。お兄ちゃん、パパじゃありませんよ。
お客さんに決まってるじゃないの。
だって手袋をはめていらっしゃるんだもの」

お乳母
お坊が、とんだ駄々を言いだして、
だましたり、すかしたり、いろいろすれど、
どうも機嫌が悪い。
お乳母どの、ふっと思いつき、
かのところ見せれば、
お坊、めずらしがって、引っぱったり、つまんだり。
かわゆらしい手へ、つばつけ、そろそろなぜると、
乳母、尻をもじもじさせ、いい気持になれば、
坊 「ばばァつぶれたァー」

おあとは、よろしいようで…



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……

人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ






歌は心の走馬灯、
花に例えた古い歌
 今さら聞いても仕方がないが
 何処に置いても飾っても
  歌も花も、枯れてゆく……
  人生、絵模様、万華鏡…


18禁 「港町・涙町・別れ町」



時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる






P R
きれいなお風呂・宣言


お風呂物語

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

 

韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
「国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」。
そんな彼を描いた小説。



韓信-27
北上する章邯のもとへ、ひとりの武将が
兵を引き連れて合流を果たした。
趙の将軍の李良という男である。
李良はもともと秦の将官であったが、
このときは趙王武臣の命により、隣国の
燕や代(だい)の地を制圧するべく奮闘していた。
周囲の者の中には彼の前身から、
その忠誠を疑う者も多くいたが、
李良自身には秦へ帰順する気などは微塵もない。

このときも秦軍から、戻ってくれば優遇する旨の
書状を受け取っていたが、彼はそれを意にも介さなかった。
李良は秦の勧誘の書状を突っぱね、
兵の増強を求めようと趙の首都
邯鄲(かんたん)へ向かおうとしたが、
その途上で豪勢な車馬を連ねた行列に遭遇した。
彼はこれをてっきり趙王武臣の車列だと思い込み、
道ばたにひれ伏して挨拶した。

しかし……それは武臣ではなく、武臣の姉が
物見遊山に出かける車列であった。
酒に酔った武臣の姉は李良に対して、
挨拶が不十分だと罵り始めた。
自分が戦地で死ぬ思いをしているときに
物見遊山などしていることだけでも腹が立つのに、
愚弄されるとは、李良にとって思いもしないことだったろう。
やりきれない思いを我慢しきれなくなった李良は、
意を決して武臣の姉を殺し、
その足で邯鄲に突入して武臣を殺害した。

秦に帰順することに決めたのである。
しかし趙側もやられてばかりではない。
大臣の張耳はすばやく旧王族につながる
趙歇(ちょうけつ)という人物を探し出し、
武臣のあとに据えて王とした。
さらに弟分の陳余に命じて李良を討伐させ、
これを敗走させた。
そして敗れた李良がたどり着いたのが、章邯の軍である。
章邯は李良を援助する形で邯鄲を襲撃し、
城壁を破壊しつくし、住民はよそへ強制的に移住させた。
趙王歇と張耳は北方の鉅鹿(きょろ)城に逃げたが、
そこも秦軍に包囲され、攻撃され続けた。

鉅鹿の城内は食料が底をつき、
餓死者で埋め尽くされていった。
いっぽう楚では、項梁の死に事態の緊迫を感じた懐王が、
都を盱眙から彭城(ほうじょう)に移し、
そこに全将兵を集めた。御前会議の開催である。
「我が軍が武信君(項梁)を失ったことは
痛恨の極みであるが、もともと楚は
彼ひとりのものではあらず、
余(わたし。王の一人称)が存命な限り、楚は安泰である」
懐王の精一杯の自己主張だ。

修羅場の定陶から逃れて会議の末席に座を置いた韓信が
そう感じたのは、特に皮肉からではない。
懐王が傀儡(かいらい)であることは楚兵の共通の認識であり、
その認識の外にあるのは懐王本人だけであった。
懐王の言葉は続く。「いま秦軍は趙国の鉅鹿城を包囲し、
わが楚にも趙から救援の依頼が来ている。
趙は秦を打倒するという目的をともにする同志であり、
余としては無視することもできない。
よって趙を救うべく、我が軍隊の主力をもって
あたろうと考えている」

一座がざわめいた。ついに章邯と雌雄を決するときがきた。
それを千載一遇の機会と考えるか、
無謀な暴挙と考えるかは個人の考え方次第である。
「静まれ。余の話はまだ終わりではない。……
窮乏している趙には気の毒だが、
趙を救援する我が国の部隊は、実は囮である。
主力を囮とするあたりがこの作戦の妙だ」
会議の座はいっそう騒がしくなった。
将官たちがけげんそうな表情を見せるのが
悦にいったらしく、懐王はさも嬉しそうな顔をした。
「趙へ向かう主力軍とは別に一隊を編成し、
西進して函谷関を抜く。
秦の主力が趙に向いている今であれば、
必ずや成功する作戦であろう」さらに懐王は語を継いだ。

「真っ先に函谷関を抜き、関中の地を平定した者を
関中王とする」これは、別働隊の将を
王とするということだろうか。
ならば誰しも趙へ遠征などしたがらないだろう。
韓信はそう思ったが、別働隊は主力ではないのだから
兵力も劣ることを考えると、函谷関にたどり着く前に
殲滅する可能性もないとはいえない。
そこまでいかずとも、別働隊が苦戦する間に
兵力の充実した主力軍が趙を平定し、
西進すれば先に関中にたどり着くことも可能である。
そう考えれば、懐王は傀儡と言われながら、
絶妙な作戦を思いついたものだ、と思われた。
問題は誰が主力を率い、誰が別働隊を率いるかである。
将官連中が等しく固唾を飲みながら、
任命のときを待った。

懐王はまず主力軍の大将を任じた。
「宋義!」あんな太鼓腹の男に
軍の指揮などまかせて大丈夫なのか。
そんな韓信の思いとはよそに、懐王は任命を続ける。
「副将は、項羽。末将は范増」
将官たちのため息をよそに、任命は続けられた。
「別働隊の将には、劉邦を任ずる」
なるほど。たしかに主力ではない。
韓信は合点がいった。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
花に例えた古い歌
 今さら聞いても、歌っても、 
 何処に置いても、飾っても
  花も歌も、枯れてゆく....
  人生、絵模様、万華鏡...


作詞:ちあき哲也/作曲:杉本眞人
忍冬 すぎもとまさと


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……


人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる






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お風呂物語

2015年4月15日 (水)

チャンネル掲示板

チャンネル・ニュース

幸せがつづいても、不幸になるとは言えない
 不幸がつづいても、幸せが来るとは限らない


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

その先生にはどうしても
好きになれない生徒がいました。
理由は服装が不潔で
だらしがないからです。
けれどある時、先生は知るのです。
その少年が他の子より
重いものを背負っていることを…!!。



その先生が5年生の担任になった時、
一人、服装が不潔でだらしなく、
どうしても好きになれない少年がいた。
中間記録に先生は少年の悪いところばかりを
記入するようになっていた。

ある時、少年の1年生からの記録が目に止まった。
「朗らかで、友達が好きで、人にも親切。
勉強もよくでき、将来が楽しみ」とある。
間違いだ。他の子の記録に間違いない。先生はそう思った。

2年生になると、「母親が病気で世話をしなければならず、
時々遅刻する」と書かれていた。

3年生では「母親の病気が悪くなり、
疲れていて、教室で居眠りをする」。
後半の記録には「母親が死亡。
希望を失い、悲しんでいる」とあり、

4年生になると「父は生きる意欲を失い、
アルコール依存症となり、子供に暴力をふるう」

先生の胸に激しい痛みが走った。
ダメと決めつけていた子が突然、
深い悲しみを生き抜いてる生身の人間として
自分の前に立ち現れてきたのだ。
先生にとって目を開かれた瞬間であった。

放課後、先生は少年に声をかけた。
「先生は夕方まで教室で仕事をするから、
あなたも勉強していかない?
分からないところは教えてあげるから」。
少年は初めて笑顔を見せた。それから毎日、
少年は教室の自分の机で予習復習を熱心に続けた。

授業で少年が初めて手をあげた時、
先生に大きな喜びがわき起こった。
少年は自信を持ち始めていた。

クリスマスの午後だった。少年が小さな包みを
先生の胸に押しつけてきた。
後で開けてみると、香水の瓶だった。
亡くなったお母さんが使っていたものに間違いない。
先生はその1滴をつけ、夕暮れに少年の家を訪ねた。
雑然とした部屋で独り本を読んでいた少年は、
気がつくと飛んできて、先生の胸に顔を埋めて叫んだ。
「ああ、お母さんの匂い! 今日はすてきなクリスマスだ」

6年生では先生は少年の担任ではなくなった。
卒業の時、先生に少年から1枚のカードが届いた。
「先生は僕のお母さんのようです。
そして今まで出会った中で一番すばらしい先生でした」

それから6年。またカードが届いた。
「明日は高校の卒業式です。
僕は5年生で先生に担当してもらって、とても幸せでした。
おかげで奨学金をもらって医学部に進学することができます」。

十年を経て、またカードがきた。
そこには先生と出会えたことの感謝と
父親に叩かれた体験があるから
患者の痛みがわかる医者になれると記され、
こう締めくくられていた。
「僕はよく5年生の時の先生を思い出します。
あのままだめになってしまう僕を救ってくださった先生を
神様のように感じます。
大人になり、医者になった僕にとって最高の先生は、
5年生の時に担任してくださった先生です」

そして1年。届いたカードは結婚式の招待状だった。
「母の席に座ってください」と1行、書き添えられていた。
先生は嬉しくて涙が止まらなかった・・・。



精神崩壊の彼女



ファミレスの兄妹
ファミレスで仕事をしていると…
隣のテーブルに、親子が座ったんです。
妙に若作りしてる茶髪のお母さんと、
中学一年生ぐらいの兄、
そして小学校低学年ぐらいの妹です。
まあ、どこにでもいる家族連れだなあぐらいにしか
思ってなかったのですが……驚きました。

母「ほら! 早く決めなさいッ! ったく、トロいんだから!」
お母さんが、デフォルトでキレてるんですよ。
子どもがなにをしても、怒鳴りつけるんです。
妹「それじゃ、わたしカレーにするー」
母「そ。わかった」
妹「わたし、カレー好きー」
母「うるさいな! そんなこと聞いてないでしょ?!」
カレー好きって言っただけじゃん!
なんで、怒鳴るんだよ?!ヽ( `Д´)ノ
お兄さんの方は、もうこのお母さんに呆れてるのか、

兄「…………」
無表情でそっぽ向いたまま、一言も喋ろうとしません。
注文を決める時もメニューを指さしただけ。
関わり合いになるのを、極力控えているみたいです。
料理が届いてからも、お母さんはキレっぱなし。
妹「いただきまーす」
母「黙って食べなさい」
妹「……ショボーン(´・ω・`)」
兄「…………」
ただカチャカチャと鳴り響く、食事の音。

さっさと自分だけ平らげた母親は、タバコ吸いながら
ケイタイをいじり始めました。
やるせねぇ('A`)
すると突然、妹が明るい顔をして口を開いたんです。
妹「あ、そだ、お母さん! 聞いて聞いてっ! あのね! 
えとね! 今日、学校でね、とってもいいことが……」
母「うるさい! 食べてる時は騒がないの! 
周りの人に迷惑でしょ!」
ちっとも迷惑じゃないよ! うるさいのは、アンタだよ!
むしろ、そのコの話、聞いてあげてよ!

怒鳴られてびっくりした妹が、カレーをテーブルに
ほんのちょっと落としちゃったんですが…
母「あーもー! 汚いな! なんでちゃんと、食べられないの?! 
綺麗に食べなさい! 綺麗に! あーもームカツク!」
烈火のごとく、怒る母。
そんなに怒るほど、こぼしてないだろー?!ヽ( `Д´)ノ
妹「うう…ごめんなさい……」
ブツブツ文句いいながら、母親はケイタイをいじくっている。
妹は涙目。兄は一言も喋らずに、黙々と食べています。
まるでお通夜みたいな雰囲気に包まれたテーブル。
こんな食事、楽しいはずがない。

すると。 母親のケイタイが鳴り始めました。
母「ちょっと、お母さん、電話してくるから。
サッサと食べちゃってね」
そう言い残して、ケイタイ片手に母は店から出ました。

電話するヒマがあったら、我が子としゃべれよ!
子育てを経験するどころか、恋人もいない僕には
言う資格がないかもしれませんが、それでも言いたい。
もうちょっと、子どもとの接し方ってもんがあるだろ。
それじゃ、あまりにも可哀想だろ。
子どもがグレてからじゃ遅いんだぞ、ゴルァ( `Д´) と、
隣のテーブルで、私はキレまくっていたんですが……
妹のようすを見て、怒りも吹き飛びました。

そのコは、涙目のまま、一生懸命カレーを食べてたんです。
お母さんの言いつけを守りたいから、
ゆっくり食べていたら怒られてしまうから……
味わう余裕もないぐらい、急いで食べてたのです。
でも。 もともと、食べるのが遅い子なのでしょう。
焦っているからか、口の周りをべそべそに汚してしまっていて……
きっと、それをまた怒られてしまうのに、
それすらも気付かずに必死にカレーをかき込んでいたんです。
目にいっぱい涙を溜めて。一生懸命に。あぐあぐ。
もうね、この世には親子の情はないのかと、
寂しい気持ちになってしまいましたよ。
あんなお母さんはやめて、お兄さんチの子になれと、
そう言って抱きしめてあげたくなったほどです。

そのとき。
一言も喋らなかった兄がボソッと言ったのです。
兄「……そんなに急がなくてもいいよ」
妹「え?」
兄「ゆっくり食べな」
妹「で、でも……お母さんが」
兄「いいから。好きなんだろ、それ」
妹「うんっ」
兄は、チラッと母親が出て行った出口の方を確認しつつ…
兄「で? なにがあったって?」
妹「???」
兄「学校でいいことあったんだろ」
妹「う…うんっ! あのね! えとね! 今日学校でね!」
妹は、楽しげにしゃべり始めました。
他愛もないことだったんですが、とっても嬉しそうに。
きっと、聞いてもらえるだけで嬉しいんでしょう。
さっきまで涙目だったのに満面の笑みを浮かべています。

兄は、にこりともせずに話を聞いてあげていたのですが、
兄「そっか。良かったな」 と言って、
妹のべそべそになった口元を拭いてあげたのでした。
親子の情は見えなくとも、兄妹の情はちゃんとありました。
きっと、この二人はまっとうに育つと思いました。 …!!




