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2016年3月

2016年3月31日 (木)

歴史・履歴への許可証

歴史・履歴への許可証

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


夢はでっかく、根はふかく。
花を支える枝 枝を支える幹 
幹を支える根 根はみえないんだなあ


Kobanasi_3


『油屋の娘』 (百物語)

むかしむかし、ある村に、魚釣りの好きな三人の男がいました。
ある日のこと、三人が夜に川で釣りをしていると、
川むこうにボーッと赤い火が浮かびあがりました。
「なんだろう?」三人が不思議に思って見ていると、
火はパッと消えてしまいました。
「よし、わしが何の火か調べてやる」と、三人のうちの
一番勇気のある男が、小舟に乗って向こう岸へ渡ってみました。

火の燃えていたあたりに行ってみると、一軒のあばら屋があって、
中へ入ってみると美しい娘がたった一人、うつろな目をして
座っているのです。
「あの、道に迷って困っておるので、今晩ここへ
泊めてくださるまいか?」男が声をかけると、娘は急にこわい顔で、
「ここは恐ろしい鬼の家です。早く逃げてください!」と、言うのです。
「いや、そうは言われても・・・」娘が何を言っても聞かない男に、
娘はしかたなく奥の部屋へ案内しました。そして、
「どんなことがあっても、決してここから出てはなりませぬ。
出れば殺されます」と、言うのです。

さてその晩の事、男が奥の部屋で寝ていると、
「きゃあーー!」と、いう、女の悲鳴が聞こえてきました。
「何事だ!」男はとび起きて部屋をとび出そうとした時、
娘の言葉を思い出して仕方なくそっと戸を開け、
隣の部屋をのぞいてみてびっくり。

何と、大きな赤鬼が燃えさかる火の上で、
娘を火あぶりにしているではありませんか。
「むごいことを・・・」さすがの男も、足がすくんで動けません。
そうするうちに、パッと火が消えて、同時に
赤鬼の姿も消えてしまいました。

「だっ、大丈夫か!」男は娘のそばへかけよって、
抱きあげました。娘はぐったりしていますが、
不思議なことに、どこにも火傷をしていなかったのです。
「これは、どうした訳じゃ?」と、男がたずねると、
「私は大阪の油屋の娘です。父がお客に油の量を
ごまかして売るために、私は毎晩、こんな目に
あわされているのです。

お願いです。私の家へ行き、家にある油を全部、
高野山のお寺に寄附するよう、父に頼んでください」
そう言うと娘は、証拠の印に自分の片袖をちぎって渡しました。
「よしわかった! 任せておけ!」
男はさっそく、その片袖を持って大阪の娘の家へ行き、
主人に事の次第を詳しく話したのです。

ところが主人は、
「そんなばかな、娘は病気で寝ておるのじゃ。とても外へなど、
出られるはずがない」と、信じてくれません。
しかし男の持ってきた片袖は、まぎれもなく娘のものです。
主人は念のために、座敷の布団に寝ている
娘の着物を見てみました。
「あっ!」なんと娘の着物の片袖が、ちぎれて
なくなっているではありませんか。

主人はさっそく店の者に命じて、家にある油を全部、
高野山のお寺に持っていかせました。
すると不思議なことに、娘の病気はけろりと
なおってしまったのです。
「ありがとうございます。おかげで娘が救われました。
どうかこの油屋の跡取りとして、これからも娘を守ってください」
喜んだ主人はその男を娘の婿にむかえ、
それからはみんな幸せに暮らしました。

おしまい



『 夜泣きのあかり』 長野県の民話

むかしむかし、信濃の国(長野県)に、
満願寺(まんがんじ)という小さな山寺がありました。
このお寺には夜中のうしみつ時に、かならず山のお堂に
明かりをつけにいくという、古くからつたわっている
しきたりがありました。
このお堂の明かりは高いところに灯(とも)されるので、
ふもとの村からもよく見えます。

さて、ある日の事、寺に一人の子どもがつれてこられました。
この子の父親というのは、長いあいだの浪人ぐらしで、
今ではもう、その日の食べる物にさえこまるようになってしまい、
「どうか、この子をりっぱなお坊さまにしてくだされ」と、
この寺にあずけたのでした。

