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2015年6月

2015年6月30日 (火)

歴史・履歴への許可証

歴史・履歴への許可証

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

夢はでっかく、根はふかく。
花を支える枝 枝を支える幹 幹を支える根 
根はみえないんだなあ



Kobanasi_3

西郷隆盛と馬
鹿児島県鹿児島市の民話


近代日本を作った偉人の一人に西郷隆盛がいます。
この西郷隆盛は、ちょっと変わった行動をする事でも
有名だったそうです。
西郷隆盛の、ちょっと変わった笑い話です。

ある日の事、西郷さんはお百姓の家で、
ふかしたてのサツマイモをごちそうになりました。
「おおっ、うまかサツマイモだ」
そのサツマイモを気に入った西郷さんは、
ざるに盛り上げたサツマイモを一人で
全部たいらげた上に、お土産として
一俵もサツマイモをもらったのです。

ですがいくら力持ちの西郷さんでも、
一俵(→約50㎏)のサツマイモをかついで
帰るのは大変です。
そこで西郷さんはお百姓に馬を貸してもらうと、
ポックリポックリと上機嫌で帰って行きました。

ところが途中の坂で馬がよろけて、
背中のイモ俵を落としてしまったのです。
落ちたイモ俵からサツマイモが飛び出して、
坂道をコロコロコロコロと転がって行きました。
「しもうた。イモが、逃げおるわい」

ところが西郷さんは、転がって行くサツマイモを
拾おうとはしません。それどころか馬に向かって、
こう文句を言ったのです。
「イモが逃げたのは、お前の不注意だ。
待ってやるから、お前が始末せい」
そして西郷さんは、のんびりと
タバコをふかし始めました。

しかしいくら西郷さんに文句を言われても、
馬がイモを拾うはずがありません。
馬は気持ちよさそうにタバコをふかす西郷さんの隣で、
じっと立っていました。

そこへ通りかかったお百姓が、道いっぱいに
散らばったサツマイモを見て西郷さんに尋ねました。
「こりゃあ、どうしたんですか?」
すると西郷さんは、大きくタバコをふかしながら
言いました。
「なあに、馬がイモをこぼしたで、
『自分がした事は、自分で始末せい』と、
教えとるところです」
「・・・はあ。馬にですか」

お百姓は、あきれてしまいました。 
(西郷さんは偉いお人だそうだが、
何とも変わったお人だ)
お百姓はサツマイモを拾い集めると、
元の様に馬の背中に乗せて、
そのまま行ってしまいました。

さて、それからしばらくしてようやく
タバコを吸い終えた西郷さんは、
大きなあくびをすると馬の方に向き直りました。
「おおっ、ちゃんと自分で始末できたな。
やれば出来るじゃないか」
西郷さんは馬の手綱を取ると、
何事もなかったかのように
ポックリポックリと帰って行ったそうです。


おしまい


瓜子姫



大声、小声

むかし、あるところに、百姓の兄弟がいました。
弟は良く働くのですが、ちょっと頭が弱いのが欠点です。
ある日の事、二人で野良仕事をしていましたが、
ちょうどお昼になったので兄が言いました。
「先に帰って飯を炊いておくから、呼んだら帰って来いよ」
「はい、兄さん」
やがて飯が炊けたので、兄は外に出て弟に言いました。
「おーい。飯が出来たぞー!」
すると弟は、畑から大きな声で返事をしました。
「わかったよ、兄さん。クワを盗まれないように、
あぜに隠してから行くからー!」

さて、二人で昼飯を食べている時に、
兄が弟に言いました。
「弟よ。物を隠す時は、
人にわからないようにするもんだぞ。
お前みたいに大声で言ったら、
誰かが聞いて盗んで行くかもしれんぞ。
大声には、気をつけたがいいぞ」
「なるほど、大声には気をつけるか」

昼飯が終わって先に弟が畑に帰って見ると、
何とあぜに隠してある兄弟の大切なクワを
誰かが盗もうとしているところでした。
(大変だ! すぐに兄さんに知らせないと!)

びっくりした弟はすぐに大声を出して
兄を呼ぼうと思いましたが、
さっき兄に大声を注意された事を思い出して、
慌てて口をふさぎました。
(困ったな。早く兄さんを呼ばないと、
クワが盗まれてしまう)

そこで弟は急いで家に帰ってくると、
兄の耳元に口を寄せて小さな小さな声で
そっと言いました。「兄さん。クワが盗まれそうだ」

その後、兄は急いで畑に行きましたが、
クワはもう盗まれた後でした。

おしまい


女主人と召使いの女たち





人の為(ため) と
書いて、
いつわり(偽) と
読むんだねぇ





誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。



時は絶えず流れ、
  今、微笑む花も、明日には枯れる 






P R

カビの生えないお風呂

お風呂物語

furo








2015年6月29日 (月)

漢の韓信-74(妄想劇場)

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
「国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。



漢の韓信-74ー西魏王の娘


黄河の流れは蒲坂(ほはん)
臨晋(りんしん)のあたりで関中台地から流れてきた
支流の渭水と合流する。
魏豹と韓信が互いに黄河を挟んで陣を置いたのは、
ちょうどこの合流地点であった。

その合流地点のやや手前、北よりの関中側の地点に
夏陽(かよう)という城市がある。
韓信が別働隊を置いたのは、この夏陽であった。
ここを渡河地点として対岸に渡れば、
魏軍の後背をつくことができる。
韓信自ら指揮する臨晋の船の部隊は、
実は囮であったのだ。

別働隊の将は、曹参(そうしん)である。
沛時代からの蕭何の部下であり、
劉邦旗揚げ以来、最古参の男であった。
韓信などより年齢も上、身分は韓信が
左丞相であるのに対し、曹参は仮の左丞相であった。

韓信が曹参に最も重要な局面を任せたのは、
そのような事情に配慮したからのようである。
戦闘開始に先立ってあらかじめ木製の瓶(かめ)を
大量に買い集めた韓信は、
これを曹参に言い含めて託した。

曹参は別働隊として夏陽に到着するや否や
これを加工して筏とし、魏軍が
蒲坂にくぎづけになっているところを尻目に
渡河に成功した。
そして後方の城市を次々と陥落させたのである。

魏豹は驚き、兵の大半を曹参の軍に対抗させたが、
これが原因で臨晋から韓信率いる本隊の
上陸を許してしまった。
結果的に彼は、二方向から挟撃される
結果となったのである。

「魏豹を殺すな! 生け捕りにせよ」
渡河してしまえば兵力の差は歴然としている。
韓信は上陸してようやく息を吹き返した
カムジンを先頭に立たせ、悠々と魏豹を
包囲することに成功した。

いっぽう曹参は西魏の首都平陽に攻め入って
魏豹の妻子を虜にするなど、ことごとく平定に成功した。
その結果、平陽は曹参の食邑となったのである。
「蘭、どうする。対面するか」
虜囚の身となった魏豹の前に蘭は無言で現れた。

「殺すなよ」「……殺してやりたい……憎いのです」
「一時の感情、屈辱に屈するな。
大事をなそうとする者は、そういうものに
耐えなければならない。耐えられないのなら、
忘れてしまえ。
小人物を殺したところで、君の名誉には決してならない」

「それは……かつて将軍が無頼漢の股の下を
くぐった経験から、おっしゃっているのですか」
「……誰にそんなことを聞いたのか知らぬが
……その通りだ」

「……わかりました。忘れることはできませんが、
耐えてみせます」そう言った後、
蘭は、捕縛されている魏豹の前に立ち、
敢然と言い放った。
「親子の縁は、もともとかりそめのもの。
今後私はその縁を断ち切らせていただきます」
そしてつかつかとその場を立ち去った。

――うむ……そうだ。それでいい。
韓信は蘭のその様子に、自分に似た姿を
見たような気がした。
魏豹はそのまま滎陽へ送られ、
漢の一兵士として扱われることとなった。
王位は取りあげられ、平民におとされた。
後任の王は置かれず、
西魏は河東、太原、上党の三郡として
漢の直轄地とされた。

旧魏の王族は死滅したわけではないが、
王国自体がなくなった以上、
すべて身分を剥奪されたのと同じである。
そしてそれは公女の魏蘭も同じであった。
結果的に、魏蘭を利用して韓信を王としようとする
蒯通の目論みは外れた

つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.

愚人は過去を、賢人は現在を、
狂人は未来を語る



歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



『空港』 石川さゆり



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



『空港』 テレサ·テン





時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる





P R
カビの生えないお風呂

お風呂物語

furo










妄想劇場・番外編(18禁)

妄想劇場・番外編(18禁)

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

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18歳未満禁止の内容が

含まれています
18歳未満の方は
ご遠慮下さい。






時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる



アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


『最後の夜』


前に、この旅館に私と晃子が来たのは、
3年前のやはり冬だった。
人の良さそうな宿の女将が、
私達二人を迎えてくれた。
それ以前にも、ここへは何回もきているので
女将とも顔なじみである。
部屋からは雄大な日本海が見えるが、
あまり大きくない旅館だった。

いつか、最後の時はここが良いと、
前から私は思っていた。
それは晃子も同じ思いだったようだ。

「いらっしゃいませ、こんな時期に
良くいらして下さいましたね」
「ええ、またお邪魔しましたよ、お女将さん」
「はい、でもこんな日には、お二人様しか
まだお見えになっておりませんのよ」

優しそうな女将は、いそいそと私達を歓迎してくれる。
彼女は、私と晃子が不倫だと言うことは
分かっているのだろう。
しかし、余計なことは言わずに、
相変わらず人の良さそうな顔でニコニコしながら
迎えてくれる。
「そうですか」
「はい、どうぞごゆっくりして下さいませ」
「はい、お世話になります」

私は懐かしい女将の顔を見て言った。
「お女将さんにはいつも世話になっているので、
つまらないものですが、これを」
私は東京駅で買った紙袋のお土産を女将に渡した。
「あら、わざわざ、すみません、こんなにして頂いて、
有り難うございます」

こうしておくだけでも、女将の対応が違うのを
私は知っていた。
なぜなら、今度の旅行は私達にとっては
特別だからである。
(この旅館に、世話をかけるかもしれない・・)
私は心の中でそう思っていた。

「あの女将さん、あの海に面したあの部屋は
空いていますかね」
「ええ、勿論ですよ、お電話で仰有っていましたしね」
「ありがとう、あの部屋は私達の
思い出の部屋でしてね」

「そうでしたか、では後で熱いお茶を
お部屋にお持ちしますね」
「そうしてくれると有り難いな」
「はい、お部屋のお風呂は沸かしておきました、
いつでもどうぞ」
「そうですか、それは助かります、
身体がこんなに冷えているのでね」
「どうぞ、ごゆっくり、お食事はその後で
よろしいですか?」
「はい、結構です」

私と晃子はその旅館の思い出の部屋に入った。
いつもその部屋を私達は予約している。
何故なら、その部屋で私と晃子が初めて
交わった部屋だからだ 。
日本海に面したその部屋からは今日は
何も見えない。

薄く霧が掛かったような雪が舞っており、
それ意外 何も見えないようだ。
まるで、白く薄いカーテンが暗空に
掛かっているようだった。
その隙間からは、海が雪を包み込みながら
うねっている。

もし、その季節が違っていたら、お
そらくは最高の景観だろう。
目の前の日本海は大きく広がり、
壮大な景色を展開するはずだ。

しかし、この極寒の時期ではそれを
望むべくもない。
まだ夕方だというのに、その美しさを見せることを
拒否しているようだった。
しばらく、私と晃子は窓の外の景色を見ていると
部屋の外から声がした。

「あの、熱いお茶をお持ちしました」
若い仲居が、お菓子とポットを持ってきた。
「ありがとうございます、熱いお茶は
身体が温まりますからね」
「はい・・」
若い仲居はどこか女将に似ているようだ。
私は思わず彼女に聞いた。
「あの、失礼ですが、お女将さんのお嬢さんですか?」
「はい、そうです、よく言われます」
「なるほど、そうですか、前に来たときには
お見かけしませんでしたので」
「はい、私は東京の大学に行っていますが、
今はお休みなので、こうして・・」
「そうでしたか、私達も東京から来たんです」
「あら、そうでしたか・・」

やはり私が思った通りだった、こんな地方には
似合わない感じのセンスと、 若い華やいだ美しさを
私は感じたからである。

「あの・・お食事は食堂に用意しておきますので、
お時間になったらお越し下さい」
「分かりました」
「あの、それで・・」
「はい、何でしょう?」
「お布団はどうしましょう、後で参りましょうか」
「あ、いえ・・結構です、
私達が勝手に敷きますので」
「分かりました、ではよろしくお願い致します、
もし何かあればあのお電話で・・」
「はい、了解です」

どうやら彼女は気を利かしたらしい、
この後は私達だけの時間が待っている。
再び、私と晃子は二人だけになった。
長い旅の中でようやく二人だけの時間が出来たようだ。

「綺麗な方ね、あたし少し妬いちゃったわ、
啓介さんたら・・」
晃子は少し口を突き出して私を皮肉る。
「馬鹿だな、晃子・・」
私は晃子を抱き寄せ、キスをする。
(あん・・)
彼女の身体は熱くなっていた。

晃子は人妻であり、子供は居ない。
彼女は夫とは夫婦仲が良くなく、その原因は
夫の浮気だった。
それまでの晃子は、良い妻だったが、
夫の浮気を知ったときから狂いだした。
自分を裏切った夫を許せなかったのだが、
いつしか自分も同じ運命を辿ったようである。
その相手が私なのだ。

その私にも妻が居る、今は別居状態だが
独身と同じだ。
そんな二人が近づいたのは
必然だったのかも知れない。
まさに運命の出逢いだった。

心を引き合った私達は愛し合った。
これ以上愛せないほど愛し合っていた。
しかし不倫同士の恋は長続きはしない、
いずれ破綻が来る。
お互いの家庭を破壊してまでの
勇気が二人にあるのか・・・・
だが二人にはその勇気がなかった。

でも、それでも私達は離れることが出来ない。
いつまでも二人で寄り添っていたい。
この矛盾をどうすれば良いのだろうか・・
こうして私達が出した結論はその道しかなかった。
それは、二人だけで、まだ見ぬ
あの世界へ旅立つということである。

その為にこのうらぶれた地方へ着て、
静かに最後を迎えようと思ったのである。
今夜、晃子を抱き、激しく愛し合った後に、
それを行うのだ。

遅くなった時間に、二人でこの旅館を抜け出し、
深々と降る雪の中を、どこまでも白く深く積もった
雪の中を歩き、
それ以上歩けなくなった場所で、私達は歩くのを止め、
雪のベッドで抱き合い
そこで冷たくなり、白く美しいままで永久に眠るのだ。

今、私と晃子は、風呂から出た熱い身体で
裸で抱き合い結合している。
これが最後だと思うと晃子は燃え、
私の◎ニスを締め付ける。

その熱い晃子の思いに耐え切れず、
私は彼女の中に思い切り◎精した。
晃子も甲高い声を出し、登りつめていた。
(啓介さん、あぁ・・逝く!)

窓の外の雪が降るのを、少しあけた障子越しに
私達は見つめていた。
「綺麗な雪ね、明日には背丈ほど積もるのかしら・・」
「そうかもね」
私に肩を抱かれ、身体を密着して寄り添っている
晃子を見つめる。
晃子も私の目を見つめ返していた。

眼が澄んでいて、私は美しいと思った。
この眼も明日には見られなくなる・・
私達に残された時間はまだ数時間ある。
それまで、もう少し晃子を抱いていたい。
外の雪は降りしきっていた。
今夜は吹雪になるかも知れない



Author :官能小説家
http://syosetu.net/pc/author.php?no


昨日という日は歴史、 今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー



替え歌 (※リンゴの歌 )



Tinko_2
人の為(ため)と
書いて
いつわり(偽)と
読むんだねぇ




誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……





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カビの生えない・お風呂

お風呂物語

furo










2015年6月28日 (日)

チャンネル掲示板

チャンネル・ニュース

幸せがつづいても、不幸になるとは言えない
 不幸がつづいても、幸せが来るとは限らない


Mousou

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

『おじさんと痴漢

社会人1年目のちょうど今頃、朝の地下鉄車内で
痴漢に遭いました。
ものすごいラッシュで逃げようもなくて、
半泣き状態だったところ
「悪ぃな、ちっと詰めてくれや」と
大きなカゴを持ったおじさんが痴漢と私の間に
割り込むように立ってくれて
痴漢のおやじをぎろりと睨みつけてくれました。

その後、痴漢が電車を降りるとおじさんは
本当に小さな声で 「ああいうのはどうしようもねぇな。 
・・・すぐ気づかなくてゴメンな」。
ありがとうございます、と言うのが精一杯の私に
「俺も娘がいるんだよ、あんたもお父ちゃん
大事にしてやってくんな」 と照れ笑いしていたおじさん、

本当にどうもありがとう。
私は小さいころ父親を亡くしていたので、
天国の父が助けにきてくれたようで
実はその後、嬉しくてちょっと泣いちゃいました。
東京の日比谷線でのことでした。
おじさんは築地まで行ったのかな・・・。




『旦那の写真を見た友人が、
予期せぬ事を告げる 』





『忘れられない 笑顔

俺が中坊だったときのこと。
とても仲の良い女の子がいた。
彼女は学校でも評判の可愛い娘だった。
しかし、浮きだった噂も無く純情な娘だった。
彼女は俺と話すとき、いつも笑ってくれていた。
当然のように俺は彼女に惹かれていった。
一緒に映画を観に行ったり、
カラオケにも行ったりした。
クラスメイトからはよく『お前ら付き合ってるのか?』
と言われたりしたが、付き合ってはいなかった。

彼女は遊びに行くときだって笑顔が絶えなかった。
俺はそんな彼女のことが本当に好きになった…
いや、愛していた。
『恋は下心、愛は真心』という言葉を
耳にしたことがあるが、正にその通りだな(笑)
高校も同じトコへ行こうと約束していた俺たちは、
いつでもこのままいられると思った。
だが…彼女の様子がおかしくなったのは。
中坊時代最後の3学期が始まってからだ、

彼女は学校であまり笑顔を見せないようになった…
無論、俺にも。
そんな様子が続いていたから当然俺はとても心配した。
だけど何もできなかった…
笑っていない彼女を見るのが辛かった…。
そしてそのまま迎えた2月14日。

彼女は俺を近くの公園へ呼び出し、
チョコレートをくれた。
最高に嬉しかったが、何故か彼女は
泣いているような気がした。
そのまま言葉も無くすぐに帰ってしまったので
確定できなかったが、間違いなかった。
俺はそれよりも彼女からチョコレートを
貰えたことに感動し
その日はずっと家でそれを眺めていたんだ…。

………馬鹿だった…。
次の日、学校へ行くと彼女は欠席していた。
先生の口からは絶対に信じたくない言葉が発せられた。
その瞬間、俺は教室から飛び出し、
彼女の家へ向かった。
遅かった…彼女は両親の離婚が関係し、
転校したんだ。
もうあの日々は二度と経験できないと思うと
涙が出てきた。

それから、彼女の友達からこの言葉を聞いた。
『あの娘、あんたのこと好きだったみたい。
いつも楽しそうにあんたのこと話してたよ。』
俺は彼女のあの最高の笑顔を
絶対に忘れない…いや、忘れたくない。



『富士山の思い出』

中1の時、仲の良い友達4人で富士山に登った。
中学生同志で富士山に登るなんて、
今考えたら変な話だが、
休み時間に『やっぱ日本一には登らんと』という
よくわからん理由で 夏休みに登りにいった。
俺を含め3人は普段運動が得意で
頭が弱い典型的なスポーツ馬鹿だったが、
あとの一人はどちらかというと運動オンチで体も弱く、
俺達はそいつには行くのを止めるように勧めた。
そいつも『足手まといになるのは嫌だな』と言いながら、
ちょっと悲しい顔をした。

その日の夜、そいつの(S)の母親から電話があって、
『一緒に登らせてやれないかな?』と言われ、
俺はちょっと躊躇したが他の2人を説得するのを
約束して電話を切った。

次の日の朝、Sは『昨日おかんが変な電話したらしいけど、
ゴメンな』と申し訳なさそうな顔で俺に話し掛けてきた。
『ええやん 一緒に登ろうや!』と言うと、
『ほんまに?』と満面の笑みで喜んだ。

待望の夏休みになり、4人で富士山の
五号目まで行くバスに乗って、富士山を目指した。
4人ともやけに興奮していて しゃべり続けていた。
特に普段4人のツッコミ役でボソボソとしか
しゃべらない(S)が一番大きな声でしゃべっていた。

5号目~6号目~7号目までは登山とはいえ、
まだ緩やかな坂道で(S)君も息を切らせながらも
なんとか登っていたが、
7号目~8号目になると斜面もきつくなり、
みんなでSのペースに合わせながら一緒に登った。

8号目につくと今日の寝床がある。8号目の宿だ。
そこで夕飯をとる、といってもレトルトのカレーだったが、
うまいうまいといいながら、みんなで食べた。
飯を食った後、砂まじりの布団に潜り込み、
『明日は晴れて ご来光が見れるとええな!』などと
はしゃいでいた。
俺はちょっと青白い顔をしていたSが心配になり、
『大丈夫か?』 と聞くと、
『大丈夫や!』と青白い顔をしてSは答えた。

(S)君に起こされ、夜中に宿を出る。
夜が明けるまでに頂上にたどりつくためには、
夜中に出ないと間に合わない。

9号目に差し掛かったところでSがうずくまって
歩けなくなった。
どうやら酸欠状態になったらしく、
俺は8号目の宿まで 酸素の缶スプレーを買いに戻った。

S君は苦しそうにしていたが、大分マシになり、
再び頂上を目指し始めた。そしてようやく
頂上についた。
頂上ではご来光を拝むための人だかりができていて、
俺達もそのなかに混ざった。
数分後、空が白みはじめると、
雲の中から太陽が姿をあらわした。

『スゴイな』と俺が言うと(S)は嬉しそうに
『うん』と言った。
その時の喜びは今まで生きてきた中でも最高だ。

高校になると、4人ともバラバラになり、
(S)は親の都合で東京に引っ越した。
高校に入ってからも、他の3人とはちょくちょく会い、
(S)とはたまに電話で近況報告をしたりしていた。

(S)はいつも自分の近況報告はせず、
富士山の時の思い出話をすることが多かった。
その後、俺は浪人生で受験の真っ只中、
(S)に連絡することも忘れていた時に
(S)の母親から連絡があった。

『今日息をひきとってな。。。
あの子、いつも富士山の時の話ばっかりしてたわ 
ありがとうな ありがとうな・・・・』と泣きながら
俺に礼を言っていた。
俺が『死んだってどういうことですか!?』というと
(S)の母親は話をしてくれた。

(S)はすでに高1の終わりに、病気で高校に
行けなくなり、ずっと家で静養していて、
ここ数ヶ月はずっと状態が悪く、
今日息を引き取ったということだった。

電話を切った後、不思議と涙は出なかった。
というより、急過ぎてなにが起こったのか
わからなかった。
数日立ってから、富士登山の時の
写真をみたときに涙があふれてきて、
涙が止まらくなった。

(S)が『うん』といったあの時の
嬉しそうな顔は今でもあの時のまま、
俺の記憶に焼き付いている。……



『リストラされ離婚を覚悟していた私



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる





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カビの生えない・きれいなお風呂

お風呂物語


furo









2015年6月27日 (土)

漢の韓信-73(妄想劇場)

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
「国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。



漢の韓信-73ー西魏王の娘


いま将軍に私が申すべきは、お悔やみ申し上げます、
といったところでしょう。
さりながら同時にお慶び申し上げます、とも
言わせていただきます」
蒯通の弁舌は、韓信には謎掛けのようでよくわからない。
韓信はこのときもいったい彼がなにを
言おうとしているのかがわからず、
戦闘前の忙しいさなかということもあって、
いらいらする気持ちを抑えられなかった。

「蒯先生。先生のような縦横家はそのような論調で
相手を手玉に取るのだろうが、私に対する時は
もっと単刀直入に物事を述べてほしい。
先生はいったいなにを私に言いたいのか」
蒯通は韓信に対して再拝し、滔々と意見を述べ始める。

「将軍は、天下を統べるお力をお持ちです。
それでありながらこのたびも漢王の手駒となりおおせ、
命じられるままに動いておられます。
これを私は、お悔やみ申す、と言っているのです」
「なにを言う。私は漢王麾下の将軍である。
先生の言う手駒という表現にいい気はしないが、
実際はその通りだ。
臣下が主君の命に従うのは当然であろう」
韓信はどなりつけたい衝動に駆られたが、
蒯通が自分を高く評価して物を言っているのが
わかったので、なんとか我慢している。

「狩人は、野の獣を取り尽くすと、
猟犬を煮殺すものです。どうか深くご考慮を」
「……狩人が漢王で、猟犬が私だと言いたいのか。
なんという不遜なことを。まあいい、
考えておこう。

それでどういうわけで今度は
お慶び申し上げます、なのか?」
「将軍は、魏の公女を手中に収められました。
魏豹を討ち、かの公女を前面に押し立てれば、
将軍が魏王を称することも不可能ではありません。
そのためお慶び申し上げます、と
いったのでございます」

韓信は苦虫を潰すような顔をした。
「手中に収めるなどと……嫌な言い方をする。
私と魏蘭とはそのような関係ではない。
それに私には彼女を政争にまきこむつもりは
これっぽっちもないのだ」
「ほう、意外でしたな。

かの蘭という娘は器量も常人以上、
将軍にお似合いだと思ったのですが……
将軍にはあまりお気に召しませんでしたか」
韓信は体温が上昇するのを感じた。
蒯通が指摘しなかったから不明だが、
もしかしたら赤面していたかもしれない。

「縦横家というものは、そうやって女性の外見にも
論評を下すものなのか。
しかし私の好みは、……もう少しふくよかな女性だ。
蘭は確かに美人ではあるが、私の好みとは……」

そのとき後方に当の魏蘭の姿が見えた。
その姿は相変わらず軍装を施したままである。
結局韓信は魏豹を討つにあたって蘭に
その様子を前線で見せることにしたのだった。
蒯通はにやりといやらしい笑いを浮かべながら、
言うのだった。
「失礼します。将軍、魏の公女を得たことは、
この上もない機会ですぞ。
身をたてるには何ごとにも機会が大事です。
機会、機会! よくお考えください」
そう言って蒯通はその場を立ち去った。

蒯通は明らかに韓信を使嗾し、煽動している。
韓信は自分の運命というものを
考えずにはいられなかったが、
深く思考したところで答えが見かるものでもない。
しかし、劉邦に背いて自立する、というのは
どう考えても自分らしい生き様だとは思えなかった。

このとき韓信は任じられて左丞相となり、
軍の管理などにおいてほぼ自由な裁量を与えられた。
丞相の権限については諸説あるが、
実質的な総理大臣というのが一般的な見方である。

また左丞相もあれば右丞相もあり、
どちらかが上位に立つのだが、
これは王朝によって異なるものである。
この時期の漢の場合、内政の長として
蕭何が存在しているので、韓信が左丞相ならば、
蕭何が右丞相であり、蕭何の方が不文律で上位に立った。

韓信は征服地の占領政策などを
副首相のような立場で一任されたのである。
このとき韓信は気が進まなかったものの、
蘭を中軍に置いた。
「蘭、常に私の見えるところにいるのだ。
戦闘中は馬が興奮するかもしれないから、
気をつけるのだぞ。
最低でも、カムジンより前には出るな」
蘭は緊張しているらしく、韓信の言葉に
こくりと頷いてみせただけであった。

魏軍は函谷関の近く、黄河の北岸の蒲坂に大軍を集め、
漢軍は対岸の臨晋に陣を取った。
「川を前に陣取ることは兵書の通りで
魏豹はそれを実行している。
しかし、敵が渡河してこない限り恐れることはない。
こちらも川を前に陣取っているからだ。
どういう形でもいい、渡河して敵陣に
飛び込んだ軍の方が勝つ」

そこで韓信はあからさまに川岸に船を連ねて、
あたかも大軍が渡河を試みているように
魏軍に見せかけた。船は弓矢の射程距離ぎりぎりのところで
進んでは退き、また進んでは退き、を繰り返す。
それは魏軍を挑発しているかのようであり、
逆に攻めあぐねているかのようにも見えた。

「韓信は漢軍随一の将だという話であるが、
噂ほどではないな!」対岸の魏豹は周囲の者にそう話し、
まともに迎撃する必要はない、と判断を下した。

このままにらみ合いが続き、兵糧が先に尽きた方が
撤退すると考えたのである。
魏豹はあらかじめこうなるであろうことを予測し、
根拠地である平陽からの補給路を
充実させておいたのである。

「将軍……大丈夫なのですか? 
戦況が膠着状態になっていることが、
私にもわかるくらいです。
このままで魏豹を捕らえることが可能なのでしょうか?」

それまでおとなしくしていた蘭が船上で
韓信に問いかけた。滞陣四日めのことである。
「心配するな。布石は打ってある。
明日の昼前には渡河の機会が訪れるはずだ。

それより蘭、カムジンの様子が変だ。
見てやってくれないか」
カムジンは騎馬戦では尋常でない能力を示すが、
船に乗ったのはこれが初めてだった。
川の流れは緩やかだが、彼はそれにも耐えられず、
船酔いの症状を示していたのである。

「カムジン、大丈夫? 
……ふふ、勇士だと聞いていたけれど、可愛いのね」
「すみません」介抱されるカムジンを見て韓信は、
憎まれ口を叩いた。
「カムジン、その様子では別働隊の方に
お前を配置した方がよかったな!」
別働隊の存在を蘭が知ったのはこれが初めてだった。
韓信としては蘭を陣中に置くことは決めたものの、
ここに至るまで彼女が魏と通じているかもしれないと疑い、
話さないでおいたのである。

つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.

愚人は過去を、賢人は現在を、
狂人は未来を語る



歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



『赤いグラス』 石原裕次郎&八代亜紀



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



『赤いグラス』 アイ・ジョージ 志摩ちなみ 




時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる






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カビの生えないお風呂

お風呂物語

furo











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言葉の魔術師

言葉の魔術師・言葉の達人

達人たちは1曲の詞を書くために、
言葉を巧みに操り、
その時代を象徴する言葉を探した。
その言葉は多くの老若男女の心を掴んで離さず、
その歌は大ヒットした。


「孤独がつらく感じるとき」
「愛することがよくわからなくなったとき」
いつも、勇気と力を与えてくれた…、
作詞家は言葉の魔術師である。
そんなプロの「作詞家」の皆さんを紹介します。


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NHKのステージ101のオリジナルソング
「怪獣のバラード」で作詞家としてデビュー。
その後、ロンリーチャップリン、来夢来人など
数々のヒット曲を生み出し、訳詞した作品を合わせて、
約2000曲を世に送り出している作詞家の

「岡田冨美子」さんです。

代表作
「ロンリー・チャップリン」
 /鈴木聖美 with Rats & Star
「来夢来人」/小柳ルミ子
「スシ食いねェ!」/シブがき隊
「真夜中のシャワー」/桂銀淑 など多数。



歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…


真夜中のシャワー

作詞:岡田冨美子・作曲:浜圭介

真夜中に熱いシャワーを浴びて
夏がくれたワンナイトラブ
しずくにしてみたけど…
それはむなしい努力みたい
鏡の中で逢いたい心がときめく
FEELING 瞳閉じて
FEELING あなたを呼び
FEELING 拒みながら
FEELING 求めてゆく
淋しい私が眠りにつくまで
FEELING 愛に酔わせて





桂 銀淑(ケイ ウンスク、韓国語:계은숙、
1961年7月28日 - )は、韓国ソウル市永東出身の
女性演歌歌手である。
ジャンルは演歌に分けられているが、
曲調は、歌謡曲やバラードに分類される。
独特なハスキー・ヴォイスで数々の
ヒット曲を飛ばし、多くの音楽賞を受賞。


作詞論
 詞を書き始める前に、コンセプトなど
 一切考えないので、1番が出来上がるまで、
 どんな物語になるのか自分でもわかっていない。
 取材旅行にも行かない。


作詞家になったきっかけは?
 
なぜか、ある日、突然。

プロ、初作品について
 
NHK「ステージ101」のオリジナルソング
 …怪獣のバラード(ワカとヒロ)。


作品を提供したいアーティスト
 中島美嘉さん。

あまり売れなかったが、私の好きなこの歌
 キム・ヨンジャさんの「東京の夜は短くて」

なぜ「詩を書くことを選んだか」
 
なんとなく……書いてみたら書けたから。

プロの作詞家になりたい人へのアドバイス
 
妄想をたくましくすること。

一口メモ
 レコーディングのとき、石原さんに、
 この歌は演歌ではないと言われ、
 その理由がわからなくて、この人は
 何を言っているのだろうと思った。
 それから何年もたってから、演歌の詞には
 様式があるということを知り、
 三日月情話は演歌の様式からはずれた
 詞であることに気づき、やっと石原さんの
 おっしゃった意味がわかった。

私の好きなあのフレーズ
 「窓をあけると未練が光る
 沖行く船があなたに見える」


プロフィール 
 
岡田 冨美子(おかだ ふみこ)広島県出身。
 別ペンネームは岡田ふみ子、FUMIKO。
 津田塾大学英文科卒業後、
 TBSの音楽番組のタイムキーパーを経て、
 1972年に作詞家デビュー。
 JASRAC理事を務めている。
 英文科出身であり、英語の楽曲の
 訳詞も数多く手がけている。



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる




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カビの生えない・きれいなお風呂

お風呂物語

furo










2015年6月26日 (金)

妄想劇場・一樂編

妄想劇場・一樂編

信じれば真実、疑えば妄想


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


Mituo


人の為(ため)と
書いて
いつわり(偽)と
読むんだねぇ






『あの日の忘れもの』


気が重かった。
小学校のクラス会に向かう電車の中で、
だんだんと胸が苦しくなり、よほど途中で
帰ろうかと思ったほどだった。

新岡鉄平は、建設会社に勤める設計士。
大学を卒業して就職すると、全国の工事現場を
転々とする生活を送っていた。
クラス会の案内状を受け取ったのは、
出欠の往復はがきに書いてある締め切りの
当日のことだった。
実家の母親が、転送するのを忘れていたのだ。
開催日を見ると、たまたま東京の本社への
出張日と重なっていた。

何年かに一度、案内状が届く。
しかし、仕事の都合がつかず一度も
参加したことがなかった。
迷っているところへ、小学校の頃からの親友、
いや悪友のケンジから電話があった。
「おい、クラス会来れるか?」
「おお、案内来てるよ」
「たまには会社サボってでも顔出せよ」
「うん、その日は東京にいるんだ」
「そうか、そうか。それだったらいい知らせがあるんだぜ」
ケンジが少し声のトーンを上がるのがわかった。

「岡やんが出席するんだってさ」
「・・・え?! 居所がわかったのか?」
「おお。いつも幹事やってくれている酒屋の・・・
じゃなかった今はコンビニか。  
まあ、いいや。酒屋のミッちゃんがさ。  
新商品の内覧会とやらに行ったら、
主催者側の挨拶に立ったのが  
どこかで見おぼえのある顔でモヤモヤしたんだそうだ。  
それで、よくよく名前を確認したらさ、
岡やん、岡倉雄二だったってわけよ」

「・・・岡やん、何やってんだ、今?」
「広告代理店の課長だってさ。何だかカッコイイじゃん」
「・・・」 「だからさ、絶対来いよ、お前。
あいつも含めて、俺ら五人仲良かったじゃないか」
「おお、わかった」
「じゃあ、待ってるぜ」
ケンジに、岡やん、ライダーにウンちゃん。そして鉄平。
五人は何をするにも一緒だった。
授業の休み時間はもちろん、
遠足や修学旅行でも同じ班。
家に帰ってからも同じ学習塾に通っていた。

ところが、6年生の秋のことだった。
突然、岡やんが転校することになった。
父親が亡くなり、母親の実家がある札幌に
引っ越すことになったのだった。
それも、向こうで母親が新しく勤め始める仕事の関係で、
来週には出発するという。
悲しんでいられる暇もなかった。
いつも一緒の仲間が、一人いなくなるということは
想像すらできないことだった。

引っ越しの前日、送別会をすることにした。
岡やんは「そんな女々しいことしたくない」と
嫌がったが、 無理やりやることにした。
岡やんの家は引っ越しでバタバタしているので、
鉄平の家に集まることになった。
送別会といっても、別に何をするわけでもなかった。
いつもにように、何の目的もなく集まって
くだらない話をするだけだった。
これがもし、女の子同士なら「プレゼント交換」とか
「食事会」みたいなことをやるのだろう。
これがみんなで集まれる最後の日だというのに、
何の目的もないまま時間を過ごした。

その日は、岡やんが自慢のミニカーを持って来ていた。
亡くなったばかりの父親がミニカーが好きで、
家には100台以上がケースの中に飾ってあった。
鉄平は、岡やんの家に遊びに行くたびに、
そのミニカーを眺めるのが好きだった。
でも、「ちょっと、走らせてもいいか」と聞くと、
「父さんのだからダメだ!」と岡やんは冷たく言い放った。
「いいじゃん、触るくらい」
「壊れたらどうするんだよ」
ちょっとケンカ腰になる口調にたじろいで、
いつもあきらめるのだった。

その中で、一番のお気に入りはシルバーメタリックの
ポルシェ911カレラだった。
それを岡やんは、鉄平の目の前でドアを開け閉めしたり、
机の上を走らせたりして見せびらかした。
とても「いい奴」だけれども、
その瞬間だけ「嫌な奴」に変身した。
「送別会」の日、岡やんは大切にしているミニカーを
10台ほど持ってきた。
「みんなで遊ぼう」と言った。
いつも、あれほど嫌がっていたのに・・・。
やっぱり、これが最後だと思っていたに違いない。