母のおにぎり




『普段は言えない妻への
「愛してる」の言葉を、言ってみよう』

こたつで肩までもぐって ウトウトしてたら
義父が義母にとんでもないことを 言い始めました。
どうやら私が居ることに気付かず
二人っきりだと思っていた様子。
その後、私も妻に 義父と同じ台詞を…!!


晩飯の後、
居間のすぐ横の台所で茶飲んでた義父と義母
何か話してるのを夢うつつで何となく聞いてたら
義父「あー母さん」
義母「はいはい」
義父「あ、あー、愛してますよ、いつもありがとう」
義母「(沈黙)」
義父「あ、あー、あー、まあねえ、ふふふ(照れ隠しかw)」

俺このへんでしっかり目が覚めてたんだけど
動くに動けずコタツあちぃwwww

義母「お父さん」
義父「は、はいっ」いつもは昔ながらの亭主関白なんだがw
義母「私より先に死なないで下さいよう。
一秒でも一人にしないで下さいねぇ」…

義母にやられたぜ。義父はうーとかあーとか言ってたけど、
最後に「しないしない。馬鹿、するわけないだろう、
滅多な事言うな、馬鹿、
だからおまえは馬鹿なんだよ」って勢いよく言ってた。
最後は涙声だった。
義父に何があったのか知りたいがw……
俺も嫁に言ってみるわ。……10年くらい言ってない。
コタツから出るタイミング逃して、ちと脱水症状だ。

嫁に言ってみた。……心臓破れるかと思った。
お義父さん、よく心臓発作起こさなかったなw
嫁が残業で帰宅が21時過ぎだった。
で飯食うの付き合って(俺は茶だけ)嫁が風呂入って、
夫婦の部屋でまったりしてた。
嫁が鏡台で肌の手入れしてる時に、
後ろから言ってみた (俺34 嫁33)

俺「あの」
嫁「なにー」
俺「あのー」心臓ばくばくして中々言えないw
「あのー」とか繰り返して俺馬鹿w
俺「あ、あい、愛してますよ」
嫁、反応なし。こんなもんか…と思ってたら、
鏡の中の嫁、難しい顔してる。…
何かやばかったか…と思ったら、
いきなり嫁がぼろぼろ泣いてる。…
嫁「何だよー。いきなり言うなよーうわーん!」
俺「ごめんごめん!!!!」焦って謝る俺
嫁「私だって愛してんだよー。もっと言え馬鹿ー」
おまえだって言わねーだろが。で、
泣き声に驚いた義両親が突撃してきたんだわ。

何があったんだって言われたんで、
俺「お義父さんを見習ったら泣かれまして」
義父、一瞬ポカーン→顔真っ赤
義父「き、き、聞いいいてたのか!」
俺「スミマセンスミマセン!!」本気で謝る俺 
義母笑ってるしwグダグダになって、
四人でコタツで酒飲みました。
嫁大好き。義両親も大好き。
週末は諦め気味だった子作り頑張るぜw…!!




[おやすみ、クロ]




誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。

人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ


時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる








P R

きれいなお風呂・宣言


お風呂物語

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

 

韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
「国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」。
そんな彼を描いた小説。

 


韓信ー26
田栄の協力は得られないものの、
項梁の戦略はこのところうまく運んでいる。
東阿を陥とし、章邯を追う本隊とは別に、
項羽、劉邦に別働隊を授け、成陽という地を攻めてこれを陥し、
そこから西に進軍させて、秦軍を濮陽(ぼくよう)の地で破らしめた。
項羽と劉邦はさらに西へ進み、
雝丘(ようきゅう)で太守の李由(りゆう)を斬った。
李由は三川郡の太守で、陳勝・呉広の軍から要衝である
滎陽を守り通した、宰相李斯の長子である。
このとき定陶(ていとう)という地で秦軍を破ったばかりの項梁は、
李由の死を聞き、喜んだ。

傍目にもその浮かれ具合がわかるくらいで、
軍に同行させられていた宋義が諌めたくらいである。
「勝ちに乗じて、士卒のみならず将が驕っているようでは、
失敗のもととなります。
今、秦の兵は徐々に増えつつあるなかで、
武信君がそのようでは心配でなりません」
正論である。が、項梁としては宋義のような男が
忠臣づらをして正論を吐くのがうるさく感じた。
誰が、おまえの言うことを聞くものか、と思ったに違いない。

項梁の心の底にある宋義に対する劣等感がそう思わせたのだろう。
項梁は宋義を使者として斉に送った。
斉の田栄は協力しないに違いないが、
敵に回すわけにはいかなかったので、
定期的に使者を送り、関係を保つためである。
表面的にはそれが理由だが、実際は任務にかこつけて
体よく目障りな男を追い払ってしまおう、という腹だった。

この時、秦の宮廷では趙高の専横がますます激しく、
それがもとで宰相の李斯が刑死させられている。
罪状は滎陽を守備していた長男の李由と結託し、
楚と内通して秦を転覆しようとはかった罪である。
もちろんそのような事実はなく、無実の罪で投獄され、
拷問に屈した李斯自身の嘘の自白が容疑の出所であった。
李斯は刑場で五刑のすべてを受け、
死ぬ間際に傍らの次男に語ったという。

「いつかまたお前と一緒に、昔のように
兎狩りでもしたいと思っていたが、もはや叶わぬ夢だ……」
建国の臣の理不尽な死は、
秦帝国のその後の運命を象徴しているかのようであった。
宋義という男には関中のこうした事件の
いちいちを知らせてくれる者はいなかったが、
長年の政治的経験によって得られた勘と言うべきだろうか、
秦の国情が荒れていることが肌でわかったようである。

国にしても、人にしても死ぬ前には痙攣するものだ。
宋義には、まるで秦の断末魔の叫びが聞こえていたようで、
それに巻き込まれないようにする思案を巡らせていた。
彼にとって重要なのは、戦いの後に生き残って
国を動かす立場として存在していることであり、
戦い自体に興味があるわけではなかった。
そのため保身には人一倍敏感である。

項梁は体よくわしを追い払ったと思っているだろうが、
まだ章邯の軍は健在だ……
章邯の最後の一太刀は項梁に向けられるだろう。……
その場にいなくてすむのはもっけの幸いというべきだ。
斉へ向かう道中で、反対に斉から楚に向かう使者と
偶然に行き当たった。

「武信君(項梁)に会いに行かれるのなら、
道を急がれるな。急ぐと戦乱に巻き込まれます。
武信君は戦乱の中で、敗死するでしょう」
宋義に言われた斉の使者は、その言葉どおり歩を緩めた。
そして使者は宋義の言葉が正しかったことを
あとになって知るのである。

いっぽう宋義は悠々と斉へ歩を進め、
そこで彼独特の処世術を披露することとなる。
項梁のそばに仕えていた韓信には、
軍の緊張感が弛緩しているのが、よくわかった。
定陶のある富豪の屋敷を接収して夜毎酒宴に耽る
項梁を見るにつけ、韓信は思う。
人は、こうした快楽を得るために、戦うのだろうか。
だとすれば付き合わされるのは、馬鹿馬鹿しいことだ。
志願して兵となった自分ですらそう思うのだから、
巻き込まれる住民の思いがそれに数倍することは、
想像に難くない。
しょせん、こいつは貴族だ。民の代表ではない。

韓信はこれ以降、項梁に対しては面従腹背の態度で臨もうと決めた。
酒に酔い、うたた寝を決め込む項梁のそばにいるのに嫌気がさす。
韓信はその場をはなれ、外に出て警護の連中の仲間に入った。
その方が緊張感が保たれると思ったからである。
いざとなると、尊敬できる良き上役とは巡り会えないものだ。
嘆息しながら小一時間ほどが過ぎた。
屋敷のなかは宴会騒ぎも終わったようで、
あたりを静寂が包み込んだ。
その日は曇天で、月や星は見えず、
屋敷の明かり以外は目に見えるものがなかった。

暗闇と静寂……嫌な予感がした。
ふいに隣の兵士が音をたてて倒れた。
驚いた韓信が振り返ると、喉元に深々と矢が突き刺さっている。
「敵だ!」しかし、構える間もなかった。
その一矢を合図に、黒い甲冑を身にまとい、
夜陰に紛れた秦兵たちが、なだれを打って突入してきた。
屋敷の警護などしている余裕はない。
韓信は他の兵と同様、一目散に逃走した。
「雑兵に構うな。逃げる者は捨て置け。
目標を見失うな」指揮官の号令のもと、火矢が放たれた。
屋敷はあっという間に炎上し、中にいた者たちは
逃げ遅れて焼死するか、慌てて外に飛び出したところを
秦兵に討たれるかのどちらかだった。

寝所で女を抱いていた項梁は、長年にわたって築き上げてきた
野望の成就への道をあっさり断たれ、
逃げ遅れて焼け死んでしまった。
項梁を失い、四散した楚軍は抵抗を試みる余裕さえない。
韓信などは一気に城壁まで走り、
無謀にもそれをよじ登ろうと、もがいた。
どこからそんな力が出るのか、指先を固い城壁に何度も突き刺し、
必死の思いをしたあげく、登り切ることができた。
城壁の上からは秦軍の様子が遠目に見てとれる。
その中に自ら先頭に立って、しきりに兵を指揮している男が見えた。
秦兵の様子から、その男が何者であるかが韓信にはわかった。

あれが……章邯! 
韓信には章邯が乱世の屈強な武人には見えなかった。
しかしもの静かに敵を討ち取って行くその態度に、
よけい恐怖を覚えた。
韓信は城壁をおりて逃げれば安全だと思いながらも、
目を離すことができない。

章邯の前に焼けこげた項梁の首が届けられた。
見るも無惨な上官の姿……。
韓信は項梁を尊敬していたわけではなかったが、
目を背けざるを得なかった。
いっぽう章邯は項梁の首を悠然と眺めると、
たいした感傷も示さずに演説を始めた。

「諸君! ……我が軍は国を守る目的で編成された」
兵たちから、おう! という雄叫びが発せられる。
「よって義は我が軍にあり、我が軍の前に立ちはだかる者は、
賊である」またしても兵たちの声が上がる。
「賊は誅罰されるものであり、討つにあたって
我々は礼儀など必要としない。
ただ、殺せばよいのだ」我々は、賊か……。
韓信は反論したい衝動に駆られたが、まさかこの状況で
そうするわけにはいかない。
城壁の上で小さくなって聞いているだけだった。

「古来より戦争を美化し、互いに名乗りを上げて
雄々しく戦うことが理想とされているが、
今の我々の敵は、賊である。罪人だ! 
罪人を捕らえるにあたっては、夜襲も不意打ちも、
あるいは暗殺も恥とはならない」
「今、首だけになってここに転がっている項梁なども、
賊の類いである。見よ、我々は賊の頭目をひとり討ち取った。
これこそ正義の証である」
ここで章邯は項梁の首を手に取り、たかだかと掲げ上げると、
兵士たちの感情は頂点に達した。
「大秦万歳!」兵たちの合唱が起こった。
韓信はいたたまれなくなった。背中に冷や汗が流れる。
「罪人項梁を撃ち殺したことで楚は当分おとなしくなるだろう。
そこで諸君、我々の次の目標は、北だ! 
北上して、趙を討つ!」
踵を返した章邯に興奮した秦兵たちが従い、去って行った。

これにより韓信は生き残ることができた。
章邯の迫力に呆然とし、城壁の上でたたずむうちに、
指先の痛みを感じた。
見ると両手の人差し指の爪がどちらとも剥がれている。
指先にまとわりつく血は、戦地につきものの
死を連想させた。
恐ろしい。現実に戻った韓信は、
思い切って城壁から飛び降り、
ひたすら走って定陶の地をあとにした。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る

歌は心の走馬灯、
花に例えた古い歌
 今さら聞いても、歌っても、 
 何処に置いても、飾っても
  花も歌も、枯れてゆく....
  人生、絵模様、万華鏡...



Diễm Xưa-Khánh Ly & Utsukushi Mukashi

「雨に消えたあなた(美しい昔)」の原題は
「Diem Xua」といい、ベトナムの反戦歌だという。
作詞・作曲はチン・コン・ソン(1939-2001)。
カーン・リーという歌手も、ベトナム戦争のかげで、
夫が目の前で殺されるような凄まじい過去があるという。

1970年、ユエからサイゴンに落ちのび、
大阪万博に出演して日本語盤の
「雨に消えたあなた」をリリース。
その後この歌は、1979 年のNHK ドラマ
「サイゴンから来た妻と娘」の主題曲となって
「美しい昔」に改題して1979年12月に再発して
日本でも知られるようになったという。

心に滲みる歌には、それぞれ歴史があるようだ。
それに、歌声はなぜか淋しい。



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……


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時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる






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お風呂物語

2015年4月14日 (火)

歴史・履歴への許可証

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昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー



日本民話
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きっちょむさん(漢字では吉四六)は、
大分県大野郡野津町に実在した人物で、
酒造業をいとなんでいた
初代広田吉右衛門であるとされています。



家が栄える、おまじない
きっちょむさんの村には、先祖代々田畑や山を
たくさん持っている金助(きんすけ)さんという大百姓がいました。
しかしどうしたわけか金助さんの代になってから
少しずつ財産が減っていき、もうどうにもならない状態でした。
「あれほど栄えていた家が、こうもすたれるとは。
これはきっと、福の神が家を出て行ったからに違いない」
金助さんが、こう考えたのも無理はありません。
なぜなら金助さんはとても良い人で、
これまでに悪い事もお金をむだに使った事もないからです。
それなのに金助さんの田畑だけに虫がついて
お米が出来なかったり、
大事な牛や馬が病気になって死んだりと、
次から次へと悪い事が重なって行くのです。
有名な易者(えきしゃ)に占ってもらっても原因がわからず、
神主さんにお払いをしてもらっても効き目がありませんでした。


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そんなある日、金助さんは ふと思いました。「そうだ、
あのきっちょむさんだったら、 何か良いまじないを
知っているかもしれんぞ」