和尚(おしょう)は新しい小僧がきてくれたので、
とても喜びました。と、いうのも、ちょうど今までいた小僧が、
夜中の明かりをつけにいくのをこわがって
逃げ出した後だったのです。
和尚はさっそく、子どもの頭をきれいにそって
寺の小僧にしました。

次の朝、和尚は明かりをつける小さなお堂まで、
小僧を案内しました。
そのお堂というのは、お寺の裏山の奥の高いところにあって、
そこまでいくには、いくつもいくつも暗い岩穴をくぐって、
のぼっていかなければなりません。
和尚でさえ、気味の悪いところです。

今度きた小僧も、昼でさえ気味のわるいお堂まで、
ま夜中に小さなちょうちん一つで行かされたのです。
木の枝がえりにひっかかっり、岩穴をくぐりぬけるときなどは、
コウモリがバタバタと飛び回ります。
小僧はこわくてこわくて、お堂へ明かりをつけにいくたびに、
ふるえて泣き出しました。

それでも和尚は、
「なにごとも修業(しゅぎょう)じゃ。しんぼうせい」と、言うのです。
ところがある晩の事、小僧はあんまりこわいので、
明かりを灯さずに帰ってきました。
さあ、その事がわかると和尚はおこって、
小僧を木の棒で何度も何度もぶったのです。

ところが打ちどころが悪くて、小僧はそれっきり死んでしまいました。
ビックリした和尚は、人に見つからないようにお堂の下に
小僧の死体をうめて、「やれやれ。また小僧が逃げ出してしもうたわ」
と、知らん顔をすることにしたのです。

ところがその晩から、不思議なすすり泣きが、
毎晩毎晩、寺の裏山から聞こえてくるようになりました。
とても悲しそうな声で、それを聞いた寺の人間は、
「いったい、どこから聞こえてくるのじゃろう?」
「あまりにも悲しい声で、あれを聞くと寝ることができん」と、
話していました。

ある晩、寺男(てらおとこ→雑用係の人)と坊さんたちは、
そのすすり泣きを聞いているうちに、
いてもたってもいられないようになって、みんなで
裏山へでかけたのでした。

手にちょうちんを持って泣き声のする方へ行くと、
やがて木のあいだから、小さな明かりが見えてきました。
「あれは、たしかにお堂の明かりだぞ」
「不思議な事じゃ。小僧がおらんのに」
みんなは思わず足をはやめて、お堂に近づいていきました。

山のお堂には、だれもつけに来ないはずなのに、
明かりがゆらゆらとゆれていたのです。
次の朝、その話をきいた和尚は急に怖くなって、
殺した小僧の供養(くよう)をしました。

だけれど、すすり泣きは止まらず、毎晩うしみつ時
(およそ、今の午前二時から二時半)になると、
お堂にはちゃんと明かりがつくのでした。

さて、あくる年の事。
ふもとの村に、一人の侍(さむらい)がたずねて来ました。
かわいいわが子を寺にあずけた、あの父親です。
その日はもう日がくれていたので、ふもとの
百姓(ひゃくしょう)の家に一晩とめてもらいました。
夜になって、山の上にゆれる明かりを見ると、
「ああ、あの子もりっぱに、つとめをはたしておるわい」と、
喜びました。

ところがその晩のうしみつ時、侍は不思議なすすり泣きに、
ふと目がさめました。見るとまくらもとに、
頭をきれいにそったかわいいわが子がすわっています。
名前をよぼうとしましたが、金しばりにあって声がでません。
声だけでなく、起き上がることも出来ないのです。

あくる朝、父親は奇妙な話を聞きました。
「この山へいきますと、昼でも山のお堂のほうから、
すすり泣きの声が聞こえてくるんですわ。
それがまるで、だれかをしとうて泣いておるような、
あわれな声でのう」