この日初めて、鉄平はポルシェ911カレラに触ることができた。
手のひらに乗せると、思ったより軽く感じられた。
そのうち、これが欲しくて欲しくてたまらなくなった。
値段を聞いてびっくりした。
何でも、ポルシェの販売代理店が店先に
飾るために作られたもので、 売り物ではないらしい。
それをマニアの父親が、ボーナスをはたいて
骨董屋さんで手に入れた代物だという。
それを聞いたら、よけいに眩しく見えてしまった。

ケンジだったか、ライダーだっか、
誰かが、「河原へ行こう!」と言い、
皆で立ち上がった。土手で暗くなるまで遊んだ。
「じゃあな、また明日」と言って別れた。
家に帰ると、机の上に、 あのポルシェ911カレラがあった。
岡やんが忘れて行ったのだ。
少し「悪い心」が鉄平の心に芽生えた。
(このまま・・・) (引っ越しでわからなくなることだってある)
その瞬間、首を横に振った。

翌日、ミニカーをカバンに入れて学校へ行った。
岡やんは、みんなの前で挨拶だけしたら、
すぐに空港へ向かうという。
母親が校門で待っているという。
クラスのみんなが、「元気でな~」
「遊びに来いよ~」と言う中、教室を出て行った。
追いかけることはできた。 教室を飛び出して、
返すことはできた。
でも、鉄平は自分の心に負けて、
ポルシェをカバンの中に仕舞ったまま家に帰ってしまった。

それ以後、岡やんとは、25年会っていない
。クラス会は、小学校の近くの商店街にある
居酒屋で行われた。
なんと40人中、31人が参加していた。
よぼよぼになった担任の小川先生も来ていた。

鉄平が部屋に入ると、例の4人が顔を揃えていた。
ケンジが大声で呼ぶ。
「お~い、鉄平~。こっちへ来い!」
「おおっ」気が重かった。
その原因は、ジャケットの内ポケットに入ってる
ポルシェだった。
「どうしたんだよ、鉄平。疲れてんのか?」
ウンちゃんがおどけて言った。
「こいつ働き過ぎなんだよ。そんな稼いでどうする?」
「・・・」鉄平は、心の中で
「今しかない、今しかない」と思った。
ずっと、ずっと、背負ってきた罪をみんなの前で
白状するんだと。

そして、おもむろにポケットからポルシェを取り出して、
車座になった5人の真ん中に突き出した。
ケンジが言う。「なんだよ、コレ?」

岡やんが、急に顔をほころばせて口を開いた。
「懐かしいなぁ~。まだ大事に持っていてくれたんだ?」
「え!?」
「俺がさ、転校するのが決まったときにさ、  
みんなで送別会してくれたろ。
その時に鉄平に思い出にってあげたヤツじゃないか」
「え? あげた・・・?」
「だってお前さ、いつもコレが欲しい欲しいって言ってたからさ」

鉄平は思った。俺が勝手に記憶違いしてたのか?
ずっと、盗んだと思っていたのに・・・。
でも岡やんは、いつプレゼントしてくれるって言ったっけ。
俺の勘違い? 
頭の中で記憶がぐるぐると回った。
この25年間の苦しみが馬鹿げたことだったとは・・・

しかし次の瞬間、心の中で「いや違う」と首を横に振った。
間違いない。これは岡やんが忘れていったものだ!
そう確信して岡やんの瞳を覗くと、
鉄平の方を向いてやさしく微笑んでいた。
そして、岡やんは小さく小さく、コックリと頷いた。
少々古ぼけたポルシェ911カレラが、
にじんだ涙でキラキラ輝いて見えた。


《終わり》

Author :志賀内泰弘


歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



松尾和子・「再会」  
作詞:佐伯孝夫 作曲:吉田正 


逢えなくなって 初めて知った
海より深い 恋心
こんなにあなたを 愛してるなんて
ああ ああ 鴎にも
わかりはしない




東京都大田区蒲田生まれ、箱根育ち。
戦後、ジャズに惹かれたことと、
家族の生活のために歌手となる。
進駐軍のキャンプやナイトクラブ等で歌ううち、
徐々に人気が上がっていき、やがて、
赤坂のクラブ・リキ(力道山が経営していた)の
専属歌手となり歌っていたときに、
フランク永井に認められスカウト。
吉田正に紹介されて、ビクターに入社。



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる






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きれいなお風呂・宣言

お風呂物語

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妄想劇場・番外編(18禁)

妄想劇場・番外編(18禁)

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

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18歳未満の方は
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昨日という日は歴史、 今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


『裏路地の女』

その日も陽が落ちて
辺りにうっすらと暗闇が訪れる頃、
女達はそこへ立っていた。

どこからか聞こえてくる古いラジオからは
懐かしい演歌が流れ、寂しい
女の心を唄っていた。
「流れ流れて 来ました この女の街へ
棄てられ 傷つき さまよいながら 
行き着く果てにたどり着く
ここは女の棄てどころ・・・

女に生まれ 幸せ薄い 
わたしはひとり ただ一人
それでも いつかは幸せが  
強く生きます 生きていく 
わたしは寂しい路地裏の女
涙も枯れて・・・」

売れない三流歌手のかすれた歌声が、
その場所には何故か似合う。
人通りのにぎやかな表通りから脇道を入り
少し曲がった角がそこだった。
気を付けなければ、そんな裏町があるとは
誰も気が付かない。
寂れたそこは、まるで別世界のようだった。
あまり明るくないその一体は、
いわゆる色街とも言う。

男達の快楽の為だけに存在する
特有の場所である。
そこは、薄ぼんやりとした裸電球の灯りが
点いているだけだった。
そのオレンジ色の街灯が何故かうら寂しい。
薄明かりの角には女が立っていた。
ところどころに或る間隔を置いて、
女達が立っている。

薄暗闇のなかで少し派手な服を着て、
客を引く。
あまり若くない女が多いが、中には
若い女がいることがある。
ここには身を崩し、行き先のない
様々な女達が集まってくるのだ。

煙草をくゆらせ、物憂げな眼で闇を見つめ
ふうとばかりに紫色の煙を吐く。
胸は大きく開き、今にも乳房が
飛び出しそうな女もいる。
スカートは短くして、悩ましい太股を
見せつけ男を誘う。

豹のような眼をし、妖しい眼で客の男達に
媚びを売るが その眼の奥には切なさと虚しさが
何故か漂う。
ときどき冷やかしの男達が通りかかると
煙草をもみ消し 慌てて甘い声で声を掛ける。

「ねえ、そこのお兄さん、遊んでいかない?」
少しほろ酔いご機嫌な男は、酔った眼で
女を上目遣いでみる。
「おぉ、ねえちゃん、いくらでやらせてくれるんだい」
「いきなりだね、そうだねぇ、大一枚半でいいわよ、
サービスするよ」
「一枚半かぁ、俺は今飲んでるから立たないや・・
また来るな、あばよ」
「なんだい、冷やかしかい・・」

男は薄笑いを浮かべて後ろを向き、
舌を出し歩き出した。
女にそう言いながらも、帰ることなく他の女を
漁り歩いている。
(あんな女じゃな、もっと良い女を見つけよう)
どうやらこの男は、さっきの女は
好みの女では無いらしい。
女は(チェッ・・)と舌打ちし、
フンとばかりに鼻先で笑う。

こういう男達が興味本位で通り過ぎていったり
気に入った女がいれば女との商談は成立し
男と女はラブ・ホテルや安いアベック旅館などへと
消えていく。
その場所は春を売る女達の神聖なる職場でもある。
男達に媚びを売り、快楽を与えて報酬を得る
非合法的な商売である。

むろんそれは、大っぴらには出来ない。 が、
しかし、その地域は当局とは暗黙の了解があった。
ぼったくらない、男を騙さない。
事件を起こさない。 など、
それを守ることで折り合いが付いていた。
その辺りの顔利きとは話が付いているからだ。

或る女の話では、取り締まる側の男が
非番には平然として来るらしい。
当然、客としてだが、その男は相当の
スケベだという噂もある。
女を上にしたり、下にしたりして
さんざ楽しんだあげくに
金をまけさせるというしたたかさを持っており
女達からは嫌われていた。

この世に男と女がいる限り、この風景は
どこかで必ず見られる。
人間にセックスへの飽くなき渇望と欲望が或る限り
続くだろう。
数千年の長い歴史がそれを証明している。
どの時代でもそれは変わらない。

女達は身体を張って精一杯生きているのだ。
多くの男達は仕事場で上司に叱られ、
汗水垂らしながら働いて報酬を貰う
その報酬が、彼等に生活と生き甲斐を支えている。

女達は、その報酬の一部を得る為に、
男達に安らぎを与えるのだ。
それは優しい家庭の温もりなどではなく、
心からの愛でもなく
身も溶けるような飽くなき快楽であり
愛のない肉体だけの快楽であるのだ。

それは彼女達が生きるための、一つの
生き方でもあり ひたすら彼女達は
男達が寄ってくるのを待つ。
男は、夏の夜の薄くらい蛍光灯に群がる
蛾のようなものだ。

だが、その世界の女でも
(心からの愛がある快楽)が無いわけでもない。
それがこの物語でもある。

女達は、男を妖しい言葉で引き寄せ、
その巣で乳房を吸わせ
身体を触れさせ、抱かせ・・
あらゆるテクニックで男を喜ばせ
ストレスを発散させる。
その代価として報酬を得るのだ。
それが金だ。

彼女達こそ男達にとっては快楽の天使なのだ。
その哀れな天使は、社会的には
認知はされてはいないのだが
彼女達の存在こそ、男にとっては享楽の
新天地になる。

その裏通りでは
さまよい込んだ男達の快楽の果てに放出した
白濁の精液が 女達の子宮の中に吐き出され、
ドクドクと溢れ出たことか。
そこは生身の女達の身体を張った戦場でもあるのだ。

男達は教養や知識、経験などの
あらゆる武器を身につけ
社会の中で荒波で揉まれ、悪戦苦闘をして
生きている。
それに対し、そこでの女達は何も
身につけていない。
敢えて言えば、女が持つ身体一つが
唯一の武器なのである。
乳房や口、悩ましく白い身体と、
男にはない膣一つで勝負するのだ。

この界隈は、男達の中ではそれとなく
名が知れているが 昼間を除き、女と子供達は
決してここを通らない。
明るい内は、生活のためにこの路地を利用するが
それでもそこを利用する人以外は、
当然に敬遠し近寄らない。
ここはうらぶれた、目立たないさえない
裏路地だからだ。

しかし、それも陽が落ちると様相は一変する。
怪しげな灯りがともり、鈍い光りが
客を誘うように輝く。
若い勤め帰りの女達が、たまに間違えて
この路地に迷い込んだと気が付くと
慌ててきびすを返していく。

この路地を入る手前には安酒場が何軒かあり、
結構繁盛していた。
一日中、働きづめで働き、疲れた男達の
憩いの場所でもある。
飲み屋で軽く一杯を引っかけて、その勢いで
裏路地に繰り出すのだ。
飲んだ勢いで女をからかい
更に精力が余っている男は女を抱く為である。
その夜は、一人の男が裏路地に入っていった。
彼にとっては、今日で二回目である。

財布の中には給料を貰ったばかりであり、
余裕がある。
いつもの飲み屋で、焼き鳥と軽くビールを
少しばかり飲んだ。 あまり飲み過ぎると
いざというときに、男のものが
役に立たなくなるからでもある。

男の名前は涼太と言い、まだ若かった。
彼は、この裏路地に始めてきて以来、
それが忘れられなかった。
(もう一度逢いたい、あの人に、
あの場所にいてくれるだろうか?)
前からこの界隈がそういう場所だと知っていて
(一度は来てみいたい)と思いながらも
いざという時には、なかなか決心が付かなかった。

だが、始めて来たとき、涼太はドキドキしていた。
女を抱くことを目的に来たのだが、
気持ちは戸惑っていた
はっきり言ってあまり自信がなかったからだ。

しかし、意を決してその裏通りにきて、
思わぬ経験をした。
そこで抱いた女が忘れられなかったからだ。
もう一度彼女を抱いて、その後に・・・
その思いが彼の気持ちを更に高ぶらせていた。

彼はあまり生彩がなく、さえない男であり、
女に対しては奥手だった。
だが、性の経験がまったくないわけではなかった。
始めて女を知った時は一年前で、
職場の仲間達との飲み会があり
帰りに友人に連れられて女を買いにいき
そこで始めて女を抱いたのである。

つづく


(18禁)冬美の 『また婚期過ぎていく』




時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる



Tinko_2
人の為(ため)と
書いて
いつわり(偽)と
読むんだねぇ




誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……





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カビの生えない・お風呂

お風呂物語

furo












2015年6月25日 (木)

漢の韓信-72(妄想劇場)

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
「国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。



漢の韓信-72ー西魏王の娘


「子房よ、やはり滎陽以東は放棄すべきか。
魏豹が背いてわしにはよくわかった。
楚の項羽を警戒しながら中原を支配するなど、
現状ではとても無理だ。誰かおらぬか? 
わしのかわりに戦ってくれる者は?」
劉邦は弱音を吐いた。
もうやめたい、と言うのである。

相談を受けた張良は劉邦のそんな気持ちを
知りながら、あえて淡々と作戦について
語るのであった。
「九江王黥布の動きが、近ごろ目立ちませんな。
斉の田栄を討伐した際にも同行しておりませんし、
我々が彭城を陥した際にも救援に来ませんでした。
先日の京・索での会戦の際も先鋒を務めていたのは
鍾離眛で、彼は参戦しておりません。
これは、項王と黥布の間に
隙が生じたということでしょう」
劉邦は憮然とした。

「いったい、なんの話だ」
張良は構わずに続ける。
「彭越を覚えておられますか」
「魏の宰相だ。かつてわしが任じたのだから
忘れるはずがない。
しかし、王の魏豹が背いているというのに、
あの男はまるで顔を見せないし、
弁明もしようとしない。
まったく……どいつもこいつも逆賊ばかりだ」

彭越は鉅野(きょや)(地名)の漁師上がりの男で、
田栄が楚と争った際に将軍として
斉の側に立って戦っている。
その後、漢が彭城を攻略した際にこれと合流し
、劉邦から旧魏の領地を自由に攻略しても
よいという許可を得た。
そこで魏の宰相の位を得たのである。

「急ぎこの両人に使者を遣わせ、
味方としましょう。
黥布は罪人あがりで楚の猛将、
彭越は一匹狼のような男でどちらも
全幅の信頼はおけませんが、
敵の敵は味方、という言葉もあります」
「心もとないな。彼らが楚に背いて
漢に味方するとしても、最終的に目指すものは、
自立であろう。

それならば魏豹や陳余などを
味方にしているのと変わらない」
「確かに。しかし、我が軍には韓信がいます。
彼に命じて北の地を制圧させるのが
よろしいでしょう。
大事を託して担当させるに足る将は
漢軍では彼一人かと……。

魏豹は背信したのですから、
その領地は取りあげ、彼に捨て与えてしまうのが
得策かと思われます」
劉邦には名案であるかのように思えた。

しかし、これは韓信を別働隊の
将とすることである。
漢軍随一の将軍を本隊から切り離して、
誰が本隊を守るのか?
「本隊は、当然ながら楚の項王と常に相対します。
厳しいことですが、それは漢王ご自身に
指揮を執ってもらわなければなりません」
劉邦は心底辟易した。
「……子房、わしは、もういやだ。
韓信でさえ項羽には勝てるかどうかわからんのだ。
それなのにこのわしが指揮を執って
勝てるはずがない」

これに対して張良は声を抑え、
しかし断固として言った。
「お聞きください……もし韓信が
本隊の指揮官として楚と戦い、
項王を討ち殺したとしたら……
おそれながら天下を統一するのは大王、
あなたではなく韓信でしょう。
そうなったらいずれ大王は韓信と
戦わなければならなくなる……
韓信と戦って、勝てますか?」
劉邦は張良の話の内容に悪寒を覚えた。
「……いや、とても……」

「どうでしたか?」
韓信は戻ってきた酈食其を呼び止め、
尋ねた。
「どうもこうもない。魏豹の分からず屋め……。
魏豹が背いたのは、他ならぬ自分自身の
野心のためだ。それをあの男……
漢王の行儀の悪さのせいにしおった。
気取ったことを申しておったわい」
「魏豹は、なんと?」
「人間の一生は白馬が壁の隙間を
通り抜けるほどの短さだと……
よくわからんが、
だからやりたいことをやるという意味だろう。

とにかく漢王は上下の礼節をわきまえず、
諸侯と奴隷の区別もないから
二度と顔を合わせるのはごめんだ、と
申しておった。
いずれにしても説得は失敗、
わしの一万戸の領地の話もなくなった。

将軍、やはり君の出番だ」
「それはそれは……ところで酈生、
魏の大将はたしか……周叔(しゅうしゅく)という
老将だったと思いましたが。
彼が今回も指揮を執るのでしょうか?」
韓信の問いに酈生は答えた。
「いや、周叔は老齢で体の自由が利かない。
今回は栢直(はくちょく)であろう」
「ならば話は早い。
私が言うのも何だが、彼はほんの
小僧っ子に過ぎない。騙すのは、簡単です」
韓信は魏蘭のことで頭を悩ましていたが、
やはり軍事のことを忘れていたわけではなかった。

あらかじめ彼は説得に赴く酈生に、
魏軍の内偵を依頼していたのである。
かくて韓信に魏豹討伐の命が下された。
紀元前二〇五年八月のことである。

つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.

愚人は過去を、賢人は現在を、
狂人は未来を語る



歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



桂 銀淑  ~夢おんな~   
作詞:岡田冨美子・作曲:浜圭介


螺旋階段 昇る靴音で 
愛されてると 感じた
扉をノックする あなたの手を 
私のものと 思ってた
抱かれることに 女は弱い 
それを愛だと 信じてしまう
お馬鹿さんよネ お馬鹿さんよネ 
だまされたわけじゃない
あなたを恨むと 不幸せ 
男と女は 夢芝居





人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる






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カビの生えないお風呂

お風呂物語

furo










2015年6月24日 (水)

漢の韓信-71(妄想劇場)

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
「国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。



漢の韓信-71ー西魏王の娘


自らも屋敷の奥へ退き戻ろうとする韓信を、
解放された魏蘭は呼び止めた。
「将軍。お話の続きを……私は、魏を討ちたいのです。
その心に偽りはございません」
「もういい。君は自由の身だとは言えないが、
大切な人質だ。もう殺そうとしたりはしないから安心しろ。
宿舎は今日の夜までには用意させる」

韓信は魏蘭を顧みようとはしなかった。
しかし魏蘭はなおも食い下がった。
「将軍、せめてお話を。言い方を変えますから。
私は魏豹を討ちたいのです」
「……! 君たち親子は、そういう仲か。
いったい何があったというのか……
いやいや、聞くまい。それは君の家庭内の問題だ。
個人的な怨恨を持ち込むと全体の作戦行動に支障が出る。
聞かないでおこう」

「将軍のお心の中だけにでも……たとえ
思いが達せられないとしても、
誰かに聞いてもらいたいのです」
思ったよりしつこい女だ、と感じて振り返った韓信は、
魏蘭がうっすらと涙を浮かべていることに驚き、
結局室内に入れてしまった。

「最初に言っておくが」韓信はいつも以上に
威厳を保とうと努力している。
籠絡されまいとしているのかもしれないし、
女の前で単に格好をつけているだけなのかは
自分にもよくわからなかった。

「誰が誰のことを愛し、捨てられた者がどうした、
などという話なら、よそでやってくれ。
私はそのような男女の愛憎劇のような話題を好まない」
魏蘭は室内に足を踏み入れると涙に濡れた頬を手で拭い、
居ずまいをただして席に座った。
そうすると、すでにもとの凛とした表情に戻るのである。
変わった女だ。やはり私は籠絡されるのではないか。
韓信は警戒を解かず、緊張した面持ちで魏蘭と面した。
その様子を端から見ると、世慣れしていない若者が
初めて女性と二人きりになったときと
変わらないように見える。

「ご安心ください。話はごく政治的なものです。
要点から申しませば、私は魏豹の実の娘ではないのです」
「ほう、養女か? では君はいったい誰の娘か?」
「魏豹の従兄、魏咎の娘です」
韓信は心ならずも、興味を覚えた。
体が前のめりになり、膝を乗り出した。
しかし、ふと我に帰ると、そんな自分に嫌気がさす。
あわてて姿勢をもとに戻し、あえて仏頂面をしてみせた。

「詳しく聞こう」
魏蘭は話し始めた。「私には二人の兄がおりました。
上の兄は魏賈(ぎか)下の兄は魏成(ぎせい)といい、
私を含め三人とも正室の子です。
父は……魏咎は、臨済が章邯によって
包囲される運命にあることを予期し、
ひそかに私たち三人を魏豹のもとに託したのです。
しかし魏豹はちょうど斉王田儋が救援に
駆けつけてきたことを知り、賈と成の二人を
斉軍に編入させてしまいました」

「君は魏豹のもとに残ったのか?」
蘭の表情にうっすらと苦渋の色が浮かぶ。陰がある。
事実を話しているように見えるが……。
韓信はまだ半信半疑である。
魏蘭はその疑念を打ち消すかのように話を続けた。
「私は女でしたから……。生き残ったとしてもさして
自分の将来の障害とはならないと思ったのでしょう。
魏豹は王になることを欲していました。
王になるためには、魏咎はおろか、
その二人の息子も邪魔だったのです」

「……そして二人の息子は、狙いどおり章邯によって
滅ぼされた。田儋とともに……というわけか?」
「その通りです。その間に魏豹は私を連れて
臨済を脱出し、楚に逃れました。
いっぽう従弟の魏豹の裏切りを知り、
同時に二人の息子を失った父は、そのことに落胆して
焼身自殺したのです」

魏豹は自身が生き延びるための努力を惜しまない男だった。
しかし、それだけでは悪人であるとは言いきれない。
およそ人間というものは本能的に生に執着するもので、
それは自分も同じだからである。それに反して、
目的の達成のために簡単に死んでみせる烈士の部類が
賞賛されるのは、彼らが人間の本能を
超越していると見えるからであろう。
少なくとも韓信はそう思っていた。

しかし生き延びるだけが目的ならば、
魏豹は王位など求めるべきではなく、
市井に隠れて平穏に暮らしていればいいだけの話であった。
魏豹に何らかの形で関わった者は、
野望に付き合わされたあげく、
魏につき、楚につき、漢につき、
そして今は漢に背いてまた楚の側に立っているのである。
運命を翻弄されるというのはこのようなことをいうのだろう。

「ある夜、私は寝所を襲われました」
「へえ? 誰に」話の内容が急に変わったので、
韓信の反応も少々間の抜けたものになった。
「必死で抵抗して事なきを得たのですが……
暗がりで誰かはよくわからなかったものの、
十中八九あれは魏豹だったと思います。
私がいまだに男装して鎧や兜を付けたりしているのも
実はこれが理由です。それ以来魏豹は
あてつけのように人前で私のことを
男まさりだと言いふらすようになりました」

韓信はため息をついた。やはり、個人的怨恨が……
しかし、無理もないではないか。
そう考え、やがてさとすように意見を述べた。
「決めた。……魏豹には生き続けてもらう。
いま酈生が行って説得を試みているが、
それが成功して戻ってきた暁には、君との一件を公にし
、恥をさらしながら人生を送ってもらうこととしよう。
それがいい」魏蘭はしかし納得がいかないようであった。

「……私は殺したいほど憎いのですが」
「いや。どんな事情があれ、
女である君に人殺しの感覚を味わわせたくない」
「……でも、魏豹が説得に応じるとは思えません」
「そのときは私が出征して、生け捕りにでもするさ」
そのとき魏蘭の目の鋭さが若干やわらいだように見えた。

もともと表情の変化が少ない女性だったので、
韓信にはそれだけでも微笑したように見えたのである。
韓信は多少、いい気になった。
「さて、私は君のことをさっきから君、君と呼んでばかりいる。
小蘭とでも呼べばいいか? 
それとも蘭姫とでも呼ぶべきか」
小蘭とは俗な表現をすれば「蘭ちゃん」と
呼ぶのに似ている。
韓信のこの問いに魏蘭のやわらいだ表情は影を潜め、
もとのきりりとしたものに戻った。
「蘭で結構です」これを聞いた韓信は
調子に乗りすぎたと思い、市井の若者と同じように
女性の扱いに関して後悔し、反省したという。

つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.

愚人は過去を、賢人は現在を、
狂人は未来を語る



歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



東京ナイト・クラブ ・
石原裕次郎 & 八代亜紀





人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる




東京ナイトクラブ
フランク永井 松尾和子

作詞:佐伯孝夫・作曲:吉田正


なぜ泣くの 睫毛がぬれてる
好きになったの もっと抱いて
泣かずに踊ろよ もう夜(よ)もおそい
わたしが好きだと 好きだといって
フロアは青く 仄暗い
とても素敵な
東京ナイト・クラブ









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妄想劇場・特別編

妄想劇場・特別編

信じれば真実、疑えば妄想……


Mituo2_2

昨日という日は
歴史、
今日という日は
プレゼント
明日という日は
ミステリー







『空の上の思いやり』


JALに寄せられたエピソード。
サンキューレターです。
その女性は、外国に住んでいましたが、
入院中の母を見舞うために日本へ
一時帰国していました。
しかし、残念なことに母親は急逝し、
遺灰とともに米国の自宅へ戻ることとなりました。

ニューヨークへ戻る際に利用した便は
満席であったにも関わらず、その女性の
隣の席は空いており、
「御遺灰を足元に置いて頂くのは
大変申し訳ありませんので、隣のお席も
お取りいたしました。
どうぞお使いになって下さい」と
客室乗務員が声を掛けたそうです。

女性は、ありがたく母の遺灰を隣の
座席に置きました。
しばらくして、先ほどの客室乗務員が
席にやってきました。そして、
「失礼かとは存じますが、
よろしければお母様と御一緒にどうぞ」と、
トレーに白いナプキンを敷き日本酒とおつまみを
載せて持ってきたというのです。

その温かな気遣いに、「思いやり」に、
思わず涙ぐんでしまったそうです。

言うまでもなく、仕事とは、
「傍」を「楽」にすること。
つまり、目の前のお客様に
喜んでいただくということです。
もし、悲しみに暮れている人がいれば、
その悲しみを少しでも減らして
差し上げることができないか。
そんなことは、出過ぎたことかもしれない。
でも、何かして差し上げたい。

マニュアルではなく、そうした「思いやり」が、
とっさに出た出来事なのでしょう。



夢はでっかく、根はふかく。
花を支える枝 枝を支える幹 幹を支える根 
根はみえないんだなあ



派手なドレスで、親友の葬式に参列した男



『オレオレ』妄想劇場

気が重かった。 何度もケータイを手にしては
ポケットに仕舞った。
呼び出し音を3回鳴らして切ったこともある。
香川圭太は、もう3日ほど、そんなことを繰り返していた。

圭太は、4年前、情報専門学校で勉強するため上京した。
専攻はデザイン。できることなら、
アニメーション・クリエーターになりたいと思っていた。
2年目が過ぎた頃、クラスメートに
「一緒に会社を作らないか」と誘われた。
アニメーションを核としたポータルサイトを作る
計画をしているのだという。

すぐさま、その話に飛びついた。
田舎にいるうちは、「自分には才能がある」と思っていた。
圭太の作った学園祭のポスターは、
プロ顔負けだと評判になった。
地元の町が主催した観光ポスターのコンテストで
グランプリを受賞。 地元紙の顔写真入りで
載ったこともある。

しかし、いざ専門学校に入ってみると、
周りは「デキル奴」ばかりだった。
圭太から見ると、大人と子供くらいの違いがあった。
もちろん、圭太が子供だ。
うぬぼれていた自分が恥ずかしくなった。
日が経つにつれて、「デキル奴」との差は広がっていった。
それとともに、将来への不安でいっぱいになった。
このまま学校に来ても仕方がないのではないか。
かといって、途中で辞めたら、
ここまでの授業料を払ってくれた父親に申し訳ない。

そんな時、友人から声を掛けられたのだ。
設立資金は乏しかった。
もちろん、バイトの貯えでは足りない。
最初は、学校との2足のわらじを履くことを考えていたが、
3か月も経たないうちに資金不足に陥った。

そこで、父親から送られてきた半期分の学費に
手を付けてしまった。
学校から「授業料未納」の知らせが実家に届き、
父親は烈火の如く怒った。
全部、自分が悪いのだ。 頭を下げに故郷へ帰った。
とにかく、父親に謝った。
若い頃から血の気が多いことで親戚中にも知られている。
当然、殴られるのも覚悟して。

ところが、父親は、「本気か?」と問いただした。
「うん」と、目をそらさずに答えると、
「頑張りなさい」と言った。
一晩だけ泊まり、東京へ戻った。出掛けに、
母親が、「お父さんから」と言い、封筒を渡された。
父親は、もう仕事に出掛けていた。
中身は、足りない分を補うのに、充分な
金額が入っていた。

それなのに・・・。 その後、5回にわたって、
資金繰りの無心をした。
「これが最後だから」と言い、
「これが最後だぞ」と言われた。

半年前、ついに会社は破綻した。
帰るに帰れなくなった。
母親から何度かケータイに電話があった。
「いいから帰ってきなさい」
「まず、お父さんに電話しなさい」と言われた。
何も言えずに電話を切った。
その日、その日を食べていくためにアルバイトをして
食いつないだ。
アパートの家賃も2か月貯まっている。
管理会社からは、明日にでも出て行くようにと
強く言われていた。

「もしもし・・・オレ」
電気を止められている。 電気の通じていない
こたつに入って、圭太は実家に電話をした。

「はい、どちらさんでしたかねぇ」
「あっ、お婆ちゃん。オレオレ」
「オレッてどなたさまですかねぇ」
「オレだよ、お婆ちゃん。圭太だよ、圭太」
「もう、だまされませんよ、ワタシは。
あなた、この前の30万円返しなさい」

圭太は、お金を返せと言われてドキッとした。
父親に借りたお金を返せと言われたと思ったからだった。
ところが・・・。
「あなたねぇ、そんな詐欺やってて恥ずかしくないの?」
「・・・」 「うちの子はね、
自動車事故なんておこしとらんかったよ。
そういうのを振り込み詐欺とか言うんじゃってねぇ~」

どうも話がかみ合わない。
「お婆ちゃん、オレオレ・・・。圭太だよ」
「この前もそう言って、ワタシをだまくらかしたわねぇ。
郵便局の人が、もう一度確かめてからにしなさいって
忠告してくれたけど、 あなたを信じて振り込んだのに・・

「お婆ちゃん、何? 振り込み詐欺にだまされたの?」
「なにトボけてるの、あなた。
あなたがだましたんでしょう」
「違うよ、オレオレ。オレ、圭太だよ・・・」
「何言ってるの。圭太は今、仕事に行ってますよ。
今日も、朝、いつもみたいに出掛けていったよ。
もうすぐ、帰ってくるはずだよ。
それに、そんな若い声じゃない」
「何言ってるんだよ、お婆ちゃん。
オレは、ここ、東京にいるよ」

圭太はわけがわからなくなった。ボケてしまったのか。
「若いに決まってるだろ! まだ22歳だよ」
「そらまた、だまそうとしてるじゃないか。
圭太は今年数えで55歳だよ。
町役場で課長さんをしてるんだからね」
「それは、お父さんのことじゃないか。
お婆ちゃん、しっかりしてよ」
「あなた、ワタシがボケてるとでも言うのかい」

「・・・」圭太は、言葉を失った。
お婆ちゃんがボケてしまった。愕然とした。
東京へ出るときにも、駅のホームまで来て、
泣いて見送ってくれたことを思い出した。

圭太はお婆ちゃん子だった。両親が共働きだったため、
学校から帰るといつも手作りのおやつを作ってくれた。
茹でとうもろこしが大好物で、3本も食べて
夕ごはんが食べられなくなり、 よく母親に叱られたものだ。
そんな時にも、「ワタシが悪いから叱らんでおくれ」
とかばってくれた。

「あなた、圭太の名前を騙って、そんな悪さをして。  
親御さんが心配してますよ」
「あのね、お婆ちゃん・・・オレさあ・・・
ホントの圭太だよ・・・  
どう言ったらわかってくれるのかなぁ。
そうだ、お婆ちゃん知ってるだろ?  
小さい頃に鍋をひっくり返しちゃってさ。
右腕に大きな火傷の跡があること」
「・・・なんで、あなたはそんなこと知ってるの?」
「思い出したんだね!お婆ちゃん」
「あなた、町役場の人なのかい? 
圭太の部下の人かい?」
「違うよ、お婆ちゃん・・・もういいよ、
お母さんに代わってよ」
「お母さんはいないよ」

圭太は心配になった。
これほどまでにボケているお婆ちゃんを
家に一人でおいておくなんて。
それこそ、振り込み詐欺にだまされても仕方ない。
おそらく、30万円の話も本当なのだろう。

「お母さんは農協辞めたんだろ? 
買い物にでも行ってるの?」
「なんで智子さんが農協辞めたの知ってるんだい? 
あなた何者なの?   
うちのことそんなに調べて気持ちが悪いねぇ」

圭太は、迷いに迷って電話をした。
アパートを追い出されては、ホームレスになってしまう。
もう一度だけ父親に頭を下げて3か月分、
いや2か月分の家賃を借りるつもりだった。
しかし、とんでもないことになった。
お婆ちゃんがボケてしまった。
それも、相当ひどい様子だ。
孫の圭太のことと、息子の圭一郎のことが
ごっちゃになっているみたいだ。

もう一度、大きな声で言った。
「お婆ちゃん、いい~。オレ、孫の圭太だよ。
ずっと可愛がってくれた圭太だよ。  
東京の専門学校へ行くとき、
駅まで送ってくれたろ!今でも覚えてるよ。  
それにさ、お婆ちゃんがくれた吉宮神社のお守り、
今もちゃんと財布の中に入れて持ってるよ!」
「ますます気持ちが悪いねぇ~。
スパイとかいう人かね・・・ああ~ああ~」

そこまで話して、突然、悲鳴を上げた。
「お婆ちゃん、どうしたの?」
「ああ~火が、火が・・・」
「火がどうしたの!」
そこで電話が切れた。
慌てて、圭太はもう一度かけた。
しかし、どうしたことが繋がらない。
3度、4度、5度かける。 仕方ない。
父親の勤める町役場へ電話をした。

「すみません。私、家族の者ですが、
農政課の香川圭一郎をお願いします」
「あ、はい。しばらくお待ちください」
「お願いします」

イライラして交換を待った。
こんなことをしている間に、
家が火事になっているかもしれない。
「はい、香川です」
父親が出た。

「お父さん、大変だよ」
「なんだ・・・仕事中だぞ。
だいだい、今、何やってんだ、お前は」
「いいよ、わかったよ。謝りに帰るよ。
でも、今はそれどこじゃないんだ。  
お婆ちゃんが大変なんだ」
「お婆ちゃんがどうした・・・」
突っぱねたような冷たい口調だった圭一郎が、
急にか細い言葉を発した。

「火事かもしれない。ストーブを倒したとか
、ガスコンロか何かで・・・」
「今、どこだ」
「東京だよ、もちろん」
「お婆ちゃんに電話したのか」
「うん、さっき電話してたら・・・火が火がって・・
お婆ちゃん、ボケちゃったのか?」
「どういうことだ」
「だって、俺とお父さんの区別もつかんかった」
「わかった。電話してみる」
「だめだよ。電話が繋がらない」
「よし、見てくる」
「頼む、お父さん」

圭太は、気が付くと涙を流しながら
駅へと走っていた。
残高は足りなかったが、
自動改札にカードを入れて、
ホームへの階段を駆け上がっていた。
今から行っても、何の役に立たないかもしれない。
でも、でも。故郷への電車に
飛び乗るために・・・圭太は走った。

ちょうど、その頃・・・。
圭太の祖母の、香川ヨシは、
テレビの時代劇の再放送を観ながら、
かりんとうを頬張っていた。
「ああ、美味しい」
熱いお茶をすすりながら、ボツリと呟いた。

「これで圭太も久しぶりに
帰って来てくれるといいんだけど」
画面では、三つ葉葵の印籠に跪く人々を前にして、
黄門様が杖を持って立っていた。

「吉宮神社のお守りを、今でも
大切にしてくれてるなんて、  
やっぱりあの子はいい子なんだねぇ。泣けたよ」
玄関がガラッと開き、
誰かが入って来る気配がした。


《終わり》



【離婚しましょ】



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる







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夢はでっかく、根はふかく。
花を支える枝 枝を支える幹 幹を支える根 
根はみえないんだなあ



Kobanasi_3

ニンジンの始まり(宮城県の民話)

むかしむかし、一人一人の馬引きが、
いつもの様に馬の背中に米俵を積んで
森の中を歩いていると、
♪カラン、コロン♪カラン、コロンと、
どこからか下駄で歩く音がして、それを聞いた馬が
急に動かなくなってしまいました。

「どうした?」馬引きが馬に声をかけようと振り返ると、
何と馬のすぐ後ろに、一本歯の高下駄を履いた
背の高い女が、まっ青な顔で立っていたのです。

「お、お、お前は・・・」
馬引きは声を出そうとしましたが、
金縛りにあってしまい、うまく声が出ません。
馬引きが震えていると、青い顔の女は
馬の背中の米俵をひょいと片手でかついで、
♪カラン、コロン ♪カラン、コロンと、
再び下駄の音を響かせながら、森の奥へと
消えてしまいました。

「で、出たー! お化けだー!」
ようやく金縛りが解けた馬引きは夢中で馬に飛び乗ると、
あとも見ずに逃げ帰りました。
そしてそれからも馬引きがこの森の中を通る度に、
青い顔のお化けが現れて荷物の米俵を取っていくのです。

そんなある日、馬引きは決心をしました。
「よーし。今日こそは、あの化け物の
正体をあばいてやるぞ!」
そこで馬引きは今回も荷物の米俵を取られたものの、
勇気を出して青い顔のお化けが帰って行った後を
追いかけたのです。

しばらく行くと山奥にボロボロの一軒家があり、
青い顔のお化けはその中へと消えました。
(これが、お化けの家だな)馬引きは気づかれない様に
一軒家の屋根へ登ると、天井の窓から
中をのぞいてみました。

するとお化けは、お風呂の様に大きなかまの中に
米俵の米を全部入れて、ご飯をグツグツと
炊き始めたのです。
(あんなに多くの米を炊いて、どうするつもりだ? 
とても、一人で食べられる量ではないぞ)

するとお化けは炊き上がったご飯を、
うちわの様に大きなしゃもじですくいあげると、
パクリパクリとあっという間に平らげてしまったのです。
(うひゃー! さすがはお化けだ!)