金助さんから相談を受けたきっちょむさんは、
しばらく首をひねって考えていましたが、
やがて何かを思いついたのか、
ひざをぽんとたたいて言いました。
「よし。ほかならぬ金助さんの頼みだから、
とっておきのまじないをお教えしましょう」
「それは、ありがたい。して、それはどんなまじないだね?」
「まあ、待ってください。
ここでは説明出来ない事だから、明日の朝早く
八幡神社の鳥居の下に来て下さい。
そこで、とっておきのまじないをお教えしますから。
でもその代わり、ほかの村人が起きる前に起きて、
自分の家のまわりとよその家のまわりを回ってくるのですよ。
そうしないと、とっておきのまじないも
効き目がありませんからね」
「いいとも、いいとも」

さて次の朝、金助さんは約束通り、
まだ薄暗いうちに起き出しました。
金助さんは生まれた時からのお坊ちゃんなので、
こんなに早起きをしたのは生まれて初めてです。
「ああ、早起きの朝と言うのは気持ちが良い物だな。
今日はきっと、村一番の早起きに違いないぞ」
金助さんは家の者を起こさないように着替えると、
きっちょむさんの言葉通りに家のまわりを一回りしました。

すると納屋の前に、昨日の仕事を終えた使用人が、
すきやかまなどの道具をてきとうに置いていたのを見つけました。
(なんだ、これは? うちの使用人は、
いつもこんなにだらしないのか?)
金助さんは少し嫌な顔をしましたが、
きっちょむさんとの約束通り、
ほかの家々をまわりながら八幡さまの方へと向かいました。
すると驚いた事に、
今日は村一番の早起きだと思っていたのは間違いでした。
他の家ではもう仕事を始めていて、まだ寝ている家は
金助さんの家だけです。(これは・・・)

金助さんが八幡さまへ着いてみると、野良着を着た
きっちょむさんがもう先に来ていました。
「きっちょむさん」
金助さんが声をかけると、きっちょむさんがふり返りました。
「やあ、金助さん。今日は、早く起きましたね。
では約束通り、家が栄えるまじないをお教えしましょう」

すると金助さんは、手をふって答えました。
「きっちょむさん。これ以上、わしにはじをかかさないでくれ。
早起きしたおかげで、家がおとろえたわけがわかったよ。
さっそく家に帰って、家の者たちと働かないとな」
「それは結構。がんばれば、すぐに
元の暮らしが取り戻せますよ」
それから金助さんは、毎日誰よりも早く起きて
家の者たちと一緒に仕事をしました。
そのおかげできっちょむさんの言葉通り、
金助さんの家は以前の豊かさを取り戻したのです。


おしまい



お花とごんべえ(ばけ比べ)


大声のしらみ、 小声のわたくず
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店の主人と小僧が、浅草(あさくさ)の
観音(かんのん)さまにお参りに行った時の事です。
賑やかな仲見世(なかみせ)通りを歩いていますと、
小僧が突然主人の背中を指差し、大きな声で言いました。
「あっ、だんなさま。だんなさまの背中に、
しらみがついております」
「馬鹿! そんな事は小声で言え! 恥ずかしいだろ」
主人は慌てて小僧に言うと、小僧は
声を小さくして言いました。
「・・・間違えました。・・・これはしらみではなく、・・・
ただの綿くずでございました」
「馬鹿! それなら大きい声で言え!」
大声と小声、使い方が難しいですね。…!!

おしまい


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。

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信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
「国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」。
そんな彼を描いた小説。




韓信-25・無聊
薛に集結した諸将を前に、項梁は今後の方針を示した。
ひとつには、陳勝亡き後の象徴的存在を
決めなければならない。
つまりはあらためて楚王を擁立しよう、というわけである。
「王はその系譜を継ぐ者でなければならない」という
范増の意見を尊重した項梁は、
めざとく旧楚の王孫を探し出した。

熊心(ようしん)という名のその若者は、
人に雇われて羊飼いの仕事をしていたが、
担ぎだされて王となり、祖父と同じ名を継いで
懐王かいおうと名乗った。
懐王は都を盱眙くいと定め、そこを居城とした。

項梁自身は、武信君(ぶしんくん)を称した。
「君」とは尊称であり、官職名ではない。
あえて項梁が官職に就かず、君を称して
国政の枠外に身を置いたのには
理由がないわけではなかった。
王を擁立するに伴って、旧楚のもと貴族の者どもが
まるで付録のようについてきたからである。
もとの楚の令尹れいいんである宋義そうぎなどは
その代表的人物で、同じ旧楚の貴族とはいっても、
項梁とは格が違う。

令尹とは宰相の楚独特の呼称なのである。
こいつは、食わせ者だ。韓信は宋義を見て、
危惧を抱いた。
本当に楚の復興を願っている者であれば、
この時期まで市井に隠れていることはない。
旧楚の令尹という立場をもってすれば
充分に兵を集めることは可能なのに、
あえて今までそれをせず、
王が擁立された時期を見計らって姿を現したのは、
いかにも胡散臭い。権力の臭いのするところに集まる、
政治屋だと韓信は感じた。それも寝業師の類いである。

うかうかしていると項梁はその座を負われることになる。
まあ、それはそれで構わないことだが……。
韓信の心配は項梁も同様に感じていたようで、
以後宋義は前線に置かれることとなる。
懐王のもとに置くことで、彼らが結託しないよう
配慮したのだった。
項梁はその後山東半島に出兵した。
亢父(こうほ)を攻めた後、東阿に向かう。
この出兵に韓信も同行した。
東阿には斉の田栄が籠城しており、
これを救出しようという作戦である。

斉に恩を売り、楚の優位を保とうとする
項梁の策略であった。
章邯の指揮下にある秦軍を破るのは
たやすいことではなかったが、
作戦はどうにか成功した。が、
その後が思うままにならない。
項梁の腹づもりでは、東阿を解放した後、
田栄率いる斉の兵をあわせ、楚・斉連合軍として
西方の秦の中心部に進撃したかったのだが、
田栄は籠城生活から解放されると、そのまま
自国の斉へ舞い戻ってしまった。

「助けてやったのに、なんという奴だ。
不義とはこのことよ」田栄が国へ戻ったのは、
自分が留守にしている間に、斉国内に
新政権が樹立されていたことによる。
戦死した田儋とともに建国に努力し、
ともに前線で戦ってきたという自負のある田栄としては
おもしろくない。田儋の替わりに王となったのは
田仮、宰相に田角、将軍に田間、という人物たちで、
いずれも田栄の遠縁にあたる者たちだったが、
どれも戦国時代の旧斉の王族に
自分よりも近い人物である。

これも田栄にとっては気に入らなかった。
田儋系の自分たちが実権を握るためには、
先にこれらの者を滅ぼしておくべきだった、と
後悔したのである。
かくて田栄は項梁の出兵依頼を無視し、
同族である田仮らを討ち取りにかかった。
この結果、田仮は楚に亡命し、田角は趙に亡命した。
田角の弟田間はこれより前、
趙に救援を頼みに訪れていたが、
帰る時機を失し、そのまま趙に滞在した。
田栄は斉国内を平定し、
田儋の子、田市(でんふつ)を擁立して王とし、
自らは宰相となった。

項梁は章邯が勢いを取り戻すのを恐れ、
何度も出兵を要請したが、
田栄の答えは次のようであった。
「楚に逃げ込んだ田仮を楚が殺せば。
趙に逃げ込んだ田角、田間を趙が殺せば。
それから考えよう」
もちろん田栄の要求は受け入れられなかった。
楚も趙も斉と取引しようとはせず、田栄は周囲の者に
毒づいたという。

「まむしに手を噛まれたときは、手を切り落とす。
足を噛まれたときは足を切り落とすものだ。
何故だかわかるか。体全体に毒が回るのを防ぐためだ。
田仮、田角、田間などを生かしておけば、
毒は楚や趙の国中に回る。手足どころではない。
なぜか。彼らを匿う限り、わしが出兵することはない。
その結果、楚や趙は章邯の思うがままにされるからだ。
そのうち彼らは秦に盛り返され、
先祖の墓まであばかれることだろう」

項梁は斉の参戦を諦めた。
軍に同行し、事情を知り得た韓信は考える。
楚や趙の判断はおそらく正しい。
彼らは田仮や田角を匿う毒よりも、
田栄の毒を恐れたのだ……
あの凄まじい性格であれば、
長く友軍として戦える相手とは思えない。
田栄の一族が存命な限り、諸国の思惑は
一致しないだろう。
斉は滅ぼすべきだ。韓信はそう思ったが、
将来斉を滅ぼすのが自分であることまでは、
この時点で想像できなかった。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
花に例えた古い歌
 今さら聞いても、歌っても、 
 何処に置いても、飾っても
  花も歌も、枯れてゆく....
  人生、絵模様、万華鏡...



遠き昭和の...小林旭



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……


人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる











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お風呂物語

チャンネル掲示板

チャンネル・ニュース

幸せがつづいても、不幸になるとは言えない
 不幸がつづいても、幸せが来るとは限らない


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


俺とトムの12年 /庭の桜が花を咲かせる頃
小学校の頃、クラスの友人が手から血を流していたので
ティッシュを渡してあげた。
どうしたんだ?と聞いた所、 ムカつく猫がいたので
捕まえて水の入ったポリバケツに放り込んだ際に
引っかかれた。との事。
彼は捕まえたその状況をさも誇らしげに武勇伝の如く
クラスの仲間に話し、仲間数人で猫がどうなったかを
今から見に行こう。って事になった。
現場に着くと、前日迄の雨で半分ほど水の入った
業務用のポリバケツの中で、体の半分以上が水に浸かり、
小刻みに震える弱々しい子猫が今にも死にそうにしてた。

友人がバケツを足で蹴り倒し取り出した猫に
「こいつ爆竹の刑にしない?」 と笑いながら皆に言った瞬間、
普段温厚な自分の中で何かがはじけ、
気がつくと俺は落ちているポリバケツを拾い、
思いっきりそいつの頭に投げつけてました。
更に、そばの用水路にそいつを蹴り落とす
暴挙までやってしまった。

あっけにとられる他の友人達と、腰まで用水路に浸かり
半泣きのそいつに「お前、そこから上がったら
爆竹の刑だから」と言い放つと、
弱って震える子猫を体操服でくるみ、
自宅に連れ帰りました。

翌日、そいつが用水路に落ちた際に足を怪我してた事が判り、
担任や親からしこたま絞り上げられ、
そいつの3歳上の兄貴からも帰り道で待ち伏せに合い殴られた。
クラスでは浮いてしまうし、猫一匹の為に
さんざんな目にあってしまった。

あれから12年。
トムという名前を付けたその家族(猫)は、
俺の布団の上でまるくなって息を引き取った。
猫で12年生きれば大往生だったと思う。
俺は固く冷たくなったトムに「おつかれさま」と
タオルをかけてやって、トムがいつも登っていた
庭の桜の樹のそばに、丁重に埋めてあげました。
最初は人間不信で警戒しまくりだったトム。
最後は人間が大好きになってたトム。
そしてトムが大好きだった俺。
毎年春が近づくと近所の桜よりも一足早く、
トムの桜が花を咲かせます。
幼き自分が勇気を出して行った行動を毎年思い出します。



ネコの監視
(鬱で自殺を決意した時)





母ちゃんのボロ小屋
俺の母ちゃんは58歳で死んだ。
母ちゃんは女手一つで俺と姉ちゃんを育ててくれた。
親父は俺が1~2歳の頃に他に女作って出てったらしい。
俺は今、三十路手前だけど親父の顔は知らない。
葬式の時に姉ちゃんにすごい事言われた。

姉「あんたは知らないだろうけど、私が子供の頃に
母ちゃんに殺される所だったんだよ」
俺「(゚Д゚)ハァ?」
姉「あんた残して母ちゃんがドライブ行こうって言うから
車に乗ったら川まで乗せられて、そのまま川に突っ込んだんだよ。」
俺「Σ(;´△`)エッ!?」
姉「心中しようとしたんだってさ、
私は車の窓開けてないと酔うから窓開けてて助かったけど、
母ちゃんは近くに居た人に助けられたんだよ」
どうやら俺を残したのは親父が俺を引き取る事を
考えて残したらしい。
逆に姉は残って引き取られても愛人とうまくやってけないだろうから
(姉とは7歳差)いっそのこと一緒に死のうと思ったらしい。
これ聞いて当時の状況が怖かった。

そんな貧乏生活の中で、俺と姉ちゃんを育ててくれた母に、
俺は恩返しどころか恩を仇で返す事しかしてなかった気がする。
姉ちゃんが知り合いからお年玉貰えば
全部母ちゃんに渡してたのに、
俺は手提げ金庫に入れて隠してたからな。
姉ちゃんが金庫取ろうとしても金庫抱えて泣いて拒否したし・・・。
周りから見たらガキのくせに金に執着する
卑しいガキに見えた事だろう・・・。
親父は居なくても親父の借金取りが家に来るようになったのは
姉ちゃんが中学生、俺が小学生の頃。
姉ちゃんが10年近く小遣い貯めて買ったコンポがあったんだけど、
いきなり家に入って来たおっさんが赤い紙張ってたのを
今でも覚えてる。

その時俺は母ちゃんに「なんであいつと離婚しないんだよ?」と
子供ながらに聞いた気がする。
今なら解るけど、母ちゃんは離婚しても帰る家が無かったんだ。
母ちゃんの実家はあるけど、そこも裕福な家庭じゃなかったし、
俺と姉ちゃんと母ちゃんの3人が転がり込める余裕も無かった。
姉ちゃんは高校卒業してすぐ寮のある会社に就職して生活してた。
俺は中学卒業して母ちゃんが高校行けって言うのを無視して
遊ぶ金欲しさに仕事探しに都会へ出た。
さすがに中卒じゃまともな仕事は無かったけど、
それでも1人暮らしして遊ぶくらいの金は稼げてた。

彼女もできて俺が25歳の頃に母ちゃんが
実家に戻って欲しいみたいな事を言ってきた。
親父が死んで遺産相続で借金ができてた。
遺産放棄すればいいのにと言ったけど、
結局帰れる家が無いし遺産放棄して離婚しても、
保証人が居ないから住む家を借りれないとかで
相続する事になったらしい。
俺は正直、借金抱えてまで住みたいとは思わない家なんだが、
行くところの無い母ちゃんには、大事な住処だったんだろう。

築4~50年くらいのバラック小屋・・・窓も木枠で隙間風だらけ・・・。
彼女と結婚も考えてた俺だけど、
母ちゃん1人に借金負わせる訳にもいかないので、
彼女に事情を話して結婚も申し込んでみた。
答えは結局NOだった。
借金背負う人とは一緒になれないって言われた。
普通そうだよな、と心の中で泣きつつ実家に戻った。