「もしや!」
父親は刀をつかむと、大急ぎで山寺へのぼって行きましたが、
二度と山をおりては来ませんでした。
そしてその夜から、お堂の明かりはつかず、
その代わりにまっ暗な満願寺の裏山には、
毎晩三つの火の玉が出るようになったという事です。

おしまい



『三匹のクマ』)(イギリスの昔話




誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば、言い訳になるから……。


Mituo

人の為 と
書いて、
いつわり(偽) と
読むんだねぇ







時は絶えず流れ、 
  今、微笑む花も、明日には枯れる 



鬼が餅つきゃ、閻魔が捏ねる、
  そばで地蔵が食べたがる 

 
 
  P R

    カビの生えない・きれいなお風呂

    お風呂物語
 
 
入れてもらえば気持ちは良いが、
  どこか気兼ねなもらい風呂


Moto3
 

2016年3月29日 (火)

妄想劇場・番外編(18禁)

妄想劇場・番外編(18禁)

信じれば真実、疑えば妄想……


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18歳未満禁止の内容が
含まれています
18歳未満の方は
ご遠慮下さい。






メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!
アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい。

枕出せとは、つれない言葉、そばにある膝、知りながら
よその夢見る浮気なあなた、貸して口惜しい、膝枕



春画を極めた本当の男の心意気と、艶やかな女達を描いた
・・初編


その依頼とは、いわゆる金は出すので、
大人しくて、若く美しく未通女を買いたいから
是非、紹介して欲しい、ということだった。
いわゆる処女である。
勿論、その女の貞操も全てを買い上げるという話である。
浮丸が女を選んだのは、無垢で美しく若い女だった。

何も知らない初心で、少女のような女の身体と心を、
とことん知り抜く為でもあった。
それは身体の構造や、性に関わることでもある。
そうすれば、それが本当の絵の糧になるのだ、と
浮丸は思うのだ。
浮丸は色々な女を知りたいがまずは初心な女から
始めようと思ったのである。

金で買われた女は、その買い主の言いなりにならなければならない。
いわゆる身売りでもある。
その女が後で男の女房になったり、妾になったり、
又は、家で一日中働かされたり、夜の情交の相手にされたりと、
それは買った男次第となる。
しかし、遊郭で多くの男達に抱かれて、ゆくゆくは棄てられるか、
または病気になることを思えば、
遙かにそのほうが女にとっては、幸せと言えるのかもしれない。

吉原が活気づいているその頃では、とにかく金で買われてくる女達は
一杯いたのである。
遊郭は地方にも多く存在していたが、何と言っても吉原遊郭は
最大の規模を誇っていた。故に高い金を目当てにして、
吉原には器量の良い女が比較的集まる。

或る日、あの男が若い女を一人連れてきた。
「旦那さん、これがお望みの未通女です、どうですかお気に召しますか?」
「ほう、中々良い娘じゃないか、年はいくつかな・・」
「はい、ちょうど十八になりました」

「なるほど、親はどうしている?」
「へえ、この子の親は死んじまって、妹が一人いて親戚で引きとって
そこで働いていますが、でもこの子は親の借金がたまりに溜まって、
それでその返済の為に、吉原へ売らたのを、私が買ったのです」

「ほお、なかなか器量が良さそうだが、まだ未通なんだろうな」
「へえ、それは私が補償しますよ、旦那さん、そうだな・・お絹」
お絹と言われた少女は恥ずかしそうに、下を向きながら
小さな声で応えた。「はい・・」
「分かった、では・・この娘をどう扱っても良いのだね」
「勿論ですとも旦那さん、好きに弄んで下さい、お好きに・・」

そういうと男は卑屈な笑いをして、手を揉んでいた。
こんな男と、この若く美しい娘が一緒にいることに
違和感さえ憶える浮丸だが、しかし、彼はその娘を見て気に入っていた。

まだ幼そうな顔をしているが、美しい顔をした少女だった。
薄手の薄い安物の着物の上からでも
はち切れそうな身体と、どこか若く甘い女の匂いがするのである。
思わず、浮丸は○○のものが固くなってくるのを感じた。
(仕込んでから、この娘を抱くのも悪くはないな・・)