馬引きが怖いのも忘れて見とれていると、
お化けは大きくなったお腹をさすりながら、
「さて、風呂にでも入るか」と、さっきの大きなかまに
お湯を沸かして入ると、かまの中でそのまま
グーグーと居眠りを始めたのです。

それを見た馬引きは、
(よし、お化けを退治するのは今だ!)と、
天井の窓から家の中に飛び降りるなり、
そばにあったふたをかまの上にのせて、
その上に石うすの重しをしました。

やがて目を覚ましたお化けは、お風呂の中から
ふたを押し上げようとしましたが、
ふたが重たくて持ち上がりません。
その間にも馬引きは、かまの火を
どんどん大きくしていきます。
お化けはかまの中で大暴れしますが、
馬引きはそのまま一晩中、火を燃やし続けました。

翌朝、かまの中のお化けが静かになったので、
馬引きは恐る恐る、かまのふたを取ってみました。
するとそこにはお化けの姿はなく、
赤くてドロドロした物が浮かんでいたのです。
「なんだ、これは?」
馬引きはその赤くてどろどろした物をひしゃくですくうと、
お化けの家の前に捨てました。
「やれやれ。とにかくもうこれで、
米俵を取られないだろう」
馬引きは、ほっとして家に帰りました。
そして次の日からは、思った通り、
お化けは現れませんでした。

それから何日かしたある日。
馬引きが森の中を歩いていると、馬が急に
森の奥に向かってかけ出したのです。
「おい。待て、待たんか!」
馬引きはびっくりして、馬のあとを追いました。

すると馬は、あのお化けの家のある方へと、
まっすぐに走って行くではありませんか。
(まさか、あのお化けが生き返って、
呼んでいるのではあるまいな)

馬引きがびくびくしながら、お化けの家の前に来てみると、
赤いドロドロの物を捨てた場所に長い葉っぱが生えていて、
馬がその葉っぱのまっ赤な根の野菜を、
美味しそうに食べているのです。
「大丈夫か、そんな物を食べて」
でも不思議な事に、まっ赤な根の野菜を食べた馬は
とても元気が出て、いくら重い物を背中に積んでも
平気になったのです。

ある日、馬引きは試しに自分も、その赤い根の
野菜を食べてみました。
すると体の疲れが取れて、体中に力がわいてくるのです。
「なるほど、こいつはすごい」

馬引きは赤い根の野菜を持って帰り、
自分の畑で育てる事にしました。
この赤い根の野菜がニンジンで、
ニンジンが食べられる様になったのは、
その時からだそうです。


おしまい


錫の兵隊



人食いウサギ

むかしむかし、ある村に
お坊さんがやって来て言いました。
「お宮の社に、毎晩もちを供えなさい。
そうしないと、悪い事が起こるであろう」
心配した村人たちは、さっそくもちをついて
お宮の社に供えました。

ところがどうした事か、もちを持って行った人が
帰って来ないのです。
「どこへ行ったのだ?」
みんなであちこちを探してみましたが、
どこを探しても見つかりません。
「これはもしかすると、お坊さんの言った
悪い事が起き始めているのかもしれんぞ。
早くもちを供えないと」
そこでまたもちをついて、
お宮へ持って行きました。
すると今度も、もちを持って行った人が
帰って来ないのです。
「大変だ! やはり悪い事が起こっているんだ」
村はたちまち、大騒ぎになりました。
そして再びもちを備える事になりましたが、
誰もが、もちを持って行くのを嫌がりました。
でも、もちを供えないと、どんな悪い事が
起きるかわかりません。
村人たちは仕方なく、くじびきで
もちを持って行く人間を決めました。
そして今度もまた、もちを持って行った人が
帰って来ないのです。

次の日、二人の勇気ある若者が、
村人たちに言いました。
「おれたちがもちを持って行って、
誰も帰って来ない原因を突き止めてやる」
二人はさっそくもちをついて袋に入れると、
お宮に出かけました。

二人は無事にお宮の社の前にもちの袋を置くと、
素早く木の後ろに隠れました。
するとどこからか丸々と太ったウサギたちが
たくさん出てきて、口々に呪文の様な物を唱えながら
月を見上げて頭を下げました。

(なんて、でっかいウサギだ)
(しかし、でかいとはいえ、ウサギが人を?)
二人がじっと見ていると、一匹のウサギが
人間の声で言いました。
「もちを持って来た奴は、どこへ行った? 
はやく見つけて、食べてしまえ!」

それを聞いた二人の若者は、思わず
顔を見合わせました。
(やっぱり、あいつらが人を食べていたんだ)

二人は死に物狂いで駆け出し、何とか村へ戻りました。
そしてすぐに村人たちへ訳を話すと、
恐ろしい人食いウサギをやっつける相談を始めました。
「どうやって、やっつけるんだ? 
相手は、人食いウサギだぞ」
「決まっている。ウサギの天敵は、犬だ。
だから、ばあさんのところの犬を連れて行けばいい。
あの犬なら、ウサギをやっつけてくれるだろう」

「なるほど、あの犬なら大丈夫だ」
そこで二人の若者は、犬を飼っている
おばあさんのところへ行きました。
「ばあさん。もちを持って行った村人が
帰って来ないのは、人食いウサギに
食べられた事がわかった。
だから、ばあさんの犬を貸してくれ。

あの犬は、いつも山でウサギを捕まえているから、
きっと人食いウサギをやっつけてくれるだろう」
「そうか。そんなら、犬を連れて行くがよい」
おばあさんから犬を借りた二人の若者は、
犬を連れて再びお宮へ行きました。

お宮に着くと、人食いウサギたちが、
まだ袋のもちを食べていました。
そこで二人はウサギたちにそっと近づくと、
勢いよく犬を放ちました。
「それ行け!」「殺された村人のかたきを取ってくれ!」
ワンワンワンワン!、犬はウサギに襲いかかり、
鋭いキバで次々とウサギを噛み殺しました。

するとその騒ぎを聞きつけたのか、社の中から
お坊さんが姿を現しました。
「あっ、あのお坊さんは!」
「そうだ。あれは、もちを供える様に言った
お坊さんだ」

二人がびっくりしていると、犬が
お坊さん目掛けて飛び掛りました。
「うぎゃーー!」
お坊さんは鋭い悲鳴をあげて、たちまち
大ウサギの姿に変わりました。
大ウサギは犬の三倍ほどもありましたが、
犬はウサギの一瞬の隙をついて、
ウサギの喉を噛み切りました。

こうして犬のおかげで、恐ろしい人食いウサギたちは
退治されたのです。
次の日、村人たちが社の中を調べると、
今までに行方不明になった人たちも含めて、
白骨となった人間の骨が山の様に出て来たそうです。


おしまい




ウシとガマ




人の為(ため) と
書いて、
いつわり(偽) と
読むんだねぇ





誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。



時は絶えず流れ、
  今、微笑む花も、明日には枯れる 






P R

カビの生えないお風呂

お風呂物語

furo








2015年6月23日 (火)

妄想劇場・一樂編

妄想劇場・一樂編

信じれば真実、疑えば妄想


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー



Mituo
人の為(ため)と
書いて
いつわり(偽)と
読むんだねぇ







『ど根性スイカ』

最初に見つけたのは、マサルだった。
いや、違う。7階707号室の飯沼のおじいちゃんも、
「ワシが最初に見つけたんじゃ」と言っていた。
口では、「僕が最初だよ」と言い張ってはいたが、
マサルは心の中で、 (そんなことはどうでもいい)と
思っていた。とにかく今は、
少しでも長く、そして無事に育って欲しいと
願っていた。

それは、夏休みが終わろうとしていた
8月の28日のことだった。
小学校5年の遠藤マサルは、あと一つ残っていた
夏休みの宿題に頭を悩ませていた。
お盆にお婆ちゃんのところへ行くことになっていた。
ところが、お婆ちゃんはスーパーの懸賞が当たって
ハワイに行くことになった。

お婆ちゃんのいない田舎へ行ってもつまらない。
マサルは仕方なく、どこへも行かない夏を過ごした。
そこで、困ったのは自由研究だ。
お婆ちゃんの居る「信州の自然観察」を
テーマにするつもりだったからだ。

父親に言われた。
「それなら、『家の周りの身近な自然たち』という
テーマにしなさい」
「ええ~そんなのつまんないよ~」とボヤいた。
「じゃあ、勝手にしなさい。
言う通りにするなら、少しは
手伝ってやろうと思ったのに」

そう言われて、仕方なく、ノートとペン、
それに父親から借りたデジカメを持って出掛けた。
マサルは、駅から徒歩で5分の所の
マンションに住んでいる。

児童公園や小さな神社はあるが、
「自然」とはほど遠い環境の中で暮らしている。
父親には、「よく見て来なさい。
ご近所の庭や生け垣には珍しい花も咲いているよ。  
そこにはチョウだって飛んでくる。

そうだ、児童公園にはサルスベリがあったよな」
「なに? サルスベリって」
「そらな、気づかないだろ。
夏になると、真っ赤な花を咲かせるんだ」

そう言われて、サルスベリだけは
写真に撮ってきた。でも、つまらない。
チョウもいないし、珍しい花も見かけない。
町内をグルグル回ったが、いつも見慣れている、
アサガオくらいだ。

帽子を被ってくるのを忘れて、
頭がクラクラしてきた。
マサルは早々にマンションに引き上げてきた。
1階の入り口の日陰になった壁にもたれて
腰を下ろす。その時だった。

(え!?) マサルは目を疑った。
1階の入り口近くにあるシングルベット
一台ほどのスペースの植え込みの中に、
スイカが転がっている。
(誰が落としたんだろう)いや、
マンションの上から落としたら割れるはずだ。

名前も知らない低木の茂みに足を踏み入れた。
マサルは、さらに驚いた。
それは、誰かが落としたのでも、
そっと隠しておいたものでもなかった。
その茂みの中で、育っていたのだ。

ツルが伸び、花が咲き、
立派なスイカの実が生った。
でも、日当たりが悪いせいか、
表面の緑色が薄い気がした。
ちょっと大きめのソフトボールくらいか。
ハンドボールよりも小さい。
もちろん写真を撮る。

そして、その晩、父親が帰ってくると報告した。
夕食の後、母親と3人で下まで見に行った。
そこへ、すぐ真下の部屋に住む夫婦が帰ってきた。
名前は知らないが、共稼ぎらしく、
昼間は家にいない。 すれ違うと、お互いに
ペコッとお辞儀だけはする。
「どうしたんですか?」マサルの父親が答えた。

「うちの子が見つけましてね」そう言って、
植え込みの中を指差した」「こりゃスゴイ!」
旦那さんの方が声を上げた。奥さんも覗き込む。
「ねえねえ、食べられるのかしらね」
「う~ん、小さいしなぁ。
でもこんな場所で、よく育ちましたね」
「ど根性ダイコンっていうのがありましたよね」と、
父親が言った。
すると、旦那さんが、「ど根性スイカですね」
「おお、いいねえ。ど根性スイカ」

それから、マサルは毎日、
ど根性スイカを観察した。
もっと早くわかっていたら
、夏休みの自由研究にできたのだろう。
アサガオの観察日誌のように。
でも、マサルにとっては、そんなことは
どうでもよかった。
朝、晩、水を遣りにいった。
何か肥料でもやりたと思ったが、
どうしていいのかわからない。
9月になり、学校が始まった。

そんなある日の日曜日。
マサルが見に行くと、スイカの周りを
小さなスコップで掘っている人がいる。
「あっ」マサルは「スイカ泥棒だ」と思った。
思わず、「何してるんですか!」と
大声を上げていた。それは、
たまにエレベーターで見かけるお姉さんだった。
30歳くらい。いつも派手な洋服を着て、
夕方になるとタクシーで出掛ける。
いつだったか、母親尋ねたら、
「夜のお仕事」なんだという。

「あら、ボク、こんにちは」
「何をしてるんですか」
「うん、スイカにも、肥料をあげているの」
「肥料?」 「ボクも知ってたの? 
ここにスイカがあるって?」

「僕が最初に見つけたんだよ」
「いやねぇ、私が最初よ」
「僕だよ」
「じゃあ、何月何日よ」
お姉さんは、そう言いながら声を出して
笑い始めた。
「どうでもいいわよね、そんなこと。
誰が最初なんて関係ないものね。  

でも、ボクも知ってたんだ」
「うん」
「田舎のお父さんに電話で教えてもらったの。
畑をやってるのよ。
スイカの美味しい育て方をね。
でも、今からじゃ無理だって言われちゃった。  
それも、こんな日当たりの悪いところで・・・」
「うん、うちのお父さんも言ってた」
「でもさ、できるだけやってあげたくてさ」
そう言いながら、お姉さんはスイカを優しく撫でた。

それから1か月後のことだった。
マンションの屋上には、大勢の人が集まっていた。
50人は超えていよう。
みんな、回覧板を見てやってきたのだ。
「ど根性スイカを愛でるお月見の会」
最初は、違うタイトルだった。

「ど根性スイカを食べるお月見の会」
一部の人たちから、猛烈な反発があった。
それは、「せっかく、ここまで育ったのに
可愛そうじゃないか」
「第一、マンションの人たち全員で
分けられるほど大きくない」
「見るだけでいいじゃないか」
それに賛同する人が多く、
「愛でる」になったのだ。

大人はビール、子供はジュース。
何軒かの家が、キャンプのセットを出し合って、
マンションの屋上がバーベーキュー会場になった。
みんなが、口々に言う。
「私が最初に見つけたんですよ」
「それは何月何日です?」
「いやあ、たしか8月の末頃だったかな」
「私もその頃です。ずっと見守ってきたんです」
「私もです。何だか、力が湧いてきてね。  
会社で嫌なことがあっても、
このスイカを見ると、元気か湧いてくる」

ほとんどの住人が、
「私が一番最初に見つけたんです」と言うのが
おかしかった。
月見だんごの隣の、大きなお盆の上に、
ハンドボールくらいの大きさのスイカが飾られていた。
空には、満月が煌々と上がっていた。
この夜、同じマンションに住みながら、
ほとんど名前も知らない者同士が食事を共にした。

たった一つ、共通の話題のもとに。
マサルは、何だかスイカが
ニコニコ笑っているかのように見えた。


《終わり》

Author :志賀内泰弘


歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



東京進行曲


作詞:西條八十、作曲:中山晋平、
唄:佐藤千夜子


昔恋しい 銀座の柳
仇(あだ)な年増(としま)を 誰が知ろ
ジャズで踊って リキュルで更けて
明けりゃ ダンサーの涙雨


日活映画『東京行進曲』の主題歌。
わが国の映画主題歌第一号とされています。
モボ(モダン・ボーイ)・モガ(モダン・ガール)が
行き交う昭和初期の開放的な銀座の
風俗が唄われています。



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる








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きれいなお風呂・宣言

お風呂物語

furo









チャンネル掲示板

チャンネル・ニュース

幸せがつづいても、不幸になるとは言えない
 不幸がつづいても、幸せが来るとは限らない


みのる

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


童謡「あめふり」

誰もが一度は耳にしたことがあるだろう童謡の1つに、
「あめふり」ってのがある。
僕は子供時代、その歌が嫌いで嫌いでたまらなかった。

小学校にあがる少し前、母は僕の入学式に
出席することができないままこの世を去った。
車での買い物の帰り道、大型ダンプと正面衝突をして、
ダンプの運転手ともども即死だった。
覚えているのは人の大きさをした大きな布の膨らみと、
それにすがりつきながら「痛かったろう、痛かったろう」と
大声で泣き喚く父の後ろ姿だけ。

あめあめ ふれふれ かあさんが
じゃのめで おむかい うれしいな
ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン

ちょうど事故で母が死んだ日も、
路面が滑りやすい雨の日だった。
この歌が雨の日の給食時間に放送で流れると
保育園に迎えに来てくれた優しい母の顔を思い出し、
僕は耳をふさいだ。

その日もそんな雨の日で、ごたぶんに漏れず
給食時間の放送からはあの歌が流れていたと思う。
朝の天気予報では晴れマークが出ていたので、
傘を持ってくるのを忘れた僕は、下校のときのことを
想像するたび憂鬱な気分になっていた。

母の件のせいにするつもりは毛頭ないけれど、
その頃の僕はおせじにも可愛い子供ではなかった。
当然友達なんかいないから傘に入れてくる
人なんかいるはずないし、父は仕事で今日も遅いから、
まさか僕の傘のために仕事を抜け出して
迎えに来てくれるはずもない。
むしろ当時の僕は本当に可愛くなくって、
「もし父がそんな風に迎えに来てくれたとしたら、
一体どんな顔をしたらいいんだろう」なんていう風に、
子供らしくないネガティブな悩みかたをしていたのを
覚えている。

でもそんな悩みなんかもとから不必要で、
結局父が迎えに来てくれることはなかった。
当然だ。片親で子供一人を学校に通わせるのは
今思えば楽なことではない。
大工であった父はその日も屋根の上で雨に濡れながら
家族のために必死に働いていたんだろう。
どんどん強まっていく雨足と、ぽつりぽつりと
クラスメイトが減っていった薄暗い教室は、
今思い出しても寂しい気分になる。

一度寂しいと思うと、その寂しさはどんどん
膨らんでいくもので、そんな時に母の顔を
思い出してしまった僕はもうどうしようもなかった。

もしお母さんがいてくれて、傘をさして迎えにきてくれたら、
この雨もどんなに楽しいだろう。
そう考えたとたん、涙がぽろぽろこぼれてきて、
僕はまだクラスメイトもちらほら残っている
放課後の教室で泣き出してしまった。
それに気づいたクラスメイト達も何事だと
こっちをうかがいはするが、もちろん
なぐさめてはくれない。
やりきれなさと寂しさで胸がいっぱいに
なっていたところへ、担任の先生が
声をかけてくれた。

当時僕の担任の先生というのは結構な
お年の女性の方で、杉本先生といった。
ぽっちゃりした体型と人懐っこい笑顔に
派手めな眼鏡で、生徒からはおばあちゃん先生なんて
呼ばれていたけど、本人はむしろその呼び方に
愛着を感じているらしく、
微笑みながら応対していたように思う。

どしゃ降りの雨がふる教室のなかで、
小学校2年生の子供が泣きじゃくりながら
事情を説明する言葉なんて、
一体どれだけ聞き取れただろうか。
先生は膝をおって同じ高さまで顔をもってくると、
僕の背中を優しくさすりながら「そうね、そうね」と
独特の九州なまりであいづちを打ってくれていた。

僕がやっと泣き止むと、杉本先生は僕に
「そんなら先生と一緒に帰ろうか」というと、
やっぱり派手めな赤いチェックのはいった
小さな傘を差し出した。
途中杉本先生の家にあがらせてもらい、
色んな話をした。
「今度から雨の日は先生と一緒に帰ろう」と
言ってくれたのが、僕は嬉しくてたまらなかった。

なんだかんだで恥ずかしさも伴い、
一緒に下校したのはそれっきりだったけど、
僕はそれからは雨がそれほど嫌ではなくなっていた。

杉本先生、お元気にしてらっしゃいますか?
僕は今年、夢だった教師になることが出来ました。
先生のことを思い出したのも何かの縁かも知れません、
実家に帰省した折にはご挨拶に
伺わせて頂きたいと思っています。



【かっこいい女性店員さん】
男が 順番無視して強引に 注文したら・・



ケイタ君という友達

私の弟が28歳で死にました。
脳疾患持ちで、合併症で15歳まで生きられない
20歳まで生きられないと、お医者さんに
言われ続けて、よくぞ28まで生きたものです。

5年生のとき、無理を言って
普通学級に編入させていただいたとき
弟にケイタ君という友達ができました。
家庭に事情のあるケイタ君は、
5年生ですでにゲームセンターで
たばこを吸ってるような早熟な不良でしたが、
なぜか弟の面倒をとてもよく見てくれました。
子供は残酷ですから、
クラスの中に呼吸器を引きずった
クラッチ付きの子に決して寛容ではありません。

弟は男の子からも女の子からも
陰湿なことをされました。
だけどそれはケイタ君がそばにいないときだけでした。
好奇の目で見られていた弟に、
恐怖の目で見られていたケイタ君は
誰よりも(担任の先生よりも)優しく、
いつもそばにいてくれました。

「ケイタがね、『いじめられたらすぐに俺に言え、
お前は俺の舎弟だからな』だって。
でも舎弟ってなんだろうね、子分のことかな?」
弟はいつも家に帰ると母と私にそう言ってました。
修学旅行に行く途中で弟がそそうをしてしまったとき、
一斉にはやしたてた同級生を尻目に
ケイタ君は下の世話さえしてくれたのです。

6年生の男の子がです。
卒業した弟が養護学校に入ると、
ケイタ君は一層気合の入った不良になってましたが、
それでもバザーに来てくれて、
フォークダンスへの参加さえもしてくれました。
何をやったのか16歳のときケイタ君は
警察に連れて行かれ噂では少年院を出て
そのまま東京に行ってしまったと聞きましたが、
ケイタ君とはそれっきりでした。

弟が死んだとき、私も両親も、
悲しみより「やっと楽になれたね、
よく28まで生きたね。」と落ち着いた気持ちで
その事実を受け入れましたが、
弟の身の回りを整理していて、
養護学校時代の写真の中に弟の隣に寄り添い、
腕を組みカメラにガンを飛ばす金髪の少年を
見つけたとき、涙が出てきてしまいました。

ケイタ君、今どこにいるのですか?
幸せにしていますか?…・・・・・


困っていた妊婦を助けた学校一の不良



チビデブの物理の教師の想い出

俺の高校に生徒に馬鹿にされてた
チビデブの物理の教師がいた。
その教師は、毎朝校門に一人立って
「おはよう」と声を掛けていた。

他の教師も「よくやるよ、点数稼ぎ」と、
あからさまにその教師を批判してた。
雨の日も風の日も、ずっと。
1年くらいしたら、普通にみんな
挨拶するようになった。

卒業式の日、校長挨拶のあと、
その教師が壇上に上がってきて
「みんな、卒業おめでとう。
僕は本当にダメな教師で、
今までみんなから どう見られていたか
知っています。

でも、こんな僕にもみんなに
伝えることができた言葉があります。
【おはよう】この言葉は、社会に出ても
胸を張って言える様にして下さい。
毎日を一生懸命に生きている人の
【おはよう】は、さわやかで
他人の心を和やかにします。

いろいろな苦難や障害にぶち当たっても、
顔をあげて、笑顔で
【おはよう】と言ってください。
僕が教えた物理の授業は忘れてもいいですから
【おはよう】だけは忘れない
大人になって下さい」

俺はちょっと泣いた。
今、物理の先生の授業は忘れたが
毎日の挨拶は忘れていない。



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる







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カビの生えない・きれいなお風呂

お風呂物語


furo









妄想劇場・漢の韓信-70

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
「国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。



漢の韓信-70ー西魏王の娘


「…………」「蒲津は黄河の渡し場である。
ここを塞いだということは漢は滎陽周辺に
閉じ込められた形となり、いずれ機が訪れれば、
楚、趙、魏の三国から攻められ、
包囲されるであろう」「…………」
「君はこうなることを予測して、
人質となることを了承したのか。

事態がこうなったからには、
君はいつ斬られてもおかしくない。
魏豹とて、それをわかっていたはずだ……。
君は娘として父親に愛されていないらしいな」
韓信はそう言ったものの、
返答を期待したわけではない。

烈士というものは男女を問わず、
こういうものなのであろう。
やりきれない思いを抱いたが、それを隠し、
傍らの衛士にむかって命令を発した。

「人質としては、もはや無用の長物である……
この者を斬れ」衛士たちが、
処刑の準備を始めた。
魏蘭は両手を後ろに縛られ、
足には枷をはめられた。
目隠しをしたのは韓信の情けである。
しかし同時にそれは自分のためでもあった。
決心を固めたとはいえ、
やはり女性を斬殺するのは気が引けた。
せめて死ぬ間際の表情は
見ないでおきたかったのである。

「将軍……お聞きください……」
蘭は静かに語り始めた。韓信は心が揺れた。
「発言を許可する。ただし、ひと言だけだ。
しかしそれによって私が決断を覆すことはないぞ」 
韓信はいつも以上にかたくなになっていた。
ほんの一瞬も魏蘭の姿に心を動かすことが
なかった、と言えば嘘になる。
韓信としては女にたぶらかされたという
思いがあったに違いない。

「私は……魏を討ちたいのです」
「人質の身分で馬鹿なことを! 
ふざけているのか」
やれ、と合図を出しかけたときだった。

韓信の前に一人の老人が現れたのである。
「待たれよ。将軍の采配は勇猛なる
無数の敵に対して振られるもの。
このようなたったひとり、しかも女に対して
振られるものではない」
その声の主は酈食其であった。

「酈生……。しかし、この女のおかげで
魏はまんまと離反し、漢は
孤立しようとしているのです。
私としては、女だからこそ、
そのような芸当が可能なのだと考えます。
生かしておくべきではありません!」
酈生は韓信の態度に驚きを禁じ得ない。

自分の知っている韓信は、もっと柔軟な男で、
戦時といえども安易に人を殺すことを考えない
男であった。
戦陣を重ねるにつれて、
感覚が鈍ってきているのか……
いや、相手が女だからこそ、
自分が意志の固いところを
見せようとしているのかもしれん。
……要するに、意地を張っているのだ。
酈生はそう思い、韓信をなだめようとした。

「将軍、事態がこうなったからには
今さらその女を殺したところで何も解決せぬ。
それに今の段階でその女を殺すことは、
はなはだまずい。
漢王には魏を討つ気が今のところないらしい。
王は、わしに魏豹の説得を命じられた。
だが人質が死んだとあっては、
説得できない」韓信は、はっとした。


私は、てっきり魏を討つものだと……。
これでは、ただ戦いを欲するだけの
蛮勇と変わらない。
女を前にして冷静な判断ができなくなるとは……。
どうしたというのだ、私は……
「落ち着いてきたようじゃな。
そう、大王は楚と敵対しており、
このうえ魏と対立することは欲していない。
そのためわしに命令を下された。

『おい、おしゃべり! 行って豹を連れてこい。
それができたら一万戸の領地をやろう』と、
いつもの調子だ。
将軍は少なくともわしが魏豹と接触している間、
その女を生かしておかねばならぬ。
でなければわしの一万戸の領地の件も
なくなってしまうからな」

「説得は、できましょうか?」
「……正直、難しいじゃろう。
説得できねば、討つしかない。
そのときまで、せいぜいあの女を
飼いならしておくことだな。
魏豹の彼女に対する仕打ちを思えば、
今後は漢のために働いてくれるかもしれん」
酈生はそう言って去っていった。

韓信は前言を取り消し、
「……女を解放しろ」と周囲の者に命令したが、
自分が正しい判断を下せなかったことに
気恥ずかしさを感じ、
近侍の者すべてを退出させた。
一人になりたかったのである。

つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.

愚人は過去を、賢人は現在を、
狂人は未来を語る



歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



空港  伍代夏子・キム・ヨンジャ



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる


空港/テレサ・テン 
詞:山上路夫  曲:猪俣公章


何も知らずに あなたは言ったわ
たまには一人の 旅もいいよと
雨の空港 デッキにたたずみ
手を振るあなた 見えなくなるわ
どうぞ帰って あの人のもとへ
私は一人 去ってゆく



テレサ·テン - 空港






P R
カビの生えないお風呂

お風呂物語

furo










2015年6月18日 (木)

妄想劇場・漢の韓信-69

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
「国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。



漢の韓信-69ー西魏王の娘


「女というものは男に愛されてこそ幸せなのだ。
韓信のような女の扱いも知らぬ奴のところに送っては、
かの娘が可哀想ではないか。
子房よ、君は女心がわからんのか」
立場上、張良は次元が低いこのような話題にも
真摯に付き合わねばならない。
「大王……魏蘭は武装しておりました」
「今さらなにを言う。そこが印象的だったのだ」
「おそれながら、大王は武装した女と
寝所をともにできますか。
ああいう女に気を許すと、寝首をかかれる
可能性が大でございます。
魏蘭のような女を御していくのには韓信のような
堅物の男が最適でございましょう」
このころの劉邦は若いときよりも
保身に敏感になっている。
目の前の美女よりも優先すべきは、
自分の身の安泰であった。
それは漢の命脈を保つためか、
老いによって生じる生への執着のためかは、
劉邦自身にもはっきりしない。
いずれにしても、彼は諦めるしかなかった。

「蘭にございます」韓信の前で深々と
頭を下げた魏蘭の姿は、印象的なものだった。
目は細くはないが、目尻がはっきりとしており、
それがきりりとした印象を相手に与える。
髪はおろしていたが、それでも
肩にかかるくらいの長さでしかなく、
この時代の女性としては極端に短い。
口は大きくなく、真一文字に結ばれている。
肌は白く、背筋はぴんと伸び、胸を張っている。
立場は人質だが、にもかかわらず
態度は堂々としており、
全体的に凛とした雰囲気を醸し出していた。
韓信も確かに蘭の姿に感じるものがあった。
一度見たら忘れられない女というのは
こういう女に違いない、と内心で
思ったくらいである。

しかし口に出しては、単刀直入にこう言った。
「君はどうしてそのような格好をしているのか」
魏蘭は表情を変えずに話し始めた。
「きっかけは臨済で章邯に襲われたときです。
あのときは一族もろとも逃亡したのですが、
私は父から男装していた方が目立たないと言われ、
このような姿で臨済を脱出したのです」

韓信はふうむ、と相づちを打ち、さらに聞いた。
「臨済を章邯が襲った、というのは、
斉の田儋が討ち死にしたときのことだな。
あのとき魏王咎は民衆の安全を確保したのち
焼身自殺した、と聞いている。……
しかしそれからすでに相当の歳月が経っているな。
にもかかわらず君が今もって
その格好をしているのはなぜだ」
「父が許さないからです。

臨済を脱出し、さし迫った危機を
乗り越えたとはいっても、乱世の中では
女は生きにくいものだし、
父も安心できないと……。
私もぞろぞろした宮女のような格好よりは、
このほうが気に入っております」
韓信は話の内容に納得したような表情をしたが、
口に出して言ったことはそれと正反対であった。

「ふむ、そうか。……では今後、君が
陣中をそのような格好をして歩くことを禁ずる」
このとき、はじめて魏蘭の表情が変わった。
つかの間であったが、眼を見開き、
驚きを表したのである。
「理由を……お聞かせ願いますでしょうか?」

韓信は別になんでもないとでも言いたそうな
素振りを見せて、答えた。
「理由は簡単なことだ。君のような
妙齢の女子がいると、陣中の兵士が落ち着かない。
兵たちの多くは家族を引き連れて
各地に出征しているので、君はその中に混じって、
軍装を解き、女として暮らせ。
髪もゆるゆると伸ばすがいい」

「嫌です!」急に感情をあらわにした魏蘭に、
今度は韓信の方が驚いた。
「……わかっていないな。
これは君のためでもあるのだ」
「どういうことですか……」
「私の見たところ、君の軍装は格好だけだ。
実際に戦場で敵を殺したことはない。
どうだ、違うか?」
「…………」「そのような未熟な、
しかも女を戦地に立たせることはできない。
まして君は大事な人質なのだ。
私としても、無駄に死なせるわけにはいかない」

魏蘭は唇を噛み、韓信を睨みつけた。
「たとえ将軍のおっしゃる通り、
私の軍装は格好だけだったとしても……
誰しも初陣というものがあるはずでしょう? 
私は女だからという理由でそれさえも
許されないのでしょうか」

「無理に戦場に立つ必要はない、と言っているのだ。
君の態度はおかしく、怪しいな。
ひょっとしたら魏豹の命を受けて
、私なり漢王なりを暗殺するつもりではなかろうな?」
「それは、ございません。私は漢の側に
立って戦いたいのです。
将軍のもとで……お疑いだとしても
証明するものは何もございませぬが……」
韓信には、蘭がどうしてこれほど
戦地に立ちたがるのかが、よくわからない。

対処に困った韓信であったが、
そのとき急を告げる伝令が現れ、
彼らの会話を遮断した。
「申し上げます。西魏王豹は蒲津(ほしん)の関を塞ぎ、
漢に敵対する構えを見せております!」
韓信は驚かなかった。やはり来たか、という思いで
眼前の蘭に視線を投げ掛ける。
しかし当の蘭に動揺した様子はなかった。
「……魏王豹は人質である娘を見捨てる覚悟らしいな。
いわば、君は捨て駒というわけだ」


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.