俺は実家に戻って母ちゃんと2人暮らしでとりあえず仕事に就いた。
母ちゃんは何が楽しいんだか毎日にこにこして働いてた。
ある日母ちゃんが「はやくあんたの子供が見たいわ」とか言いやがった。
俺はブチ切れてしまった。
「こんなボロ小屋に住んでて借金あって手取り15万しかない俺に
嫁が来ると思ってんのか?
誰の所為で彼女と別れてこんな田舎でボロ小屋に住んで
ろくな仕事も無い場所に戻ってくる事になったんだよ!」
つい本音が出てしまった。
母ちゃんは「ごめんね・・・でも彼女居るなら言ってくれれば
無理に帰ってこなくても良かったんだよ・・・」って
俺はブチ切れたまま「結婚も申し込んださ!だけどな、
借金抱えることが決まってて田舎でボロ小屋に
住むっつったら断られたよ!!」

母ちゃんは何も言わないで泣いてた・・・。
すごい気まずかったけど俺ももう何も言えなかった・・・。
それ以来気まずくて、あんまり会話も無かった・・・
母ちゃんに俺の怒りだけぶつけて、
感謝の言葉も親孝行もできなかった。
だからここで言わせて欲しい。 母ちゃんごめんね、
母ちゃんの苦労も知らずに俺の怒りだけぶつけて
本当にごめんね。
孫を見せてあげられなくてごめんね、
親父の借金はあと1年くらいで全部返せそうです。
母ちゃん、俺を産んでくれてありがとう。
育ててくれてありがとう。



お母さん、もう一度、会いたいよ




ペルーの玉葱
ペルーの首都、リマの北北西約80kmにある、ワラル。
そこにペルー政府は85年、野菜生産技術センターを建てた。
首都リマの人口増加が著しく、野菜の需要が増加、
首都に比較的近いワラルに、供給地帯として
白羽の矢が立てられたのだった。
それは、『国家果樹野菜振興計画』の一環でもあった。
ところが、当時、野菜の生産は出来不出来の差が激しく、
安定供給できる状態ではなかった。
なんとかしようと、農業でも確固とした技術を持つ日本に、
技術協力が要請されたのだった。
それをうけて日本は、86年4月から農業技術専門家を派遣した。
実施計画の打ち合わせ、技術指導が重ねられ、
センターの役割はペルー内で次第に重要性を増していった。 
長期派遣される専門家の任期を、継続したり入れ替えたりしながら
プロジェクトは続き、

91年は宮川清忠、中西 浩、金良清文の3氏が赴任していた。
3氏は、様々な案件のうち、野菜の中でもとくに需要の多い
玉葱の種の生産化を試み始めた。 
なにしろ玉葱はペルー料理の基本中の基本の食材。
これなくして食事は作れない大切な野菜なのだが、
市場に並ぶものはどれも大きさはばらばらで、
味も統一されていない。
これでは農民も苦労が多かろう。
まずしっかりした、誰が作っても失敗のない種を作ろう、と
3氏は考えたのだった。
3氏は遠い異国の生活をいとわず、現地スタッフとの
チームワークをとりながら、
献身的に仕事を続ける毎日だった。

そうしたある日。 突然の銃声が静寂を打ち壊した。
テロリストがセンターを襲撃、
3人は無抵抗のまま射殺されたのだ。 91年7月のことだった。
野菜センターは悲しみに包まれた。というよりも、
日本、ペルーの両国が重い空気に包まれた。
日本は治安の悪化を理由にJICAの専門家を帰国させ、
プロジェクトは現地人スタッフに引き継がれることになってしまった。
ペルー人はへこたれなかった。
野菜生産技術センターの現地スタッフは、
3人の意思を受け継ぎ、やがて目標だった種の
固定化に成功したのである。
この功績は日本の貢献によるものだと、彼らは信じている。

スタッフの一人は、「日本人が教えてくれたことを
思い出しながら頑張った。
3人が導いてくれたんだ」と、語った。
今、現地ではワラルで作られた種をまけば、
同じ玉葱が採れると、高い評価を得ている。
そして、亡くなった3人の机の上には、
現地スタッフの手によって今も花が飾られ、
その意思と功績を称えている。
支援が続いている間にははっきり見えてこなかった、
技術協力の成果。 それは皮肉なことに、
悲しい結末によって、かえって浮き彫りになったのだった。
海の潮が引いた後に、砂の上に貝殻が残ったように……。



お嫁に行くとき 【父のお弁当】



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。

人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ


時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる








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きれいなお風呂・宣言

お風呂物語

2015年4月 9日 (木)

歴史・履歴への許可証

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歴史・履歴への許可証


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


日本民話

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きっちょむさん(漢字では吉四六)は、
大分県大野郡野津町に実在した人物で、
酒造業をいとなんでいた
初代広田吉右衛門であるとされています。

ある年のお正月の事です。
吉四六さんは村人たちと一緒に、
山ヘたきぎを取りに行きました。
その山には、しいの木(→ブナ科の常緑高木)が
たくさん生えています。


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村人たちは、
せっせと木の枝を落とし、
それを束ねて
たきぎを作っていきました。

ところが吉四六さんは
大きな木の根っこに腰をかけて、
のんびりとタバコをふかしています。

また、何かとんちを考えているのでしょうか?
そのうちに、村人たちはたくさんたきぎを取ったので、
「さあ、そろそろ帰ろうか?」
「そうだな。これくらいあればいいだろう」と、
取ったたきぎを背中に背負って、帰ろうとしました。
それを見ていた吉四六さんが、村人たちに声をかけました。
「おいおい、お前さんたち。
そんな木を、かついで帰る気かい?」
すると村人たちは、おどろいて尋ねました。
「えっ? そんな木って、どういう事だ?」

「だって、そのたきぎは、しいの木ばかりじゃないか」
「そうだよ。それがいけないのか?」
村人は、不思議そうに尋ねました。
すると吉四六さんは、こう言いました。
「いけないのなんのって、しいの木は
『かなしい』と言って、とても縁起の悪い木だ。
おまけに今は、お正月じゃないか。
こんなめでたい時に、何だって
『かなしい』木をたくさん家へ持って帰るんだろうね」
それを聞いた村人たちは、顔を見合わせると、
「へえ、それは知らなかった。
なるほど、確かにめでたいお正月に
『かなしい』木なんぞ持って帰ったら、
女房や子どもが可愛そうだな」と、
せっかく集めたたきぎをそこらへ放り出して、
また別の木を切り始めました。

「へっへっへ。しめしめ」吉四六さんは、
みんなが放り出したたきぎを集めて
山ほど背中に背負うと、
「それじゃ、みなさん。お先に帰らしてもらいますよ」と、
一人でさっさと帰ろうとしました。
村人たちは、びっくりして、
「おいおい、吉四六さん。お前、
そのしいの木のたきぎは『かなしい』と言って、
とても縁起が悪いって言ったじゃないか」
「そうだよ。そんな物をかついで、どうするつもりだ?」と、
口々に言いました。

すると吉四六さんは、すました顔で言いました。
「いやいや、このしいの木は、
『うれしい』と言ってな、
とても縁起が良い物なんだ。
まして今は、お正月じゃないか。
こんな縁起の良い事があるもんか」
それを聞いた村人たちは、
「しまった。またしても、吉四六さんにやられたわ」と、
くやしがったそうです。


おしまい


「頭の池」(Pond Head)


きっちょむさんの村には話しを聞くのが何よりも好きな
お金持ちのおじいさんがいて、以前、きっちょむさんにたのんで
話しをしてもらったのですが、
「まさか、そんな事はありゃんすめえ」と言わない約束に失敗して、
きっちょむさんにお米を一俵(いっぴょう)取られた事があります。

→ 『まさかの話し』

そのおじいさんが、またきっちょむさんに言いました。
「きっちょむさん、たいくつでたいくつで仕方ないんじゃ。
何か話をしてくれんかな」
「まあ、しても良いですが、今度もまた話しの途中で
『まさか、そんな事はありゃんすめえ』と、

言わない約束をしてくれますか?」
「いいとも、いいとも。もしも言ったら、今度も

米を一俵(いっぴょう)やろう」
「また、米ですか。前にもらった米にも手をつけていないので、
今度は米ではなく、お金の方が」
「よし、それなら、こうしよう。ここに千両箱を置いて、
もしもわしがその言葉を言ったら、その千両箱を

  持って帰ってもいいから」
おじいさんが本当に千両箱を用意したので、
きっちょむさんは話を始めました。


自分の頭を食べたヘビ」
むかし、あるところにクチナワという
ヘビがいました。
そのヘビは冬ごもりの準備に、
どこからか手に入れた餅(もち)を
巣穴に持ち込みました」


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「ふむ、なるほど」
「そして冬になって雪がつもり始めた頃、
ヘビは巣穴の中でその餅を食べようとしたんだが、
何と餅と思っていた物は、実は餅に似た白い石でした」
「ふーむ、なるほど」
「外はすでに大雪なので、今さら食べ物を
 探しに行くことも出来ない。
 こまったヘビは仕方なく、くるりと首を回して
 自分の尻尾を一口かじった」
「なるほど、なるほど」
「それからもヘビはお腹が空くと自分の尻尾をかじっていって、
冬が終わる頃には、残っているのは頭だけでした」
「うーむ。まさか・・・」
おじいさんは言いかけて、危なく思い止まりました。
「体がなくなっては、春になっても動く事が出来ない。
そこでヘビは仕方なく、
『おらの命も、いよいよこれまでか』と、言って、
最後に残った自分の頭を、大きな口を開けて
パクリと食べてしまったんじゃ。
こうしてヘビは、この世から消えてしまった」
これを聞いたおじいさんはすっかりあきれかえって、
思わず言ってしまいました。

「まさか、そんな事はありゃんすめえ!」
するときっちょむさんは、ニヤリと笑って、
「はい、千両箱をありがとうございます」と、
千両箱をかついで帰って行きました。

おしまい 

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。


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 今、微笑む花も、明日には枯れる







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きれいなお風呂・宣言

お風呂物語

2015年4月 7日 (火)

チャンネル掲示板

チャンネル・ニュース

幸せがつづいても、不幸になるとは言えない
 不幸がつづいても、幸せが来るとは限らない


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント

明日という日はミステリー



病気と闘うお母さん

私が9歳のときのお話です。
その日は、夏休みになったばかりの暑い日でした。
家族みんな休みということもあり朝からお庭で
草むしりをしていました。
お昼になり、お母さんとお父さんがご飯を作り始めました。
その間に私は兄とお風呂に入りました。
出た頃にお母さんとお父さんは買い物に行っていていませんでした。
2人は昔の友達と会って帰ってくるのが遅くなりました。
待ちくたびれた私達は文句を言いながらご飯の手伝いをしました。

その日は豚骨ラーメンで、私達が食べてる時に
お母さんは片付けをしていて、
片付けが終わり食べ始めようとした時に
お母さんは急に頭を押さえて
「いたっ」と言いました。
私達が「どうしたの?」という暇も無いくらいの早さで、
お母さんはラーメンの丼に顔ごと突っ込んで行きました。
私は初めお母さんが何をしているのか分かりませんでした。
だけど、皆が騒ぎ初めてやっとお母さんが
倒れたことが分かりました。

お母さんをお父さんが抱き上げ玄関に連れていきました。
その間におばあちゃんが救急車に電話をかけました。
お母さんは急にいびきをかきはじめて、
救急車が家に到着しました。
お母さんは救急車に乗せられて、病院に運ばれました。
お父さんが一緒に救急車に乗り、
残された私達は唖然とするしか出来なくて、
やっと理解が出来たお姉ちゃんと私は
涙がたくさん出てきて止まりませんでした。

その日、病院にいきお母さんを見たら
頭に包帯がぐるぐる巻にされて顔に沢山の機械がついていました。
お母さんが倒れたのは「くも膜下出血」と言う病気でした。
脳のくも膜と言う場所が破裂してしまう病気だそうです。
その病気は二十歳のときから進行していたらしくて、
その時お母さんは39歳だったので
ちゃんと検査を受けていれば治せたかもしれないのにと
私は思いました。

それから手術は順調に進みお母さんはだんだん
回復していきました。
そして、お見舞いにいくけど何が欲しいとお母さんに聞くと
「パンとミルクティーがいいな?」と可愛らしい声で言いました。
その後、私達はご機嫌で帰りました。
そのすぐ後に病院から電話がかかってきて
すぐに病院に行きました。
お母さんの病状が悪化し、もう既に3回目の出血だったそうです。
基本4回目で死んでしまうそうで私は怖くなりました。
その時、お父さんが「大丈夫ママは死なないよ!」と
言ってくれて安心しました。

手術は無事終わりお母さんは助かったのですが、
その後すぐに脳梗塞になってしまいました。
長い時間手術し、その手術も無事終わりました。
お母さんは手術のせいで喋れなくなってしまいました。
だけど、お母さんはリハビリを頑張りました。
でも長い時間眠った状態だったので、体が固まってしまい
手や足が変な方向に曲がっていました。
お母さんの病状が変わらないまま倒れてから2年が経ちました。

お母さんは、たんが飲みこめなくて
呼吸困難になってしまいました。
あまりにもそれが続くので喉を切ってしまうことにまりました。
お母さんは沢山機器をつけているのに
また増えることにまりました。
まだ病状がかわらないまま月日が流れて
今年で四年目になりました。

私はもう中学生になってしまいました。
本当はお母さんに卒業式に出て欲しかったけど、
出れなかったのでとても悲しいです。
皆がお母さんの話をしているときも話しに入れないので
とても悲しいです。
今もお母さんは病状が変わらず、病気と戦っています。
私はいつまでもお母さんを応援しています。
寂しいです、頑張って早く良くなってね、
お母さん!大好きだよ!…



看護師が流した涙   

子育ての大切さ、母親のこと子供にどう話してる?