「あっしはこれで、また用事があったら声を掛けてくださいな・・」
「では約束の金を渡そう」
そう言うと、浮丸は懐から紙に包んだ何枚かの小判を出し、
男に渡した。
「有り難うございます、では、お絹・・旦那に可愛がって貰うんだよ」
そう言い残して、男は揉み手をしながら帰っていった。

若い女は下を向いて、恥ずかしそうに項垂れていた。
おそらく、始めて買われる男が、どんな男なのか不安なのだろう。
地味な風呂敷に包んだものを胸の前でしっかりと抱えていた。
これが少女の全財産なのだろうか。
着ている物は汚れては居ないが、地味だった。

そこには、家の前で浮丸と、そのお絹という娘が残った。
その様子を家の中から弥介が好奇心の眼で覗き込んでいる。
弟子の浮太郎は、前に浮丸が仕事場で女の絵を
描いていることは知っていた。しかし、その時には女を
裸にすることなどなく、大体は着物を着た女が殆どだった。

しかし、今・・この師匠が若い娘をどう扱うのか、
それを思うだけで、若い彼の身体はモゾモゾと反応していた。
彼は、本当に女を知らなかったし、裸を見たことも無かったからである。

浮丸は、少女の前に立っていった。
「おいで、今日からお前は私の家で暮らすのだよ、心配しなくて良い」
「はい・・」
浮丸は少女の肩をポンと軽く叩いた。
少女は下を向いたまま、恥ずかしそうにしていて、小さな声で呟いた。
「さあ、家に入ろう・・おいで」
「はい・・」
この時から、浮丸と浮太郎、
そしてこのお絹という少女の奇妙で妖しい生活が始まるのである。

浮丸が借りた家の居間では、三人が畳の上に敷いた
座布団の上に座っていた。
彼等の机の上には、お茶とお菓子が置いてあり、
それを少しばかり食べたようだった。

「落ち着いたかね」
「はい、有り難うございます、優しくして頂いて・・」
「いやいや、礼を言うには及ばないよ、それでお前の名前はお絹だったね」
「はい、そうです・・」
「お前が、ここで私に買われてきたことは分かっているね」
浮丸がそういうと、やっと少女は顔を上げた、彼女は澄んだ眼をしていた。
ようやく一段落して、心が落ち着いたようである。

「はい、あの方から伺っています、しっかり働いて、可愛がって貰いなさいと」
「そうか、ではまずお前が遊郭に売られてきたいきさつから話してご覧」
「はい・・」
そう言うと少女は、何を思いだしたのか眼に涙を溜めているのである。
そして、ポツリポツリと話し始めた。

彼女の両親は病気で数年前に亡くなったこと、
その親は事業に失敗して多くの借金を残し、それを気にして病に倒れたこと、
彼女には二つ下の妹が居て、親戚に預かって貰い、そこで働いていること、
自分は多額の借金の返済の為に、自分から身売りしたということを話した。
更に、別れた妹が不憫だということ、いつか出来たら逢いたい、
ということ等を涙ながらに話し、少女は嗚咽したのだった。

ここで浮丸は、横でかしこまっている弥介に向かっていった。
「弥介や、お前もこれから言う私のことを一緒に良く聞きなさい」
「はい、先生」

弥介は師匠が何を言うのか一言も漏らさないように
緊張の眼差しをしていたがやはりこの美少女が気になるようだった。
時々この美しい少女を盗み見していた。
(先生は浮世絵で女の人を極めたい、と仰有った、それとは何だろうか?)