愚人は過去を、賢人は現在を、
狂人は未来を語る



歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



作詞:萩原四朗・作曲:上原賢六

(男)夕陽の丘のふもと行く
    バスの車掌の襟ぼくろ
    わかれた人に生き写し
    なごりが辛いたびごころ
(女)かえらぬ人の面影を
    遠い他国で忘れたさ
    いくつか越えた北の町
    目頭うるむたびごころ


夕陽の丘 ・ 石原裕次郎&浅丘ルリ子


(1963)日活で同じタイトルで映画化され、
翌年に公開されました。
松尾昭典監督で、主演はこの歌をデュエットした
石原裕次郎と淺丘ルリ子。

原作は菊村到の小説。
やくざの篠原健次(石原)は、
服役中の兄貴分・森川(中谷)の
情婦・聖子(浅丘)と恋に陥ち、
その現場を見て脅迫する子分を殺して逃走、
聖子の妹・易子(浅丘2役)のいる函館に来るが、
同時に組織の命令で森川の命を狙う
殺し屋もやって来る。
聖子は自分たちの幸せのため、
殺し屋に森川の居所を知らせてしまう。
健次が駆けつけたときには、
すべて終ったあとであった……。



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる








P R
カビの生えないお風呂

お風呂物語

furo










2015年6月17日 (水)

信じれば真実、疑えば妄想……

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
「国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。


漢の韓信-68ー西魏王の娘

戦国時代では、林立する国同士が互いに
安全保障を結ぶ必要上、
人質のやり取りが多くなされた。
人質というと「国のための捨て駒」という
印象を持たれやすいが、実際はそうではない。

人質はその性質上、殺されても惜しくないような
身分の軽い者を送るわけにはいかず、
送る側にとっての重要人物にしか、
その価値を認められない。
このため人質の多くは、世継ぎの男子であった。

一方女子は、他国と姻戚関係を結ぶ際に
利用されることが多い。つまり、
嫁に出されるのである。
人質に比べると、こちらの方がより穏健な
手段とも思われるが、これも実際はそうではない。

人質には帰還後に王座が用意されているが、
嫁には帰還さえも許されていないのが通例なのである。
このとき魏の王が漢に差し出したのは、娘であった。
しかしその立場は「人質」である。
その特異な例が、事態をやや複雑にした。

魏豹(ぎひょう)という男は魏咎(ぎきゅう)の従弟で、
その名が示す通り、魏の王族の末裔である。
魏咎は陳勝・呉広の乱の際に自立して
王を称したが、章邯に攻められ、
降伏した後に焼身自殺をしたことは
先に述べた通りである。

このとき難を逃れた魏豹は、章邯が項羽に
降伏したことを知ると、魏咎の跡を継ぐ形で
魏王を称した。
しかしやがて項羽の天下になると
領地は削り取られ、河東郡の平陽付近一帯を
支配する西魏王に立場は留まった。

これは項羽自身が魏の東部・
梁といわれる地帯(旧首都の大梁付近)を
直接支配したかったからだといわれている。

この項羽の処置に魏豹が不満を持ったか
どうかまではわからない。
しかし漢が韓信の策にしたがって関中の地を
平定したとたんに漢の側に立ったということを
考えると、そのような気持ちを持っていたことは
充分に想像できる。

しかし関中から魏豹の居城である平陽までは近く、
遠くの楚より近くの漢と結んだ方が
身の安全をはかれると単純に考えた結果が、
漢への鞍替えの実情と言ったほうが
よさそうである。

その魏豹が京・索での一戦を終え、
楚軍の追撃が止んだときに漢に対していとまごいをした。
「老母の容態が悪く、看病したい」という理由で
平陽へ帰る、というのである。

いかにもとってつけたような理由だが、
この時代では「孝」の精神が限りなく
尊重されているので、親の看病を理由にされては
無理に引き留めることはできない。
しかしこのときの漢の首脳部には、魏豹の申し出は、
趙の陳余の一件もあり、
体よく離反するためのかこつけだと思われた。
魏豹はそれを察し、自身の帰国に関して
もうひと言付け加えている。

「私は帰参するつもりでいますが、
いくら私自身が帰ると言ったところで、
漢王は信じないでしょう。
つきましては私の娘を漢に置いていきます。
人質と思っていただいて結構ですが、
なにせ男勝りな性格の娘なので、前線にでも置いて
使ってくださってもよろしいかと。
凡庸な男子よりはよほど気構えが
しっかりしております」

できれば男子を人質にしたいというのが
本心であったが、劉邦はこれを受け、
魏豹の帰国を許した。

人質の女子は名を蘭といい、このとき
二十二歳であった。
当然ながら姓は魏なので、この人物の
姓名は魏蘭である。
れっきとした西魏の公女の身分であったが、
このときの彼女のいでたちは皮革製の胴当てや
肩当てを身に付け、足には軍靴を履いており、
男子の兵士と変わらぬそれであった。

漢の首脳部の面々は、みなその姿を見て驚いた。
また、兜を外した蘭の素顔が若々しく、
きりりとした目元がとても美しいことに、
揃いも揃って不安を覚えた。

このような妙齢の、しかも美しい女を前にして、
好色な劉邦が手をつけぬはずがないと
考えたのであった。
「大王ならば魏蘭が人質であることを忘れ、
夜ごと愛撫しようとなさるに違いないが、
それははなはだまずい……。

娘の蘭が大王に愛されることは、
父の豹の立場を高めてやることにつながる。
豹は全幅の信頼のおけない人物であり、
そのような事態は許されないのだ。
まして王妃の呂夫人は楚に囚われの身であり、
どういう扱いを受けているのか
見当もつかない状況である。

このようなときに大王に背徳の種を
残すわけにはいかない」これが、
首脳部の共通の意識であった。
かくして魏蘭は張良の進言により、
韓信のもとに送られた。
父、魏豹の望みどおりに前線に
身を置くこととなったのである。
この決定を聞いた劉邦は
張良にむかって毒づくのだった。

つづく

Author :紀之沢直
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愚人は過去を、賢人は現在を、
狂人は未来を語る



歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…


涙のしずく /キム・ヨンジャ
作詞:岡田冨美子・作曲:浜圭介


まるでこわれた人形みたい
瞳に時間が映らない
崩れた未来の散らかる部屋で
思い出だけが踊ってる

女は抱かれて鳥になり

男はさよならで鳥になる
愛することが待つことならば
いつまでもまつけど……
窓辺に坐れば青空が
涙のしずくでいっぱいになる






人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる








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お風呂物語

furo










歴史・履歴への許可証

歴史・履歴への許可証

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンは、
音楽史上極めて重要な作曲家であり、
日本では「楽聖」とも呼ばれる。
その作品はロマン派音楽の先駆けとされている。



第九や荘厳ミサを完成させた頃

Betoben_2

1770年、現在のドイツのボンに長男として生まれる。
父は、宮廷歌手であったが大酒飲みで収入は少なく、
一家は祖父の支援によって生計を立てていた。
1773年に祖父が亡くなり、生活は困窮。
ベートーヴェンは父からその才能を当てにされ、
4歳頃から虐待とも言える音楽のスパルタ教育を受ける。

1778年にケルンでの演奏会に出演。
1782年からクリスティアン・ゴットロープ・ネーフェに
師事した。
16歳のときにウィーンを訪れ、
憧れを抱いていたモーツァルトに弟子入りを申し入れて
許可されたとされるが、
母の病状悪化の報を受けて帰郷。母はまもなく死亡する。

1787年17歳のベートーヴェンは、
訪問先のウィーンでモーツァルトに出会い、
その際モーツァルトは、即興演奏した
ベートーヴェンのあまりの上手さに
「この青年は立派な音楽家になるに違いない」と
予言したといいます。

1792年22歳のベートーヴェンは、ボンの選帝侯から
奨学金を受け、音楽を学びに再びウィーンへ旅立ちます。
ウィーンに到着したベートーヴェンを待受けていたのは、
憧れの師モーツァルトの死でした。

その後は、アルコール依存症のため失職した父に代わり
仕事を掛け持ちして家計を支え、
父や兄弟たちの世話に追われる日々を過ごす。

1792年、ハイドンに才能を認められて弟子入りを許可され、
ウィーンへ移住。
ベートーヴェンは、ピアノの即興演奏の
名手として名声を得る。

20代後半から持病の難聴が徐々に悪化、
26歳で中途失聴者となる。
音楽家として聴覚を失うという絶望感から、
1802年に
『ハイリゲンシュタットの遺書』を記し
自殺も考える。

しかし、この苦悩を乗り越え、新しい芸術の道へと進む。
1804年、交響曲第3番の発表を皮切りに、
その後10年間にわたって中期を代表する作品が書かれ、
傑作の森と呼ばれる時期となる。

40代に入ると、難聴がさらに悪化し、
晩年の約10年はほぼ聞こえない状態になる。
苦悩の中でも大作を書き続けるが、
1826年に病状が急激に悪化。
10番目の交響曲に着手するも未完成のまま
1827年、肝硬変により56年の生涯を終えた。


ハイリゲンシュタットの遺書
内容は、日ごとに悪化する難聴への絶望と、
芸術家としての運命を全うするために
肉体および精神的な病気を克服したい
願望を反映している。

ベートーヴェンの、
ミサ・ソレムニス ニ長調 作品123は、

1823年に完成された晩年の大曲である。
献呈の相手は親交のあったルドルフ大公。
当初、大公の大司教就任祝いとして書き始められた。
しかし、書き進むうちに次第に構想が広がって、
就任式に間に合わなくなり、完成までに
結局5年間を要した。
実際に大公が演奏したかは不明だが、
現在でもベートーヴェンが書いた
最後の大宗教曲として広く演奏されている。






(ベートーベンの名言・格言)

ワインを嗜み、銘柄はトカイワインを好んでいた。
父親に似て大の酒好きであり、
寿命を縮めることになったのは疑いがない。
コーヒーは必ず自ら豆を60粒数えて
淹れたという。

不公平と矛盾がある社会では、
生きている限り、必ず不幸や苦しみが。
降りかかってくるものである。
しかし、それを自分の運命として受け止め、
辛抱強く我慢し、その運命と戦えば、
自ずと道は開かれる。

苦悩を突き抜ければ、歓喜に至る。

25歳。それは男のすべてが決まる年だ。
悔いを残してはいけない。

人間が人間に対し卑屈になる。
僕はそれが苦痛なのだ。

音楽とは、男の心から炎を
打ち出すものでなければならない。
そして女の目から涙を引き出すもので
なければならない。


神がもし、世界でもっとも不幸な人生を
私に用意していたとしても、
私は運命に立ち向かう。


一杯のコーヒーはインスピレーションを与え、
一杯のブランデーは苦悩を取り除く。


名声を勝ちとった芸術家は、
そのことによって苦しめられる。
そのため、処女作が往々にして最高作となる。


これはあなたのために書いたのではありません。
後世のために書いたのです。

結局のところ、私に才能はあったのだろうか。
友よ拍手を! 喜劇は終わった。


1770.12.16~1827.3.26 享年56歳



夢はでっかく、根はふかく。
花を支える枝 枝を支える幹 幹を支える根 
根はみえないんだなあ


人の為(ため) と
書いて、
いつわり(偽) と
読むんだねぇ







誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。


時は絶えず流れ、
  今、微笑む花も、明日には枯れる 






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カビの生えないお風呂

お風呂物語

furo









2015年6月16日 (火)

歴史・履歴への許可証

歴史・履歴への許可証

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

夢はでっかく、根はふかく。
花を支える枝 枝を支える幹 幹を支える根 
根はみえないんだなあ



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スズメと キツツキ(福井県の民話)

むかしむかし、スズメの お母さんが重い病気になって、 
今にも 死にそうだという 知らせがきました。
「そりゃ、 大変だ!」
ビックリした息子のスズメは、普段着のままで、 
おおあわてで お母さんのところへ かけつけました。
仕事の途中できたので、顔はドロだらけです。
でも、元気な息子の顔をみたお母さんは、
「よくきてくれたね。 ありがとう」と、いって 
喜び死にそうだった病気まで、良くなりました。

このことを知った神様は、
「なんて、感心なスズメだ」と、いって、 
人間と同じようにお米を食べることを許してくれたのです。
そればかりか、人間の住んでる近くでも
暮らせるようにしてくれました。

さて こんどは、キツツキのお母さんが重い病気なり、
今にも死にそうだと いう知らせがありました。
でも キツツキはとっても おしゃれな娘で、
毎日毎日遊んでばかりいます。
ですから、その知らせを聞いたのも
夜になってからでした。
(ふーん、 そうなの。でも、まだ死んだわけではないから 
大丈夫ね。それよりも、きっと近所の鳥たちも
お見舞いにきているから、
私の きれいな ところをみせなくちゃ)
キツツキは、おしろいをつけたり、べにをつけたりと、 
いつもより ていねいにお化粧して、
一番上等の着物を着てでかけました。
でも気の毒に、お母さんは娘がくるのが
待ちきれずに、死んでしまいました。

さて、それをしった神様は、カンカンに怒りました。
「母親よりも自分が大事だなんて、なんて ひどい娘だ!」
そして バツとして、木の中の虫しか
食べられないように したのです。
そればかりか、山の中でしか暮らせないようにしました。

だから スズメは今でも自由にどこへでも飛んでいき、
美味しいお米まで食べられるのに、 
キツツキは山の中にいて、木に穴を開けなければ
虫を食べることが できず、夜になると 
くちばしが痛い痛いと いって、
泣いていると いうことです。


おしまい


虹の鳥



ウサギどん キツネどん(ハリスの童話)

むかしむかし、原っぱの中を、
ウサギがヒョイヒョイとあるいてきました。
むこうをみると、おいしそうなやさいが
たくさんおちています。(こいつはラッキー)と、
くいしんぼうのウサギは、パッととびつきました。
  
ところが、それは人間のしかけたワナで、
ウサギはたちまちつかまってしまいました。
逃げようにも、からだになわがまきついてしまい、
うごくこともできません。

そこへ、ワナをしかけた人間がやってきました。
「やいウサギ! おまえだな、
まえからうちの畑のやさいをとって
たべたりしていたのは。
まずはおまえを、パンパンにぶってやろう」
そういって人間は、ウサギをぶつための
木のえだをとりに林へはいっていきました。

ちょうどそこへ、キツネがやってきました。
ワナにはまってうごけないウサギを見ると、
キツネは、「ほう、ウサギどん、
きょうはまいってるようだね」と、いいました。

キツネとウサギは仲がわるくて、
けんかばかりしていたのです。
キツネがからかうと、ウサギはしばられているのに
へいきなかおをして、
「キツネどん、わしがこんなワナなんかに、
ひっかかるとおもうかね。
これはわざとだ。わしがたのんで、人間に
しばってもらったのだよ」
「えっ? なぜ、しばらせたのだい?」

「いま、村の知り合いとばったりあってね。
結婚のおいわいがあるので、
ぜひきてほしいとたのまれたんだが、
その男はわしがきまぐれなのを知っていて、
にげられないようにわざと木にぶらさげて、
わしをはこぶカゴをとりにいったのさ。
わしはそのむかえのカゴを、まっているわけだ」

「ふーん、そんなお祝いなら、
ごちそうも多いだろうなあ」
「多いとも! おなかいっぱい、おいしいものが
たべられるよ」
「いいなあ」くいしんぼうのキツネは、
うらやましそうな顔をしています。
「どうだい、わしにかわって、その
お祝いに出てみたくないかい?」
「うん! ウサギどん、たのむから、
わしをいかせておくれよ」
「よし、そんなにいうんなら、かわってあげようか」
そこでウサギは、じぶんのからだのなわを
キツネにほどかせて、そのかわりに、
キツネのからだをしばってしまいました。

そしてじぶんはさっさと、どこかへきえていきました。
そのあとそこへ人間がもどってきて、
ウサギがキツネにかわっているのでビックリ。
「あれ、いつのまに、かわったのだい? 
だが、キツネもニワトリをとったりするこまりものだ。
よし、きょうはおまえをこらしめてやろう!」
人間は木のぼうで、ポカリポカリとキツネをぶちます。
キツネはしばられているので、にげることができません。
そのうちに、つかっていた木のぼうがおれたので、
男はかわりのぼうをひろいに、
また林へはいっていきました。

そこへウサギが、もどってきました。
「ウサギどん、ウサギどん、たすけてくれ」と、
キツネはいっしょうけんめい、ウサギにたのみます。
「たすけてやってもいいが、これからは、
わしに出あったら、『いつでも、お元気ですか? 
ウサギどん』と、あいさつするかい?」
「うん、するする! きっとあいさつするよ!」
「よし、じゃあ、たすけてやろう」と、
ウサギはキツネのなわをといてやりました。

「ああ、ありがとう。おかげでたすかったよ」
キツネはウサギにだまされてしばられたことも
わすれてしまい、
ただワナからぬけでることができたのをよろこんで、
お礼をいっています。
そして、人間がまたぼうをひろってもどってきたときには、
ウサギもキツネも、もうどこかへいったあとでした。


おしまい




オオカミとイヌの戦争






人の為(ため) と
書いて、
いつわり(偽) と
読むんだねぇ




誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。



時は絶えず流れ、
  今、微笑む花も、明日には枯れる 






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お風呂物語


furo









妄想劇場・一樂編

妄想劇場・一樂編

信じれば真実、疑えば妄想


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー



Mituo

人の為(ため)と
書いて
いつわり(偽)と
読むんだねぇ






『大当たり!』


「大熊君、ちょっと今、いいかな」 「はい」
「役員室に来てくれないかな」 「はい、ただいま!」
「当たりだよ!それも大当たり」 「え?」
「いいから、いいから見ればわかる」
電話の主は、社長の田中だった。突然の呼び出しだ。
椅子の背もたれに掛けてあった上着を羽織り、
部屋を飛び出した。
(機嫌が悪そうな感じはなかったよな。いや、珍しく上機嫌だ)
エレベーターのボタンを押したものの、
踵を返して階段を駆け上がった。

大熊新三郎は、大手食品メーカーの人事部長をしている。
この数年、その大熊を悩ませているのが、新人教育だ。
有名校を卒業し、学業成績も優秀。
「ぜひ」と思って採用したものの、社会人として全く通用しない。

もちろん、入社前に一通りの社員研修を行う。
名刺の渡し方、取引先との挨拶、
タクシーや宴席での上座・下座など、
「当たり前」のことを教える。いわゆる接遇訓練である。

しかし、いざ現場に配置すると、
そのほとんどが使い物にならない。
研修で習ったことはきちんとやる。
しかし、ちょっとイレギュラーなことが起きると、
対応できないのだ。

こんなことがあった。 営業に配属された新卒の男性社員。
早速、課長のお供で夜の接待に出掛けた。
一軒目の料亭で食事を終え、
タクシーに乗ろうとしたときのことだったという。
接待していた商社の社長よりも、
お付きの女性秘書が先にタクシーに乗り込もうとした。
それを見て、新人君は、
「あっ、社長!どうぞ先に」と言い、
秘書が乗りこもうとするのを腕で制して止めた。

社長は、「ああ、いいんだよ。
僕は後から乗るから」と言ったが、
それでも、「いえいえ、それが決まりですから」と言い、
秘書を無理やり降ろさせた。
「いや、私は後でいいから」と言う社長の背中を押した。
社長は、渋々という感じで苦笑いをして
タクシーに乗った。 その後の一言がいけなかった。
「社会人としての基本ですから・・・」と、
秘書の行動を暗黙に非難するような態度を取ったという。
翌朝、その女性秘書から、営業課長宛に
クレームの電話があった。

「わたくしが何を言われてもかまいません。
昨夜、あの場では申し上げるのも無粋と思い従いましたが、  
社長は大変困っておられました。
ここだけのお話にしていただきたいのですが、  
ここのところ社長はお尻の病気の具合が悪くて、
車に乗る際には乗り降りし易いようにと、  
最後に乗るよういしていらっしゃるのです。

ご自宅にお送りする車の中では
『まあまあ、新人さんのことだから・・・』と
おっしゃっておられましたが、今後のこともございますので、  
失礼かとは思いましたが電話させていただきました」

臨機応変ということができないのだ。
タクシーに乗るとき、一番の上座は、運転席の後ろ。
そう教えられると、それしかできない。
「おや?」「なんで、秘書が先に
乗り込もうとしているのかな?」と、察すること、
空気を読むことができない。

その空気とは、どうしたら読むことができるのか。
それは、「思いやり」だ。相手が何を欲しているか。
欲していることをしてあげる。
それが、人との付き合いで一番大切なことだ。
しかし、その「思いやり」は、一朝一夕には身に着かない。
いくら社員研修をしても、「思いやりを持て」と言っても、
その人の資質は変えられないものだと痛感していた。

かといって、それを変えるのが、
人事部長の仕事なのだが・・・。

社長室をノックすると、いきなり、
「大熊君、大当たりだよ!」
「え?!何がでしょうか」
「今度の採用試験だよ」
「ああ・・・特別枠の・・・」
大熊が口にした「特別枠」とは、社長が言い出した
「特別枠採用制度」のことだった。
学力は一切関係なし。もちろん、出身校も、
今まで何をしてきたかも関係ない。

「素行」というポイントにだけに絞って、採用する制度だ。
これは、田中社長の提案で昨年からスタートした。
とはいっても、初年度なので、まず3人だけ。
毎年、30人近くの新卒採用をすることから考えると、
1割にも満たないが、それは冒険だった。
まったくの「おバカ」でも採用することになる。
吉と出るか、凶と出るか。
それはまるで「賭け」のような採用制度だった。

では、何を見て、「素行良し」と判断するのか。
社長いわく、「家庭のしつけ」だと言う。
そこで、面接試験当日、受験者全員にランチに
「お弁当」を食べさせる。チェック項目は、わずか2点。

一つは、「いただきます」と「ごちそうさまでした」を
言うか言わないか。
いま一つは、箸の持ち方。正しく、箸を遣って
ご飯が食べられるか。
改めて、「握り箸」になっている若者が多いことに驚いた。

社長は言う。「古臭いと言われるかもしれんがな、
ちゃんと日常の生活ができん者が、  
社会で仕事はできんと思うんだな。勝手で申し訳ないが、  
この採用方法で私に3人の枠をくれんかな」
そう言われて始まった制度だった。

「大熊君、ちょっとこっちへ来たまえ」
大熊は、社長の田中に腕を掴まれて、秘書室へ行った。
社長以下、専務、常務など役員の世話をしている
7人の秘書が仕事をしていた。
それを、ドアの陰からこっそり見やった。

「あの娘じゃよ、あの娘」
社長が指差したのは、今年、特別枠で採用された女性だった。
斉藤朱音(あかね)だ。
社長から、「ぜひ、この娘を」と言われたとき、
ささやかではあるが抵抗したのを覚えている。
筆記試験がボロボロだったのだ。社長が、小声で言った。
「よく見ててごらんよ。大当たりだから」 「はあ~」
その時、秘書室の電話が鳴った。1コールが鳴った瞬間、
斉藤朱音が受話器を取った。 おそらく、0.何秒だろう。

「はい、たいへんお待たせいたしました。
銀座食品工業の秘書室、斉藤でございます」
大熊は、社長が何を言わんとしているのか
皆目見当がつかなかった。
「いつもいつもお世話になっております」
斉藤は、そう言うと、電話に向かってペコリとお辞儀をした。
それも、机に頭をぶつけるのではないかと思うほど、深く。
そして、「はい、専務でございますね。
たいへん申し訳ございません。  
あいにく、ただいま外出しておりまして・・・」

横顔ではあるが、その表情を見て、
思わずクスリと笑ってしまった。
本当に「申し訳ない」という顔つきをしているのだ。
もし、自分が、会社に文句を言いに来たクレーマーだとしたら、
「いいや、許してやる」と言ってしまうそうになるような
顔をしているのだった。

「どうかな」 「はい、たしかに丁寧ですね」
「ううん、そうじゃない。
たしかに、電話に向かってお辞儀をするのは心の現れだろうな。  
それにな、秘書室長に訊くとな、
すべての電話を一番で取るんだそうだ。  
他の秘書も負けまいとして頑張るけれど、
勝てないらしい」 「ええ~」

大熊は、改めて斉藤の顔を見つめた。
「違う、違う、大熊君。そいうことじゃないんだ。  
気がつかんかったか?」 「え?」
「最初に、あの娘はこう言って電話を取ったろう」
「・・・?」 「たいへんお待たせいたしました、てな」
「ああ・・・」たしかに、そう言った。
しかし、大熊は社長の意図するところがわからなかった。

「私はね、彼女が初めてそれを言うのを耳にしたとき、
何だか違和感を覚えたんだよ。  
だってな、イの一番で電話を取るんだよ。
相手を待たせてはいない。  
まあ、3コールくらいだったらわかるけどね」
「そういえば、ちょっとおかしいですね」
「そうだろう」 「改めさせましょう」
「違う、違う、そうじゃないんだよ。この前な、
あまり気になったんで、直接訊いてやったんだ。  
そうしたら、キョトンとしてこう答えるんだよ」
「はい・・・」

「電話をかける人は、かける前から相手の顔を
思い浮かべているっていうんだな。  
会社の固定電話にしても、ケータイにしてもな。
電話番号帳を調べたりしている間にも。  
早く用件を伝えたいと思う。
ケータイに登録してあれば、親指でアドレスを探す。  
なかなか見つからないこともある。
すると、イライラする。そんなことはないかね」

たしかにある。大熊は、電話をかけるときの気持ちを
改めて思い起こしてみた。
中には、名刺ホルダーからその人の名刺を探したり、
相手の会社のホームページを調べたりすることもある。

「つまりな。彼女が言うには、電話が繋がったときには、
相手は充分に待った後だと言うんだ。  
だから・・・『たいへんお待たせしました』って
言ってあげたい。  
こちらの怠慢で待たせたわけではないけれど、
それでもそう言いたいんだそうだ」
「変な理屈のような気もしますが、わかる気もします」
『なんで、そんな言い方をするんだい?』と訊いたらな、
こう言うんだ。  
小さい頃から、お婆ちゃんに教えられたってな。
さらに、『そのお婆ちゃんて、何をしていた人?』て訊くと、  
デパートのお客様相談室で働いていたことが
あるっていうじゃないか」
「・・・!」 「大熊君! あの娘、ひょっとすると大当たりだよ」

大熊は、今まで、考えてもみなかった電話対応の言葉に、
言葉を失った。
そして、それを、社内全体に広めるべきかを考えていた。
心の中で、つぶやいた。
「たいへんお待たせいたしました」と。

斉藤朱音が、両手でそっと受話器を置くのが見えた。
その仕草を見るだけで、心が安らぐ気がした。
なぜなら・・・。まるで、
赤ちゃんをベッドに寝かせるように、
そっとそおっと置いたからだった。


《終わり》

Author :志賀内泰弘


歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



純情二重奏
作詞:西條八十、作曲:万城目正、

森の青葉の 蔭に来て
なぜに淋しく あふるる涙
想い切なく 母の名呼べば
小鳥こたえぬ 亡き母こいし





松竹の歌謡映画『純情二重奏』の主題歌。
監督は佐々木康で、
声楽家への夢を抱く栄子を高峰三枝子、
ライバルの八千代を木暮実千代が演じました。
劇中で効率よく使われた結果、
大ヒットし、歌手・高峰三枝子を
確立した曲でもある。



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる








P R

きれいなお風呂・宣言

お風呂物語

furo









2015年6月15日 (月)

妄想劇場・番外編(18禁)

妄想劇場・番外編(18禁)

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

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18歳未満の方は
ご遠慮下さい。





昨日という日は歴史、 今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.



離婚した母と二人暮らしの少年。
そこに乗り込んできたのは、
中年の男だった……


樹新(いつきあらた)がこの街に越してきて、
今日で一週間になる。
まだ十歳、小学校四年生の新にとって、
この七日間はまさに激動の日々であった。
母の恵(めぐみ)と二人、住み慣れた
高級マンションを離れて安いアパートで暮らし始め、
姓も本郷から母の旧姓である樹へと変わった。
初めての転校も経験。 知らない学校に、
初対面のクラスメート。何もかも不慣れな状況で、
時間だけがばたばたと 慌ただしく過ぎていった。

父と母の間に何があったのか、
細かい事情は分からない。
だがそれでも、二人の間に埋めようのない溝が
横たわっていたことは、
子供の新でも容易に 理解することができた。
(とにかく……) お母さんを大事にしよう。
新は強く、そう思っている。
頑張って勉強して早く立派な大人になろう。
そうすれば母に余計な心配をかけずに済むし、
自分の力で守ってあげることだってできるはずだ。
だがその一方で、新は恵と二人だけで過ごす
この暮らしが決して嫌ではなかった。

立派なマンションで両親が言い争う姿を見るより、
たとえ貧しいアパートでも、
母と二人で 仲よく過ごす方がよほどいいと思えた。
引っ越して以降、生活レベルはぐっと落ち、
食事などもかなり質素になっていたが、
そんな ことは新にとって何の問題にもならなかった。
優しくて綺麗な自慢の母と安らかな日々を送れる。
それがただ、嬉しかった。
そんなわけで、今日も樹家の夕食は
二人だけの簡単なものとなるはずだった。

なる、はずだったのだが。
この日の食卓は、やけに豪勢だった。
「がっはっは」 新の正面でどっかりと
ふんぞり返るように座っているのは、
見慣れない中年の男。 桐林卓二
(きりばやしたくじ)と名乗った
その男は色黒の強面で、昔ヤクザ映画に
よく出て いたアニキと呼ばれる俳優に
ちょっと似ていた。

「おお、おっとっと。こぼれるこぼれる」
恵が注いだビールにおちょぼ口をのばしながら、
桐林は上機嫌であった。
「あー、新くんといったか。
色々大変だったがもう安心だぞ。
おじさんを本当の親父と思ってくれて
構わんからな。何かあったらいつでも言え。
がっはっは」 豪気にそんなことを言いながら
がぶがぶビールを飲み干し、
「おう、もう一杯」などと妙に 図々しい態度で
おかわりを要求する。

「……はい」 新は今にも消え入りそうな声で
ようやくそれだけ返事をしたが、
あとは食事の間中ひたすら
黙りこくるばかりであった。
とにかく、怖かった。
父は理屈っぽい優男であったため、
暴力の危険を感じたことはない。
母との言い争いがエスカレートした時でも
詰り方がどんどん陰湿になるだけで、
手を上げた ことは一度もなかった。

だが、この桐林卓二という男は違う。
何かおかしなことを言えばすぐビンタの一発も
張ってきそうな威圧感が、固太りの全身から
ぷんぷん漂っていた。
「よし、じゃあ俺はこっちの茶の間で
寝るってことだな」
「……」  食事とその後の団らんを終え、
桐林が家に泊まることが明らかになると、
新の心中に巣食う 恐怖はますます
増大の一途をたどった。

樹家の間取りは、六畳二間。
リビングはフローリング、寝室は和室という
造りになっている。
一応申し訳程度にふすまで 仕切られてはいるが、
二部屋の境界線はほとんどないに等しい。
新は和室で恵と二人、布団を並べて
床についていた。
さすがにもう一緒の布団で寝ることはないが、
それでも距離は十分に近い。
これも新が今の 生活を気に入っている
理由の一つだった。
だが、今日はまるで事情が違う。 「……」
初めて味わう未知の恐怖に、眠るどころか
目は冴える一方。さっきからまんじりともせず、
時計の針が進む音を聞き続けるばかりだ。

そこに。 隣の部屋から、ごそごそと
物音が聞こえた。
「!」 新は慌てて身を翻すと、
入口側に寝ている恵に背を向け、胎児のように
身体を丸くしながら 壁のシミとにらめっこを始めた。
重い足音がのしのし響いて、床がきしみながら
微かに揺れる。建てつけの悪いふすまが、
少々耳障りな音をたててずずっと開いた。

「……ふん」姿を見せるなり荒い鼻息を吐いたのは、
言うまでもなく桐林卓二。
「さて、と」 桐林は親子の寝室に踏み込むと、
着ていた下着を脱ぎ捨てて素っ◎になった。
そして素早く 恵の布団をめくると、
のしかかるような体勢で上から覆いかぶさる。

続く


(18禁)フィーリング



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる



Tinko_2
人の為(ため)と
書いて
いつわり(偽)と
読むんだねぇ




誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……







P R

カビの生えない・お風呂

お風呂物語

furo










信じれば真実、疑えば妄想……

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
「国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。


漢の韓信-67ー京・索の会戦

こんなはずでは、なかった。
包囲の輪が小さくなっていく中、
鍾離眛は退路を断たれ、追い込まれていく。
次第に兵との間隔が狭まり、密集の中に
身を置きながらも、
究極的な場面で感じられるのが孤独であることに、
彼は驚きを禁じ得なかった。

漢の指揮官が韓信であることは、彼にもわかっていた。
今、この場に及んで思い出されるのは、
過ぎし日の韓信とのやり取りであった。
(おまえのような臆病者が将になったとして、
兵がついてくるものか)
その臆病者に滅ぼされかけているのは、
自分であった。

(私が将になったならば、味方の兵を死なせない。
そのくらいの気構えはあるつもりだ)
韓信はかつてそんなことを言った。
その言葉の通り、味方の兵を数多く死なせたのは、
彼ではなく、自分であった。

(眛、お前の目はひどく濁っているぞ)
だからどうしたというのだ。目が濁ったとしても、
それはこの乱世の中で人の死を大量に見てきた証拠だ。
お前のように現実から目を背けてきたわけではない。
彼はかつて、聞いたことがあった。
それは、人は死ぬ直前に過去のことを大量に思い出す、
ということである。

そのことが、このとき彼の脳裏をよぎった。
なんということだ! 今の自分こそが、それではないか。
眛の心の中に、諦めに似た感情が浮かび始めたとき、
部下の叫び声が耳に入った。

「将軍! 敵将と思われる騎馬の一団が、
こちらに向かって突進してきます!」
眛は我に帰った。
死の淵から引き戻された感じがした。
「……断じて来させるな! 
逆に包囲して討ち取るのだ」
漢軍に包囲され、絶望的な劣勢に立たされた楚であったが、
それにもかかわらず進撃しようとすると彼らは抵抗した。

「カムジン、前を行け!」韓信はカムジンを先頭に立たせ、
行く手を阻む楚兵たちをひとりずつ矢で射たせた。
カムジンの短弓から放たれた矢は、
正確に、無慈悲に楚兵の心臓を貫き、
次々にその命を奪っていく。 
そして、やがて司令官らしき男の姿が韓信の目に入った。

「眛……」それは焦燥しきった鍾離眛の姿であった。
「韓信! わざわざおでましか。
私に討ち取られに来たのか」
韓信は強がりをいう鍾離眛の目を見ることができなかった。
「今に至ってそのようなことを言うな……。
状況はすでに決している。降伏しろ、眛」

「降伏……情けをかけるな! 
……斬ってみせろよ、信! 
どうせお前には斬れまい……。
お前は昔からそういう奴だったからな!
 だが私は違うぞ! 
遠慮なくお前を斬ることが……私にはできるのだ!」
言い放った鍾離眛は剣を抜いて韓信に斬ってかかった。

それを見たカムジンがとっさに韓信の前に立ちはだかり、
短弓から矢を放った。
「うっ! ……」矢が眛の右肩に突き立った。
彼はその激痛で剣を落としたが、
痛々しい所作でなんとかそれを拾い上げようとする。

「やめろ、カムジン。……いいんだ」
韓信はカムジンを抑え、さがらせた。
その間に鍾離眛は再び突進し、
韓信に剣を突き立てようとした。
韓信はしかし剣を抜かず、
手にしていた長槍をさかさまに持ちかえると、
その柄の先で眛の腹を突いた。
衝撃に耐えられず、眛はその場に転倒してしまった。
「汚いぞ、信! 剣で勝負しろ。
……家宝の剣が泣くぞ!」

しかし韓信はそれに答えず、全軍に撤収を命じた。
後方に項羽の軍が到達するのを確認したからである。
項羽はすでに散開した漢軍を深追いすることはせず、
壊滅寸前となった鍾離眛の軍を救出して軍を返した。
互角以上の兵数が予備兵力としてあるとしても、
この戦いは項羽にとって、負け戦であった。
戦いは流れが大事であり、
その流れを覆すのには倍以上の兵数が
必要だったのである。

かくして項羽率いる楚軍の撤退により、
漢は滎陽以西を勢力圏として確保することが
できたのだった。
「なぜ? 将軍。なぜ斬らなかった……のですか?」
カムジンは韓信に質問したが、
はかばかしい答えは得られなかった。
「うむ。最初は斬るつもりでいた。
しかし、相手は鍾離眛だ。……
彼とは無二の親友なのだ。
幼いころから人慣れしなかった私の唯一の友である彼を、
私が……どうして斬れよう?」

まだ若く、戦争の理不尽さも深くは知らないカムジンには、
無二の親友が敵味方に分かれていることの意味が
どうしても理解できなかった。
カムジンはさらに質問しようとしたが、
表情に暗い影をおとす韓信に、
それ以上なにも言うことはできなかった。

一方の鍾離眛。彼は誰にも聞こえないよう
気をつけながら、小声で呟いた。
頭で考えるだけではなく、声に出さないと
気が済まない。そんな感じだった。

「信……どうして斬らなかったのだ。
お前が私を斬ってくれたなら……
私は恨まないだろう。しかし生かされた以上、
再び戦場でまみえることになったら、
私はお前を斬らねばならない。
私はそれが……どうしようもなく嫌でたまらないのだ。
お前が私を斬ってくれたら……
そんな思いとは無縁でいられたのに」
鍾離眛の目には、涙が滲んでいた。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.