俺の娘は今年4歳になるが、嫁は娘を生んですぐに
家を飛び出したので、子供には母親の記憶はない。
今まで母親のことはあまり話題にせず避けてきたんだが、
こないだちょっと考えさせられる出来事があった。
仕事の移動中に乗った電車の中でのこと。
俺の隣には、幼稚園くらいの女の子が、
母親らしい若い女性と一緒に乗っていた。
途中、駅で片腕のない女性が乗ってきて、
俺達の向かい側に座った。

女の子が「お母さん、なんであの人は手ないん?」と、
みんなに聞こえる声で言ったので、俺は一瞬ドキっとして、
女性と親子から思わず目をそらした。が、
母親らしき女性は慌てることなく、女の子に向かって言った。

母親「いろんな人がいるの。みんなが同じじゃないの。
○○ちゃんにはおじいちゃんとおばあちゃんがいないでしょう?」
女の子「うん、みんなはおるけど
 私はおじいちゃんとかおらへんねんなー」
母親「うん、いろんな人がおるけど、
 おじいちゃんやおばあちゃんがいないのは、
 ○○ちゃんのせいじゃないでしょ?」
女の子「うん、違う。あ、△△ちゃんとこは
 お父さんおらへんねんで」
母親「そうね、でも、それは△△ちゃんのせいじゃないよね」
女の子「うん、違う!」
母親「だからね、みんなおんなじじゃないの。
 みんなそれぞれ、持ってるものと、持ってないものがあるんよ。
 でもね、持ってないからって、その人は何も悪くないし、
 他の人と何も違わないんよ」
腕のない女性を含めて、車内に乗り合わせていた人たちは
みんな暖かい目でその親子を見守っていた。
思わず目をそらしてしまった自分が恥ずかしくなった。
自分の娘にも、母親のことを恥じない子に育って欲しいと思った。
この電車の親子は、俺に子育ての
大事なことを教えてくれた気がする。…!!




誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。

人の為(ため)と書いて
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お風呂物語

2015年4月 6日 (月)

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直


韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
「国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」。
そんな彼を描いた小説。

 

韓信-21・無聊
陳勝の死を韓信は知っていたわけではなかった。
そもそも韓信は、きわめて局地的ながらも、
陳勝軍の一派を撃破してしまっているので、
陳勝のもとに馳せ参じるわけにはいかなかった。
また胡散(うさん)臭い自称王たちがはびこる魏や趙、
あるいは斉などのために戦う義理もなく、
自然、選ばざるを得なかったのが、項梁の軍である。

このとき項梁軍は兵数七、八万の勢力となり、
陣容からいっても陳勝なき後、
楚の名を継ぐにふさわしいものであった。
決して本意ではなかったが、容儀を正し、
それでいて卑屈になり過ぎないよう、
威風堂々とした態度で項梁のもとへ
馳せ参じた韓信であったが、
彼のために用意されたのは、
一兵卒の位でしかなかった。
兵も引き連れていないのでは、仕方のないことか。
納得はしても、残念な気持ちは抑えられない。

兵とは、戦乱のために存在するものだ。
私は、戦乱を終わらせるために身を投じたのだが……
兵卒では戦乱に決着をつけることはできない。
誰か、早く私の本質を見抜け。
自分の考え方が途方もなく常識を外れていることはわかっている。
誰が自分をひと目見ただけでその才能を
見出すことができよう。
韓信にできることは、せいぜい戦場でできるだけ
多くの敵兵を撃ち殺すことしかないように思われた。
しかし、それさえも叶わなかった。

韓信が項梁軍に身を投じて最初に課せられた任務は、
秦嘉(しんか)という将軍に擁立され、
陳勝の跡をついで張楚王となった景駒
(けいく)を討つことだった。
秦を討つのではないのか。相手は楚人同士、
友軍ではないか。韓信は思ったものの、
彼にできることは、何もなかった。
結局韓信は一兵卒として戦場へ赴き、
一概に敵兵とはいえない敵を何人か撃ち殺した。

この時の韓信の働きぶりは、良いとも悪いともいえない。
執拗に抵抗する敵をその長剣で
斬り殺したと思えば、形勢不利と見て逃げ出した者は
追いかけもしなかった。
懸命にやっていると見せかけ、手を抜けるところは抜いた、
というところだろう。しかし、
戦場という死地のなかで、自然にそんな
芸当ができるということこそが、
韓信という男の凄みであっただろう。
凡人であれば、自分が生き残るために
必死にならざるを得ない。

結局韓信が本気を出すこともなく、戦いは終結した。
結果は圧倒的な項梁軍の勝利である。
「陳王(陳勝のこと)は敗戦し、
生死のほどもわからないが、
これをいいことに秦嘉などが景駒を
王としてたてるなどは大逆無道というしかない」
張楚を討つにあたって項梁が残した言葉である。
詭弁だ。と韓信は思った。
もし陳勝の死が明らかであったとしても、
項梁は景駒が王を称するのを許さなかっただろう。

景駒の兵をあわせ、自分が楚の頭領となる
都合の良い理由付けに他ならない。
韓信は着任早々、上官に不信感を抱いた。
韓信が次に命じられたのは、薛(せつ)へ向けての
遠征軍に加わることであった。
その目的は、敗軍の将の誅罰であった。
また、味方を討つのか。いったい何なんだ?
この時の敗軍の将は、名を朱雞石(しゅけいせき)といい、
章邯が栗(りつ)に現れたことで、
項梁の命にしたがってこれと戦ったが、敗れたのだという。
同僚の将、余樊君(よはんくん)は戦死していた。
敗れただけでも罪なのに、
同僚が戦死したなかで逃げ延びて生き残ったことは充分に
誅罰の対象となるのだった。

章邯の噂は韓信の耳にも入ってきている。
章邯は当代随一の将軍だと聞く。
私の見る限り、とても項梁などが敵う相手ではない。
まして部下の朱雞石に敵うはずがあろうか。
そもそもそんな相手には全軍で当たるべきなのに、
兵力を細切れにして当たらせたのは、
項梁の指揮のまずさだろう。
このとき韓信は罪を得て死ぬべきなのは
項梁だ、とまで思った。
しかし、思いと行動は一致せず、
実際に行ったのは味方の兵を殺して回ることであった。
韓信は自分が何をしているのか、よくわからなくなった。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
花に例えた古い歌
 今さら聞いても、歌っても、 
 何処に置いても、飾っても
  花も歌も、枯れてゆく....
  人生、絵模様、万華鏡...
 


雪子のとまり木あなたです 小林旭


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
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お風呂物語

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日本民話

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きっちょむさん(漢字では吉四六)は、
大分県大野郡野津町に実在した人物で、
酒造業をいとなんでいた
初代広田吉右衛門であるとされています。

むかしむかし、吉四六さんと言う、
とてもとんちの出来る人がいました。
ある日の事、お寺参りに来た二人の男が、
釣り鐘の下で大声で言い合いをしていました。


中ぶらりんの鐘

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「おれはこの寺の鐘を、むかしから見て知っとるが、
ぶらりと下がっとる。間違いはねえ!」
「いや違う。この鐘は、下がってぶらりとしとるんじゃ!」
「いや、ぶらりと下がっとる!」
「いや違う。下がってぶらりじゃ!」
どっちも負けずに言い合って、一歩もゆずりません。
そこで二人は一両のお金をかけて、
通りかかった人にどっちが正しいかを
判断してもらおうという事にしました。

さあ、そこへちょうどやって来たのが、吉四六さんです。
「さあ、吉四六さん。どっちが正しいか、決めてくれ」
二人の言い分を聞くと、吉四六さんは、
「まずは、一両ずつ預かりましょう」と、言って
二人からお金を受け取ると、吉四六さんはわざと難しい顔で、
「うーん。ぶらりと下がると、
下がってぶらりか。・・・はて、どっちかのう?」と、
言いながら、釣り鐘の回りを、ぐるぐると見て回りました。

「吉四六さん、早く決めてくれ」
二人が詰め寄ると、吉四六さんは
まじめな顔をして言いました。
「そうだ! この鐘は、中ぶらりんじゃ。
『ぶらりと下がる』でも『下がってぶらり』でもなく、
『中ぶらりん』じゃ。
だから、どっちが勝ちでもない。
・・・しかし、お金の中ぶらりんは困るだろうから、
これはおらがもらっておこう。
 では、さいなら」「・・・・・・」
あっけにとられている二人を残して、
吉四六さんは二両のお金をふところにしまうと、
さっさと帰ってしまいました。

おしまい


天の羽衣


カモ汁

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ある時、庄屋(しょうや)さんが吉四六さんのところへ
使いを寄こしました。
「カモをたくさん取ったので、今夜カモ汁を
ごちそうするから来る様に」
(ほう。あのけちん坊の庄屋さんがカモ汁をごちそうするなんて、
珍しい事もあるものだ。
よほど、たくさんのカモを取ったに違いない。
それともまた、骨董(こっとう)の自慢かな?

吉四六さんは思いきり食べてやろうと思って、
昼ご飯も夕ご飯も食べないで庄屋さんのところへ出かけました。
「おう、よく来てくれたな」
庄屋さんは吉四六さんを部屋にあげると、
カモを取った時の自慢話(じまんばなし)をうんと長くしてから
カモ汁を出しました。
(やれやれ、やっと食べられる。・・・おや)
ところがおわんのふたを取ってみると、
中に入っているのはダイコンばかりで、
カモの肉は小さな一切れが見つかっただけです。

「どうだね、カモ汁の味は。よかったら、

どんどんおかわりしてくれ」
吉四六さんがおかわりをしても、やっぱりダイコンばっかりです。
(ふん、何がカモ汁だ。これじゃダイコン汁と同じじゃないか)
 吉四六さんは腹を立てましたが、そこは我慢して、
「とてもおいしいカモ汁でした。おかげさまで、
お腹がいっぱいになりました」と、お礼を言って帰りました。
それを見て庄屋さんは、腹をかかえて笑いました。
「さすがの吉四六さんも、とんだカモ汁をくわされたもんだ」

それから二、三日たったある日、吉四六さんがあわてて
庄屋さんの家へ駆け込んで来ました。
「庄屋さん、早く来て下さい! おらの畑に今、
カモがどっさりとまっています」
「よし、すぐ行く!」
庄屋さんは鉄砲を肩にかけ、吉四六さんのあとから

走っていきました。

でも畑には、カモなんか一羽もいません。
「カモなんか、どこにもいないじゃないか。
わしをだますと承知(しょうち)しないぞ」
庄屋さんはすっかり腹を立て、吉四六さんに鉄砲を向けました。
でも、吉四六さんはビクともしません。
「おや? あんなにたくさんいるのが、見えませんか?」
言われて吉四六さんの指差す方を見ると、
一本の木にダイコンが何本もぶらさげてあります。
「馬鹿者! あれはダイコンじゃないか!」
「とんでもない。あれはこの前、庄屋さんの家で
ごちそうになったカモですよ」
「むっ、むむ・・・」
さすがの庄屋さんも、これには

言い返す言葉がありませんでした。

おしまい


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。




時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる






P R
きれいなお風呂・宣言


お風呂物語

2015年4月 4日 (土)

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直


韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
「国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」。
そんな彼を描いた小説。

 

韓信-20・無聊

陳勝は各地に制圧を目的とした軍を派遣し、
それぞれ成功したり、失敗したりしていた。
軍を派遣して制圧したのはいいものの、
派遣した将軍が自立して王となってしまうこともあったが、
離反されるよりはいいと考えれば、
着実に勢力をのばしつつあった、と言っていいだろう。
その勢力が頂点に達したのは、陳勝が派遣した
将軍周章(しゅうしょう)がついに函谷関(かんこくかん)を
破った時である。

険しい山々に囲まれ、東に函谷関、西に隴(ろう)関、
北に簫(しょう)関、南に武(ぶ)関という
四つの関所に守られた天然の要害の地を古来から
関中(かんちゅう)という。
現在の陝西(せんせい)省渭水(いすい)盆地がこれにあたり、
秦の国都、咸陽もここに位置していた。
秦の建国以来、函谷関を始めとする関所が破られた例はなく、
そのため周章軍の来襲は、秦の宮廷を混乱に陥れた。
これは二世皇帝胡亥の耳にも入り、
すでに政務に興味を示さなくなっていた彼が、
焦って臣下に対処を促したくらいである。
これを由来として「周章」という語は
「慌てる」という意味になった。
狼狽(ろうばい)という仮想の動物を意とする語を付け加えて、
その意を強調する。

しかし結果から言うと、周章軍は撃退された。
秦に新たな将軍が任命されたからである。
その将軍は、もともと少府と呼ばれる
徴税官の職に就いていた男で、
名を章邯(しょうかん)といった。
章邯は、麗山(りざん)で始皇帝の陵墓を造営している囚人に
大赦令を出させ、これを軍として組織することを提案した。
むろん章邯のような、たかだか徴税官ごときが
皇帝に直接ものを言える立場ではなく、
献策は宦官の趙高を通して行われたのである。
章邯の意見は聞くべき価値があったが、完全とはいえない。
兵は組織できても、それを率いる将がいないのである。

李信や王翦などは過去の人であり、
人事に困った皇帝は趙高に判断をゆだねた。
趙高はいやらしい男であった。
正確には宦官なので男だともいえない。
このときの章邯のように、非常時であるのを理由に、
皇帝に献策などを行う者が現れることを趙高は嫌った。
それによって自分より政治的に優位な立場に
章邯が立つことを憂慮した趙高は、
章邯自身を将軍として兵を統御させることを説き、
これを認めさせることに成功した。
戦乱の中で章邯が敗死することを希望したのである。

そんな趙高の思惑とは裏腹に、
将軍に任じられた章邯は、よくやった。
このとき麗山の労役から解放され、
章邯の指揮下に入った囚人の数は二十余万と言われているが、
彼はよくこれを統御し、周章軍を関の外へ
追い出すことに成功した。
さらに副将に司馬欣(しばきん)董翳(とうえい)を得た章邯は
関外へ撃って出て、周章を敗死させることになる。
陳勝の勢力はこれを機に、かげりを見せ始めた。

故郷の淮陰を守ったという高揚感は、韓信にはない。
あったのは後悔の念である。求めに応じたとはいえ、
自分がとった行動は、あと先のことを考えない
軽はずみなもののように思われ、
彼としては自分の馬鹿さ加減に吐き気がしてくるのだった。
雍昌を撃退することは陳勝を敵に回すことである。
そんなことがわからない自分ではなかったが、
あの時は心ならずも血が騒ぎ、戦ってみたいという
誘惑に勝つことができなかった。
雍昌を仕留めた時のあの感覚……それは、
弓の練習で的の中心に矢を当てた時の感覚に似ており、
鳥肌の立つような快感だった。

先生、私は酷薄な人間なのでしょうか……
もし、先生が私をそのように育てたのだとしたら、
恨み申し上げます。
いや、そんなはずはない……これはきっと
私が生まれ持った性格なのでしょう。
だとすれば、誰を恨みようもない……。
もはや先生はこの世にいない。
私は自分で自分を育てなければならないのだ。
韓信の憂鬱は自分の行動が淮陰を危機に陥れたのではないか、
という不安から端を発している。
しかし、そんな韓信の思いとはよそに、
その後の淮陰は大きな戦渦に巻き込まれることはなかった。
陳勝その人に危機が迫っていたからである。

きっかけは陳勝軍に起こった内訌であった。
陳勝とともに兵を挙げた呉広はこのとき
滎陽(けいよう)を囲んでいたが、なかなかこれを抜くことができず、
攻めあぐねていた。
呉広の配下の兵たちは上官の用兵に疑念を持つようになり、
謀議の結果、反乱を起こし呉広を殺害してしまった。
これを受けて陳勝はかわりの指揮官を立てて
滎陽を攻めさせたが、このとき現れたのが
秦の将軍・章邯である。
章邯によって陳勝軍はさんざんに撃ち破られ、
ついには陳勝自身も危機に陥り、逃避行にはいった。
しかし、そのさなか、陳勝は自分の馬車を操縦する
御者に裏切られ、殺されてしまう。
史上初の農民反乱である陳勝呉広の乱は、
事実上、ここに終結した。

つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
花に例えた古い歌
 今さら聞いても、歌っても、 
 何処に置いても、飾っても
  花も歌も、枯れてゆく....
  人生、絵模様、万華鏡...