「さて、お絹や、私とこの弥介は絵を描くことを商売にしている
浮世絵と言ってな、様々な絵を描いているがどうしても私は
納得がいかないことがあるそれは(女)の絵だ。
浮世絵を見たことはあるかな、今までに?」

「あ、はい・・昔、父が持っていて、小さい頃に見たことがあります
でもそれがどんなものか、良く憶えておりません」
「そうか、それで今言ったように、私は本物の女を描きたいのだ
それで私はお前を買ったのだよ、絵を描く為にな、分かるかな」

「はい、少し・・でも何故私が?」
「そこでだ、わたしが描く絵は、ただの女ではない、
済ました顔の女でななく、性に溺れ、欲情に身も心も狂う女が
描きたいのだよ」
それを聞いて、少女も弥介も驚いた顔をした。

「あの、こんな私を・・ですか?」
「そうだ、お絹のような、まだ何もしならい少女のお前を
そういう女に育てたいのだ」
「でも、私は無知で、世間知らずで、何も知りません、そんな私を・・」
「大丈夫だ、すぐになれとは言わない、私がじっくりさせてやる」
「はい・・そうですか」

「いいか、お前は私に買われた女だ、私の言うとおりにすればいい
そうすれば、いつか妹にも会えるだろう」
それを聞いてお絹の顔がパット明るくなった。
「そ、そうなのですね!」
「そうだ、約束しよう、お前が私の望む女になったときには、必ず・・」

「わかりました、私は言われたとおりにいたします」
「そうか、それで良い」
「あの、私はあなた様のことを何とお呼びすれば良いのでしょう」
「そうだな、先生で良い、あそこにいるのは私の弟子で弥介という」
「あ、はい・・弥介さん、よろしくお願い致します」
思わず弥介は、自分の名前を言われ、少女に見つめられドキリとした。

「それでな、お絹・・」
「はい」
「私がさっき言った、私の望む女とは分かるか?」
「いえ、あまり、でもさきほど性に溺れ、欲情に身も心も
狂う女と言われましたが」
「そうだ、お前は今までのお前を捨てなさい、そういう女に
生まれ変わるのだ」
「あ、はい・・」
「それでは、はっきりと言っておこう、そういう女とはな・・」
「あぁ・・はいぃ・・」

お絹は少女とは言え、何やらそれを察したのだろうか
今、自分が買われた意味を。
浮丸もようやく、話の中核に入ると思うと熱が入ってくる。
いつしか、彼の○○は固く、熱くなっていた。
彼の○○は下帯から飛び出しそうになっていたのである。
それは弥介も同じだった。

「では、はっきりと言おう、お前は昼間は家の掃除をしたり
飯を作ったり、家の周りを履いたりすればよい、しかしな」
「あぁ、はい・・」
「それが夜になったとき、たまには昼間することもあるが・・
女になるんだ
まずは、お前を○○にして、お前の全てを描くことから始める

それはお前の○○もだ・・・○○のどんな姿勢でも描く。
それから、お前に○○ということを教える。
ところで、お前はまだ○○ことがない、と言ったな」

「あぁ、はい、有りません。一度も」
「よし、○○という経験は、正直に言いなさい」
「はいぃ、少しだけならあります、自分の○○を触ったとき・・」
「そうか、○○いたんだな」
「少しだけなら」
「では、あそこに○○たことは?」
「いえ・・」
お絹という少女は、恥ずかしさに目が眩むようだった、
しかしどこかで悪い気持ちは無かった。

どうせ遊郭に売られていくのなら、いずれはこうなることも・・
そう思えば、こっちのほうがましに思えたのである。
「それでお前の身体を、私とこの弥介が○○、憶えておけ」
「……・・」

「私は弥介とお前が○○を描くのだよ、浮世絵としてな」
「はい」
「そして、私とお前が○○を弥介にも描かせるのだ、
分かるな」「はい、分かりました」

「これからは色々なことをお前に教える、しっかり学べよ、お絹」
「はい、ご主人様」
「では、手始めに、今から始めようか」
「えっ、今からですか」
「そうだ」

つづく

Author :官能小説家
http://syosetu.net/pc/



これほど惚れた素振りをしても、ほんとに悟りの悪い人



『おんなの夢』




Tinko_2
人の為(ため)と
書いて
いつわり(偽)と
読むんだねぇ






子を持つも持たぬも人の宿命(さだめ)なり
日に日に努めて行かむ
あなたの人生なんだから好きなように
お行きなさい(生きなさい)


P R
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  どこか気兼ねなもらい風呂

Moto3


2016年3月25日 (金)

漢の韓信

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


こうして、こうすりゃ、こうなるものと、
  知りつつ、こうして、こうなった


メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!
アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.