愚人は過去を、賢人は現在を、
狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…


「銀座の恋の物語」
石原裕次郎と牧村旬子
作詞:大高ひさを・;作曲鏑木創


心の底まで しびれる様な
吐息が切ない 囁きだから
泪が思わず 湧いてきて
泣きたくなるのさ この俺も
東京で一つ 銀座で一つ
若い二人が 始めて逢った
真実(ほんと)の 恋の 物語り




デュエット曲「銀座の恋の物語」は
1961年にテイチクより発売。
歌手は石原裕次郎及び牧村旬子。
作詞は大高ひさを、作曲は鏑木創。

「銀座の恋の物語」は1961年に公開された
日活映画「街から街へつむじ風」
(石原裕次郎主演)の挿入歌として
使用されたものであり、
公称300万枚を超える大ヒット曲となった。
現在でもカラオケなどにて
定番のデュエット曲として愛唱されている。
1962年に公開された同名の日活映画
「銀座の恋の物語」は主題歌として
使用しています。



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる








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カビの生えないお風呂

お風呂物語

furo

チャンネル・掲示板

チャンネル・ニュース

幸せがつづいても、不幸になるとは言えない
 不幸がつづいても、幸せが来るとは限らない


みのる

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー



『ダメな人間でも、信じてくれる人がいれば……』

実は私、小学生の頃ひどい
イジメにあっていたんです。
学校に行っても机の上に塩が置いてあったり、
黒板に「バカ、死ね」なんて書いてあって、
本当に学校に行きたくなかった。

なんで机の上に塩が置いてあったかですけど、
ちょうどそのころ私は、 ネフローゼという
難病になって2~3カ月学校を休んでいました。
そして、常に塩分を控えるように
お医者さんに言われていたのです。
塩を摂り過ぎてはいけない体だったんです。
だから塩は、自分に対する「早く死ね」って
意味だったんですね。
結構辛かったです。

今だから話せるけど。でも正直、
母親や父親にはいつも強がったことばかり
言っていたので、 自分が今「苦しい・・」
「助けてほしい!」なんて口が裂けても
言えませんでした。

その代わりに言えた言葉は、母に対しては
「バカヤロー」「うるせー」でした。
父親のことは、「無視」。
本当に申し訳ないことばかりでした。
今じゃ、かなり良い人になってるのに(笑)

「とにかく寂しかったんです。孤独だったんです」
だから中学校に上がっても私は荒れていました。
他校の生徒とケンカをしたり、
パトカーにも2度乗せられました。
万引きもたくさんやりました。
「多分、誰かに振り向いて欲しかったんです」

この頃、私はどの友達の親にも
こう言われていました。
「矢島と遊んではいけない!」
だから、一緒にいるのはほんの少しのワルだけ。
けれど、勉強もできない、世の中の
役にも立たない私に転機が訪れたのです。

それは中学1年生から3年生まで
私の担任をしてくれたC先生のおかげです。
中学2年の時、C先生は
私たちの行動にあきれたのと、
私たちの将来を心配してこう言ってくれました。

「毎朝、少し早く学校に来て先生と一緒に
勉強しないか?」というより、半ば強制的に
「来い!!」というようなものでした。

私たちは、その朝の勉強会に
最初のうちは興味半分で行きました。
しかし、だんだん1人減り2人減り、
やがてみんな行かなくなりました。

そんなある日、C先生が私たちを
本屋に連れて行ってくれました。
「難しい問題集じゃなくて自分達が好きで、  
できそうな問題集を好きなだけ買え。
お金は先生が払うから・・・」

「先生お金持ちなんだな!」と思いながら、
私たちは、かなりの時間をかけて
簡単そうな問題集を探し、
1人2~3冊買ってもらいました。

しかし数日後、私はその本をゴミ箱に捨てました。
やっぱり勉強はやりたくないし、
好きではないからです。
しばらくして、そんな態度を見かねたC先生が、

「お前たち、たまには先生の家に
遊びにこないか?」と誘ってくれました。
ちょうどC先生には、赤ちゃんが
生まれたばかりだったので、さっそく仲間たちと
一緒にC先生の家に行きました。

私はC先生の家の前に立った瞬間、
立ちすくみました。鳥肌が立ちました。
あれだけの本を買ってくれた先生の家が、
古くてぼろいアパートなんです。
(先生、ごめんなさい)

先生はお金に余裕があるから、
たくさんの問題集を買ってくれたと
思っていたのに…。
私は比較的裕福な家に育ちました。
当時の先生と比べたら、きっとお金持ちです。
(すみません)

私は、ちょっと具合が悪くなりました。
けれど、そのまま先生の家に入りました。
小さな部屋でした。
夫婦2人と赤ちゃんが、古くて小さい部屋に
住んでいるんです。
とても贅沢とは、ほど遠い家です。

こたつの上には私たちのために
一生懸命に作ってくれた豪華な料理がありました。
その横でとっても可愛らしい赤ちゃんが
ニコニコしていました。

私は一瞬、自分の心をハンマーで
たたかれたように苦しくなりました。
こんなに生活を切り詰めてやっている先生が、
いくら生徒とはいえ、赤の他人の私たちに
沢山の問題集を買ってくれた。
奥さんや赤ちゃんには質素な暮らしをさせておいて、
やるかやらないかもわからない私たちに、
無理して問題集を買ってくれたんだ…。
申し訳ない。本当に申し訳ない。

こんなろくでなしの自分が嫌で嫌でしょうがない。
私はその問題集に全く手をつけることなく、
非情にも捨てたのです。完全に人間のクズです。
人の心も有難みも感じない、
私はこの世に存在する価値もないクズなんだ。
本当に、そう想いました。
とめどなく涙があふれてきました
先生ごめんなさい。 本当にごめんなさい。

私はなるべく早く先生の家をでました。
というより苦しくて、 一秒でも
その家にいられなかったのです。
私は帰り道、先生と一緒に行った
本屋へ走って行きました。
先生が買ってくれた問題集を自分のお金で
買いました。

それから毎朝、私は先生の待つ
教室へと通いました。
私はどんどん勉強ができるようになり、
手をあげて答えるのが楽しくなりました。
生まれてはじめて、勉強を楽しいと思えたのです。
感動でした。勉強って、
楽しいな!と思えたことが…。

C先生のおかげで、私は最終的に
慶応義塾大学まで進学することができたんです!
信じられないでしょう(笑)
私は、この時に気づきました。
「ダメな人間でも、
信じてくれる人がいれば大丈夫」 だと。


Author :矢島実

【バトンタッチ】



『嫁入り衣装』

私が嫁さんと結婚してから2、3年が経った頃の
話です。 (私は、世間でいうマスオさんです)

嫁さんの祖母アサエお婆ちゃんと夕食が終わった後、
その場に二人きりになった時のことでした。
(ちなみに、その当時は、まだアサエお婆ちゃんの
認知症は出ていませんでした)

アサエお婆ちゃんが、私に向かって、
真面目な顔で、 自分の葬式の事を話し始めたのです。
(祖母が82、83歳の頃のことです)

「私が死んだらね、普通は真っ白の
着物とかを 着せると思うばってん、
私には、タンスの中に入っとる右下に
花の模様が 刺繍されている着物を着せてね」
と言うんです。

普段はとても地味なお婆ちゃんが、なぜだろうと思い、
「なんで?」 と聞いてみると、
「私はね、主人が戦争に行って、
1年ちょっとしか寄り添うとらんと。 だから、
死んでもう一度主人とあの世で結ばれたいから、
花嫁の時に着た衣装ば着せてくれんね」 と・・・。

私は言葉も出ず、酒を飲んでいたせいもあり、
涙がポロポロ・・・。

その後、その衣装は一度も探していません。
もし見つかると、なんとなく嫌な予感がしたりして、
見つけることができないんです。
そんなお婆ちゃんは、今でも毎日、
何度となく、仏様に手を合わせています。


Author :「矢田部新聞」


【あれは何?】



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる







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カビの生えない・きれいなお風呂

 お風呂物語

furo









 

2015年6月14日 (日)

信じれば真実、疑えば妄想……

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
「国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。


漢の韓信-66ー京・索の会戦

楚軍の陣形は漢軍と同様に方陣を組んでおり、
幅と厚みのある密集隊形であった。
同じ陣形をとっている以上、兵の質が高い
楚軍の方が有利である。
にもかかわらず、韓信は楚軍の先鋒の姿が
視界に入るやいなや、ためらいもなく
前衛の部隊に突進を命じた。

両軍の前衛同士がはげしくぶつかり合う。
しかしそれも長くは続かず、
質でも人数でも劣る漢軍は押され始めた。
漢軍の前衛部隊は中央から切り崩され、
左右に分断されるように陣形がふたつに割れた。
中央突破を許したのである。
ふたつに割れた部隊はそのまま再結集することなく、
抵抗も散発的である。
これをいいことに楚軍は漢軍の中央を奥深く突き進み、
ついには中軍に位置する韓信の陣に肉迫した。

「漢の司令官だ! あれを討て」
楚兵たちの叫び声が韓信の耳にも入る。
中央を深くえぐられた漢軍は、このとき
進退極まったかのように見えた。しかしこれこそ
韓信が仕組んだ罠だったのである。
韓信は前衛部隊を突出させて敵に当たらせたが、
実はこの行為こそが擬態であった。
あえなく敗れたかのように前衛部隊を
左右に分断させた韓信は、
この間にひそかに方陣をT字型に変形させた。

周勃・灌嬰の両翼を前進させて
横に広がる形にしたのである。
そして左右にわかれた前衛部隊は、
それぞれ両翼の部隊に吸収されていく。
これによって陣形は変則的なY字型となった。

「合図の鼓を鳴らせ」韓信は命を発した。
それを受けてさらに陣形の変化は続く。
韓信の属する中軍は、楚軍の進撃を
緩やかに吸収するようにさりげなく後退する。

「第二の合図だ。鼓の律動を早めるのだ」
この合図を機に、両翼部隊は
後退する中軍とは逆に前進を始めた。
この結果、
陣形は完全なV字型に変形したのである。

楚軍は漢軍の中央に深く侵入したつもりでいたが、
実際は左右を漢軍に取り囲まれていたのだった。
韓信は楚軍がそれにようやく気付いたと見ると、
両翼からの攻撃を強化し殲滅にかかった。
そしてある程度楚兵の抵抗力を削ぐと、
さらに陣形を変化させ、楚軍の軍列を
完全に包囲した。
陣形はO字型になったのである。

「よし。うまくいった。……後方の部隊が
救援に駆けつける前に、取り囲んだ、
軍を撃滅せよ、韓信の命によって
一斉攻撃が開始された。
情け容赦のない弓矢の斉射、
脱出をはかる楚兵たちへ突き立てられる長槍、
戦況は漢軍の圧倒的優勢となった。

後方にいた劉邦は、指揮を執る韓信の背中を見つつ、
信め。……思っていた以上に、やりおるわい。と、
感じざるを得なかった。
またその隣の張良は、謀略なしの、
正攻法だったはず……。
不利な条件ながら我々は今、
楚を撃ち破ろうとしている……。
なかなかどうして……。と、舌を巻いた。

しかし当の韓信は、作戦の成功を
確信したわけではなく、
また安心していたわけでもない。
時間をかけすぎると、後ろから項王が来る。
そう思った韓信は、親衛隊に
進撃をともにするよう命じた。

状況は漢による楚兵虐殺の場となっていたが、
韓信はそれでも満足せず、敵将を捕らえることで
一気にこの場の雌雄を決することにしたのである。

つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.

愚人は過去を、賢人は現在を、
狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…


船頭小唄ものがたり(元唄柾木祐次)
作詞:野口雨情、作曲:中山晋平

おれは河原の 枯れすすき
同じお前も 枯れすすき
どうせ二人は この世では
花の咲かない 枯れすすき





歌詞は大正10年(1921)3月に、
民謡『枯れすすき』として発表されました。
これに中山晋平が曲をつけ、
『船頭小唄』としてレコード化されると、
全国で歌われるようになりました。
敗残の思いを切々と歌い上げた歌詞は、
不遇の時代を経験した
雨情の心情の反映であるといわれています
『船頭小唄」は栗島すみ子・岩田祐吉主演で
映画化され、公開されました。



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる








P R
カビの生えないお風呂

お風呂物語

furo











妄想劇場・一樂編

妄想劇場・一樂編

信じれば真実、疑えば妄想


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー



Mituo
人の為(ため)と
書いて
いつわり(偽)と
読むんだねぇ







『大当たり!』


「大熊君、ちょっと今、いいかな」 「はい」
「役員室に来てくれないかな」 「はい、ただいま!」
「当たりだよ!それも大当たり」 「え?」
「いいから、いいから見ればわかる」
電話の主は、社長の田中だった。突然の呼び出しだ。
椅子の背もたれに掛けてあった上着を羽織り、
部屋を飛び出した。
(機嫌が悪そうな感じはなかったよな。いや、珍しく上機嫌だ)
エレベーターのボタンを押したものの、
踵を返して階段を駆け上がった。

大熊新三郎は、大手食品メーカーの人事部長をしている。
この数年、その大熊を悩ませているのが、新人教育だ。
有名校を卒業し、学業成績も優秀。
「ぜひ」と思って採用したものの、社会人として全く通用しない。

もちろん、入社前に一通りの社員研修を行う。
名刺の渡し方、取引先との挨拶、
タクシーや宴席での上座・下座など、
「当たり前」のことを教える。いわゆる接遇訓練である。

しかし、いざ現場に配置すると、
そのほとんどが使い物にならない。
研修で習ったことはきちんとやる。
しかし、ちょっとイレギュラーなことが起きると、
対応できないのだ。

こんなことがあった。 営業に配属された新卒の男性社員。
早速、課長のお供で夜の接待に出掛けた。
一軒目の料亭で食事を終え、
タクシーに乗ろうとしたときのことだったという。
接待していた商社の社長よりも、
お付きの女性秘書が先にタクシーに乗り込もうとした。
それを見て、新人君は、
「あっ、社長!どうぞ先に」と言い、
秘書が乗りこもうとするのを腕で制して止めた。

社長は、「ああ、いいんだよ。
僕は後から乗るから」と言ったが、
それでも、「いえいえ、それが決まりですから」と言い、
秘書を無理やり降ろさせた。
「いや、私は後でいいから」と言う社長の背中を押した。
社長は、渋々という感じで苦笑いをして
タクシーに乗った。 その後の一言がいけなかった。
「社会人としての基本ですから・・・」と、
秘書の行動を暗黙に非難するような態度を取ったという。
翌朝、その女性秘書から、営業課長宛に
クレームの電話があった。

「わたくしが何を言われてもかまいません。
昨夜、あの場では申し上げるのも無粋と思い従いましたが、  
社長は大変困っておられました。
ここだけのお話にしていただきたいのですが、  
ここのところ社長はお尻の病気の具合が悪くて、
車に乗る際には乗り降りし易いようにと、  
最後に乗るよういしていらっしゃるのです。

ご自宅にお送りする車の中では
『まあまあ、新人さんのことだから・・・』と
おっしゃっておられましたが、今後のこともございますので、  
失礼かとは思いましたが電話させていただきました」

臨機応変ということができないのだ。
タクシーに乗るとき、一番の上座は、運転席の後ろ。
そう教えられると、それしかできない。
「おや?」「なんで、秘書が先に
乗り込もうとしているのかな?」と、察すること、
空気を読むことができない。

その空気とは、どうしたら読むことができるのか。
それは、「思いやり」だ。相手が何を欲しているか。
欲していることをしてあげる。
それが、人との付き合いで一番大切なことだ。
しかし、その「思いやり」は、一朝一夕には身に着かない。
いくら社員研修をしても、「思いやりを持て」と言っても、
その人の資質は変えられないものだと痛感していた。

かといって、それを変えるのが、
人事部長の仕事なのだが・・・。

社長室をノックすると、いきなり、
「大熊君、大当たりだよ!」
「え?!何がでしょうか」
「今度の採用試験だよ」
「ああ・・・特別枠の・・・」
大熊が口にした「特別枠」とは、社長が言い出した
「特別枠採用制度」のことだった。
学力は一切関係なし。もちろん、出身校も、
今まで何をしてきたかも関係ない。

「素行」というポイントにだけに絞って、採用する制度だ。
これは、田中社長の提案で昨年からスタートした。
とはいっても、初年度なので、まず3人だけ。
毎年、30人近くの新卒採用をすることから考えると、
1割にも満たないが、それは冒険だった。
まったくの「おバカ」でも採用することになる。
吉と出るか、凶と出るか。
それはまるで「賭け」のような採用制度だった。

では、何を見て、「素行良し」と判断するのか。
社長いわく、「家庭のしつけ」だと言う。
そこで、面接試験当日、受験者全員にランチに
「お弁当」を食べさせる。チェック項目は、わずか2点。

一つは、「いただきます」と「ごちそうさまでした」を
言うか言わないか。
いま一つは、箸の持ち方。正しく、箸を遣って
ご飯が食べられるか。
改めて、「握り箸」になっている若者が多いことに驚いた。

社長は言う。「古臭いと言われるかもしれんがな、
ちゃんと日常の生活ができん者が、  
社会で仕事はできんと思うんだな。勝手で申し訳ないが、  
この採用方法で私に3人の枠をくれんかな」
そう言われて始まった制度だった。

「大熊君、ちょっとこっちへ来たまえ」
大熊は、社長の田中に腕を掴まれて、秘書室へ行った。
社長以下、専務、常務など役員の世話をしている
7人の秘書が仕事をしていた。
それを、ドアの陰からこっそり見やった。

「あの娘じゃよ、あの娘」
社長が指差したのは、今年、特別枠で採用された女性だった。
斉藤朱音(あかね)だ。
社長から、「ぜひ、この娘を」と言われたとき、
ささやかではあるが抵抗したのを覚えている。
筆記試験がボロボロだったのだ。社長が、小声で言った。
「よく見ててごらんよ。大当たりだから」 「はあ~」
その時、秘書室の電話が鳴った。1コールが鳴った瞬間、
斉藤朱音が受話器を取った。 おそらく、0.何秒だろう。

「はい、たいへんお待たせいたしました。
銀座食品工業の秘書室、斉藤でございます」
大熊は、社長が何を言わんとしているのか
皆目見当がつかなかった。
「いつもいつもお世話になっております」
斉藤は、そう言うと、電話に向かってペコリとお辞儀をした。
それも、机に頭をぶつけるのではないかと思うほど、深く。
そして、「はい、専務でございますね。
たいへん申し訳ございません。  
あいにく、ただいま外出しておりまして・・・」

横顔ではあるが、その表情を見て、
思わずクスリと笑ってしまった。
本当に「申し訳ない」という顔つきをしているのだ。
もし、自分が、会社に文句を言いに来たクレーマーだとしたら、
「いいや、許してやる」と言ってしまうそうになるような
顔をしているのだった。

「どうかな」 「はい、たしかに丁寧ですね」
「ううん、そうじゃない。
たしかに、電話に向かってお辞儀をするのは心の現れだろうな。  
それにな、秘書室長に訊くとな、
すべての電話を一番で取るんだそうだ。  
他の秘書も負けまいとして頑張るけれど、
勝てないらしい」 「ええ~」

大熊は、改めて斉藤の顔を見つめた。
「違う、違う、大熊君。そいうことじゃないんだ。  
気がつかんかったか?」 「え?」
「最初に、あの娘はこう言って電話を取ったろう」
「・・・?」 「たいへんお待たせいたしました、てな」
「ああ・・・」たしかに、そう言った。
しかし、大熊は社長の意図するところがわからなかった。

「私はね、彼女が初めてそれを言うのを耳にしたとき、
何だか違和感を覚えたんだよ。  
だってな、イの一番で電話を取るんだよ。
相手を待たせてはいない。  
まあ、3コールくらいだったらわかるけどね」
「そういえば、ちょっとおかしいですね」
「そうだろう」 「改めさせましょう」
「違う、違う、そうじゃないんだよ。この前な、
あまり気になったんで、直接訊いてやったんだ。  
そうしたら、キョトンとしてこう答えるんだよ」
「はい・・・」

「電話をかける人は、かける前から相手の顔を
思い浮かべているっていうんだな。  
会社の固定電話にしても、ケータイにしてもな。
電話番号帳を調べたりしている間にも。  
早く用件を伝えたいと思う。
ケータイに登録してあれば、親指でアドレスを探す。  
なかなか見つからないこともある。
すると、イライラする。そんなことはないかね」

たしかにある。大熊は、電話をかけるときの気持ちを
改めて思い起こしてみた。
中には、名刺ホルダーからその人の名刺を探したり、
相手の会社のホームページを調べたりすることもある。

「つまりな。彼女が言うには、電話が繋がったときには、
相手は充分に待った後だと言うんだ。  
だから・・・『たいへんお待たせしました』って
言ってあげたい。  
こちらの怠慢で待たせたわけではないけれど、
それでもそう言いたいんだそうだ」
「変な理屈のような気もしますが、わかる気もします」
『なんで、そんな言い方をするんだい?』と訊いたらな、
こう言うんだ。  
小さい頃から、お婆ちゃんに教えられたってな。
さらに、『そのお婆ちゃんて、何をしていた人?』て訊くと、  
デパートのお客様相談室で働いていたことが
あるっていうじゃないか」
「・・・!」 「大熊君! あの娘、ひょっとすると大当たりだよ」

大熊は、今まで、考えてもみなかった電話対応の言葉に、
言葉を失った。
そして、それを、社内全体に広めるべきかを考えていた。
心の中で、つぶやいた。
「たいへんお待たせいたしました」と。

斉藤朱音が、両手でそっと受話器を置くのが見えた。
その仕草を見るだけで、心が安らぐ気がした。
なぜなら・・・。まるで、
赤ちゃんをベッドに寝かせるように、
そっとそおっと置いたからだった。


《終わり》

Author :志賀内泰弘


歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



純情二重奏
作詞:西條八十、作曲:万城目正、

森の青葉の 蔭に来て
なぜに淋しく あふるる涙
想い切なく 母の名呼べば
小鳥こたえぬ 亡き母こいし





松竹の歌謡映画『純情二重奏』の主題歌。
監督は佐々木康で、
声楽家への夢を抱く栄子を高峰三枝子、
ライバルの八千代を木暮実千代が演じました。
劇中で効率よく使われた結果、
大ヒットし、歌手・高峰三枝子を
確立した曲でもある。



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……




時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる








P R

きれいなお風呂・宣言

お風呂物語

furo









妄想劇場・特別編

妄想劇場・特別編

信じれば真実、疑えば妄想……


Mituo2_2

昨日という日は
歴史、
今日という日は
プレゼント
明日という日は
ミステリー







夢はでっかく、根はふかく。
花を支える枝 枝を支える幹 幹を支える根 
根はみえないんだなあ



あん
・公開年月日・2015/5/30


解説
ドリアン助川が人はなぜ生きるのかという
根源的な問いに迫った同名小説を映画化。
小さなどら焼き屋で粒あん作りを任された
元ハンセン病患者の女性の姿を、
四季の情景を織り交ぜながら描く。

偏見にさらされ続けても精一杯
生きようとする女性を樹木希林が、
人生につまずいた雇われ店長を永瀬正敏が、
女性の良き理解者を市原悦子が演じる。





あらすじ

縁あってどら焼き屋「どら春」の雇われ店長として
単調な日々をこなしていた千太郎(永瀬正敏)のもとに、
ある日、求人募集の張り紙を見た
徳江(樹木希林)がやってくる。
彼女の勢いにのまれどら焼きの
粒あん作りを任せたところ、
あんの味が評判となりあっという間に店は大繁盛。

つぶれたどら焼きをもらいにくる女子中学生・
ワカナもだんだんと徳江に馴染んでいく。
しかしかつて徳江がハンセン病患者だったことが
広まり、客が一気に離れていった。
この状況に徳江は店を去り、
千太郎やワカナの前から消えてしまう。
それぞれの思いを胸に、二人は徳江を探す……。


提供元:

 





「念ずれば花ひらく」
Author:中井俊已

小学生から財界人にまで愛され、
癒しの詩人と言われた坂村真民さんは、
1909年熊本県に生まれました。
8歳のときに小学校の校長であった父親を亡くし、
失意と貧乏のどん底生活に陥ります。
広い庭をもった屋敷から一家6人は、
村はずれの小さな藁小屋の家に移り住むようになります。
家は雨が降れば、6人が寝る場所もないほど
雨漏りがひどい有様。
履く物は自分で作り、生きていくために
母親の内職を手伝うという貧乏生活でした。

真民さんは5人兄弟の長男として、
母親を助け、弟妹たちの世話もし、
幾多の困難を乗り越えていきます。
そんな困窮する生活の中でも、
真民さんが望むように、 母親は中学、
さらにはその上の学校に進ませてくれました。
真民さんは、国語教師をしながら詩作を続け、
多くの人に愛される詩をたくさん残しました。

この詩は、真民さんが40歳を超え、
身体を病み、失明しかかっているときに生まれたものです。
苦労に苦労を重ね愛情深く育ててくれた母親の
生きる姿が生きる原点となっています。

念ずれば花ひらく、 念ずれば花ひらく 、
苦しいとき 母がいつも口にしていたこの言葉を
わたしもいつのころからか、口ずさむようになった。
そして、そのたびにわたしの花が不思議と
ひとつひとつ ひらいていった
この詩は、多くの人を慰め、励まし、勇気づけてきました。

ある母親は、真民さんの詩が好きで
よく子どもに読んで聞かせていました。
ところが、ある日、生活が苦しく将来への希望をなくし、
子どもをつれて死のうとしました。
まさにその時、子どもが覚えていたのでしょう、
「念ずれば花ひらく」という一節をつぶやいたのだそうです。
母親は、ハッとして死ぬことを思いとどまったというのです。

真民さんは2006年に97歳で永眠されました。
「念ずれば花ひらく」は多くの人に共感を呼び、
その詩碑は全国、さらに外国にまで建てられているそうです。
自分の願いを言葉にすると、
夢や目標が明確になります。
すると生きる希望や力がわいてきます。
気持ちが明るくなり、もう少しがんばろうという意欲がでます。
行動すると、ひとつひとつ願いがかなっていきます。




江頭2:50 対 "車椅子の女の子"



「おだいじに」サンキューレター
Author:志賀内泰弘

モスバーガーの社長さん宛に届けられた1通の手紙、
いわゆるサンキューレターです。
午前10時半頃。国立がんセンターに入院中の
15歳の次男に、
「テリヤキバーガーが食べたい」と言われ、
少し遠いのですがウインズ銀座前にある
お店に買いに行きました。

店には、女性の店員が一人でした。
朝のメニューにはテリヤキバーガーがないので
躊躇していると、彼女は欲しいものを聞き、
「少しお時間をいただければお作りします」と言って
すぐに準備を始めました。

そのとき初めて入院中の子供に
持っていくことを話しました。
このような店には、マニュアルとおざなりの
対応しかないものと思っていたので、
彼女の対応がとても驚きでした。

注文の品を受け取り、店を出ようとする私に、
彼女は、「おだいじに」と声をかけてくれました。
年甲斐もなく、ジーンとしてしまいました。

そして、さらに驚いたのは、
病院に帰り袋を開けてみると、
中にはメッセージカードが入っており、
「早くよくなって下さいね」と書かれてありました。

息子が発病してから1年余り、
辛いことばかりの中で、 知人・友人以外の方からの
こんな優しい気持ちに触れたのは初めてです。

生来、彼女の持っている性格も
素晴らしいのでしょうが、
それを日々の仕事の中で表に出せるような
接客を貴社がされているとしたら、
大変素晴らしいことだと思います。

店が場外馬券売り場の前という
比較的荒々しい場所で、
若い女性が優しい気持ちを失わず
働いていることに本当に感動しました。
お礼を言う機会がなかなかありませんので、
会社宛にしました。
ちなみに、メッセージカードには、
工藤さんという名前が書かれてありました。

「やさしさ」は笑顔となって還ってきます。
今、工藤さんは、スタッフの
教育の仕事をされています。

工藤さんは、こう言っておられます。
特別な意識はぜんぜんなくて、
決められたオペレーションの中で  
お客様に何かが伝わればいいなぁと。  
接客という言い方はあまり好きではありません。  
コーヒー一杯でも『よかったなぁ』と思われるような
出逢い、ふれあい、コミュニケーションに
モスバーガーの存在意義と、
私が働いている意味もあるのではないかと
思っています。



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる







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カビの生えないお風呂

お風呂物語

furo









2015年6月13日 (土)

信じれば真実、疑えば妄想……

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin

韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
「国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。


漢の韓信-65ー京・索の会戦

滎陽の東にある邑が京、南のそれが索と呼ばれる。
このふたつの邑の間には迫り来る
敵の様子が一望できるほどの平野部が広がる。
韓信はこの平野部を楚を迎撃する決戦場と定めた。
広い平原では騎兵や戦車が効果的である。
韓信はそれをわかっていたが、
前陣を歩兵中心に固めた。
なおかつ全軍を真四角の方陣に固め、
その外側にはすべて歩兵を配している。
騎兵や戦車は一箇所には集めず、
一見無作為であるかの様に不規則な形で随所に散らした。 

そして韓信自身は方陣の中心に身を置く。
これが司令部であり、親衛隊を中核とした
韓信直属の部隊が彼の周囲に位置する。
後方には韓信に守られるように漢王劉邦がおり、
戦車の台上に屹立している。
その脇には参乗の樊噲が、御者台の上には夏侯嬰が
いつもと同じようにいる。
張良は劉邦の戦車の横に騎馬で位置していた。
さらにその後ろは盧綰の率いる一隊が
殿軍を受け持つ。

両翼は右翼に重鎮の周勃、
左翼に若手の灌嬰(かんえい)が率いる隊が担当した。
絹商人あがりの灌嬰の下には、
もと秦の騎兵隊が精鋭として配置された。

斥候から得た情報によれば、楚は軍を結集して
滎陽に攻め入らんとしており、
その数は十万に及ぶ、ということだった。
これに対して漢軍は四万程度でしかない。
圧倒的不利な条件でありながら、
韓信がこの地で楚軍を迎え撃とうと決めた理由は、
斥候の伝えたもうひとつの情報にあった。

「楚軍は、十万の兵をふたつに分け、
二段構えの策をとっている」
この情報を韓信は比較的早い時期に入手し、
策を練ることができたのである。
楚の目論みは、第一陣と第二陣に分かれた時間差攻撃で
漢軍を段階的に追い込もうというものであり、
常に一人で二人以上の敵と相対する楚兵の
勇猛さを考えれば、効果的な作戦であった。

第一陣が漢軍と互角以上の戦いをすれば、
第二陣は予備兵力として温存が可能である。
いくら楚兵が勇猛だといっても、
ひとたび戦いになれば損耗はつきもので、
できるだけそれを抑えたいという項羽の
気持ちがあらわれた陣形である、と韓信はみた。

「項王の個人的武勇は凄まじいが、
将としては凡庸である。……
麾下の兵の勇猛さに頼りすぎている」
韓信はそう言い、ふたつに分かれた楚軍を
各個撃破する決心を固めた。

情報は時の経過につれて、明瞭になっていく。
このたび項羽は自ら出征し、第二陣の
中軍に属していることが判明した。
そして、第一陣の将の名がわかったのは
戦闘開始のほんの数刻前である。 
第一陣の将は、鍾離眛であった。

眛……。ついに我々も剣を交えることになったか。
この日が来ないことを願っていたが……。
願わくば、私の前に姿を現すな。
韓信は思ったが、作戦を開始するにあたって、
そのような思いを頭の中から払いのけた。

なるようにしかならない。そう思うしかなかった。
「前衛の部隊はかねてよりの指示どおりに動け。
両翼の部隊は合図を聞き逃すな。
我々はこれより楚軍を迎え撃つが、
これは今後の漢の命運をかけた戦いであると言ってもいい。
この戦いに敗れれば、我々は滎陽はおろか、
関中までも失うであろう。
そのため、諸君には心して当たってほしい。
また、諸君には覚悟してもらいたいが……
確実にこの中の何名かは命を落とす。
それが今の我々の置かれた立場というものである。

だが、悲観するな。我々は弔うことを忘れはしない。
……では諸君、準備はいいか」
韓信の作戦前の演説は、決して兵たちを煽動するような
熱い口ぶりではなかったが、逆にそれが緊張感を高めた。
熱し過ぎず、冷め過ぎず、
漢軍は適度の精神状態で楚軍を迎え撃つことになった。

楚軍の進撃する姿が彼方に見え始めた。
見通しのよい平野部では伏兵など用意できず、
お互いに正攻法で競い合うしかない。
正面からぶつかり合って激しく火花を散らす。
武人が武人らしく戦う絶好の機会であった。
しかし、韓信は自分に武人らしさなど求めておらず、
このため柔軟な思考でこの難局を乗り切ったのである。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.

愚人は過去を、賢人は現在を、
狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…


『かしこい女じゃないけれど』石原詢子
作詞:千家和也・作曲:市川昭介


歳の違いが どうだと言うの
人の噂がなんだと言うの
あなたと私に 愛さえあれば
この世のどこかで 暮らしてゆける
姉さん女房 きどるほど
かしこい女じゃないけれど





人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる








P R
カビの生えない・きれいなお風呂

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お風呂物語






歴史・履歴への許可証

歴史・履歴への許可証

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

夢はでっかく、根はふかく。
花を支える枝 枝を支える幹 幹を支える根 
根はみえないんだなあ



Kobanasi_3

食わず女房(群馬県の民話)

むかしむかし、あるところに、
とてもケチな男が住んでいて、
いつも こういっていました。
「仕事は うんとするが、
ごはんを食べない嫁さんが ほしいなあ」
そんな人が いるはずないのですが、 

あるとき、一人の女が男の家を たずねてきて、
「私はご飯を食べずに、仕事ばりする女です。
どうか、嫁にしてくださいな」と、いうではありませんか。
それを聞いた男は おお喜びで、女を嫁にしました。
男の嫁になった女は、とてもよく働きます。
そして、ご飯をまったく食べようとしません。

「ご飯は食べないし、よく仕事をするし、
本当にいい嫁じゃ」
ところがある日、男は家の米俵が少なくなっているのに
気がつきました。
「おや? おかしいな。嫁はご飯を食べないはずだし」
とりあえず、男は嫁に聞いてみましたが、
「いいえ。 わたしは しりませんよ」と、いうのです。

あんまり変で、次の朝、男は仕事にいくふりをして、
家の天井に隠れて見張っていました。
すると嫁は倉から米を 1ぴょう担いできて、
どこからか持ってきた大きなカマで 
いちどに米を炊きあげました。
そして塩を 1しょう(→1.8リットル)用意すると、
おにぎりを次々とつくって、山のように積みあげたのです。
(おまつりじゃ あるまいし、あんなに沢山の 
おにぎりをつくって、どうするつもりだ?)

男が不思議そうに見ていると、嫁は頭の髪の毛を
ほぐしはじめ、頭のてっぺんの髪の毛をかき分けました。
すると頭の てっぺんがザックリと われて、 
おおきな口が開いたのです。嫁はその口へ、 
おにぎりを ポイポイ、ポイポイと投げこんで、 
米 1ぴょうぶんの おにぎりを全部食べてしまいました。

恐くなった男はブルブルと震えましたが、
嫁に気ずかれ天井から降りると、
仕事から帰ったような顔をして家の戸をたたきました。
「おい。いま、帰ったぞ」
すると嫁は、急いで髪の毛を束ねて頭の口を隠すとと、
「あら、 おかえりなさい」と、 
笑顔で男を でむかえました。男はしばらく無言でしたが、 
やがて決心して いいました。
「嫁よ、じつは今日山に いったら
山の神様から、お告げがあってな、 
『おまえの嫁はええ嫁だが、家に置いておくと 
とんでもないことになる。早く家から追い出せ』と、
いうんじゃ。だから すまないけど、でていってくれんか?

それを聞いた嫁はあっさりと いいました。
「はい。でていけというのなら、でていきます。 
でも おみやげに、ふろおけと縄を貰いたいのです」
「おお、そんなもので いいのなら、すぐに用意しよう」
男がいわれたものを用意、嫁さんが いいました。
「この 風呂の底に穴が開いてか、
みてもらえませんか?」
「よしよし、みてやろう」男が風呂の中に入ると、嫁は
風呂にフタをして縄をかけて、男を入れたまま
担ぎあげました。

ビックリした男が嫁の顔みてみると、嫁はなんと、
鬼婆に かわっていたのです。
鬼婆は男を風呂桶ごと担いだまま、
馬よりも早く駆けだして山へと入っていきました。
(こ、このままじゃあ、殺される! じゃが、どうしたら?)
男はどうやって逃げようか考えていると、 
鬼婆が木に寄りかかって一休みしたのです。
(いまじゃ!)男はその木の枝につかまって、 
なんとか逃げ出すことができました。

さて、そうとは知らない鬼婆は、またすぐに駆けだして
鬼が棲む村へ到着しました。
そして、大きな声で仲間を集めます。
「みんなこい! 美味そうな人間を持ってきたぞ」
仲間の鬼が大勢集まってきましたが、 
風呂桶の中を覗いて見ると中はからっぽです。

「さては、途中で逃げよったな!」
怒った鬼婆は山道を引き返し、すぐに男をみつけました。
「こらまてー!」「いやじゃ! たすけてくれー!」
鬼婆の手が男の首にかかる寸前に、
男は草むらへ飛び込みました。

すると鬼婆は、男の飛び込んだ草むらが恐いらしくて、
草むらの中には入ってこようとはしませんでした。
男はブルブルふるえながら、一生懸命に
念仏をとなえます。
鬼婆は草むらの回りをウロウロしていましたが、 
やがて あきらめて帰っていきました。

「た、助かった・・・しかし、
なんで助かったのじゃろう?」
じつは、男の飛び込んだ草むらには、
菖蒲(しょうぶ 葉っぱは剣状で80センチほど)が
いっぱい はえていたのです。
鬼婆は菖蒲の葉っぱが刀にみえて、
入ってこれなかったのです。

その日が ちょうど 5月5日だったので、 
いまでも5月5日の節句には、魔除けとして
屋根へ菖蒲を さすところが あるのです。


おしまい


イノシシの親子



三つの願い(フランスの昔話)

むかしむかし、町のはずれに、
主人とおかみさんだけでやっている、
小さな料理屋がありました。この夫婦は、
とくべつに金持ちではありませんが、
毎日の食べるものには不自由せず、
健康にもめぐまれて、幸せにくらしていました。

ある日の夕方のこと、金ピカの服を着た、
伯爵(はくしゃく)と伯爵夫人(はくしゃくふじん)が、
金の馬車(ばしゃ)にのって、
料理屋のまえを通りました。
それを見て、おかみさんがいいました。
「あの人たちみたいに、わたしも一度でいいから、
すてきなボウシをかぶり、
耳かざりをして、馬車にのってみたいものだわ」
すると、主人もいいました。
「そうだな。何をするのにも、
めしつかいに手つだってもらい、
いばっていられたら、いうことはないさ」

このおかみさんはスタイルがよく、
目のパッチリとした色白の美しい人でした。
「ねえ、おまえさん。わたしが
真珠の耳かざりをして、なぜいけないのさ」
「そりゃ、いけないっていうことはないさ。
そんなこというんなら、おれだって毎日、
おいしい酒をあびるほど飲んで、
楽しくくらしたいさ」

こんなことをいっているうちに、
二人には自分たちの生活が、
急にみすぼらしく見えてきたのです。
家のまえを通る貴族(きぞく)を見るたびに、
うらやましい気持ちがおこり、
とたんに自分たちには、
苦労ばかりしかないように思われてきたのです。

おかみさんは、ため息をつきながら
つぶやきました。
「こういう時に仙女(せんにょ)がいてくれたらねえ。
仙女が魔法のつえをひとふりすれば、
たちまちねがいがかなうっていうのはどうだい?」

こういったとたん、家の中にサッと
光のようなものがさしこんだのです。
二人はおどろいて、ふりかえってみたのですが、
だれもいません。しかし、
家の中には、たしかに人の気配を感じるのでした。
「なんだか、気味が悪いね」
二人が顔を見あわせていると、そこへスーッと、
女の人があらわれたのです。
「あなたたちの話は、みんな聞きました。
もう、ふへいをいう必要はありません。
ねがいごとを三つ、口でとなえなさい。
注意をしておきますが、三つだけですよ」

仙女はそれだけいうと、スーッと消えました。
主人とおかみさんは、しばらくポカンと、
口をあけたままでしたが、やがて主人が、
ハッとしていいました。
「おいおい、おまえ、聞いたかい!」
「ええ、たしかに聞きました。
三つだけ、ねがいがかなうって」
二人はおどろいていましたが、
だんだんに、うれしさがこみあげてきました。

「えへヘへへ。ねがいごとは三つだけか。
そうだな。一番はやっぱり、
長生きできることだな」
「おまえさん、長生きしたって、
はたらくばかりじゃつまらないよ。
なんといっても、金持ちになるこったね」
「それもそうだ。大金持ちになりゃ、
ねがいごとはなんでもかなうからな」
二人は、あれこれ考えました。
「ねえ、おまえさん、考えてたってはじまらないさ。
急ぐことはないよ。ひと晩ねれば、
いい知恵もうかぶだろうよ」

こうして二人は、いつものように
仕事にとりかかりました。
しかしおかみさんは、台所仕事をしていても、
三つのねがいごとばかりが気にかかって、
仕事がすすみません。
主人のほうも、ブドウ酒やごちそうが
目のまえにちらついて、仕事がすすみません。
長い一日がおわって、夜になり、
二人はだんろのそばに腰をおろしました。
だんろの火はごうごうもえ、
あやしい光をなげかけていました。
おかみさんは、だんろの赤い火につられて、
思わずさけびました。

「ああ、なんて美しい火だろう。
この火で肉をあぶり焼きしたら、
きっとおいしいだろうね。今夜はひとつ、
1メートルもあるソーセージでも
食べてみたいもんだわ」

おかみさんがそういいおわったとたん、
ねがいごとがかなって、
大きなソーセージがバタンと、
天井からおちてきました。
すると、主人がどなりました。

「このまぬけ!おまえの食いしんぼうのおかげで、
だいじなねがいごとを使ってしまった。
こんなもの、おまえの鼻にでもぶらさげておけ!」
主人がいいおわるかおわらないうちに、
ソーセージはおかみさんの鼻に
くっついてしまいました。

あわててひっぱってみましたが、
どうしてもとれません。
きれいだったおかみさんの顔は、
長いソーセージがぶらさがって、
見られたものではありません。
おかみさんは、大声でなき出しました。
それを見て、主人はいいました。

「おまえのおかげで、だいじなねがいごとを
ふたつもむだにしてしまった。さいごはやっぱり、
大金持ちにしてほしいとおねがいしようじゃないか」
おかみさんはなきじゃくりながら、
足をドタバタさせました。

「おだまり! もうたくさんだ。
さいごのねがいは、たったひとつ。
どうぞ、このソーセージが鼻からはなれますように」
そのとたん、ソーセージは鼻からはなれ、
おかみさんはもとの美しい顔にもどりました。
それから二人は、二度と不平などいわず、
今のくらしをたいせつにしたということです