ゆきこ 小林旭


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる









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お風呂物語

ちゃんねる

チャンネル・ニュース

幸せがつづいても、不幸になるとは言えない
 不幸がつづいても、幸せが来るとは限らない


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント

明日という日はミステリー



台風奇譚
タクシーの中でお客さんとの会話、
今日の福岡は台風11号の余波で
朝から断続的に激しい雨が降っていました。
午後も遅く、 駅の近くの整骨院から
そのおばあちゃんをお乗せした時も─。
「どちらまで行きましょう?」
「近くて悪いけど五条(太宰府市)の
○○薬局までお願いできるやろか」
「了解しました」
普通に走れば10分ほどの距離です。
「よく降りますねー」
「やっぱり台風の影響やろうか」
「四国や近畿は大変みたいですよ」
「福岡は被害が少なくてな有難かよ」

「オオカミ少年の話しみたいに、
来る来るって言われて来ないと
だんだん警戒しなくなりますよね」
「そういう時が本当は一番危なかとよ」 と、
定番の流れです。
車は若干の渋滞の中を増水した川に沿って走っていました。
「昔な、私がまだ小学校の三年生やった頃、
台風でこの川が氾濫した事があったとよ」
「はあ…」
「家の台所、その当時は土間やった所に水が入って来てな、
母親が学校に行って人を呼んで来なさいって言うとよ」
(長くなりそうな予感)

「その母親は継母で厳しい人やったけん、
私は逆らえんで雨風の中に飛び出したと」
「ほほう‥‥」
「ちょうど今ぐらいの時間やったけど空はもっと暗くてね、
どこが川なんか分からんくらい辺り一面水浸しやった。
途方に暮れたけど、家に戻ると叱られるってわかっとったからな、
もう無我夢中で土手をよじ登って、
何度も吹き飛ばされそうになりながら学校に向かって走ったとよ。
校舎の裏の崖を今度は半ば流されながら下って、
やっと学校にり着いた時には辺りはもう真っ暗やった…」

台風で学校に残っていた先生達は
職員室に駆け込んで来た彼女を見て驚いた様子でしたが、
彼女が事情を話すと数人の男性教師が
合羽を着て外に走り出して行きました。
「よくここまで来たね」 「お母さんが寄こしたの?」
「そう…大変だったわね」
残った先生達が彼女を労ってくれました。
皆彼女の家の事情は知っていたようで、
(可哀想にこんな小さな子を台風の中外に出すなんて)
と言う気持ちだったのでしょう。
中でも一人の女性教師が、
「T子ちゃん こんなに濡れて 頑張ったね!
辛かったね でもお母さんを悪く思わないでね」 と
抱きかかえるようにして彼女の身体を拭いてくれました。
「有り難くてね涙が止まらんかったよ」
あと1つ角を曲がれば薬局が見えてきます。
(そろそろ切り上げ時かな)

僕は、「先生の恩って有難いですね」とかなんとか、
無難な合いの手を入れて話しを終わらせようとしました。
しかし、次の彼女の一言で言葉が出なくなりました。
「後で判ったんやけどな、その時の女の先生っていうのが
私の本当のお母さんやったんよ」
車は薬局の駐車場で停止しました。
「ごめんな運転手さん、年寄りの話しに付き合わせて」
「いえ…」
「いくらかな」 「920円です」
千円札を出して 「お釣りはいらんからな、
コーヒー代にもならんやろうけど」
「ありがとうございます」
足を庇いながらうつむき加減に降りていった
おばあちゃんの顔は見なかったけど、
泣いているのは声でわかりました。
顔を見れなかったのは、僕も泣いていたからです。…!!



結婚してるつもりだから



さちこ
毎年お盆に実家に帰ると
近くの川で「送り火」があります
いつもは淡い光の列がゆっくり川下に流れていくのを
眺めるだけなんやけど
その年は灯篭に「さちこ」と書いて川に浮かべました

その日は仕事終わって駅前に出ると
「大きなクリスマスツリー」が飾ってあって、
冷たい空気のなかキラキラ光っててとても綺麗でした
「今年ももうそんな時期なんだな」なんて思いながら
部屋にたどり着くと 、
にゃー 野良猫がいました
白い猫なんだけど薄汚れちゃってグレー
俺を見て逃げるわけでもなく、かといって
近寄ってくるわけでもなく
ちょっと距離を保ちながら俺を見てました

翌日、晩飯買おうと思ってコンビニ寄ったとき
なぜか猫のこと思い出してネコ缶買って帰りました
「今日もいるかな」そう考えながら部屋に着くと
にゃー いました
でも相変わらず警戒して近寄っては来ないんで
玄関口にネコ缶の中身を紙容器に入れて置いておきました
翌朝会社行こうと玄関出たら
空の紙容器となぜか「どんぐり」が一個落ちてました

それから毎日その白ネコは俺の帰りを
部屋の前で待っててくれるようになり
翌朝には決まって「どんぐり」が落ちてました
「あいつなりの『お礼』なんやろか?」
俺はその白ネコに勝手に「さちこ」と名前を付けました

そんな日々が続いたある朝
会社に行こうとした俺が見たのは 車に轢かれた
「さちこ」でした
そばには「どんぐり」がひとつ
「さちこ」のお墓は「どんぐり」がたくさん落ちてる
近くの公園に しました。
毎晩「今日もいるかな?」て考えながら部屋に帰る
俺にとって 「さちこ」は癒しでした

だから 「お礼なんか… 要らんかったのに…」
川に浮かべた「さちこ」の魂はゆっくりと
ゆらゆら輝きながら川下へ流れて行きます
途中に堰があるため
灯籠たちは一度中央に集まります
川上から見たそれは 光の二等辺三角形で
あの日見た駅前のクリスマスツリーのようでした



過労死



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。


時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる









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お風呂物語


2015年4月 3日 (金)

言葉の魔術師

言葉の魔術師・言葉の達人

達人たちは1曲の詞を書くために、
言葉を巧みに操り、
その時代を象徴する言葉を探した。
その言葉は多くの老若男女の心を掴んで離さず、
その歌は大ヒットした。
「孤独がつらく感じるとき」
「愛することがよくわからなくなったとき」
いつも、勇気と力を与えてくれた…、
作詞家は言葉の魔術師である。
そんなプロの「作詞家」の皆さんを紹介します。

常に「日常」に焦点を当て、
普段何気なく使われている言葉や
見慣れた風景から人間の心理やドラマを巧みに表現し、
これまでに2000曲を越える作品を
世に送り出している
「松本一起」さんです。


代表作
「ガラス越しに消えた夏」/鈴木雅之
「夏の日の1993」/class
「ジプシークイーン」/中森明菜
「Fin」/中森明菜
「夢の彼方」/矢沢永吉
「innocent sky」/吉川晃司
「モノクローム・ヴィーナス」/池田聡
 など 多数

歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…


鈴木雅之・ ガラス越しに消えた夏


作詞論
 作詞家の仕事は日々、街を歩くことで、それが仕事。
 パソコンの前に坐ったら、それは作業の始まりである。
 リアリティな感情と美しい言葉と、 
 そして普段見慣れた景色であるけれど、
 その風景には憧憬がなくてはならない

作詞家になったきっかけは?
 テイチクレコードのディレクターとの出逢い。
 処女作がシングルに採用され、 
 その後多くの人から依頼があった。

プロ、初作品について
 「初めての風景」平沢典子・・
 栃木県団体のイメージソング
 この作品については今でも
 自分自身への評価は高い。

作品を提供したいアーティスト
 特になし

あまり売れなかったが、私の好きなこの歌
 「夏を忘れたシー・サイド」ZIGZAG

なぜ「詩を書くことを選んだか」
 ヒットする曲が一曲増えるたび、
 この仕事やって良かった、と思うようになった。
 音楽で夢や理想や挫折や切なさ等を伝えるということで
 普段使っている日本語でそれを担うことに
 誇りを感じられる。

プロの作詞家になりたい人へのアドバイス

 日常の痛みとか苦しさを正面から受けて
 その感覚をしっかり覚えて欲しい。
 何からも逃げることなく、自分にしか出来ない方法で
 感じて欲しい。

一口メモ
 classのデビュー曲であり、
 今では夏の定番ソングにまで成長した。
 詞は単純であるけれど、実は内容としては
 人間の奥深い心理を語ったつもりである。
 普段気づかなかったことや、
 当たり前と思っていることの非日常性など、
 分かりやすい言葉で書いた。

私の好きなあのフレーズ
 「普通の女と思っていたけど・・・」

プロフィール 
松本一起(まつもと いっき)作詞家

慶応大学・文学部出身、獅子座、O型。
コピーライターを経て、
1979年栃木団体のイメージソングで作詞家デビュー。
鈴木雅之「ガラス越しに消えた夏」、
池田聡「モノクローム・ヴィーナス」、
中森明菜「ジプシークイーン」、
class「夏の日の1993」など、数々のヒット曲を手掛ける。
他には、ラジオのパーソナリティ、エッセイの執筆、
新人プロデュース、日本の芸術家との対談など、
音楽・文化活動に幅広く活躍中である。

著書は、「40%理解しあえたら結婚しよう」(PHP)、
「ロードサイドブルー」(メディアファクトリー)、
「さよならしか見えない時にも」(大和書房)、「
恋愛セラピー」(ロングセラーズ社)など多数あり。



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる






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お風呂物語

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歴史・履歴への許可証


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


日本民話

きちょむ 
きっちょむさん(漢字では吉四六)は、
大分県大野郡野津町に実在した人物で、
酒造業をいとなんでいた
初代広田吉右衛門であるとされています。



馬の友だち
うま

 

むかしむかし、
吉四六さんと言う、
とてもとんちの出来る人が
 ました。








ある日の事、吉四六さんは馬にたきぎを積んで、
町へ売りに行きました。
「たきぎ! たきぎはいりませんか~?」
こう言いながら町を歩いていると、欲張りで有名な
風呂屋の主人が、吉四六さんを呼び止めました。

ちなみにこの風呂屋は、以前、
吉四六さんをだまして馬ごとたきぎを手に入れた、
餅屋の友だちです。もっとも、その餅屋は、
後で吉四六さんに痛い目にあわされましたが。

「おい、そのたきぎは、一わ、いくらだ?」
「はい、一わ、十文でございます」
「そうか。では、その馬に乗せてあるのを
全部買ってやろう。みんなで、いくらになる?」
「はい、全部買ってくださるなら、
五十文にしておきましょう」
「よしよし。では、五十文を受け取れ」
「ありがとうございます」

値切りもしないで買ってくれたので、
吉四六さんは、ほくほくして馬の背から
たきぎを降ろしました。
「では、みんなで、六ぱでございます」
すると風呂屋の主人は、
怖い目をギロリとむいて、口をとがらせました。
「なんだこら! まだ、残っているではないか!」
「えっ? そんなはずはありません」
「馬の背に、くらが残っているじゃないか!」
「えっ?」
「おれは、馬に乗せてある物を全部買う約束をした。
だから馬の背に乗っているくらも、買った事になる。
どうだ、文句があるか!」
「あっ、これは、しまった!」
吉四六さんは、思わず叫びました。

「どうだ、吉四六さん。おれは餅屋とは、
ひと味違うぞ。わはははははは」
風呂屋の主人は餅屋の仇討ちをしてやったと、
手を叩いて大喜びです。

(そうか、あの餅屋と風呂屋は友だちだったんだ。
これは、油断したな)さすがの吉四六さんも
、素直に馬からくらを下ろして、
こそこそと帰って行きました。

でも、これで引き下がる吉四六さんではありません。
その翌日、吉四六さんがひょっこり
風呂屋ののれんから首を出しました。
「おお、吉四六さん。なんだ、
またたきぎを売りに来たのか?」
主人は勝ち誇った顔で、番台の上から声をかけました。
すると吉四六さんは、にっこり笑って、
「いや、今日は別の用事で町へ来たのだが、
あまりにも寒いので風呂に入りたいと思ってね。
風呂賃は、いくらだい?」
「風呂賃は、十文だよ」
「そうか。しかし、おれだけじゃなくて、
友だちも入りたいと外で待っているんだ」
「じゃ、二人で二十文だ」
「でも、その友だちは、とても大きい奴で」
「はっはっはっ。いくら大きくたって、
風呂賃に違いはないよ」
「そうか。じゃあ、友だちを連れて来るよ」

そう言って吉四六さんは風呂賃の
二十文を払って外に出て行きましたが、
やがてパカパカと大きな足音がしたかと思うと、
番台の前に馬の顔が現れて、
「 ヒィーーン」と、いななきました。
風呂屋の主人は、飛び上がって驚きました。
「うあっ! 吉四六さん、乱暴をするな。
馬は外につないでおきな」
「なに、この馬も一緒に湯に入るんだよ」
「ばっ、馬鹿な!」
「だって、風呂賃は、ちゃんと払ってあるだろう」
「では、吉四六さんが言っていた大きな友だちとは、
この馬の事か?」
「そうさ。この馬が、おれの大きな友だちさ。
では友だち、一緒に入ろうか」