おしまい


二つのおむすび



人の為(ため) と
書いて、
いつわり(偽) と
読むんだねぇ



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。



時は絶えず流れ、
  今、微笑む花も、明日には枯れる 






P R

カビの生えないお風呂

furo


お風呂物語






2015年6月12日 (金)

妄想劇場・一樂編

妄想劇場・一樂編

信じれば真実、疑えば妄想


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー



Mituo








『駄菓子屋のオバチャン』

内藤武史は、久しぶりに故郷の町を訪れた。
中学時代の友達が結婚したのだ。
あいにく、海外に赴任していたので結婚式には
出られなかった。
その代わり、打ち合わせで日本の本社へ
戻ってきたのを利用して、 新婚家庭を
冷やかしに行くことにしたのだ。

駅を降りる。マサシの家までブラブラ歩く。
20年ぶりに見る駅前商店街は、すっかりさびれていた。
懐かしい、というよりも、悲しさがこみ上げてくる。
途中の角を曲がり、建具屋を継いでいる
マサシの家の方へと足を向けた。
「あっ」
武史は思わず声を漏らした。
それは、小さな店の前だった。

木枠にはめられたガラス戸に、
稚拙ではあるが、大胆に大きな文字で書かれていた。
「長い間、ありがとうございました。  
三月末日で閉店させていただきます」
武史は思った。(まだ、やってたんだ)
もうすぐ閉店するということよりも、
「まだ続いていた」ことに驚いた。
それは、武史が幼い頃に、
毎日のように通った駄菓子屋だった。
見上げると、二階の軒先に、
「田中パン」とペンキで書かれた看板が掛かっていた。

武史には、ほろ苦い・・・いや、
辛い思い出のある店だった。
「あの日」があったから、「今」がある。
忘れていたわけではないが、思い出すと胸が苦しくなった。

小学5年生のときのことだ。 いつものように、
学校から帰ると「田中パン」に出掛けた。
店内には、近所に住む6年生二人の男の子が
テレビアニメのカードを選んでいた。
彼らは、近所でも有名な悪ガキだった。

(今日は何にしようかな)と店内をぐるぐると
見回していたときのことだった。
その6年生二人が、オバチャンの目を盗んで、
シガレットチョコをポケットに入れるのを見てしまった。
オバチャンはテレビの水戸黄門の再放送を見ていて、
まったく気づいていない様子だった。

武史は思わず、「あっ」と口にした。
それがいけなかった。
6年生二人がこちらを見て睨んだ。
そのうちの一人、たしかケンと呼ばれている方が、
並んでいるシガレットチョコをグッと、 わしづかみにして
武史の方へとやってきた。
そして、有無を言わせず、
武史のジャンパーのポケットの中へねじ込んだ。

「やめて・・・」と言うと、
「これで共犯だからな」と言い、
腕を無理やり引っ張って、外へ連れ出した。
そのまま公園まで連れて行かれ、
「一緒に食べようぜ」と言われた。
抵抗したが、包みを剥いたシガレットチョコを
またまた無理やり口の中へねじ込まれた。
大好きで、いつも食べているチョコなのに、
ちっとも美味しくなかった。

その後・・・。一人になって、
何度も「田中パン」の前を行ったり来たりした。
オバチャンに謝って返そうと思った。
しかし、6年生のケンの言葉が頭の中で
グルグルと回っていた。
「共犯だからな」
公園で、ひと箱食べてしまっていた。
それが罪の意識を高めた。
とうとう、店に入ることができずに、家に帰った。

それ以来、「田中パン」へは一度も行っていない。
何度も友達に誘われたが、適当にごまかして行かなかった。
怖くて行けなかったのだ。

話はそれで終わらなかった。そのことがきっかけで、
6年生二人に、何度もからまれた。
中学に入ってからは、彼らの子分みたいになり、
いわゆる「不良」と呼ばれるようになってしまった。
それもこれも、「あの日」が始まりだった。

「留守にしててごめんなさいよ」 「え?」
武史は後ろから声をかけられてビクッと身体を強張らせた。
振り向くと、小柄なお婆ちゃんがいた。
すぐにわかった。 「田中パン」のオバチャンだった。
20年の歳月は、オバチャンの頬にシワを刻んでいた。

「今、開けますからね」
「い、いや・・・ありがとう」
「はい、入ってね」 「お邪魔します」
武史は、まるで会社で営業先を訪ねるときのように答えた。
「まあまあ、ずいぶん丁寧なこと」
オバチャンは、ヨイショと声を出して、
カマチを上がってこちらを向いて座椅子に座った。
「あのね、毎日のようにね、
あなたのような立派な大人の人が店に来るんですよ」
「は、はあ」
武史は、オバチャンが何を言わんとしているのか
わからなかった。

「あの貼り紙をしてからね、ウワサが町に
広がっているらしくてね、  
昔からの常連さんがやってくるのよ。
オバチャ~ン、辞めるんだって~」
武史はようやく理解できた。
昔・・・武史と同じように、 この店に通っていた子供が、
「店じまい」と聞きつけて、懐かしくなって訪ねてくるのだ。
「昨日もね、タカシ君とターちゃんが来てくれたのよ。
あなた知ってる?」
「い、いえ・・・」
「そうよね・・・学年が違うとわからないものね」
「は、はい」

「そうそう、先週はね、ミヨちゃんも来てくれたの。
知ってるでしょ。  
本町の高岡医院の・・・。お父さんの後を継いで、
女医さんになったのよ」
「ああ、高岡医院なら知ってます」
武史も幼い頃、風邪をひいて診てもらったことがある。
ミヨちゃんとかいう女の子のことは覚えがないが。
オバチャにとって、「山田」とか「佐藤」とかいう名字は
関係ないのだろう。

あの頃、子供たちがお互いに呼び合っている
「ターちゃん」とか 「ミヨちゃん」という名前だけが
インプットされているのだ。
「みんなね、昔と違ってお金を持ってるでしょ。
もうびっくりしちゃう。  
あれもこれもって、一人で千円くらい買ってくんだから・・・」
「ヘエ~」
ついついオバチャンの話に引き込まれて、
武史は頬を緩ませた。

「そうそう、びっくりしちゃった。この前なんかね、  
いきなり家の前に外国の大きな車
・・・ベンツとかいう・・・それが停まってね」
「へえ、ベンツ!」
「そうなのよ!」オバチャンは夢中で話をする。
「中から出てきたのが、ケンちゃんなの」
「・・・」 「知ってるでしょ、ケンちゃん。
ほら、お父さんが土建屋さんで、  
不良で有名だったじゃない。
何度も警察沙汰を起こしてさ」

武史は青ざめた。
そして、胸の鼓動を押さえることができなかった。
(それって、あの「ケン」に違いない。
オレを共犯にした)
「それがさ、困っちゃうのよね」
武史は、心の中を悟られないようにして訊いた。
「何がですか?」
「ちょっとシャレた上着からね、財布を取り出したらね、  
パッとお札を取り出して差し出すのよ」
「それがね、一万円札なのよ、ピンピンの」
「ほう」
「それでね、これで買えるだけ袋に入れてくれって」
「それはスゴイなぁ」

「そうでしょ。でもね断ったの。
だって一万円も買われたらね、  
お店の商品の大半が無くなってしまうじゃないの。  
だってうちは、1個10円とか30円とか。
 一番高いサインペンセットだって、500円だもの」
「そうですよね」
武史は、あまりにも欲のないオバチャンに驚いた。

「だってね、このところ毎日のように、
昔のチビッコたちが来てくれるでしょ。  
もう新しく仕入はするつもりはないから、
商品が無くなったら困るのよね」
武史は、迷っていた。今ならまだ白状できると。
いや、ひょっとすると、
これは神様が自分に与えてくれた懺悔の
チャンスなのかもしれない。

そう思っているところへ、オバチャンが
訊いてきた。
「あなた、なんていう名前だったかしらね。
最近、物忘れが激しくて・・・」
武史は、とっさに答えた。「内藤です」
「内藤・・・なんていうの」
「内藤武史」
「あ、ああ」

武史は視線をそらした。ひょっとして、
オバチャンは、「あの日」のことを
思い出したのではないか。
さっきはケンの話をした。
それは偶然ではなく、自分の顔を
覚えていたからではないか。
その確認のために、あえて
名前を訊ねたのではないか。
手のひらに汗が滲んだ。

「タケシ君?・・・ごめんなさいね。覚えがないの」
「いいですよ。覚えてくれていなくても」
「ごめんなさいね」
「あの~、千円分くらいなら売ってもらえますか?」 「
いいのよ、無理しなくても」
「大丈夫ですよ、私もちゃんとした大人なんだから」
「ああ、そう。じゃあ好きなの選んでね」

「今から、昔の友達の家に行くんです。
いいお土産になるから」
「じゃあ、デパートの紙袋をあげるわ・・・
コレに入れなさい」
オバチャンはそう言って、棚の上から背伸びをして
紙袋を取り出した。

「あの~」
「はい、何?」
武史は意を決し、姿勢を正して言った。
「謝らなきゃいけないことがあるんです」
「どうしたの急に」
その様子にオバチャンはキョトンとしている。
その先は、スラスラと口にすることができた。

「私、この店で万引きしたことがあるんです。
ごめんなさい。  
25年くらい前・・・小学5年の時でした。
上級生に脅されて。  
でも、万引きしたことには違いないんです。  
それ以来、一度もここへ来れませんでした。
本当にごめんなさい」

「いいのよ、そんなこと」
「そんなことって・・・」
オバチャンは微笑みながら答えた。
「あのね、昔からね、駄菓子屋なんて
万引きは当たり前なのよ。  
なにしろ子供相手だからね。
いちいち怒っていたら始まらないの」
「でも・・・」

「そりゃ、一つ10円とかのものを
売っているんだから、万引きされたら辛いわよ。  
でも、心配なのは、その子の将来なのよ。
嘘つきは泥棒の始まり。  
万引きは泥棒の始まり。

そうそう、さっき話したケンちゃん、
立派な社長さんになってたのよ。  
あの子も、しょっちゅう万引きしてたのにね」
「え!知ってたんですか」
「もちろんよ、だって1回や2回じゃないもの」
「ええ?!」
「この前、頭かいて、ケンちゃんも謝ってたわ

・・・ところであなたは、今、何をしているの?」
「あ、はい。IT・・・いや、通信会社に勤めていて、
今はイギリスで働いています」
「ええ~イギリス?」
「ええ」
「じゃあ、英語もペラペラなの?」
「ペラペラっていうか、仕事ができる程度に」
「まあ、出世したのね、よかった。
ちゃんとした大人になって」
「はい、おかげさまで」

何とも救われた気分だった。
ずっと背中に負っていた荷物を下ろしたような。
武史が、デパートの紙袋いっぱいの駄菓子を
手にして、店を出ようとすると、
「ちょっと待って」とオバチャンは、
健康サンダルをつっかけて追いかけてきた。

「チョコ持ってって」
「え!」
「だって、今日はバレンタイン・デーでしょ」
そう言うと、無理やり武史の手に握らせた。
「私みたいなお婆ちゃんからチョコをもらうのは嫌?」
「ううん、とんでもない、ありがとう」

手のひらを開き、目をやって血の気が引いた。
武史は見下ろすようにして、
オバチャンの瞳を見つめた。
「たしか、タケシ君は、シガレットチョコが
好きだったでしょ。今、思い出したの」

言葉を失った武史は、
目頭に熱いものがあふれてくるのを感じた。
そして・・・心に決めた。
なんとしてでも休暇を取って、もう一度、
ホワイト・デーにオバチャンに会いに来ようと。


Author :志賀内泰弘


歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



作詞:西條八十、作曲:古賀政男、
三百六十五夜 美空ひばり

みどりの風に おくれ毛が
やさしくゆれた 恋の夜
初めて逢(お)うた あの夜の君が
今は生命(いのち)を 賭ける君





1948年に公開された新東宝の同名映画の主題歌。
映画は雑誌『ロマンス』に連載された
小島政二郎の恋愛小説の映画化で、
東京篇と大阪篇が制作された。
古賀メロディーの傑作の1つ。

霧島昇と松原操は、『旅の夜風』を
いっしょに歌ったのが縁となって結婚、
『一杯のコーヒーから』など多くの
ヒットを飛ばしました。
松原操は子育てをするため、この歌を最後に
引退して、専業主婦となりました。



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……




時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる








P R

カビの生えないお風呂

furo


お風呂物語








妄想劇場・番外編(18禁)

妄想劇場・番外編(18禁)

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

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18歳未満禁止の内容が

含まれています
18歳未満の方は
ご遠慮下さい。





昨日という日は歴史、 今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:官能小説家

江戸のお色気話

長屋の夜は更けており、
亥の刻(現在の二十時頃)ともなれば相当暗く、
灯りが無ければ足元が覚束ないような
状態ではあるが、
ここでは誰も席を立とうとはしない、
それは、 ここが、心から落ち着ける彼らの
唯一の憩いのステージでもあるからだ。

奥方が色目を使いながら言うには、
(金吉さんは、娘がお好きのようでしたねぇ)と言うから、
(それがどうした?) と、あたしは突っぱねたんですが
(もし、どうしても娘をお望みなら)と、
あたしの手を取り言うと、さっきまで 居なかった娘が
衝立の後ろから出てきたんです、
それが・・・」 「ほぉ、それが?」
「あの娘が、恥ずかしそうな桃色に顔を染めて、
襦袢で立って居るんですよ、半分裸で・・
白い肩を半分出していました、
ぷりっとした◎が少し出て、肌も透き通るように白いんです」

「ふうむ、今度は娘の色気戦術ときたか
奥方は、あたしの気持ちを見透かして言うんです、
金吉さん、娘を好きなようにしていいのですよ、
その代わり、娘を抱いたらお引き取りくださいね と
色っぽい顔をしていうんですが、
あたしは娘を早く抱きたいんで、
(わかった、わかった!)と、その意味も深く考えないで
そのときの流れで言ってしまいました」

ははは、金吉、まんまと女にしてやられたな、
再び金吉はその時の熱い光景を思い出したようで、
奥方は、周りを見ながら家の戸をピタリと閉めて、
邪魔が入らないように、という用心深さでして・・
その日は、昼間でしたから、たっぷりと時間はあるんです、
あたしはもう興奮状態で、あそこも◎ンビンでしてね・・
奥方は、固くなったあたしの◎こを、
さり気なく触り 色目を使いながら、言うんです。

あの・・娘は何しろ初心なので、男の方を未だに知りません、
それゆえ、わたくしも付き添います、それでよろしいですねと、
色っぽく言いながら、あたしの◎息を愛おしいように触るんです。
その意味をあたしは理解しました。
奥方は、あたしと又交わりたいんだなぁとね・・
あたしは娘さえ抱ける上に、奥方までも・・と思うと、
それを断る理由も無いので、
勿論だとも、奥方も一緒でいいさと言いました。

そうすると、奥方は嬉しそうな顔をしていましたが、
この間のあたしとの交わりで、 忘れていた女と言うものが、
目覚めたんでしょうかねぇ
「ふうむ、そうじゃのう、それに女という者は、
武家の奥方でも、げすな女でも、女には変わりはない、
心の持ちようが違うだけで、
心の「たが」がはずれれば皆同じものよ、
良く言う言葉に (女は灰になるまで、欲望の火を燃やす)と
言われておるしな、
その相手の女が、お前のようなどうしようもない男でも、
一度体を許してしまうと、また抱かれたくなるのが
女子という 摩訶不思議な生き物なのじゃ・・」

「それで、ご隠居、娘のことですが」
「おう、そうじゃったな、続けてくれ」
へぇ・・、あたしは履物を脱いで上がり、
奥方に手を引かれて寝屋に入ると、
もう薄い布団が敷いてあるんです。
娘はすでに布団の中に入って、待っていました。
枕元には、白い懐紙が置いてありましたが、
あの時と同じように、ことが終わった後に
娘もあそこを拭くのでしょう、
それを思っただけで、もうあたしの◎こは・・
ご想像のとおりです。

娘は、蕎麦殻で出来た枕に頭を乗せていましたが、
恥ずかしいのでしょうか、顔は少し横を向いておりました。
そのとき、あたしは、はっきりと娘の顔を見たのですが、
それが母親に良く似ていて、
綺麗というか、その上に可憐と言ったらいいのか
とにかく美しいんです、
本当にあたしはこんな娘を抱いて良いのかと思い、
夢じゃないかとばかりに、頬をつねってみたほどです、
娘は恥ずかしそうに手を胸の前で重ね、
眼を瞑っていました、
その恥じらいの顔を見ただけで、あたしの◎物は
更に太くなりました、

娘を見たあたしは、奥方の手を振り切るように、
急いで着物と褌を脱ぎ捨てて裸になり、
娘に近づいて、上に被せてある
薄い掛け布団を剥がしたんです。
そのとき娘は(はぁぁ・・)と、
か細い声を出していました。
娘は素っ◎のまま、寝ていましたが、
少し震えているんです、
初めて男と交わる恐怖と、戦っているんでしょうかねえ 、
娘は(はぁはぁ・・) と、熱い息を
吐き出しているもんだから、桃のような◎が
揺れながら波打って、何とも色っぽいんですよ、

あたしは、その娘の顔を見つめて
◎れ目に指を差し込んだら そこは、
もうぐっしょりと・・・
あたしの◎こはもうはち切れそうなほど
固くなっていましたし、そろそろ・・と思いまして、
娘にあたしの◎を入れて、本当は思い切り
突き上げたい、掻きまわしたい・って思ったんですが、
幼さが残る顔を見ていると、無理には出来ないので、
ぐっと堪えて、娘の顔を見ながら
ゆっくり優しく弄ってたんです。

娘はそのとき目を瞑って思い詰めたようでしたが、
あたしは、早く中に入れたいのと、
優しくしなきゃという思いが頭の中を過ぎっていました。
娘の重ねている手を優しく解いて、乳を◎りながら、
ゆっくり体中を撫でました。
娘は初め、震えながらじっと眼を瞑っていましたが、
あたしが◎首を舐めると、生娘はビクッて
反応するんです。
更に、あたしは舌で心を込めながら、
娘の白い体中を舐め回しました。

暫くそうしていると、娘の息が荒くなってきたので
あたしはいよいよお腹から、◎れ目に
手を差し入れたんです。そうしたら、
もう◎っしょりと・・」そして、
奥方はいつのまにか◎になっていました、
それで・・・興奮した顔をしながら、
あたしの背中にぴったり◎と肌を合わせ、
後ろから、何やらあたしの◎息と◎マを触っていました、
その手が心なしか熱いんです・・

娘の◎れ目は縦に裂けながらも
しつとりと◎れているんです、
それを見つめながら、入れようとしたんですが、
そのとき・・ 奥方が言うんです、
(あの、金吉さん、 どうか娘に
優しく入れてあげてくださいね、 それから・・
娘の中に生で出してしまったら、稚児が
・・ ですから、出すときは・・・私の中に・・ と、
色っぽい顔をして言うんです、

わたしは言いました(いいとも、奥さん・・
では、俺の前に◎を突き出してくれ
指で掻き回してやるから)と言ったら、嬉しそうでしたねぇ」
「それで、母親はあたしの目の前に四つん這いになり、
白く大きな◎を剥き出しで晒したんで、丸見えです。
女はこうも変わるものかと、正直思いましたが・・
でも、あたしは更に興奮し、
もう◎棒は反り返っていました・・

奥方の◎こはもうじっとりと汗ばんで、
割れた襞からは、それが垂れるほど溢れているんです。
あたしは娘の顔を見ながら言いました。
(娘さん、おいら優しくするから、
安心するんだよ)って言うと、
(はいっ・・)と恥じらいながら、
蚊の鳴くような小さな声で言うんです。
娘の富士額は少し汗ばんで、
興奮しているのが分かるんです、
それを恥ずかしさで隠しているのが何とも可憐で・・
あたしはそんな娘の顔を見つめ、
柔らかい腰を抱きながら、
ゆっくりと娘の中に◎っていきました。

始め、入り口はきつかったんですが、
なぜかするりと入りました。
あたしが心を込め◎めたせいでしょうか、
あたしの◎息は娘の◎に入っていきました。
思った以上に無理なく入ったと思ったんですが、
でも・・」 娘は、流石に初めて男の
◎ラを入れたからでしょう、
入れた瞬間、痛みに耐えかねたのか、
急に大きな声を出しました。
(い、痛い!・・・痛い・・痛いですぅ・・あぁぁ)

あたしは驚いて、入れたままそのまま、
じっとしていました。
娘の声が、次第に遠のいていくので言いました。
(どうだい、まだ痛いかい) とあたしは
優しい言葉を掛けました。
すると、娘は薄目を開けて・・
(あぁ・・少しですが、何とか・・
でも大丈夫だと思います、
優しくしてくれてありがとうございます、
あかね、は嬉しゅうございます) と初めて
あたしの目を見ながら言うんです。

(そうかい、あかねと言うんだね)
とあたしが聞くと(はい・・)と答えました
「ほお、いよいよ奥方も参入ということか、
これは三つ巴の様相じゃな、凄いことになりそうだ・・」
更に金吉の卑猥な話は、佳境に入っていく。

続きはなしです、
後は皆さんの裕福な経験と願望の思いを込めて、
想像と妄想でお楽しみ下さいませ

次回もテーマを変えてチャレンジします。

時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる


(R18)アナと雪の女王、替え歌 
生まれてはじめて






Tinko_2
人の為(ため)と
書いて
いつわり(偽)と
読むんだねぇ




誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……







P R

カビの生えない・きれいなお風呂

furo



お風呂物語






チャンネル掲示板

チャンネル・ニュース

幸せがつづいても、不幸になるとは言えない
 不幸がつづいても、幸せが来るとは限らない


みのる

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー



聖路加病院に入院されていた患者さんと
高島屋の店員さんの実話。
『一粒のぶどう』


ある不治の病の女の子の話です。
一歳の時から入退院を繰り返して、五歳になりました。
様々な治療の甲斐もなく、
ついにターミナルケアに入りました。
もはや施す術もなく、安らかに死を迎えさせる
終末看護、 それがターミナルケアです。

冬になり、お医者さんがその子のお父さんに言いました。
「もう、なんでも好きなものを食べさせてやってください」
お父さんはその子に、何が食べたいか、ききました。
「お父さん、ぶどうが食べたいよ」と、
女の子が小さな声で言いました。

季節は冬、ぶどうはどこにも売っていません。
でも、この子の最後の小さな望みを叶えてやりたい。
死を目前に控えたささやかな望みを、
なんとか、なんとかして叶えてやりたい。
お父さんは東京中のお店を探しました。
思いつく限りのお店、あのお店も、このお店も、、、
、、、 足を棒にして、探し回りました。
でも、どこのフルーツ売場にも置いていません。  
最後に、あるデパートのフルーツ売場を訪ねました。

「あの…、ぶどうは置いていませんか?」
祈る気持ちで尋ねました。
「はい、ございます」
信じられない思いで、その人のあとに
ついて行きました。
「こちらです」と案内されたその売場には、
きれいに箱詰めされた、立派な巨峰がありました。

しかし、お父さんは立ちすくんでしまいました。
なぜなら、その箱には三万円という
値札が付いていたのです。
入退院の繰り返しで、そんなお金はもうありません。
悩みに悩んだ末、必死の思いでお父さんは
その係の人に頼みました。

「一粒でもいい、二粒でもいい、
分けてもらうわけにはいきませんか?」
事情を聞いたその店員は、
黙ってその巨峰を箱から取り出し、
数粒のぶどうをもぎ、小さな箱に入れ、
きれいに包装して差し出しました。

「どうぞ、二千円でございます」
震える手でそのぶどうを受け取ったお父さんは、
病院へ飛んで帰りました。
「ほら、おまえの食べたかったぶどうだよ」

女の子は、痩せた手で
一粒のぶどうを口に入れました。
「お父さん、おいしいねえ。
ほんとにおいしいよ」
そして間もなく、静かに息を引き取りました。

Author :読者からの便り



【無償の愛】



「見えないものに価値がある」
「魂」・・・今でも心の中に生きている


人は死ぬと、21グラム軽くなるといいます。
アメリカの学者が実験して計ったといいます。
よって、それが魂の重さだというのです。

少し前に母を亡くしました。
母は苦労人でした。母を知る者は、
口を揃えて「不幸だった」と言います。
でも母は、「幸せだ」「もったない」と
口癖のように言っていました。
そんな母が、父の看病をしていて、
先に亡くなってしまいました。
過労からダウン。気づいたときには、
手遅れでした。
それだけに、母の死は堪えました。
誰かが亡くなっても、周囲の人々の中に
その人は想い出として、ちゃんと生き続けている。
だから、その人は「生きている」ということになる。

私の父は私が35歳の時に他界した。
このときまでは、私がちょっと
間違ったことをしでかすと、 口うるさく言う父親だった。
私はいかに親の目を盗んで悪さをするか、
そればかり考えていた。
ところが、死んでしまうと違うのである。
生きている間は、「目を盗む」ことができるのだが、
死んでしまうと、私がどこへ行こうと、
誰と会おうと父はいつだって、
私の肩の上にいるのだ。だから、隠しようがない。
よって私は父の死以降、
すっかり品行方正になってしまった。
そのおかげで、なんとか今日まで生きてこられた。

ある人が、人は死んだら星になるのだけど、
いつも天空から見守っていてくれて、
万が一のときとか、迷ったときとかには
道を誤らないようなアドバイスをくれる
存在になるのだよ」と教えてもらったことがある。
この人は子供の頃に父親を失った人だが、
そのように信じることで辛い時期を
乗り越えてきたのだろう。

男は、父親よりも母親を失ったときのショックが
大きいという話を 聞いたことがある。
また、戦場で死に行く戦士が「お父さん!」と叫ばず、
「お母さん!」と言っていって散っていくのは
無理からぬことだと、思う。
息子にとって、とてつもなく母親は大きな存在なのだ。
だから、父の死と一緒に語ることは出来ないが、
何か伝えられるとしたら、
父が死んで以降、日常の中で
実感したことだけである。

「魂」とは、生き続けるものなのだということを
知りました。  
そう、目に見えないものに価値がある。

Author :志賀内泰弘


人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……


時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる








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カビの生えない・きれいなお風呂

furo



お風呂物語






2015年6月11日 (木)

信じれば真実、疑えば妄想……

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin

韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
「国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。





「勝算か……。子房、わしは本当のことを言うと、
もう疲れた。 ……わしは関中以西だけを領土とし、
中原はすべて 項羽にくれてやってもいいと思っている。
わしは、 項羽にはとても勝てん。
麾下の将軍たちも楚に比べて有能だとは言い難い」

張良は劉邦の弱気な発言を咎めはしなかったが、
決して同調したわけではない。
「大王が関中以西を領有したいと主張なさっても
黙ってそれを許す項王ではありません。
妥協点を見出すためには漢も力を示さねばなりません。
すなわち楚と戦って、
ある程度の勝利を得なければ
項王を交渉の席に引きずり出すことはできないでしょう」
張良は諭したが、劉邦に取り付いた弱気の虫は
それでも振り払うことができなかった。

このときの劉邦はすでに五十を過ぎ、
当時としては初老と言ってもいい年代である。
嘆息の原因が年齢によるものなのか、
それとも生来の根性のない遊び人としての
性格によるものなのかは、はっきりしない。

「子房の言うことは理屈としてはわかる。
しかし楚と戦ったとして、
勝てる者がいないではないか」
張良は断言するように言い放った。
「我が軍には、韓信がいます!」
「…………」
「……彼には期待していいでしょう。
これまでの実績が示しています。
騙されたと思って、全軍の指揮を委ね、
楚を討たせるべきです」

「韓信は、やるだろう。
しかし……ほかにはおらんのか。
やつのほかに大事を委ねられる者は」
劉邦の表情に、不安の陰がよぎる。
張良はそれを韓信の作戦遂行能力に対しての
不安だと読み取った。

「ほかに誰がおりましょう。
任せられるのは韓信しかいません。
しかもそれで充分です。
彼は限りなく可能性を秘めた男だと、
私は期待しております」
張良の言を入れて、劉邦は
韓信を総大将に楚を迎撃することを認めた。

しかし一方で劉邦は、
韓信のような麾下で突出した才能を持つ男に
大権を委ねることを、ひそかに恐れ、迷った。

劉邦の不安は、実はこのことに
由来するものだったのである。
かつて奔放だった劉邦が年齢を重ね、
猜疑心を強めていったのは実は
このときからであった。
劉邦が自分をどのように考えているかは、
韓信にとっては大きな問題ではない。
自分は軍事を司るよう命じられている。
それはすなわち信用されて任されていることだ、
としか考えなかった。
任されたからには与えられた条件で
最大限の結果を出すことだけを考え、
それによって生じるであろう、
後の政治的な動きについては興味を示さない。
世間知らずなようでもあるし、
身の処し方がやや不器用だったとも言えそうである。
かつて栽荘先生が韓信のことを
燕の太子丹に不器用な点が似ていると評したのは
この辺のことを言ったものかもしれない。
しかし兵権を与えられた韓信は、
このときも存分に能力を示した。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.

愚人は過去を、賢人は現在を、
狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…


『ゲイシャ・ワルツ』 城之内早苗
西條八十 作詞:古賀政男 作曲

あなたのリードで 島田もゆれる
チーク・ダンスの なやましさ
みだれる裾も はずかしうれし
芸者ワルツは 思いでワルツ





大林清の原作から、渡辺邦男が監督、音楽古賀政男

ストーリー
朝吹千枝子は旧華族の娘だったが、
戦後すっかり財産を失った一家を支えるために、
病床の父には事務員をしているといつわって
実は芸者になっていた。

ある日六郷商事の社長就任披露の
宴会に招ばれて、朋輩と一緒に
箱根の「青嵐荘」へ行った。
この家こそは、千枝子の父が戦前に持っていた
別荘だった。
しかも当日就任の社長、六郷恭造は、
その昔朝吹家へ出入りの車曳きであった。

息子信太郎は戦後の新興実業家で、
親孝行のため恭造を社長につかせたのだった。
千枝子はこの時信太郎と親しくなり、
その後恭造が悪辣な同業の山崎の
口車に乗せられそうになったとき、
千枝子がそれを救ったことから
信太郎と千枝子の間柄は
急速に親密の度を加えた。

恭造は信太郎が千枝子との結婚を
希望していると知ったとき、
旧主家への礼儀を慮って、
昔の車曳きの姿になり、
その上六郷商事の全財産にも相当する
金をひき出して、「金一封」として
誠通の病床に贈った。

六郷商事では財産紛失事件で大さわぎとなるが、
千枝子が小切手を返しに来た上、
一時は恭造の行為を誤解した誠通も
千枝子と信太郎の愛情を理解し、
朝吹一家に久しぶりの春が訪れた。



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる








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カビの生えない・きれいなお風呂

furo



お風呂物語







2015年6月 8日 (月)

信じれば真実、疑えば妄想……

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
「国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。





漢の韓信-63ー京・索の会戦

劉邦は韓信が滎陽にたどり着いたのを確認し、
手放しで喜びを表現した。
「天下無双の武勇。漢の至宝。
わしの麾下で項羽と渡り合える者は韓信のみである」
「とんでもありません」喜ばしいことではあったが、
他の将軍たちの手前、韓信はあからさまに
功を誇ったりはしない。
劉邦はそれに多少物足りなさを感じた。
「相変わらず、そっけない奴だ。
わしがこれほど歓喜しているのにお前という奴は
謙虚に過ぎる。謙虚すぎて、面白くないわい。
男というものはもっと……」
「大王、お話があります」王の話の腰を折る、
というのは普通許されないことである。
しかし劉邦は放っておけばいつまでも話し続ける
手合いの男であったし、話し続ければ
ひとりで感情が高ぶり、始めは冗談のつもりが
いつしか本気の罵りになることが多かった。

よって劉邦に伝えたい用件があるときは、
中身のない話に付き合わず、単刀直入に話すに限る。
「……滎陽に到着して間もないのですが、
私の見たところ漢軍の陣容は以前と変わらぬ程度に
整いつつあるようです。
主だった将軍にも落命した者はないように見受けられます。
そこで早いうちに楚に反撃したいのですが」
多弁な劉邦が言葉を失った。
戦いたくない、という気持ちを持っていることは
明らかである。

韓信は説得しなければならない。
「趙はすでに連合を離脱し、邯鄲に
撤退したという情報を得ています。
そして楚と盟約を交わしたとか。
これは趙の陳余が漢より楚の方が強いと
判断した結果でしょう」
戦いたくない劉邦は、必死になって反論した。

「それはあのへそ曲がりの陳余に張耳が
生きていることを知られたからだ。
奴はそれを理由に漢と訣別する旨の書状まで
送ってきおったわい。
しかし、それでも構わないではないか? 
お前はもともと反覆常ない陳余のような男の力を
借りることには反対であっただろうが」
「それはそうです。しかし、敵対するよりは
味方にしておいた方がまだましです。

このままでは、いまに陳余はおろか魏も態度を覆して
楚に味方しましょう。
それは漢が楚に対抗できぬと彼らが思っているからで、
これ以上の離反を食い止めるためにも、
ここで一度楚には勝っておきたいと存じます」
そもそも滎陽に漢軍が集結したといっても、
それを楚軍がただ見ているはずはなく、
いずれは襲撃されるのである。

韓信が言っていることは、やられる前に
やれ、ということに過ぎない。
それでも劉邦の自尊心を汚さぬよう、
自発的に戦いの決断をしてもらおうと韓信は
言葉を選んだのだった。

「わしが今、平穏を望んだところで、
楚は許しはしないであろう。
いずれ楚がこの滎陽に攻め込んでくるということは、
わしにもわかっている。
……信、お前の言うことはわかった。
一晩考えさせてもらおう」
韓信はあまり釈然とはしなかったが、
再会したばかりのときにあまりしつこくするべきでは
ないと思い、その場を退去した。

韓信をさがらせた劉邦は、その夜、やはり滎陽で
再会を果たした張良に話を持ちかけている。
「気の早い韓信は、来た早々に楚を迎撃したい、
と言っているが……子房はどう思う?」
彭城でいいところがなかった張良は後ろめたさがあるのか、
やや遠慮がちに答えた。

「そうですか……。韓信がそうしたいと言うのならば……
異存はございません。
私としてもいずれは迎撃しなければならない、とは
思っていました。ただし時期が問題ですが、
今がその時期だと韓信が言うのであれば、
彼としては勝算があるのでしょう」


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、
狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



『涙の連絡船』キム・ヨンジャ




人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる








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カビの生えない・きれいなお風呂

furo



お風呂物語






妄想劇場・特別編

妄想劇場・特別編

信じれば真実、疑えば妄想……


Mituo2_2

昨日という日は
歴史、

今日という日は
プレゼント

明日という日は
ミステリー






夢はでっかく、根はふかく。
花を支える枝 枝を支える幹 幹を支える根 
根はみえないんだなあ


Author :長野県の山田久美さん。
『笑われても馬鹿にされても』

その年の6年生は荒れていました。
だんだんと大人になっていく自分を
もてあますかのように 先生を馬鹿にして
授業放棄をしたり、同級生や下級生に
暴力をふるったりといった児童が多く、
全校でも大きな問題となっていました。
もうすぐ音楽会という時期でした。
6年生は全クラスで一つの歌を 一緒に
合唱することが例年の恒例となっています。

ですが荒れに荒れた雰囲気の6年生は、
先生が指揮をしてもふざけて遊んでいるばかりで
みんなで歌うことができません。
そこで児童の中から指揮者を出すことになり、
以前他の学校から転校してきた
Mくんが選ばれました。

Mくんは張り切って、その大役に挑みました。
指揮台に立ち、全身で感情を
ほとばしらせるように指揮棒を振りました。
ですがそんなMくんを迎えたのは、
同学年の児童からの嘲笑でした。
彼らにはMくんのあまりに一生懸命な、
全身を大きく動かす指揮が目新しく、
おもしろおかしく感じたのでしょう。

「いいぞー!やれやれー!」
「なんだ、あれ?」といったヤジや
爆笑が起きました。
当然まともな合唱にはなりません。
ですがMくんはそこであきらめませんでした。
笑われても、からかわれても、
一生懸命、 全身全霊を注ぎ込むような
指揮をやめませんでした。
何日も何日も、何回も何回も、
Mくんは一心に指揮棒を振り続けたのです。

そのうち、子どもたちのMくんに
対する目が変わってきました。
だんだんとMくんの指揮に合わせて歌う児童が
増えていきました。
しばらくたつと全員がMくんの指揮に合わせて
合唱をしていました。
Mくんのまっすぐな努力が子どもたちに
迎え入れられた瞬間でした。

音楽会の日、プロ顔負けの
大きなアクションをつけ、
一心に指揮をするMくんと、
普段は荒れて暴れていることが多い
6年生の美しい合唱に、
全校児童も保護者もひきこまれていました。

会場となった体育館は静まり返り、
ピアノと6年生のきれいな歌声が響きます。
演奏が終わった後、客席から
大きな拍手が起こりました。
Mくんは他の6年生と共に客席を向き、
笑顔でおじきをしました。
またさらに大きな拍手が起こりました。

保護者の中には感動して目をハンカチで
押さえている方々もいました。
同学年の児童から信頼をよせられたMくんは、
中学生になってからも必ず合唱の際には
指揮台に立っているそうです。

思春期の子ども、特に男の子にとって、
友達から笑われること、
カッコ悪いと言われることは非常につらく、
受け入れがたいことだと思います。
一生懸命やるよりも、気のりしなさそうに、
仕方なくやるといったスタンスのほうが
かっこいい、 と思ってしまいがちな年頃でもあります。

ですが、あきらめずに自分が信じた方法を
貫き通し、 最終的に周りから絶大な信頼を得て
学年全員の姿勢を変えたMくんは、
多くの人に感動を与えました。
笑われても馬鹿にされても、
自分の信念を貫き一生懸命やりぬくことの大切さ、
尊さをMくんから学びました。。