「ま、ま、待ってくれ!」
風呂屋の主人は、すぐに番台から飛び降りると、
「吉四六さん、おれが悪かった。
風呂賃もくらも返すから、どうかそれだけは、
かんべんしてくれ」と、平謝りに謝ったそうです。


おしまい

「クマの肝」 

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。



時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる









P R
きれいなお風呂・宣言

ふろ

お風呂物語

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
「国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」。
そんな彼を描いた小説。



 

韓信-19・乱世
陳勝麾下の将軍鄧宗(とうそう)は九江(きゅうこう)郡
(寿春を郡都とする旧楚の中心地)の制圧を命じられ、
その軍が淮陰の城壁まで迫りつつあった。
ついに淮陰も戦渦の影響を受け始め、韓信も気が気ではない。
肉親をなくし、友人には旅立たれ、
師にも先立たれた韓信は、もはやこの地に
未練もないと思っていたが、実際に
故郷が蹂躙されるというのは我慢ならないことだと気付いた。

そこで韓信は、県の庁舎に赴き、
守備兵の仲間に入れてもらおうとしたが、
ある若い門番は彼に向かってこう言った。
「県令なら、いないよ」韓信は聞いた。
「いつ、戻ってくるのだ」若い門番は、あきれたように答えた。
「戻ってきやしないよ。ここの偉い連中は、
みな荷物をまとめて逃げ出したんだ。
彼らは中央から派遣された連中だから、
咸陽にでも帰ったんだろう。
残ったのは帰るところなんてない地元の連中だけだ」
韓信は驚愕を受けながらも、なおも門番に問いただした。
「守備兵はどうした」
「とっくに解散して、それぞれ故郷に帰ったよ。
県令が逃げたのだから、それも仕方がない」
秦の統治下では一生で最低でも一年は
自分の属する郡の衛士とならなければならない。
いわゆる守備兵である。
しかし郡の中のどの県に所属されるかは定められていないので、
この場合は、守備兵の中に淮陰出身者がいなかった、
ということだろう。

「では、お前は門の前に突っ立って、なにを守っているのだ」
「なにって……県令や守備兵が逃げ出したなんて知れたら、
敵の思うつぼだろ。いつもと変わらない風を装って、
こうしているんじゃないか」
「馬鹿だな、お前は。敵が来るまでそうして突っ立っている気か。
父老には相談したのか」父老とはいわゆる長老のことで、
邑のまとめ役のことである。
「まさか。年寄りに相談したところで、降伏しろと言うだけだろう? 
鄧宗の軍は略奪の度が過ぎると評判だから、
俺たちはできることなら対抗したいんだ。
でも残っているのは役所の下働きの者ばかりで
指揮を執れる者がいない」

「……中に入れろ」門を開けさせ、
押し入るように中に入った韓信の目に映ったのは、
かっこうだけは甲冑などをつけて整えている頼りない集団だった。
「武具を身に付けているということは、
戦う気があるということなのだな?」
もともと県令の馬の世話や、食事の用意などをしていた連中である。
彼らは自分たちが鎧を身に付けている意味を知らず、
韓信の言葉に震え上がった。
韓信はあきれた。「武器は残っているか」
彼らが案内した武器庫の中には、盾が約三十、矢が一千本余り、
長戟(ちょうげき)が百本以上備えられていた。
長戟とは、槍の先端に(ほこ)を備え、
敵を遠距離から突き刺すのに都合良くできた兵器である。
なおかつ枝のように刃が側面にも装備され、
振り回して敵を引っ掛けるように斬ることもできた。
それらの携帯的な装備のほか、
武器庫の奥には大きな投石機が五台、鎮座していた。
本来は攻城兵器であるが、使えないことはない。
てこの原理を利用し、一端に石、もう一端には紐が付けられており、
複数の人間が紐を引くことで石が発射される仕組みである。

淮陰一帯はかつて国境が入り組んだ地域だったことで、
このような兵器が常備されていたのだった。
「充分ではないか」これだけのものがあれば、
県城に押し寄せる敵を殲滅するのはなんとか可能である。
あとは、やり方次第だ……
韓信の頭の中が、鬱屈した若者のそれから
策士のそれへと変貌しつつあった。
「弓を使える者はいるか」
幸いなことに二十名ほどの者が、
なんとか弓を使えそうだった。
韓信は彼らを急造の弓兵とした。
指導者はいなかったが、兵数は百余り、
それぞれが剣と弓を携え、予備兵器も充分にある。
韓信は自信を感じた。その自信が態度となって現れ、
自然に兵たちの指導者的立場になっていく。

韓信は一計をめぐらせた。
淮陰城に迫った鄧宗配下の指揮官である
雍昌(ようしょう)の耳に、妙な噂が入り始めた。
「県令はすでに殺され、
城内は韓信という男を頭目とする自立勢力によって占拠されている」
「城内では韓信の命による略奪行為が横行し、
住民はみな飢え、子を交換して食っている有り様である」
「そのため住民は陳勝麾下の軍が鎮撫にくるのを心待ちにしている」
「住民たちはついに決起し、
自立勢力の親玉の韓信を捕縛することに成功した」
「住民たちは城門を開放し、
張楚軍を歓迎する構えを見せている」
次々に耳に入ってくる噂の展開が真に迫ったものなので、
雍昌はこれを疑わなかった。

しかし、これこそが韓信自身が発した流言だったのである。
あらゆる方角から囲まれ、城壁をよじ登られて侵入を許したら、
なす術がなかった。
韓信は流言を撒いて相手を油断させた上で、
あえて城門を開放し、敵の侵入経路を限定することに成功した。
城壁には東西南北それぞれに城門が備えられているが、
このとき韓信は北門だけを開放し、
城内に伏兵を忍ばせておいた。
噂を疑わなかった雍昌は、
狭い城門を通過するために隊列を細長くしたまま、
ゆるゆるとだらしなく進軍していく。
これを見た韓信は、二百名ほどの小部隊だ。
やれる。と確信した。

韓信は音を立てず、弓を構えた。
先頭の騎馬兵を狙い、物陰から矢を放つ。
矢は目標に到達し、その騎馬兵の胸に突き立った。
それを合図に無数の石つぶてが雍昌軍の頭上に降り注いだ。
敵軍から見えない位置に注意深く設置された
投石機から発せられたものである。
たかが石つぶてといっても大きさは大人の頭ほどで、
当たりどころが悪ければ、即死だった。
「敵襲だ! 退却せよ」逆戻りして門から城外へ
脱出しようとした雍昌軍だったが、
城門にはすでに二十名の弓兵たちが陣を構えていた。
雨あられのように弓矢が浴びせられ、
雍昌は一瞬で兵の三分の一を失った。
その次の瞬間には両横から長戟を持った兵が突如として現れ、
長く伸びた隊列の側面を衝いた。
これにより雍昌の軍は前後に分断され、
それぞれ戟で貫かれていく。
馬に鞭を入れて、ひとり脱出しようとはかった雍昌に
石が投ぜられた。
石は馬の頭部に当たり、雍昌は馬ごと転倒して
全身を強く打つ重傷を負った。

一方、馬は即死した。非情なようだが、
とどめを刺さなければならない。
逃がして鄧宗の本隊にでも駆け込まれては、
事態は面倒なことになってしまう。
韓信は意を決して、雍昌の命を絶った。
とどめを刺すにあたって、韓信は腰の剣を使おうかと思ったが、
結局弓矢を使った。剣は彼にとって大事なものではあったが、
手入れを怠っていたので、切れ味に確信がなかったのである。
留まるよう要請された。彼らにしてみれば、
敵を撃退したのはいいものの、
それが次の敵を呼び込むもとになるようで不安だったのである。

しかし韓信はそれを断り、
その足で母親が眠る丘の上の小さな墓に立ち寄り、
最後の別れを告げた。
「……行くあてが決まっているわけではありません。
ただし、行く以上はこの戦乱の世にけりをつける男になりたい。
そう思っています……。
戦場に立つことは母上の本意とは違いましょうが、
お許しください」
韓信が雍昌の軍を破った行為は、
さほど必要性がなかったという意見も多くあり、
彼があと先の考えもなく敵軍を殲滅し、
見捨てるように淮陰をあとにしたのは無責任に過ぎる、
という意見もある。
しかし実際に韓信が淮陰の地に残ったとしても、
いつまでも守り通すことはできなかっただろう。
このときの韓信の心情を表した言葉が、
一部の者の記憶に残っている。
「私は、武器の取り扱いなどにかけては多少自信を持っているが、
他人に真心を理解させることは、もともと得意ではない。
このたびの戦闘であらためて自覚を深めたが、
むしろ私は、人を騙すことの方が得意らしい。
徳があるとは言えず、あまり政治には向かない」

つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
花に例えた古い歌
 今さら聞いても、歌っても、 
 何処に置いても、飾っても
  花も歌も、枯れてゆく....
  人生、絵模様、万華鏡...



くちなしの花 八代亜紀


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる
P R

 

 

 

 

2015年4月 2日 (木)

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直


紀元前二〇〇年代の中国大陸。
 衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
「国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」。
そんな彼を描いた小説。




韓信-19・乱世

陳勝麾下の将軍鄧宗(とうそう)は九江(きゅうこう)郡
(寿春を郡都とする旧楚の中心地)の制圧を命じられ、
その軍が淮陰の城壁まで迫りつつあった。
ついに淮陰も戦渦の影響を受け始め、韓信も気が気ではない。
肉親をなくし、友人には旅立たれ、
師にも先立たれた韓信は、もはやこの地に
未練もないと思っていたが、実際に
故郷が蹂躙されるというのは我慢ならないことだと気付いた。

そこで韓信は、県の庁舎に赴き、
守備兵の仲間に入れてもらおうとしたが、
ある若い門番は彼に向かってこう言った。
「県令なら、いないよ」韓信は聞いた。
「いつ、戻ってくるのだ」若い門番は、あきれたように答えた。
「戻ってきやしないよ。ここの偉い連中は、
みな荷物をまとめて逃げ出したんだ。
彼らは中央から派遣された連中だから、
咸陽にでも帰ったんだろう。
残ったのは帰るところなんてない地元の連中だけだ」
韓信は驚愕を受けながらも、なおも門番に問いただした。
「守備兵はどうした」
「とっくに解散して、それぞれ故郷に帰ったよ。
県令が逃げたのだから、それも仕方がない」
秦の統治下では一生で最低でも一年は
自分の属する郡の衛士とならなければならない。
いわゆる守備兵である。
しかし郡の中のどの県に所属されるかは定められていないので、
この場合は、守備兵の中に淮陰出身者がいなかった、
ということだろう。

「では、お前は門の前に突っ立って、なにを守っているのだ」
「なにって……県令や守備兵が逃げ出したなんて知れたら、
敵の思うつぼだろ。いつもと変わらない風を装って、
こうしているんじゃないか」
「馬鹿だな、お前は。敵が来るまでそうして突っ立っている気か。
父老には相談したのか」父老とはいわゆる長老のことで、
邑のまとめ役のことである。
「まさか。年寄りに相談したところで、降伏しろと言うだけだろう? 
鄧宗の軍は略奪の度が過ぎると評判だから、
俺たちはできることなら対抗したいんだ。
でも残っているのは役所の下働きの者ばかりで
指揮を執れる者がいない」

「……中に入れろ」門を開けさせ、
押し入るように中に入った韓信の目に映ったのは、
かっこうだけは甲冑などをつけて整えている頼りない集団だった。
「武具を身に付けているということは、
戦う気があるということなのだな?」
もともと県令の馬の世話や、食事の用意などをしていた連中である。
彼らは自分たちが鎧を身に付けている意味を知らず、
韓信の言葉に震え上がった。
韓信はあきれた。「武器は残っているか」
彼らが案内した武器庫の中には、盾が約三十、矢が一千本余り、
長戟(ちょうげき)が百本以上備えられていた。
長戟とは、槍の先端に(ほこ)を備え、
敵を遠距離から突き刺すのに都合良くできた兵器である。
なおかつ枝のように刃が側面にも装備され、
振り回して敵を引っ掛けるように斬ることもできた。
それらの携帯的な装備のほか、
武器庫の奥には大きな投石機が五台、鎮座していた。
本来は攻城兵器であるが、使えないことはない。
てこの原理を利用し、一端に石、もう一端には紐が付けられており、
複数の人間が紐を引くことで石が発射される仕組みである。

淮陰一帯はかつて国境が入り組んだ地域だったことで、
このような兵器が常備されていたのだった。
「充分ではないか」これだけのものがあれば、
県城に押し寄せる敵を殲滅するのはなんとか可能である。
あとは、やり方次第だ……
韓信の頭の中が、鬱屈した若者のそれから
策士のそれへと変貌しつつあった。

つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
花に例えた古い歌
 今さら聞いても、歌っても、 
 何処に置いても、飾っても
  花も歌も、枯れてゆく....
  人生、絵模様、万華鏡...



くちなしの花 八代亜紀


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる









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妄想劇場・番外編

妄想劇場・番外編

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、


 

落語の原型とも言われている
江戸小咄は、 江戸時代の
庶民の楽しみとして広く伝わって
おおらかに性を笑いに取り入れて
現代にまで至っています。

お色気小咄は日本だけではなく、
外国にもあります、西洋小咄です

公平無私
さる町の僧正さま、おいぼれ馬にのって
教区巡視に出かけました。
山間の村をおとずれ、意外のご馳走になった僧正さま、
寝るときに、「わしの馬は、おいぼれじゃが、
長年かわいがっている。どうぞ大切にしてやってくだされ、
わしと同じようにな」

村の坊さん、僧正さまに寝床をゆずって、
じぶんは隣家に泊まったが、
馬が気になり、夜中、住まいに帰ってみると、
何とご機嫌になった僧正さま、
女中のマリーを引きいれて寝てござる。
ふんがいした坊さん、さっそくうまやへ行き、
僧正さまのおいぼれ馬に、じぶんの牝馬をあてがった。
おいぼれ馬は大よろこび。

さて、翌朝、僧正さまが、馬にのって帰ろうとすると、
昨夜がたたって、馬がふらふら、
十メートル行っては、足がガタガタ、
二十メートル歩いては、足がヨロヨロ。

僧正さま、おどろき、
「わしの馬をどうなされた?」
「大切にしてやりました。僧正さまと同じように・・・」
おあとは、よろしいようで…

三角関係
えー、三人てえなァ、いくら友達でも、
気の揃わないことはあるもので、
これが男一人に女二人だの、女一人に男二人・・・
なんてえことになりますと、
三角関係てんでややこしい問題も起こりがちで・・・。
女房と妾が、男ォ中にはさんで、
「おまえなんざ、殺してやる!」
「殺してやりたいなァ、こっちのほうだ」
「あら、つねったわねえ」「キャーッ!」

なんて、髪をつかみ、爪を立てての大喧嘩。
いわゆる悋気喧嘩(りんきげんか)てえ奴で、
亭主ァ自分のまいたタネでございますが、
もう取り鎮めようにも、尋常の手段じゃァどうしようもない。
 
床の間の刀ァとるってえと、
ギラッと引っこぬいて、妾のほうに、
「やい、てめえが悪い。かくし女の分際で、
なんだって家までのり込んで来るんだ。
許さぬ、殺してやるから来いッ!」

てんで、片手で襟首をつかんで、
奥の部屋へ引きずり込みます。
むろん、こりゃァお芝居で、男ァ本当は、
女房より二号さんのほうが好きなんですから、
そこへ押し倒すと、早くも口を吸ったり、
さわったりで、始めちゃった。

かみさんのほうは、やれ、
これで厄介者がいなくなるとよろこんで、
しばらくたって、悲鳴もきこえなくなったから、
もしかすると息が絶えたかもしれないと思って、
おそるおそるふすまァ細くあけて、
のぞいてみると、中で妾があられもないかっこうで、
「あー、似ぬ、死ぬ・・・」
女房、びっくり仰天して、眉毛逆立て、
ガラッとあけて、
「このような殺しようなら、わたしを先に殺しておくれ」


おあとは、よろしいようで…


誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……


歌は心の走馬灯、
花に例えた古い歌
 今さら聞いても仕方がないが
 何処に置いても飾っても
  歌も花も、枯れてゆく……
  人生、絵模様、万華鏡…


18禁 「別れの夜明け」



時は絶えず流れ、
    今、微笑む花も、明日には枯れる




みつお













P R
きれいなお風呂・宣言

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お風呂物語

2015年4月 1日 (水)

チャンネル掲示板

チャンネル・ニュース

幸せがつづいても、不幸になるとは言えない
 不幸がつづいても、幸せが来るとは限らない


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

恩師の話 

  俺さ、子供の頃から勉強苦手で、運動能力も皆無。
  容姿だって贔屓目で見てようやく下の上、
  特別な才能なぞあるわけもなく、得意なことなんか一つも無くて、
  いつも出来のいい美少年の兄と比べられては
  両親からお前は失敗作だと貶されてた。
  失敗作だから、こき使われて当たり前。
  失敗作だから、せめて立派な兄の役に立て。
  失敗作だから失敗作なのに失敗作の癖に
 
  何時だってそんな事を言われてたから、俺は失敗作なんだ、
  迷惑をかけてはいけない、慎ましく生きなければいけない、
  こんな駄目な俺を養ってくれる両親に感謝しないといけない、
  立派な兄の汚点になってはいけないって心底思い込んでた。

 
  奴隷根性染み付きまくりで、兄の理不尽な要求にも応えたし、
  両親と兄が俺を残して楽しそうに出掛けるのを見ても、
  何の不満も抱かなかった。
  むしろ、自分が恥ずかしい奴だから連れて行って貰えないんだ、
  もっとちゃんとしないと捨てられてしまうって焦った。
  だから留守番ついでに言いつけられた家事や手伝いは
  死ぬ気で熟した。でも小学生じゃあ出来ることもたかが知れてる。
  本人は持てる力を全て振り絞って頑張っても、
  どうしたって不足は出てしまう。だから怒られる。
  だから、こんな事も満足にできない奴は、
  次も当然留守番だと厳しく言い渡される。
  それを聞いて俺泣く。
  悔しくて悔しくて。おいてかれる事じゃなく、
  親の期待に応えられない自分が不甲斐なくてな。
 
  親戚の集まりでも、ハイスペックな兄と比較されては
  お前はもっと頑張らなければいけないよって、
  周りの大人から言われた。
  当時はそれが当たり前だと思ってたから、
  自分は本当に駄目な奴だと信じ込んでた。
 
  それが可笑しいことに気付いたのは中学3年生になった頃。
  受験生で他の誰よりも必死に勉強してるのにも関わらず、
  成績が余りにも伸びない俺を心配して、
  当時の担任が面談してくれた。
  でもさ俺は、失敗作だから怒られるんだ、
  先生がこんなに親身になって勉強を教えてくれているのに、
  全然点数がとれないから、とうとう見捨てられるんだって、
  呼び出し食らった瞬間、絶望しかなかった。
 
  そんな顔面蒼白な俺を見て、先生は何か感じ取ったんだろうな。
  どうした、何か悩みでもあるのか?って
  優しい笑顔で尋ねてくれた。
  その一言で何故か俺の涙腺崩壊。
  たぶん、今まで大人から優しい言葉を向けられてこなかったから、
  余程暖かさに飢えてたんだろうな。
  嗚咽混じりに自分が如何に駄目な人間で、
  親の期待に応えられない、
  兄とは違って何をやっても上手くできない、
  そんな哀しさや悔しさを、支離滅裂な日本語で吐き出した。
  最後に俺なんか生きてる価値が無いって零したのよ。
 
  そしたら、それまで何も言わずガキの喚き立てる
  意味不明な言葉を黙って聞き入れてくれてた担任が、
  クワッと目を見開いてバチーン!って
  音がなるくらいの強さで俺の両肩を掴んだ。
  あ、俺殴られるわって思ったよね。
  そんだけ迫力がある表情だった。
  でもな、担任は俺の両肩を掴んだっきり何もしなかった。
  下唇を噛み締めて、何か必死に堪えてる表情を浮かべてた。
  そんでさ、ようやく絞り出したような声で言うのよ。
 
  お前は失敗作なんかじゃない。耳を疑った。
  そんな事、一度も言われてこなかったから。
  キョトンとした俺を尻目に、一人ヒートアップする先生。
  更に言葉を続ける。
  こんなにも必死になって努力出来る人間が駄目なわけがあるか。
  馬鹿なことを言うな! 生きる価値が無いなんて、
  そんな悲しいことを言うな! 
  どんな状況でもどんな結果でも、
  それでも諦めず努力を続けるお前は誰よりも立派だ!
  胸を張れ! お前の努力は知っている!
  俺だけじゃない、他の教科の先生も、
  お前の一生懸命さを褒めていた!
  お前の親御さんがお前を褒めてくれないなら、
  先生が褒めてやる! だから自分を認めてやれ!
  自分の努力を信じてやれ!
 
  目からウロコどころか、魚群がビチビチ溢れ出た。
  まさかこんな出来損ないを肯定してくれる人がいるなんて
  思ってもみなかったから。
  なんかそれだけで今までの人生が報われた気がした。
  俺の努力は無駄じゃなかったんだって、
  先生たちはちゃんと見てくれていたんだって分かったら、
  自然とそう思えた。
 
  そっから俺の成績は恐ろしい程にグングン伸びたよ。
  おそらく今までは、自分自身にストッパーをかけてたんだろうな。
  成績が良くなったところで両親が俺を見てくれるわけが無いと、
  心の何処かでは親からの愛をとっくに諦めてた。
  でもその現実を受け入れられる程に大人じゃなかったから、
  100%は諦めきれず、だから敢えて出来損ないを演じて、
  自分が愛されない原因を作って、言い訳や逃げ道を探してた。
  でもさ、それって自己否定なんだよな。
  それじゃあ成長出来るわけがない。
  誰よりも自分が自分を信じてやらんと、
  いつまで経っても前には進めないんだよ。
  それを教えてくれた担任には、今でも本当心底感謝してる。
 
  それからも親や兄とは色々あったけど、
  それらを踏まえた上で、それでもお祝い事なんだから
  正々堂々と結婚の挨拶がしたいと言ってくれた嫁と一緒に、
  俺の最大のトラウマである実家へと報告に赴けたのは、
  やっぱりあの時の先生の言葉があったからだと思う。
 
  実家での報告の際に、嫁が先生と同じような言葉で
  俺を認めてくれた上で、両親と兄とその嫁に
  啖呵切ったのを見て感極まって一人大号泣しました。…!!
  あの時腐らなかったお陰で、こうして素敵な嫁とも出会えました。
  先生、ありがとうございました。
  また今度、先生の大好きなロールケーキ持って挨拶に行きます!

 
 
  パンチパーマの神様
   
 
  親子の会話
 
  終電の仕事帰り、
  途中の駅からいわゆるヤンママと、
  襟足の長い幼稚園児ぐらいの親子が乗って来た。
  2人ともディズニー一色の服装で、
  子供は首からポップコーンの入れ物をかけていた。
  こんな時間まで、ディズニーランドで遊ばせて
  バカ親だなぁと思っていた矢先、
  その親子の会話が聞こえて来た。
 
  「ママ~、僕いつかディズニーランドに行ってみたいよ」
  えっ?、ディズニー帰りじゃないの?と思ってから、
  親子の会話が気になり、耳はダンボ。
  「じゃあパパにこんど頼もうね~」
  「パパは刑務所でしょ!」
  「バカ、声がデカイよ!」
  「こめんなしゃ~い」
  そんな会話を聞いて、胸が苦しくなった。
 
  話の断片から想像するに、母親は、
  朝から晩まで働きずめで、
  子供は保育園的なところで一日過ごしなから、
  毎日終電で仲良く帰宅しているようだった。
  父親は、しばらく服役してるようで、
  母と子で出所を待っているようだった。
  いろいろ大変だろうけど。
  腐らず真っ直ぐ育てよ!
  かぁちゃん大事にな!
  心の中でエールを送った。

 
 
  木村拓哉  "これで文句ないっすよね"
 

季節は巡り、
花が咲き花が舞い、花が散り花が逝く、
1度起った事を奇跡と呼ぶなら、
2度めは偶然、3度めは必然、
4度めは当然、5度めは日常
きっといつか、風が吹いて、
夢を運んでくる予感…

 
 
  時は絶えず流れ、
   今、微笑む花も、明日には枯れる







P R
きれいなお風呂・宣言


 
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お風呂物語

信じれば真実、疑えば妄想

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー、


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

 
韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期という動乱の時代に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
そこから始まる彼の活躍…
「国士無双」「背水の陣」「四面楚歌」。
そんな彼を描いた小説。

 

 
韓信-18・乱世
彼に相談しろと。ところがこれが失敗だった」
「太子が言うことを聞かなかったのですか?」
「その逆だ。田光は太子の話を聞き、
すっかり同調してしまったのだ。
もっと分別のある奴だと思っていたのだが……。
田光は刺客を送ることを提案し、
その実行役として太子に荊軻(けいか)という男を推した。
そして田光は国家の秘事を明かさぬ証として、
自分の首を斬って死んだのだ」

「烈士、ですね。私の母親はそういうのを嫌っていました」
「わしだって嫌いだ。あんな形で死なれてしまっては、
刺客を送らないことは義に背く。
議論の余地をなくす、ずるいやり方だ……。
こうなってはもはやわしの出る幕などはなく、
荊軻を刺客として咸陽に送り込み、
秦王を殺すという方向に、燕の国策は定まった。
そこでどうやって荊軻を咸陽に潜り込ませるかだが、
亡命者の樊於期を捕らえて殺し、
その首を献上する形をとるのが最上だとされたのだ。
太子の義侠心より国策が優先される結果となったわけだな」

「樊於期は殺されたのですか」
「秦に復讐できると聞いて喜んで死んだ、という話だ。
真実かどうか疑問だが。
真実ならば樊も烈士の類いだな……。
かくて荊軻は樊の首を持って始皇帝の前に立ったが、

匕首

あいくち

ひとつで殺せるほど
剣技に長けているわけでもない。
結果は案の定、失敗だった」
「秦王の怒りは、よほどのものだったでしょうな」
「然り。……それからわずか十ヶ月で

けい


(燕の首都。現在の北京市)は陥落し、
我々は東へ逃れたが、
そこで太子の首を献上すれば国は助かると献案する者がいたので、
燕王は太子を斬ってしまわれた。
わしはこれにも反対したのだ。
無駄に命を奪うことをせず、
生き延びることだけを考えましょう、とな……。
しかし結局太子の首を届けても秦は許さず、
進軍を止めることはなかった。
わしは太子が斬られた時点で国を離れ、逃亡した。
そしてたどり着いたのが、ここだ」

韓信は、疲れを感じた。長い話だったこともあるが、
自分がもし太子丹の立場であったら、と思うと
まったくどうするべきかわからなかった、ということもある。
「先生は……この地に潜伏し、
秦に復讐しようとでも思っていたのですか」
栽荘先生は、気恥ずかしそうに答えた。
「いや、それはない……。
国が滅亡する羽目になって、正直わしは疲れた。
この地で静かに、人知れず余生を過ごそうと思ったまでだ。
しかし……秦への恨みがないわけではないし、
太子の思いも成就させてやりたい。
だがわしはこの通り老齢で、おまけに死に瀕している。
だから、わしや太子の思いは、
お前に託すことにした」韓信はびっくりした。
びっくりして言葉もうまく出ない。

「そんな……眛がやってくれるでしょう。私はとても……」
「自信がない、とでも言うのか。
大丈夫だ、お前は物事を客観的に見れるし、
その意味では太子のように感情に流されることもないだろう。
さしあたっては、眛の後を追って、項梁のもとへ行け。
おそらくあの軍がいちばん現状ではまともな軍だ」
韓信は気が進まなかった。
項梁など、もと貴族ではないか。
貴族のために戦ってやる義理は、自分にはないように思えた。
しかし、死に瀕している先生にそのようなことは言えず、
二、三日の間逡巡しているうちに、
栽荘先生は息を引き取ってしまった。
先生の遺体を埋葬するときに、
見知らぬ者たちが何人かいたのを韓信は認めたが、
その者たちが燕の遺臣であろうことは想像に難くなかった。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.

愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る

歌は心の走馬灯、
花に例えた古い歌
 今さら聞いても、歌っても、 
 何処に置いても、飾っても
  花も歌も、枯れてゆく....
  人生、絵模様、万華鏡...


 
「プラチナボイス」が心を刺激する!
川上大輔 「意気地なし」

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……


時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる



 
 
 
 
 
 
 
 

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