《終わり》


【見知らぬ女性】



『四葉のクローバ』

「ねえねえ、覚えてる?」
近藤響子は、自分よりも20センチ以上も背の高い
夫の智也を 見上げるようにしていった。
「なになに?」半歩先を歩く智也が振り返って聞き返した。
町の端を流れる大きな川の堤防。
気分転換に散歩も兼ねて、
スーパーへ買い物に出掛けた帰り道のことだ。
土手の下の河川敷では、草野球の試合が行われている。
「ピチャー、たるいよ~」 「打てる! 打てる!」
そんな声と重なり、響子の声が聞こえなかったらしい。

「あのね、一緒になった頃さあ、
あなたがまだ仕事に就いてなくて、  
どこへも行けなくて・・・」
「ああ、貧乏だったよな、ごめん」
「ううん、そうじゃないの。
ディズニーランドとか行けなかったから、  
お弁当を作って、よく近くの公園で食べたわよね」

響子と智也は大学の同級生。
二人は卒業と同時に結婚した。
しかし、智也は悩んだあげくに大学院に進んだ。
研究者として、教授に見込まれたのだ。
本人は研究を続けたいと思っていた。
そんな気持ちを察して、響子が背中をポンッと押した。

「私が食べさせてあげるわ」
響子は、小さな会計事務所に就職が決まっていた。
税理士の資格を持っているわけではない。
給料はすこぶる安い。 でも、
「なんとかなるだろう」と思った。

貧しい生活の中でも、工夫をして楽しみを見つけた。
それが、公園でのお弁当だった。
アパートから歩いて20分から30分で行ける範囲の
あちこちの公園へ、 毎週末のように出掛けた。
雨の日には、ショッピングモールのフードコートの席で、
自前のお弁当を食べたこともある。

響子は暮れから翌年の6月くらいまで、猛烈に忙しい。
個人の確定申告と会社の決算があるからだ。
資格がないので、ほとんど言われるままに働くしかない。
残業などという言葉はなかった。
繁忙期は10時、11時まで働くのが当たり前だった。

一方、智也も同じだ。研究室に1週間くらい
泊まり込むこともあった。
それだけに、二人で公園で食べるお弁当は、
格別の味がした。 幸せを感じるひとときだった。
そんな公園で、お弁当を食べ終わると、
響子はいつも地べたにしゃがみこんだ。
四葉のクローバーを探すためだ。

「ねえねえ、覚えてる?」
「なになに?」
「私さ、四葉のクローバーを探すの名人だったでしょ」
「そうだったなぁ」
「あなた、いつも悔しがってさ」

不思議だった。一緒になって四葉のクローバーを探すのに、
智也は見つけられないのだ。
それに比べて、響子は何本も見つけた。
一本見つけると、その近くに群生しているかのように、
次から次へと見つかった。

「こっちへ来てよ、たくさんあるから」と言って、
智也を呼び寄せると、不思議なくらい見つからなくなる。
「四葉のクローバー探しの天才だな。
それはお前に任せるよ」と言われたものだ。
堤防に沿って歩くと、小さな児童公園があった。

「ねえねえ、ちょっと荷物を置いて、
あそこで四葉のクローバーを探さない?」と響子が言った。
「懐かしいねえ、いいよ」
実は、響子がそう言いだしたのには訳があった。
ただ10年前のことを懐かしんでのことではない。
それを心の中で理解していたので、
智也は同意したのだった。
このところ、いくつかの辛いことが続いていた。

響子の父親が脳梗塞で倒れた。
幸い、命はとりとめたが左半身に障害が残った。
長く住んでいたアパートを追い出された。
家賃が安くて助かっていた。
大家さんが高級マンションに建て替えるという。
それも分譲だ。 とても買える金額ではない。
右往左往して探した結果、
毎月の家賃の負担が3万円も増えた。
それでも子供がいないので、なんとか暮らせた。
しかし、悪いことは続く。
智也に目をかけていてくれた教授が大学を退官。
それとともに、校内の派閥抗争のとばっちりを受けて、
大学を追い出されてしまったのだ。
なんとか別の大学の講師の口を見つけたが、
給料はガクンと下がった。

他にもある。響子の腰痛がひどくなった。
父親の看病に疲れた母親が、
毎日のように深夜に電話をしてくる。
自分も疲れているので、早く切りたいが切れない。
まだある。洗濯物をハトがフンをして汚された。
隣室の子供のピアノがうるさい。
冷蔵庫が壊れて買い替えなくてはならなくなった。

響子は、児童公園のベンチに食材の入った
レジ袋を置くと、 花壇の周りに生えている
クローバーに駆け寄った。 目を凝らすようにして探す。
「僕もやろうかな」 「うん、探して」
最初は、すぐに見つかると思っていた。
なにしろ「四葉のクローバー探し」名人と言われた
響子である。 ほんの3分もかからないと思っていた。

ところが・・・。探しても探しても見つからない。
イライラしてくる。
響子は、占いを信じる方ではない。
必ずといっていいほど、女性雑誌には
占いのページがある。でも、ほとんど見たことがない。
しかし、このところの不運続き。
何かに頼りたいと言う気持ちが強くなっていた。
四葉のクローバーを見つけることで、
何かしら良い方向へと人生を
変えられるのではないかと思ったのだ。
それなのに・・・。

自信があっただけに暗くなった。
「ちょっと風が冷たくなってきたよ。もう帰ろうよ」
時計を見ると、40分くらいが経っていた。
智也にそう促されて、仕方なく立ち上がった。
持病の腰痛が、よけいに痛みだした。

薄暗くなりかけていた部屋の灯りを点けた。
気分を紛らわせるために、テレビをつけた。
智也は家に帰るなり、なにやらゴソゴソと
押入れの中を探し始めた。
「どうしたの?」と訊くと、
「う、うん」という生返事。
「夕ご飯は7時でいいかしら」

それにも答えず、押入れの奥から
大量の本を取り出していた。
研究者らしく、本に囲まれて生活している。
ただ、困るのは置き場所だ。
仕方がないので、押入れが本の倉庫になっている。
響子にはさっぱりわからない専門書ばかり。
半分は英語らしい。

「あった~!」 「なに?」
「うんうん、これこれ」急に微笑んで響子の方を見る。
智也が一冊の本を差し出した。
「え?」 「これ」
ずいぶん古い本だ。やはりタイトルは英語。
「扉のページを開けてみてよ」
言われるままに扉を開けてハッとした。
そこには、薄く茶色になった四葉のクローバーが
挟まっていた。
「これ、キミがくれたんだよ」

思い出した。智也が大学院を卒業して、
母校の講師になったときプレゼントしたものだった。
なぜ、覚えていたのか。
その時、一緒に渡した一筆箋も挟まっていたからだ。

そこには、「就職おめでとう!  
小さくてもいいから、幸せな家庭を作りましょうね。
響子」と書かれていた。

響子は思った。こんな近くに
四葉のクローバーがあったんだ!
幸せは、すぐ近くにある。
智也の笑顔を見て、 こころの底から
力が湧いてくる気がした。


Author :志賀内泰弘


【バトンタッチ】



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる







P R

きれいなお風呂・宣言

furo

お風呂物語








2015年6月 7日 (日)

信じれば真実、疑えば妄想……

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin

韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
「国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。



漢の韓信-62ー京・索の会戦

韓信は彭城から滎陽への道を辿るなか、
散発的に楚軍に襲撃されながらも
敗兵を集めて組織し直した。
情勢の確認も忘れておらず、
誰が無事逃げおおせた、
誰が戦死した、という情報を
なるべく努力して集めるようにした。
しかし現代のように個人間の連絡がとりづらい
この時代ではそれも思うようにならない。

結局韓信がまともに得た情報は、
「趙軍は多数の犠牲者を出しながらも
中枢部は無傷で、頭目の陳余は兵を率いて
邯鄲(かんたん)(地名)に逃れた」
ということぐらいであった。
その情報の主は、蒯通(かいつう)という男である。
もともと陳勝・呉広の乱の際に
趙の再建に功績を残した男であったが、
その後、陳余のもとではあまり厚遇されず、
彭城での混乱を機に漢に鞍替えを決めたらしい。
小男でさえない風貌であったが、
各地の政情に通じた弁士で、
いわゆる縦横家(じゅうおうか)であった。
このとき蒯通は、韓信に対して、
「趙はいずれ、楚に靡きましょう。
魏もまた然りです。
漢が楚に対抗しようとするならば、
趙・魏の勢力をあわせて楚を
包囲することが不可欠です。
それでようやく五分というところでしょう」と言った。
また、「趙・魏の勢力を合わせることは、
連合という協力体制によっては不可能です。
生ぬるすぎます。
しかるに武力をもってこれら二国を制圧し、
属国とすることが最善でしょう」と言った。
韓信はほぼ初対面の相手からこのような
大胆な発言を聞かされたことに驚き、
「君はそれを私にやれとでも言うのか」と
問いただしたという。
韓信としてはそういう政略めいたことは
漢王や張良にでも言え、と言いたかったのである。
しかし蒯通はこれに対して、
さも当然のように答えた。
「ほかに誰がおりましょうか? 
将軍以外にできる者はおりますまい」
できる、できないではない。
お前は献策する相手を間違っているのだ。と
韓信は思ったが、
「君の言うことは理解できるが、
今はそのようなことを考えている余裕はない。
漢軍自体が壊滅に近い状況にある今、
どうして将来のことを考えていられよう? 
私には喫緊の課題がある。
それは大将として漢軍を立て直すことであり、
趙や魏を討つことではない」と、
正当な論理で蒯通に言い渡した
。蒯通は含みのある笑みを浮かべ、
これに答えて言った。
「それはその通り……間違いございません。
しかし、将来的には必ず将軍が……。
すでに将軍は旧秦の地を平定し、
韓を撃ち破りなさった。
おまけに項王とも渡り合ったと聞き及んでおります。
きっと漢王は将軍に命じます。
魏を討て、趙を討て、代を討て、燕を討て……と。
そして斉をも討てと命じます。
あらかじめ、お覚悟はしておいた方が良いかと」
「君は一体何が言いたいのだ」
韓信は蒯通の言葉に気分が悪くなった。
蒯通はまるで自分を使嗾しているかのようで
薄気味悪い。
「お覚悟」とはなんの覚悟のことか。
まるで見当もつかない。
「漢王から命が下されれば、
私はそれに従うまでのことだ。
ほかには何もない」韓信はそう言い、
蒯通をさがらせた。
「……大将ともなると、得体の知れぬ
輩も寄ってくるものよ。
私に一体どうしろというのだ。なあ、カムジン」
……ハイ」「お前は相変わらず無口だな!」
蒯通のような口達者な弁士を相手にしたあとでは、
カムジンのような寡黙な少年を相手に
愚痴をこぼすのも楽しいというものだった。
韓信はその日の午後、鍛錬と称して
カムジンと騎射の腕比べをし、完敗を喫した。
それでも束の間の楽しい時間を過ごしたのである。
韓信は滎陽に至るまでの間、
八千五百余名の敗兵を再集結させることに成功した。
一方劉邦は滎陽の手前、下邑(かゆう)(地名)で
呂氏の兄の軍に出会い、
これを中核に漢軍を再組織することに成功している。
また、ちょうどこのとき蕭何が関中から徴募した兵を
滎陽に引き連れてきたので、
漢は再び勢威を取り戻すことになったのであった。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、
狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



『北の蛍 』キム・ヨンジャ 



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる








P R
カビの生えない・きれいなお風呂

furo



お風呂物語






妄想劇場・一樂編

妄想劇場・一樂編

信じれば真実、疑えば妄想


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー



Mituo








『キンモクセイの匂い』

柏木百合子は、キンモクセイが咲く頃になると
憂鬱になった。 いや、憂鬱なんてものじゃない。
気分が悪くなり、寝込むほど身体が重くなる。
それは、ズバリ、キンモクセイにまつわる
悪い思い出がそうさせるのだった。

小学5年生の、その日の、その時間までは、
百合子もキンモクセイが好きだった。
友達の家に遊びに行く途中で、どこからともなく
「いい匂い」がした。 その匂いが、
どこからするのか、キョロキョロしながら探す。
何かの花の香りに違いないと思った。
家々の花壇を覗いてみるが、それらしき花は
咲いていない。

塾の帰り道にも、同じ「いい匂い」に立ち止まった。
暗闇の中を、どこからともなく流れてくる。
翌日、百合子の家の、すぐ裏にある設計事務所の
前を通ったとき、 その匂いの元に気付いた。
なんだか、暗くて陰気な樹に、 オレンジ色の小さな
粒々の花が付いていた。 それが、キンモクセイだった。

「ええ! こんなところに、こんにいい匂いの
花があったなんて」
百合子はたちまち、キンモクセイの匂いのファンになった。
翌朝には、通学路にある神社の裏手に、
大きなキンモクセイの樹を見つけた。
普通、住宅街の生け垣で見られるキンモクセイは、
大人の背丈くらいの大きさのものが多い。

ところが、その神社のキンモクセイは、
5メートルほどの高さがあり、こんもりと茂っていた。
そばに、「市指定保存樹木」という標識が立ててあった。
百合子は、学校へ行く道すがら、
大木の下でキンモクセイの匂いを楽しんだ。
ふわ~として、何だか夢心地になる。
ずっと匂いを嗅いでいたかった。

「いけない! 遅刻する!」
後ろ髪を引かれる思いで、学校へ向かった。
教室に入って、席につくなり、後ろの席のカズヤが
急に声を上げた。「あれ~なんか臭い」
カズヤといつも一緒に遊んでいる、二人の男の子も、
「ああ、ホントだ、くせえ~」 「臭い臭い」
三人は、その匂いがどこから来るのか、
鼻をクンクンさせながら嗅ぎまわった。
百合子が振り向くと、カズヤと目が合った。

「ああ、ここからするぜ」
そう言って、百合子のそばまで近寄ってきた。
三人は、百合子を取り囲むようにしてクンクンする。
「あれ~コイツから匂いがするぜ」 「ホントだ」
わざとらしく、みんなに聴こえるように大声で言う。
「これってさ、トイレの匂いだ」
「ホントだ、トイレだトイレだ!」そうはやし立てる。

キンモクセイの大木の下に長くいたせいで、
身体に匂いがまとわりついていたらしい。
いや、ひょっとすると、花粉が服に
付いていたのかもしれない。

その声に引かれて、他の男の子たちもやってきた。
面白がってクンクンする。
百合子は、何も言うことができず下を向いて
泣き出してしまった。 それに気付いた、
一番の仲良しの優華が男の子たちの
垣根の中へ割って入ってきた。

「あんたたち、バッカじゃないの!  
これ、キンモクセイの匂いじゃないの。
いい匂いじゃない」
「でも、これトイレの匂いじゃん」

それは、後になって知ったことだった。
キンモクセイの香りは、 よくトイレの
芳香剤に使われることを。

その日から、百合子のあだ名は、
「キンちゃん」になった。 キンモクセイの「キン」。
さらに、「金も臭せ~」などと、
ふざけてヒドイことを言う男子もいた。
そして、その瞬間から百合子は、
キンモクセイが大嫌いになった。

百合子が商業高校を卒業して就職したのは、
地元の食品卸会社だった。
百合子は、何かずば抜けた特技があるわけではなく、
ただ真面目なだけが取り柄だった。

先生もそれをよく知っていて、
経理の仕事を募集していたその会社に強く
推薦してくれた。
百合子は、普段から地味な服を着て、
すすんで誰とも喋ることはなかった。

それは、元々の性格とは違っていた。
あの日、キンモクセイの匂いをクラスの男の子に
からかられて以来、 じっと目立たないようにと
努めてきたのだ。

中学も高校も、ずっと地元の町で暮らした。
ほとんど、顔なじみの人たちばかりだ。
中学に上がっても「キンちゃん」と呼ばれたときには、
吐き気がした。

言う側は何も気にしていないらしい。
笑顔で声をかけてくる。
しかし、百合子にはそれが耐えられなかった。
さすがに、高校生になって「キンちゃん」などと言う
友達は一人もいなくなった。
しかし、百合子はみんなの前では、
とにかく、おとなしく目立たないようにと、
息を殺して過ごしていた。それは、
会社に入っても続いた。

就職して半年が過ぎた。ようやく、
経理課の仕事にも慣れ、
心にもゆとりが出て来たある日のことだった。
湯沸し室で、お客様に出すお茶を入れていると、
商品企画部の男の人が入って来た。

「あ~あ、のどが渇いた。
僕にも一杯くれないかな」突然のことで驚いた。
その先輩は、社長の甥か何か親戚らしいと聞いていた。
社長と同じ苗字の「伊藤」という名前であることを
知っていた。
(背が高くて、ちょっとカッコイイなぁ)と思っていたから、
なおさら声を掛けられてびっくりしたのだ。
「あ、はい・・・」
「ありがとう」伊藤は、湯沸し室で、百合子が入れたお茶を
立ったまますすった。

「柏木さんはさあ、キンモクセイみたいだよね」
突然、そう言われて、百合子は身体が強張ってしまった。
「え!?」百合子は、「まさか」と思った。
この人は、私が昔、「キンちゃん」と呼ばれていたことを
知っているのではないか。 それは十分にありうる話だった。

けっして大きな町ではない。
伊藤が、学校の部活か何かの後輩から、
百合子の小学生のときのことを耳にしたとしても
不思議ではなかった。

伊藤は、百合子のそんな胸のうちを知って知らずか、
勝手に話を続けた。
「今度ね、妹が大学の推薦入試を受けるっていうんでね、  
日曜日に神社にお守りを受けに出掛けたんだよ。  
そうしたらさー、ものすごくいい匂いがするんでびっくりしてね。  
とてつもない、大きなキンモクセイがあってさ。  
もう、その樹からプンプンと匂うの何のって。  
なんだか酔っぱらうくらいにさ」 「・・・」
「柏木さんも見てくるといいよ。ニの宮神社の裏手にあるんだ」

百合子は、蚊の鳴くような声で答えた。
「知ってます・・・」
「え! 知ってるんだ。へえ~」
伊藤は、ただそれだけのことを、たいそう喜んでいるようだった。

「すみません、お客様にお茶をお出ししなくちゃいけないので、  
そこを通していただけますか」 「あっ、ごめん、ごめん」
百合子は、逃げ出すようにして湯沸し室を飛び出した。
慌てていたので、少し、お茶がこぼれてしまった。
応接室を出て、お盆を返しに湯沸し室へ戻ると・・・
そこにはまだ、伊藤がいた。

「さっきは、ごめん・・・何か僕、悪いこと言ったかな」
「いいえ・・・別に」
「だって、君・・・怒ってたから」
百合子は、いつもなら出さないような強い口調で言った。
「怒ってません!」と、同時に、
なぜだか涙がにじんでくるのがわかった。

「ちょっと、待ってよ、柏木さん。
何か、僕が悪いこと言ったなら謝るよ」
「いいんです・・・伊藤さんが悪いわけじゃないですから」
「本当?」 「ホントです」
「じゃあ、二の宮神社に何か悪い思い出でもあるのかな?」

百合子は、もうこんな話はやめて欲しいと思った。
そんな百合子の気も知らず、伊藤は話をさらに続けた。
「キンモクセイってさ、スゴイと思うんだよね」
「・・・」
「今時分になると、咲き出すじゃない。
ものすごくいい香りを漂わせてさ。  
まるで、街中がキンモクセイの匂いに包まれるくらいの勢いでさ。  
それなのにだよ。普段は、そこにキンモクセイの樹が
あることなんて全く気が付かないんだ。  
二の宮神社に、あんなに大きなキンモクセイの
樹があるなんて、 昨日まで知らなかったもんなぁ。
それを知ってたんだよね、柏木さんは・・・」 「・・・」

百合子は、ますます暗い気持ちになった。
早く伊藤が仕事に戻ってくれることを心の中で祈った。
「それでさ~、このところ次々に発見したんだよね、
キンモクセイを。  
会社の敷地の中にもさ、キンモクセイがあるんだよね、
知ってる?   
駐車場の脇の焼却炉のところ。
それからさ、町役場の入口にも、僕の家の隣の庭にも。  
そんなにあちこちにあるのにさ、
普段はその存在に気が付かないんだ。  
なんて言うか・・・地味というか、目立たないというか。  
葉っぱの色なんか、黒に近いような緑だもんな。  
それでさ・・・思ったんだよ、
柏木さんはさ、キンモクセイみたいだなぁって」
「え?」百合子は、胸がドキドキし始めた。
この人はいったい何を・・・。

「知ってるよ、柏木さんがさ、
いつも人より早く会社に来てさ、玄関周りとか、  
経理の部屋とかを一人で掃除をしてるの。
さっきのお茶だってさ、他に女の子が何人もいるのにさ、
いつも柏木さんが一人で入れてるじゃない」
「・・・だって、私、新人だし」
「何、言ってんだよ。柏木さんが入ってくるまでは、  
女の子全員が交代でお茶を入れてたんだぜ。  
・・・まあ、いいや、そんこと。
だからさ・・・なんて言うかさ・・・」 「・・・」

百合子は、無言のまま伊藤を見上げた。
伊藤は、頭を右手でかきながら言った。
「目立たないけど、キラッて光ってる。
よく見ないとわからない。  
ひょっとすると、普段から気づいている人は少ない。  
そんな、キンモクセイみたいな柏木さんが
いいなぁ~なんて思ってさ・・・」
「え!?」
「仕事が終わったらさ、晩飯一緒に行かないかな」
それは、百合子が、再びキンモクセイが
好きになった瞬間だった。


Author :志賀内泰弘


歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



長崎物語
作詞:梅木三郎・作曲:佐々木俊一

赤い花なら 曼珠沙華(まんじゅしゃげ)
阿蘭陀屋敷に 雨が降る
濡れて泣いてる ジャガタラお春
未練な出船の ああ鐘が鳴る
ララ鐘が鳴る





時の幕府の鎖国政策の一つ混血児追放令のため、
長崎市内にいた混血児たちは
バタビア(現インドネシア)に追放されました。
その中にブルーの目をした透き通るような
白い肌の少女がいました。お春です。

お春は長崎で日本人の母から生まれ長崎で育った
生粋の日本の心を持った女の子だったので、
平戸から出帆するとき、どうしても
祖国を離れたくないと頑張りましたが、
掟には抗し難く泣く泣く追放されて行きました。
お春の望郷の思いは止みがたく、
切々たる手紙がジャガタラから届くようになり、
「手紙は届くのに何故自分は
故郷に帰れないのか」という
少女の手紙は人々の心を打ちましたが、
時の権力にはどうすることも出来ませんでした。

ジャガタラ(現ジャカルタ)お春。
「長崎物語」はお春の唄です。



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……




時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる








P R

きれいなお風呂・宣言

furo


お風呂物語






2015年6月 6日 (土)

歴史・履歴への許可証

歴史・履歴への許可証

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


夢はでっかく、根はふかく。
花を支える枝 枝を支える幹 幹を支える根 
根はみえないんだなあ



Kobanasi_3



十二味(じゅうにみ)のとうがらし
旅(たび)の男が、えん日でにぎわう
お寺の前をとおりかかると、
とうがらし売りが声をかけました。
「おきゃくさん、世(よ)にもめずらしい、
十二味(じゅうにみ)とうがらしはいかがですか?」
「なに? 十二味(じゅうにみ)とうがらしだと? 
七味(しちみ)とうがらしなら、どこでもうっているが、
十二味(じゅうにみ)とはめずらしいな。
よし、みやげにひとふくろ、つくってくれ」

「へい、ではさっそく、おつくりいたしましょう。
まず、『赤とうがらし』に、『アサの実(み)』に、
そして『青のり』に、
『ちんぴ→みかんの皮をほして、こなにしたもの)』に、
『さんしょ』を入れて。しまいに、
『ケシ』と『すりゴマ』を、よくまぜあわせてと、
へい、おまちどおさん」

「おいおい。それでは、どこにでもある
七味(しちみ)じゃないか。
『赤とうがらし』『アサの実(み)』『青のり』
『ちんぴ』『さんしょ』『ケシ』『すりゴマ』
やっぱり、七味(しちみ)ではないか。
いったい、どこが十二味(じゅうにみ)とうがらしだ。
でたらめぬかしたな!」

たびの男が、くってかかりました。
ところが、とうがらしうりは、ニヤリと、わらい。
「きょうは、ごらんの人出で、だいぶ、
ほこりがたっています。したがって、
七味(しちみ)とうがらしに、
少々のごみ(五味(ごみ))もはいっておりましょう。
七味(しちみ)と五味(ごみ)で、
十二味(じゅうにみ)とうがらしでございます」


おしまい


ネコの名 江戸小話



無用の位
むかしむかし、ある山国の村に、
伊助(いすけ)と名前の正直で働き者の男がいました。
身寄りのない伊助は、朝から晩まで
村人の手伝いをして暮らしていました。
ある年の事、伊助は都へ
奉公(ほうこう)にあがる事になりました。

伊助が奉公したのは、たいそう位の高い
公卿(くぎょう)さまの屋敷でした。
伊助は、水くみ、まき割り、ウマ小屋の掃除と、
一日中休みなく働き続けました。
そして長い長い年月がたち、年を取って
故郷が恋しくなった伊助は、
公卿さまにお願いをしました。

「どうか、おいとまを下さりませ」
「どうした? 勤めが辛くなったか?」
「いいえ、故郷に帰って、なつかしい人たちと
暮らしとうございます」
「そうか」
公卿さまは伊助がよく働いた礼に位を授けて、
故郷に錦(にしき)を飾らせてやろうと思いました。

「これ伊助、近うよれ」
公卿さまは、伊助の頭に冠(かんむり)を乗せると、
「伊助、位を頂いたからには、
いつも大切に身にまとうのだぞ」
「は、はい」
冠をつけた伊助は、何だか自分が
偉くなった様な気がしました。

さて、何十年ぶりに帰ってきた伊助を見て、
村人は驚き喜びました。
「伊助さん、立派になったもんじゃ」
「ほんに出世して、伊助さんは村の誇りじゃ」
口々に褒められた伊助は、つんととりすまして言いました。
「なに、それほどもないわい」

それから伊助は広い土地を手に入れて、
大きな家を建てました。
そんな伊助に、なじみの友だちが声をかけます。
「伊助、畑にゃ、何を植える?」
「これ! 口の聞き方が悪いぞ!」
「・・・へっ?」
伊助の偉そうな態度に、なじみの友だちは
びっくりです。
村人は初めのうちは大歓迎で色々と世話をしましたが、
やがて誰も伊助に近づこうとはしなくなりました。

ある日、伊助は村人が立ち話をしているのを
聞いてしまいました。
「伊助さんは、何であんなに威張っているんじゃ?」
「位なんか授かると、ああも人間が変わる物かのう。
あれではまるで、化け物じゃ」

伊助は、ハッとしました。
「そ、そうか。この冠の為に、お、おらは・・・」
伊助はすぐに、都へと旅立ちました。
「何? 位を返したいとな?」
「はい、公卿さま。わたしは故郷で、
みんなと仲良く暮らしたいと思っておりました。
ところが位を授かったばかりに、
一人ぼっちで寂しく暮らす事になりました。
わたしの様な者には、この位は
無用の長物(むようのちょうぶつ)なのです。
ですからこれは、お返しします」

位を返した伊助は、すっかり百姓らしい身なりで
村に帰って来ました。
「どうしたんじゃ。そのなりは?」
「ああ、冠も着物も、
位と一緒にきれいに返してきたわい」
伊助はそう言うと、すぐに畑に出て働き始めました。
それから伊助は村のみんなと仕事に励み、
仲良く幸せに暮らしたという事です。


おしまい


人の為(ため) と
書いて、
いつわり(偽) と
読むんだねぇ





 
誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。



時は絶えず流れ、
  今、微笑む花も、明日には枯れる






P R

カビの生えない・きれいなお風呂

furo


お風呂物語






信じれば真実、疑えば妄想……

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin

韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
「国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。



漢の韓信-62ー京・索の会戦

韓信は彭城から滎陽への道を辿るなか、
散発的に楚軍に襲撃されながらも
敗兵を集めて組織し直した。
情勢の確認も忘れておらず、誰が無事逃げおおせた、
誰が戦死した、という情報を
なるべく努力して集めるようにした。
しかし現代のように個人間の連絡がとりづらい
この時代ではそれも思うようにならない。

結局韓信がまともに得た情報は、
「趙軍は多数の犠牲者を出しながらも
中枢部は無傷で、頭目の陳余は兵を率いて
邯鄲(かんたん)(地名)に逃れた」
ということぐらいであった。
その情報の主は、蒯通(かいつう)という男である。
もともと陳勝・呉広の乱の際に
趙の再建に功績を残した男であったが、
その後、陳余のもとではあまり厚遇されず、
彭城での混乱を機に漢に鞍替えを決めたらしい。
小男でさえない風貌であったが、
各地の政情に通じた弁士で、
いわゆる縦横家(じゅうおうか)であった。
このとき蒯通は、韓信に対して、
「趙はいずれ、楚に靡きましょう。
魏もまた然りです。
漢が楚に対抗しようとするならば、
趙・魏の勢力をあわせて楚を
包囲することが不可欠です。
それでようやく五分というところでしょう」と言った。
また、「趙・魏の勢力を合わせることは、
連合という協力体制によっては不可能です。
生ぬるすぎます。
しかるに武力をもってこれら二国を制圧し、
属国とすることが最善でしょう」と言った。
韓信はほぼ初対面の相手からこのような
大胆な発言を聞かされたことに驚き、
「君はそれを私にやれとでも言うのか」と
問いただしたという。
韓信としてはそういう政略めいたことは
漢王や張良にでも言え、と言いたかったのである。
しかし蒯通はこれに対して、
さも当然のように答えた。
「ほかに誰がおりましょうか? 
将軍以外にできる者はおりますまい」
できる、できないではない。
お前は献策する相手を間違っているのだ。と
韓信は思ったが、
「君の言うことは理解できるが、
今はそのようなことを考えている余裕はない。
漢軍自体が壊滅に近い状況にある今、
どうして将来のことを考えていられよう? 
私には喫緊の課題がある。
それは大将として漢軍を立て直すことであり、
趙や魏を討つことではない」と、
正当な論理で蒯通に言い渡した
。蒯通は含みのある笑みを浮かべ、
これに答えて言った。
「それはその通り……間違いございません。
しかし、将来的には必ず将軍が……。
すでに将軍は旧秦の地を平定し、
韓を撃ち破りなさった。
おまけに項王とも渡り合ったと聞き及んでおります。
きっと漢王は将軍に命じます。
魏を討て、趙を討て、代を討て、燕を討て……と。
そして斉をも討てと命じます。
あらかじめ、お覚悟はしておいた方が良いかと」
「君は一体何が言いたいのだ」
韓信は蒯通の言葉に気分が悪くなった。
蒯通はまるで自分を使嗾しているかのようで薄気味悪い。
「お覚悟」とはなんの覚悟のことか。
まるで見当もつかない。
「漢王から命が下されれば、
私はそれに従うまでのことだ。
ほかには何もない」韓信はそう言い、
蒯通をさがらせた。
「……大将ともなると、得体の知れぬ
輩も寄ってくるものよ。
私に一体どうしろというのだ。なあ、カムジン」
……ハイ」「お前は相変わらず無口だな!」
蒯通のような口達者な弁士を相手にしたあとでは、
カムジンのような寡黙な少年を相手に
愚痴をこぼすのも楽しいというものだった。
韓信はその日の午後、鍛錬と称して
カムジンと騎射の腕比べをし、完敗を喫した。
それでも束の間の楽しい時間を過ごしたのである。
韓信は滎陽に至るまでの間、
八千五百余名の敗兵を再集結させることに成功した。
一方劉邦は滎陽の手前、下邑(かゆう)(地名)で
呂氏の兄の軍に出会い、
これを中核に漢軍を再組織することに成功している。
また、ちょうどこのとき蕭何が関中から徴募した兵を
滎陽に引き連れてきたので、
漢は再び勢威を取り戻すことになったのであった。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、
狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



『北の蛍 』キム・ヨンジャ 



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる








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カビの生えない・きれいなお風呂

furo



お風呂物語





2015年6月 5日 (金)

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
「国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。





漢の韓信-61ー京・索の会戦

韓信と鍾離眛は幼少時からの付き合いであり、
お互いにその存在を意識し合う間柄であった。
しかしより強くそれを意識していたのは、
鍾離眛の側であろう。
鍾離眛は何ごとにも自分より優れた才能を発揮する
韓信を超克したいと望んでいた。
一方の韓信は、鍾離眛と戦うことを望んでいなかった。
鍾離眛は二人が好敵手のように競い合うことを
欲していたのに対し、
韓信はできるだけその機会を避けようとした。
なぜなら二人が互いに戦うことで訪れる結末が、
眛の死であることが信にはわかっていたからである。
つまり、一言でいうと鍾離眛は夢想家であり、
韓信は現実主義者なのであった。

「危ないところでしたな。韓信は無事でしょうか?」
手綱を操りながら、夏侯嬰は劉邦を気遣い、
話しかけた。「わからん……。
それにしても情けないのは我が軍の脆さよ。
五十万以上もいた兵卒たちがわずか一日で
四散してしまうとは……。
一体この先どうなるのか」劉邦は悪寒を覚えた

。味方の不甲斐なさは言うに及ばず、
とにもかくにも項羽の武勇の凄まじさ……。
あの男とこの先一生涯をかけて敵対し
戦い続けなければ、ならないと思うと、
想像するだけで足が震えるのだった。
わずか三万の兵に蹴散らされたことを考えると、
とても自分などには太刀打ちできないと思える。

わしは、進むべき道を誤った。
あの項羽と争って天下を狙うなど、
我ながら高望みも甚だしい。
昔に戻って……また沛の街で酒でも飲んで
暮らしたいものだ。
そう思うと、目に涙が滲んできた。
我知らず鼻水も垂れてくる。

夏侯嬰はそれを見て、言葉を励まし、
劉邦をさとすのだった。
「この先どうするかは、張良や韓信が考えてくれます。
彼らが無事だったらの話ですが。
大王は自らの身を案じ、家族の身を
案じておられればそれでよろしいでしょう。
とにかく大王の身になにかあっては、
漢は成り立たないのですから……。
そのお手伝いは不肖ながら嬰がいたします」

言いながら夏侯嬰は馬の進行方向を変え、
来た道を戻り始めた。
「どこへ行く?」驚いた劉邦は聞いたが、
夏侯嬰は当然のように、
「沛へ向かいます」とだけ答えた。
「……嬰、お前には人の心を読む能力があるのか。
わしが沛で酒を飲みたいと思ったから……」

「違います。大王はこんなときに
そのようなことをお思いだったのですか」
劉邦はしどろもどろになった。
「いや、それは……まあ、いいではないか。
それよりなんのために沛に寄るのか、
それを聞きたいのだ」夏侯嬰は馬に鞭を入れた。
劉邦の勘の鈍さに少しいらついた様子だった。

「沛にはご家族がおられましょう。
救いにいくのです!」
こうして劉邦は数騎の護衛を従え、
沛に向かうこととなった。
沛と彭城は目と鼻の先と言えるほど近い位置にあり、
この時点で沛に向かうことは
当然のことながら危険を伴う。
それでも楚軍に家族をさらわれ、
人質にとられることで、
後の行動を制約される素因をつくることは
避けなければならなかった。

しかし沛にはすでに楚の兵士があふれ、
家族を捜すどころではなかった。
時すでに遅かったのである。
劉邦らは楚兵に囲まれ、それぞれ一目散に逃げたが、
みな散り散りになってしまった。
劉邦と夏侯嬰はたった一輛の車両で逃げ続けたが、
その途中で運良く息子の劉盈(りゅうえい)
(後の恵帝)と娘の魯元(ろげん)を見つけたので
これを車に乗せた。

ところが追手がせまる中、幼く、
なにもわからない子供たちはあどけない仕草で
手遊びなどをしている。
劉邦はそれが癪に障り、
やおら子供たちの襟首をつかんで車の外に放り出した。
「な、何をなさるのです!」
夏侯嬰はあわてて車を止め、
道ばたに転がった兄妹を拾い上げて車に戻し、
再び走り出した。

しかし劉邦はその後三度に渡って兄妹を
車の外へ放り投げた。
夏侯嬰はそのつど車を停めては、
拾い上げて走り出す。
「いい加減にしろ! 停めるな、嬰。
今度停めたら斬るぞ!」
劉邦は凄んでみせたが、夏侯嬰は
意に介した様子もない。

「私を斬れば、誰が馬を走らせるのですか。
大王こそ、わけの分からないことをするのは
おやめください。
楚軍に追いつかれてしまいます」
「わけが分からんとはなんだ! 
こいつらが乗っているから、重くて馬が疲れるのだ。
そんなこともわからんのか」

「いくらなんでも幼な子を見殺しにすることは
できません。
ただの幼児ではない、公子と公女ですぞ。
大王は平気なのですか」
「おまえはこいつらとわしとどっちが
大事だと考えているのだ。
公子だろうとなんだろうと、子など失っても構わん。
わしさえ存命ならば、
また子を作ることはできるのだ! 
お前はわしの命を第一に考えろ」

「……従えません! 私の命にかえても
このまま逃げおおせてみせます。
それなら文句ないでしょう」
「お前の命など、どれほどのものかよ!」
劉邦は吐き捨てたが、
夏侯嬰を斬るわけには、いかなかった。

かくして夏侯嬰は自分が斬られない立場で
あることをいいことに、我を押し通して
兄妹をのせたまま車を走らせ、
なんとか危地を脱することに成功した。
しかし一方で沛に取り残された劉邦の父と妻の

呂氏

(

りょし

)

は楚軍に捕らえられ、
項羽の捕虜となってしまったのである。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、
狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…


『新宿情話』キム ヨンジャ&角川博




人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる








P R
カビの生えない・きれいなお風呂

furo



お風呂物語






妄想劇場・番外編(18禁)

妄想劇場・番外編(18禁)

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……


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18歳未満の方は
ご遠慮下さい。






昨日という日は歴史、 今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:官能小説家

江戸のお色気話ー4

「それで、あたしは久しぶりに若くは無いが
女を抱けるという思いで、 あたしの◎棒はビンビンに張り、
異様に元気になっていました、
それから・・いよいよ・・という段取りになりまして・・
恥ずかしいのか、 衝立を立て奥方は
あたしをそこに招き入れたんです、
そこには質素な布団が敷いてありましたが、
元武家の奥方らしくきちんと されていました。
枕元には白い懐紙が置いてありまして、
ことが終わった後にあそこを拭き取るのでしょう、

でもなんかあたしはそれを見て興奮していました。
奥方は恥ずかしそうに、 顔を隠して襦袢だけで
布団の上に横たわっていました、
その艶かしい姿に、あたしはゾクゾクしました。
奥方も観念したのでしょう、
でもあたしには奥方も興奮しているのがよく分かりました。
久しぶりに男に抱かれるからでしょう。

それであたしはすぐに着物とふんどしを脱いで裸になり、
奥方のところに行き襦袢の前を開かせたのです、
そうすると、白い大きな乳がポロンと出て、
その形の良さと、 白さはとても娘を生んだ身体だとは
とても思えないんですよ、
それであたしは女の肩を抱き、乳を弄りながら聞きました、

(いつから、男と交わりをしていないんだい) と聞くと、
(あぁ、お恥ずかしいです、もうだいぶ・・になります) と
言うのであたしは(俺の太いのを後で
ゆっくり入れてやるからな) と言って、
女の股ぐらに手を突っ込んだんです。
すると女は悶えながら (あぁん、はぁ・・お願いいたします)と
言って目を伏せるのですが、
これが年増の色気とでも言うのでしょうか、
あたしの一物は更にビンビンになりました、

それから・・・ 奥方は、どうすればいいのですか?
と聞くものだから、 あたしは(あそこが良く見えるようにしてくれ)、
というと、奥方は恥ずかしそうに、(わかりました)と言い、
白い股を開いたんです」
「その女は年に似合わず恥ずかしがり、
少し股を開いただけなので、
(あたしはもっとあそこをちゃんとみせろ)、というと、
仕方なくあそこを大きくご開帳したんです」
金吉はそれを思い出して興奮しているらしく、
口元に唾を溜めていた。
それを聞きながら聴衆はため息をついていた。

「そうすると、女のあそこは毛深くて穴が
はっきりと分からないんです、
それであたしは手元の灯りをそこに持って行くと、
凄いんですよ」
「近くへ寄って灯りで分かったんですが、
あの女はもう濡れているんですよ、
あそこの穴が・・なんというか・・しっとりと濡れているんです」
でもさすがに恥ずかしいらしく顔は伏せていましたが」
あたしはもう猿◎は取って裸になっていましたから、
女に言いました」 「(入れる前に、俺のを◎ゃぶってくれ)、
と言いました、

するとその女が言うには、
(そう言うことをしたことがありません、どうすれば?)・・
と言うから、 (いいからしゃぶれ)、と言って
あたしは愚息を女の顔の前に突きだしました」
歯を立てずに舌で丸め込むようにしゃぶってみろ、
と言ったんです」
「はじめはぎこちなかったんですが、
女も乗ってきて段々と上手くなり、
次第に愚息を狂ったようにむしゃぶるんです、
そうなると おれの愚息が喜んできたので、
今度はお返しとばかりに・・・」
女の穴を舐めたんですよ、

ちょっと初めは変な味がしたんですが、
それも慣れてきました」
舐めていると、女は妖しい声を出しやがるんです。
もうあそこがびっしょりなんで そろそろあたしも
入れたくなったんでそれで、◎息を握りしめて
女の◎へずぶりっと・・
女もあたしに舐められたもんだから、
それが嬉しいらしく、 ひいひい言いながら悶えるんですよ、
女はあたしの背中に手を回して、腰をぴったりとくっつけて、
よがるんです、
それが凄くてあたしも感じちゃって・・」

それを聞いていた長屋の女たちは、
自分がされているように感じ、
中には着物の中に手を入れて、
とろりとした眼で股間を弄っている女もいた。

「あたしは女にまたがってずぶずぶと押し込むと、
女は(良い、良い凄く良いわ、こんなの久しぶり) って
言いながらヒイヒィよがるんです」
あたしは女に入れながら、 後ろでゴソッという音が
気になって後ろを見ると、いなくなったはずの娘が
こっそりと、あたし達を見つめているんですよ、
娘は顔を赤くして、あたしとその奥方が絡んでいるところを
見ていました
でも、その目は恥ずかしそうに、
そして興奮しているようなんです、
母親が始めての男と激しく交わっている姿を見ながら・・」

母親は(もっと突いて下さりますか、もっと)と、
奥方が入れた◎を締め付けながら色目を使うんで
◎棒は気持ちがいいし、堪んなくなって、
あたしも望むところだし・・」

「流石、金吉だな、その話を続けてくれ」 と、
ここでご隠居が口を挟んだ。
すると長屋の聴衆から万雷の拍手が起こった。
江戸下町の裏長屋の夜は、まだまだ長く続くようである。


つづく


18禁 「美女のお色気ドッキリ番組」 



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる



Tinko_2
人の為(ため)と
書いて
いつわり(偽)と
読むんだねぇ





誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……







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カビの生えない・きれいなお風呂

furo



お風呂物語






2015年6月 4日 (木)

妄想劇場・特別編

妄想劇場・特別編

信じれば真実、疑えば妄想……


Mituo2_2
昨日という日は
歴史、

今日という日は
プレゼント

明日という日は
ミステリー




夢はでっかく、根はふかく。
花を支える枝 枝を支える幹 幹を支える根 
根はみえないんだなあ

この物語は(株)ユタカファーマシーが展開する、
ドラッグユタカでの、エピソードです。

『猫を探しています。 後編』


「あのう・・・もしよかったら・・・」
杏子は、ずっと考えていたことを園長婦人に提案した。
「うちの店にインフォメーションボードがあるんです。
お店のイベントとか安売りのチラシとかを
貼ってあるんですけど。それとは別にですね。
もう一つインフォメ-ションボードを作りますから、
迷い猫の案内を出されてはいかがでしょうか」

「あら、それはいいわ。ありがとうございます」
それは二つ返事で決まった。
杏子は、一番お客様の目に留まりやすい
自販機の隣の壁に、新しいボードを設置。
そこへ、園長婦人と子供たちの手作りの
案内を張り付けた。

「迷い猫を探しています」
そこには、幼稚園の女の子と猫の頬を寄せた
ツーショットの写真が貼られていた。
杏子は思った。ダメモトでいい。
そう簡単に見つかるはずもない。
でも、何かお役に立ちたい。
形だけでもいいから、地域の人に
頼られる店作りをしたい。
これは、そのきっかけなのだと。

ところが、ところが、である。
駅前の酒屋さんの奥さんから、
またまた頼まれごとを受けた。
今度は、子猫のもらい手を
探して欲しいというのだ。
何だか妙なことになってきた。
設置早々のインフォメ-ションボードは、
猫の話題ばかり。
それを見たお客様に「猫専用」だと
勘違いされてしまうのではないか。
そう思いつつ、その依頼も引き受けた。

翌日、酒屋さんの奥さんが、
パソコンで手作りしたポスターを持って
お店にやってきた。
5匹の生まれたての子猫の写真が
キレイに写っている。
「お上手ですね。レイアウトも上手いし、
『カワイイ子猫を飼いませんか?』の文字も
ステキ!」「あら、ありがとう」
「これならきっと、すぐに引き取り手が
見つかりますよ」そう言い、
奥さんをインフォメ-ションボードに案内し、
見やすいように張り付けた。

「え!?」その時だった。
奥さんが、ボードに釘付けになった。
幼稚園の「迷い猫を探しています」の
ポスターを指差し、「コレ、どういうことですか」
「え? どういうことって・・・」
「この猫、うちのレモンちゃんですもの」
「えええ!」「間違いありません。
黄色い首輪に鈴。
それより何より、右耳だけこんなふうに
茶色なんて珍しいでしょ」

杏子は、ケータイを手にして、
夢中で幼稚園のアドレスを探した。
すぐそばで、酒屋の奥さんが、
いったい何事なのかという顔をして
杏子を見つめていた。

5匹の子猫のもらい手はすぐに見つかった。
すべての話が決まるまでわずか3日。
杏子は、自分の発案ながら、
インフォメーシヨンボードの威力に驚いていた。
5匹のうち、右耳が茶色の子猫2匹は、
幼稚園で飼われることになった。
名前は、オレンジとアップル。
ミーちゃんの本当名前がレモンちゃんだと知った
子供たちが付けたのだった。

まだ、小さいので、幼稚園の建物から
外へは出さないようにしている。
プレイルームには、子猫たちのための
トイレも作った。
「あ! ミーちゃんが来た!」
「ちがうよ、レモンだよ」
「レモン、レモン」3時になると、
再び、ミーちゃん・・・いやレモンは
幼稚園に現れるようになった。

杏子は、思った。ドラッグユタカを、
お母さんの美容院のように
みんなが集まるお店にしようと。


《終わり》

Author :志賀内泰弘



歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…


古賀のメロディー日本人の心を辿る 
作曲・古賀政男、作詞・高橋掬太郎、
歌手・藤山一郎の出世作となった大ヒット曲。

酒は涙か溜息か 
かなしい恋の捨てどころ 
忘れた筈のかの人に 
のこる心をなんとしょう





届かぬ恋のつらさを表現する
高橋掬太郎から詞をもらった古賀政男は
短い歌詞に驚き、はたして歌謡曲になるかと
心配したそうですが、さすがのちの大作曲家、
みごとに日本歌謡史に残る名曲に仕上げました。



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……




時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる







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きれいなお風呂・宣言

furo

お風呂物語







信じれば真実、疑えば妄想……

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin

韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
「国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。






漢の韓信-60

韓信であった。
「項王……。私を覚えておられるか。
かつて楚軍で郎中の職にあった、韓信です」
項羽は、韓信を見据えていった。
「覚えているぞ。ごろつきの股の下を
恥じらいもなくくぐった臆病者だ。
今度はわしの股の下をくぐりに来たのか?」
「くだらぬ話を……。嘲りで私には勝てませんぞ」

韓信は斬ってかかった。項羽はそれを剣で受け、
韓信の倍以上の力で打ち返した。
韓信の剣はそれを受けただけで、
手からこぼれ落ちそうになった。
しかしひるまずに身を翻して、再び斬りかかる。
激しい剣の応酬が二度三度繰り返された。
二人の距離が縮まり、
剣の押し合いによる力比べが始まる。

韓信は押されないように耐えるのが精一杯だったが、
いっぽうの項羽には余裕があった。
「どうした。その程度の剣技では、
わしを倒せはせぬぞ。
お前の剣は長年使っていないようだな。
刃こぼれしている。
剣を研ぎ直して出直してくるがいい」
項羽は韓信の耳元で言い、さらに押した。
韓信は押されつつも身をよじり、
項羽の腹に渾身の蹴りをいれて、飛びすさった。

「項王よ! 私は項王と剣技を競い合うために
来たのではない。
見よ、こうしている間に我が兵が
あなたを取り囲んでいるぞ!」
項羽はそれを聞き、はっとしてあたりを見回した。
すると独特の短弓を構えた若者の目が
自分を見据えているのがわかった。
カムジンが狙っていたのである。

すでに山側の楚兵たちは討ち取られ、
他の漢兵も遠巻きに弩を構えていた。
「韓信……貴様……!」
「卑怯だ、とでもいうおつもりか? 
一騎打ちがしたいのであれば誰かほかの武人とでも
相手をしてもらうがいい」
韓信は答え、兵に号令した。「射て!」

項羽は剣で降り掛かる矢をはらい、
馬に飛び乗って逃げ出した。
しかし逃げようとしても巨岩に阻まれ、
それ以上道はない。
すると項羽は馬の鼻先を谷の方角へ向け、
そのまま谷底へ向かって突進していった。

「将軍、追わないのですか?」
兵に問われた韓信は、疲れたように深く息をして、
つぶやくように言った。
「行かせておけ。どのみちあの急斜面では
追う我々の方が危ない。
最初に掲げた目的を忘れるな。
この作戦はそもそも、漢王が安全に逃れるための
時間稼ぎである」

「驚きました……矢が一本も命中しませんでしたな。
狙いは外れてなかったのですが」
「たまたまだ。あるいはこれを神がかりのように
評する者もいるかもしれんが、私は信じぬ。
振り回した剣に矢がたまたま当たった、
それだけのことだ」

「これからどうするのです?」
「……敗兵をまとめつつ、滎陽へ向かう。
そこで軍を立て直し、もう一度、
項王と一戦するしかあるまい。
どこかで楚軍の進軍を止めなければ、
漢は関中を失うであろう」
これを聞いた兵たちは、将来また項羽と
戦う羽目になるのか、と気落ちする一方で、
進んで韓信と行動をともにすることを決めた。

彼らは、項羽と戦っても生き残ることができた。
韓信の下にいれば、もう一度項羽と戦っても
生き残れるかもしれない。
ほかの将軍の下で戦っていては、
死ぬかもしれなかった。
「さあ、ぼつぼつ向こうの楚兵たちが、
岩をよじ登ってくるかもしれぬ。
我々もそろそろ退散するとしよう」
韓信は兵を率いて、その場を立ち去った。

苦心して巨岩を乗り越え、楚兵たちが
道の向こうに顔を出したころには、
すでに項王はおろか、
生きている者の姿は見えなかった。

項羽の愛馬、騅(すい)は斜面に足を取られ、
何度か転倒した。すでにその自慢の葦毛は
泥にまみれ、ところどころから出血し、
輝きを失っている。
項羽はそれでも騅をいたわり、
決して見捨てるようなことはしなかった。

「騅……脚は折れていないだろうな。
もうひと踏ん張りだ。あと少しで上にあがれる」
項羽は自分の体以上に、馬に愛情を込めて接した。
それもそうであろう。項羽は、
あれだけ至近距離から矢を浴びせられても、
なお無傷なのである。
彼はその愛馬以上に強かった。
強運の持ち主だった、とも言えるかもしれない。

しかし、それは体の外面の話である。
内面では、屈辱が残った。
心に負った、大きな傷である。
「韓信め……よくもわしの腹に蹴りを喰らわせたな。
身分卑しき者が……」
もともと感情の量が多い男である。
挫折の感じ方も人並みではなかった。
彼はひどく気持ちが沈んだが、しかしそんなときに
心を落ち着かせる方法を知っていた。

天命を信じることである。
次の戦いに勝つことを想像するだけで、
彼は気が紛れた。これが想像ではなく事実であれば、
なおのこと気持ちが楽になるというものであった。
「見よ、わしは生きている! 
天がわしにまだ死ぬときではない、と告げているのだ。
小生意気な韓信や、身の程知らずの劉邦などに
天の意思がわかろうはずもない。

彼らを討ち滅ぼし、天下を治めるのは、このわしだ!」
項羽はそう言って自分を励まし、
ついに馬を引きながら斜面を登りきった。
そのとき、雷鳴が轟き、激しい雨が降り注いだ。
それはあたかも天の意思が
項羽の感情に共鳴しているかのようであった。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.


愚人は過去を、賢人は現在を、
狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…


『情炎』・吉幾三&キム・ヨンジャ 




人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる








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カビの生えない・きれいなお風呂

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お風呂物語






2015年6月 3日 (水)

信じれば真実、疑えば妄想……60

メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.


Author:紀之沢直

kensin韓信

紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
「国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。





漢の韓信-60

「さあ、この話は、これで終わりだ。
作戦の続きである。
巨岩によって道を塞ぎ、楚軍の分断に成功したあと、
我々は取り残された前方の軍に対してのみ
中央突破を仕掛ける。
突破に成功したあと、戻ってきてもう一撃を加える。
これで前後に分断された敵は左右にも分断される。
そこでまず、右に寄せた敵を川に落としてしまえ。
落ちただけでは落命はしないだろうが、
おいそれとは登ってこられぬ。
この時点で兵数で当方が楚に上回る。

そこで残りの山側の兵を取り囲み、
釘付けにせよ……
カムジン、残念だが今回は馬の出番はない。
お前も皆と同じように弩を持て。
短弓は腰にでも下げておくのだ」
カムジンをはじめ、兵たちはなるほど、と
相づちを打ったが、
なにか忘れているような気がしてならない。

そう、項王がそれを黙って見ているかどうかであった。
「残るは項王である……。
厄介な相手だが、
諸君が中央突破にかかると同時に、
その相手は私がつとめよう」
このときの韓信は珍しく多弁であったが、
それは尋常でない決意の証のようであった。

劉邦の車が通り過ぎると、
左右に開いた陣は再び閉じた。
そして、来る。項王が来る。という
緊張に満ちた意識が兵たちの間に蔓延していく。
ひとり冷静なのは、韓信のみであった。

「来たぞ。相手は百騎以上のようだ」
韓信は剣をたかだかとかざし、兵たちに号令した。
「先頭の葦毛(あしげ)の馬に乗っているのが項王だ。
諸君、落ち着いてあれを狙え」
そして勢いよく剣を振り下ろした。「射て!」

弩から発射された無数の矢が
先頭の項羽めがけて放たれた。
弩は弓と違って矢の勢いに個人的力量の差がない。
同じ速度で標的めがけて放たれた矢の数々は、
それがひとつの固まりであるかのように見えた。
矢が項羽軍の先頭集団に達し、
何人もの兵士が、馬ごと転倒した。

「ひるむな。応射せよ!」
項羽の命により楚軍からも矢が放たれたが、
馬上からの射撃は密度が薄い。
しかも隊列を横に組んで盾を密に並べていた
韓信の軍には、目覚ましい打撃を加えることは
できなかった。

項羽は、ちっ、と舌打ちをしながら体勢を整え、
全軍に命じた。
相手は、たかだか四十人あまり、
数で制して突破をはかれば必ずや、打ち砕ける。
「縦深隊形をとり、中央を突破せよ」
陣形を細長い針のような形にして、
相手の陣を左右に分断するつもりであった。

しかし、これが裏目に出た。
突撃を開始した直後、
項羽の後方から轟音が響いた。
振り向くとそこには味方の姿はなく、
自分の背丈の五倍以上ある巨岩が
何個も積み重なっているばかりであった。
項羽は岩によって、後方の部隊を
失ったのである。

岩のいくつかは、楚軍の兵士を
巻き添えにして、川に落ちていった。
そしていくつかは楚軍の兵士を下敷きにして、
隘路の上に留まった。
そしてその上にさらに岩が積み重なり、
乗り越えられない壁となったのである。

「前方に残った楚兵は何騎ほどだ?」
韓信の問いに傍らの兵は、すかさず答える。
「二十騎ほどであります!」
「……よし。上出来だ。
数ですでに上回ったぞ」
韓信はそう言い、兵たちに合図をした。

合図と同時に戦鼓が鳴り、
今度は漢兵の突撃が開始された。
混乱した楚軍の中に、
鋭く漢軍の兵士が斬りかかっていく。
細い道の中で楚軍は中央を突破され、
左右に切り裂かれた。さらに返す一撃で
川側に追い込まれた楚兵たちが
谷底へ突き落とされた。

項羽は、乱れる隊列を戻そうと、
残った山側の兵たちの支援に向かった。
が、その先に立ちはだかった者がいる。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.

愚人は過去を、賢人は現在を、
狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



『風雪ながれ旅』キム・ヨンジャ&神野美伽



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる








P R
カビの生えない・きれいなお風呂

furo



お風呂物語






妄想劇場・特別編

妄想劇場・特別編

信じれば真実、疑えば妄想……


Mituo2_2
昨日という日は
歴史、

今日という日は
プレゼント

明日という日は
ミステリー





夢はでっかく、根はふかく。
花を支える枝 枝を支える幹 幹を支える根 
根はみえないんだなあ

この物語は(株)ユタカファーマシーが展開する、
ドラッグユタカでの、エピソードです。

『猫を探しています。 前編』

沼田杏子は、3年前、ドラッグユタカに就職した。
地元の岐阜に本社のある
ドラッグストアのチェーン店だ。
何店舗かのお店で勤めた後、京都の店舗の
店長を命じられた。

杏子の岐阜の実家は、母親が
美容院を経営していた。
商店街の小さな小さなお店だったが、
それなりに繁盛していた。
母親は、店を継いでくれるものと
思っていたらしい。
杏子も、なんとなく専門学校へ行って、
美容師になるのだと考えていた。

だが、高校生になって、実家の美容院が
だんだん疎ましく思えるようになった。
いつも、近所の誰かが店に来ていた。
カットしてもらうお客様というわけではない。
ちょっとお茶を飲みに来て、
世間話をして行くのだ。
話題のほとんどが、噂話だった。

どこそこの息子さんは、受験失敗して
うつ病になった、とか。
誰々の旦那さんが、水商売風の女性と
ラブホテルに入って行くのを見た、とか。
いわゆる、女性週刊誌のネタみたいな話だ。
下手にお店に顔を出そうものなら、
「あー、杏子ちゃん、キレイになったわねー、
ねえねえカレシいるの?」などと聞いてくる。
いつしか、「私は、絶対、
あんな人たちと関わりたくない」
と思うようになっていた。

しかし、ドラッグユタカで働くようになり、
杏子はその考えを少しずつ改めるようになっていた。
地域の人たちに愛される店作り。
それが第一の目標。そのためには、
噂話も貴重な情報なのだ。
どこそこのお婆ちゃんは、
目が不自由であまり外出しない。
公団に引っ越して来たばかりの家族には
幼稚園のお子さんがいて、アトピーで悩んでいる。
そんな情報を得ることも仕事と大きく繋がっていた。
ゴシップ好きというわけではない。

そのお婆ちゃんがたま~に来店されると、
薬や湿布薬の効能を一つずつ読んで差し上げる。
アトピーのお子さんのお母さんには、
評判の良い皮膚科を教えてあげたりする。
今になって、母親の美容院のことを思い返していた。
魚屋さんの奥さんが病気で入院してしまった時、
みんなで「晩ごはんは魚にしようね」とPRした。
美容院は、地域の情報ステーションだったことに
気づいたのだ。

杏子は、京都の店舗に着任して、
いきなり壁にぶち当たった。
近くに、安売りで有名な競合店があるのだ。
どうしたら、あんな安い価格で売れるのか、
不思議でならない。
お客様からもよく言われた。
「あそこでは、コレ98円だよ」と。
そう言われると返す言葉もない。
頑張れば頑張るほど、自分の無力さを痛感した。

ある日。いつも飲料水やらトイレットペーパーなどを
配達している幼稚園に出掛けたときのことだった。
何やら子供たちが騒いでいる。
「ミーちゃんどうしたの?」「ミーちゃんは」
何人もの子が、園庭を望む縁側のところで、
ミーちゃん、ミーちゃんと言っているのが聞こえた。

「どうしたんですか」と園長先生の奥さんに尋ねた。
「ああ、3時のおやつの時間になるとね、
いつも猫がテラスのところにやってくるの。
茶色のシマシマ模様でかわいいのよ。
右耳だけが茶色なの」
誰というわけではなく、3時頃になるとやってくる猫を
ミーちゃんと呼ぶようになった。

黄色い首輪に鈴を付けている。
どこかの飼い猫なのか、それとも
捨て猫なのかわからない。
しかし、幼稚園の人気者なのだそうだ。
ミルクを飲んだ後も、子供たちが
ミーちゃんの絵を描いていると、じっと座っている。
抱きかかえても嫌がらない。
一緒に滑り台に連れて行って、
上から滑り落ちたりもする。

ところが・・・。姿を見せなくなり1週間が経った。
子供たちはミーちゃん、ミーちゃんと心配していた。
ひょっとして、交通事故に遭ったのではないか。
そんなことを子供たちの前で口にできるわけもない。
「あのう・・・もしよかったら・・・」


《続きは、後編で》

Author :志賀内泰弘



歌は心の走馬灯、
 歌は世につれ、世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



古賀のメロディー日本人の心を辿る 
二人は若い・古賀政男/扇ひろ子

  


A面・のぞかれた花嫁」歌・杉狂児 
B面・二人は若い」歌・ディック・ミネ・星玲子
のぞかれた花嫁は、1935年公開の日活映画。
テイチクレコードより発売。

作詞・玉川映二、作曲・古賀政男。
8月にレコードが発売されるも「のぞかれた花嫁」が
主務省から即月、発禁を命じられる。

歌詞が改作されて再発売された。
その後、テイチクはB面の「二人は若い」を中心に
プロモーションを行い、その結果
「二人は若い」はA面曲を上回るヒットとなった。



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから……




時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる







P R

きれいなお風呂・宣言

furo

お風呂物語







2015年6月 1日 (月)

チャンネル・ニュース

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幸せがつづいても、不幸になるとは言えない
 不幸がつづいても、幸せが来るとは限らない


みのる


昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

『手が真っ黒になっても』
  午後十時、春日井市のJR神領駅の駐輪場での
  出来事。
  春日井市の専門学校生・小津優理亜さん(20)が
  電車を降りて自転車に乗ろうとすると、
  ペダルが空回りして倒れてしまった。
  幸いけがはなかったが、よく見ると
  チェーンがはずれてしまっている。
困っていると、そこへ四十代の
女性が声を掛けてくれた。
 
  「大丈夫?」
  事情を話すと、「それはたいへん」と
  手が汚れるのもおかまいなしに チェーンを
  手に取り直し始めた。ところが、うまくいかない。
 
  女性は「誰か男の人はいないかしら・・・」と
  辺りをキョロキョロ見回した。
少し離れた別の駐輪場に
三十歳くらいの男性の姿が見えた。
そこまで行きチェーンを直してくれるように
頼んでくれた。
 
  外灯はあるものの、暗闇では細かなところを
  見ることができない。
  女性は携帯電話を取り出して、
  男性が作業する手元に光を向けて手助けした。
気付くと、男性の手は真っ黒で額には
玉の汗をかいている。
  にもかかわらず、チェーンは直らない。
  やはり暗いせいだろう。 時間だけが過ぎていく。
  男性に「直せなくてごめんね」と何度も謝られた。
  女性は「家が近いから、車で出直してあげるわ」
  とまで言ってくれた。
 
  幸い優理亜さんが家に電話をすると
  母親が車で迎えに来てくれることになり、
2人とも「よかったね」と言い安心して
帰っていかれた。
  優理亜さんは、「他人のことにこここまで
  懸命にしてくださり感激しました。  
  ありがとうございます。
  私もどんな小さなことでも困っている人がいたら、  
  お二人のように手を差し伸べられる
  大人になりたいと思いました」と話した。

 
  《ほろほろ通信/中日新聞 2015年2月15日掲載》


母をバカにした店主に娘が怒りの反撃
 


薄着の女児が公園でガタガタ震えながら
座っていた

 

一ヶ月ほど前、夜行バスで旅行から帰ってきた。
  バスが思ったよりも早くついてしまい、
  まだ薄暗い道をカート引きずりながら、
  とぼとぼと歩いていた。
  途中、大きな公園があるんだけど、
  よく見ると幼児?らしき女児が一人でぽつんと座っていた。
 
  私の住んでいる場所は犯罪も結構多く、
  最近それなりの頻度で事件になったりしている。
  不安になって声をかけてみると、
  この寒空に明らかにわかる薄着。
  唇も紫色になっていてガタガタ震えていた。
 
  「どうしたの?」と声をかけると首を振る。
  辛抱強く何度か声をかけると
  「私、しんでもいいの…」とうな垂れてしまった。
  目線を合わせて、自分のマフラーを首に巻いてあげて
  もう一度聞いてみた。
  安心したのかやっと話してくれた、ようするに

 

・家を閉め出された
  ・もう二日何も食べてない
  ・母親は友達のところにいってるという
  ・でも、もう友達もいなくなった
  ・いつ戻っても家は鍵がしまってる
 
  それで放置子とわかった。
  私だけではどうにもならないし、
  幼児(後で聞いたら小さいけど小2だった)を
  連れまわす訳にもいかず、
  交番へつれて行こうと思ったけど、
  とりあえず、管轄の警察署に電話してみた。
  (公園に不審な人をみかけたら110番か警察署へ…と
  いう看板があったので電話番号も書いていた)
 
  前述の通り、この近くでは事件が多発していて、
  管轄の警察署は結構熱心なので小さな事件でも
  飛んできてくれる。
  電話して事情を話したら、保護してくれるとのこと。
  今から行くから場所を教えてと言われたので
  公園近くのコンビニ前で待ち合わせをして、
  警察が来る前に女児に暖かいお茶とおにぎりと
  パンを買って渡した。
  最初は受け取るのを拒否してたけど
  「いつか返してくれたらいいよ」の言葉で
  受け取ってくれた。
 
  それから10分ほどでパトカー到着。
  婦警さんが乗ってて、女児を保護してくれた。
  私も一緒に行かなくちゃならないかも…と思ったけど、
  パトカーの中で少しだけ話しを聞かれて、
  携帯番号を聞かれ、開放された。
  別れるときにマフラーを帰そうとしてきたけど
  「あげるよ」といったら泣いてた…。
 
  後で警察からの電話と女児からの手紙で
  知ったことだけど女児は放置子。
  但し、普通の放置子みたいにずっと
  放置されていた訳ではなく、最近になってらしい。
 
  両親離婚→父親に引き取られる→父親再婚で
  母親の元へ→放置開始だったようで、
  母親が引き取ったものの放置していたらしい。
 
  友達のうちに長居したくない。
  でもいく場所がない…と
  長居させてもらってたら、段々と友達無くなる
  →居場所もなくなる。
  遅くなったら母親が戻ってくるから
  それまで公園の風の当たらない場所でじっとしていた。
 
  しかし、私が見つけた前後はいつになっても
  母親は戻らず、二日経過していたらしい。
  母親にも父親にも捨てられた。
  私は死んでもいいんだと、ベンチに座っていたと…。
  友達のところに長く居座って嫌われるのも辛かったって。
 
  結局、警察から親に連絡しても中々母親は捕まらず、
  女児が父方の実家の電話番号を覚えていたらしく、
  そっちと連絡が取れた。
 
  女児の父親は再婚相手が海外の人で、海外に移住。
  母親がどこかからそれを聞きつけて
  「そんなところに娘をつれてくなんて!」と
  強引に引き取ったそうで、
  女児も父親の邪魔になりたくなくて、
  母親の元に行きたいと言ったそうな…。
 
  海外で子供が苦労するより、母親と一緒のほうがいいと
  親権を手放したそうです。
  (母親が女児を引き取ったのは手当てが目当てかと…)
 
  その後、父方の祖父母が女児を迎えににきて、
  その後女児は父親のいる海外に行きました。
  外国人の奥さんもやさしく迎えてくれたそうで、
  昨日、その子からマフラーと手紙が届きました。
 
  母親はその後どうなったとか、
  どうしてたとかは警察は教えてくれませんでした。
  とりあえず、解決したので女児の幸せを祈ってます。
 
 
(追記)
  女児宛に手紙の返事を書きました。
  手紙には女児の父親と新しいお母さんの
  手紙も入ってました。
  今、彼女は新しいママに英語を習っているそうです。
  そして彼女も日本語を教えているそうです
  (ちなみに新しいお母さんは日本語話せます)
  手紙は簡単だったけど、日本語でした。
 
  しばらく彼女が飽きるまで、文通しようと思います。
  マフラーは返してくれたのですが、
  私があげた1000円の安物。
  贈られてきたものはカシミヤ100%の
  某ブランド品でした。
  ただ、幸せになってくれたらいいなと思います。

 
  Author :名無しの心子知らず
 

 
  DQNなサラリーマンを一喝した男性の正体
 
 
 
  人の為(ため)と書いて
  いつわり(偽)と読むんだねぇ
 
  誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
  誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
  ただ、黙っているだけなんだよ、
  言えば愚痴になるから……
 

 
  時は絶えず流れ、
   今、微笑む花も、明日には枯れる

 
 
 
 
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歴史・履歴への許可証

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約束の日
むかし、江戸の本所(ほんじょ)の、
いろは長屋のおくに、山口浪之介と光川新衛門という
浪人が、いっしょにくらしていました。
このふたりは小さいときからの友だちで、
ずっとおなじ殿さまにつかえていましたが、
殿さまの家がつぶれて以来、ながい浪人ぐらしで、
いまではその日の米代にもこまるありさまです。

「のう、浪之介こんなことをしておっては、
ふたりとものたれ死にをするばかりだ。
いっそ、べつべつにくらしの道を考えてはどうだろう?」
「なるほど。それもよかろう。
では新衛門三年たったらまたあおう。
きっと、わすれずにな」

ふたりは、あう場所と時間をきめて、
「では、三年あとに」
「さらば、三年あとに、かならず」と、
かたく約束してわかれました。

月日は流れて、まもなく三年です。
ところが、山口浪之介のほうは、どうまちがったのか、
世間に名高い盗賊となって、東海道をまたにかけて、
荒らしまわっていました。
それがある日、ドジをふんで役人につかまり、
きのう、やっとのことで逃げ出して、
海へとのがれたのです。

そのとき、ハッと、約束の日のことを思いだしました。
「そうだ。このまま東へこいで、江戸へ下ろう」
浪之介は、むしょうに新衛門にあいたくなりました。が、
運のわるいことに、突風にあって、
あっというまに舟もろとも、波にのまれて
死んでしまったのです。

そのころ光川新衛門は、江戸にのこって、
南町奉行所のしらべ役になっていました。
友だちの浪之介が盗賊になって、
江戸に人相書までまわっていることを、
知っていました。
今日は約束の日の朝。
「たとえ、浪之介がどのような身になろうと、
わしにとっては、かけがえのない友だちだ。
あおう。やはりあいにいこう」

新衛門が、こう心をきめたそのとき。
なんと目の前に、浪之介が
すわっているではありませんか。
「おお、浪之介。よくきた」
そういって、新衛門はハッとしました。
(ばかな、人相書までまわっているおまえが、
なんでおれの家などにくるのだ)
「さあ、浪之介、おれがうしろをむいているいるまに、
どうかにげてくれ」

すると、浪之介はさびしくわらって、こういいました。
「なにをいうのだ。おれはおまえの手で
しばってもらおうと思ったからこそ、
わざわざここまでやってきたのではないか」

浪之介は、小伝馬町の牢に入れられました。
ところがその夜、番人が見まわりにいくと、
「新衛門どのに、くれぐれもよろしく」と、いいのこし、
ニッコリわらって、スーッと消えてしまったのです。
浪之介のすわっていた牢の床は、
ビッショリとぬれていました。
それも、塩気のある海の水だったそうです。
浪之介は死んでも、約束通り友だちの
新衛門に会いに来たのでした。


おしまい



おスマばあさん

むかしむかし、ある山おくの村に、
おスマさんという、ばあさんがおりました。
はやくに死んだじいさんのお墓をたてようと、
二十年間、ほしい物もガマンして、やっとためたお金を、
旅の男にだまされて、持っていかれてしまいました。

それ以来、村の者はおスマばあさんのことを
バカにしていました。
ある日のこと。おスマばあさんのところヘ、
役人がふたりづれでやってきました。
「この村では、酒をつくっておるじゃろう」
「どこの家とどこの家じゃ。ばあさん、知らんかね」と、
聞いてきました。

この村は貧乏なので、税金の高いお酒を
買うことができず、役人にはないしょで、
自分たちでどぶろく(にごり酒)をつくっていました。
役人に聞かれたばあさんは、ゆっくり腰をのばして、
「へえ、旦那(だんな)。ささでこぜえますかい?」
役人たちは、うなずきました。

酒のことは、「さけ」の「さ」を重ねた言葉の
「ささ」ともいいます。
「それでしたら、この村じゃあ、山の炭焼小屋で、
どっさり、つくっておりますだ」
それを聞いた役人たちは、
(ウッヒヒヒ。きょうは、たっぷり飲めるわい。
ろうやに放り込むとおどかせば、金も手に入る
。・・・これだから、役人はやめられん)と、
顔を見あわせて、ニヤリとわらいました。

「わるいが、ばあさん」
「そこヘ、案内してくれんか」
「ちょっと待ってくだっせ。むすこがもどってくるまでに、
おらあ、飯をたいといてやらにゃならんで、
ちょっくらとなりまでいって、米かりてくるでな」
出かけていったばあさんは、帰ってくると、
「さあ、案内しますで」
おスマばあさんは役人をつれて、
山道をスタコラサッサとのぼっていきました。
ばあさんのあとから、役人たちは
フウフウいいながらついてきます。

「このばばあ、年はとっても」
「ばかに足は早いわい」と、ブツブツいいながらも、
いっしょうけんめいついてきます。
やっとのことで、山おくの、
ふるい炭焼小屋が見えてきました。
ばあさんは、小屋のほうを指さして、
「旦那。ささは、あそこでつくっておりますだ」
いわれると、役人たちはかけだしました。

小屋の戸をあけると、まるで、
ころがるように中ヘとびこみます。
ところが、そこはクモの巣だらけで、どこをさがしても、
酒のさの字もありません。
役人たちは、腹たてて、「ばば、ばばあ!」
「酒は、どこだっ!」
すると外から、おスマばあさんが手まねきして、
「ヘえ、こっちでさあ。旦那、はようきてくだせえ。
すぐそこにささは、どっさりございますよ」

役人たちが小屋を出て見ると、
おスマばあさんが、でっかい笹(ささ)やぶをゆびさして、
「いい笹じゃろ」と、いいました。
そのころ村では、おマスばあさんの知らせを聞いた村人が、
どぶろくの入った酒つぼをかくしたあとでした。
このことがあってから、村の者はだれも、
おスマばあさんをバカにしなくなったということです


おしまい



 

人の為(ため) と
書いて、
いつわり(偽) と
読むんだねぇ





誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば愚痴になるから。


時は絶えず流れ、
  今、微笑む花も、明日には枯れる






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