Kanshin021111
韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
「国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。







漢の韓信-(125)

蒯通は韓信を説得すが、素直に言うことを聞こうとしないので、
彼としては説得するしかないのだ。
「……人の意見を聞くことが、まず第一。
第二にはその意見をもとに計画を練ること。
これが物事を成功に導く手段でございます。
間違った意見を尊重し、適切な計画をたてることなく、
長い間安泰であった者は稀です。
大王、決断は知ることの結果であり、逡巡は
物事の妨げなのですぞ」
      「わかっている」
「細かな計算を充分たてているつもりでも、
天下の大きな見通しを持たぬことは、
木を見て森を見ないことと同じです。
また、知識を得ておきながら、決断して行動に移す勇気を
持たぬ者に幸福は訪れぬ、といわれています」
      「ふむ」
「猛虎の逡巡は、蜂が刺すのに劣る。
進まぬ駿馬は、鈍い駄馬の歩みに劣る。
勇者の気後れは、凡人の決断に劣るのです」
      「…………」
「功業は成功しにくく失敗しやすいもの。
機会というものは、つかみにくく失いやすいものなのです。
時は来れり。おそらくは、いまこそが一生に一度の
機会なのですぞ。これを逃せば、二度と機会は訪れますまい」
蒯通は、韓信が小さな恩義にこだわり、決断しないことに
憤りを感じていた。もし自分が韓信の立場であったら……
ためらうことなく決断する。
乱世の武人であるという、自覚が足りないのだ。
蒯通は韓信の悩む姿を見るにたびに、そう思う。
およそ天下に覇を唱えようとする人物などは、
人のことを人と思ってはならない。
世界を敵に回す覚悟が必要なのだ。
しかし、残念なことに、この男にはそれがない。
能力は有り余るほどなのだが……。
だが、それを理由に韓信を責める気にはならない。
そもそも蒯通は、韓信に覇王となる意志が
もとよりないことを知っていたからだ。
本人の意志とは無関係に、勝手に話を進めているのは
自分の方であった。
私の思いは、果たされることがないだろう。
蒯通は、半ば諦めている。それでもこうして説得を
続ける自分が、不思議でたまらない。

もともと蒯通は縦横家として、君主の意を酌み、
その王業を助けるために弁を武器として諸国間を渡り歩くべく
身をたてたのであった。しかし、思い返せば、
自分が弁をふるった相手は君主たる韓信に対してばかりで、
その意味ではまったく王業を助けているとはいえない。
斉王自身が項王や漢王相手に対抗意識を燃やしてくれなければ、
私が彼らを相手に弁論する機会は、訪れない。
ということは、自分は武人ではないが、
あるいは韓信のように乱世に名を轟かしたいだけなのか。

天下の趨勢を変える弁士として活躍の場を得たい、
ということなのか。そう考えてみると、自分が韓信を相手に
くどくどと長広舌をふるう理由が、次第にわかってきた。
私は、斉王の活躍を、妬んでいる。……いや、
妬んでいるとはいっても、彼を憎んでいるわけではない。
私は、彼に憧れているのだ……そうに違いない。
はたして自分は単に王業を助けたかっただけなのか。
もしそうであれば最初から項王や漢王に仕えていれば、
その目的は果たせたはずだ。

しかしあえて自分はそれをせず、韓信を選んだ。
それはなぜか?彼が若く、可能性を秘めていたように
見えたからか……。いや、彼の年齢は項王とさほど違いがない。
だとすれば、自分が彼に惚れ込んだ理由は、
彼の若さだけではないはずだ。
項羽や劉邦にあって、韓信にないもの。
それは他者を威圧するような鋭気に満ちた態度であった。
反対に韓信にあって、項羽や劉邦にはないもの。
それは冷静に現実を見据える目であった。

初めて彼の姿を見たとき、既に彼は漢の大将として
数々の武勲を誇っていたが、外見の印象からは
まったくそれを感じさせない、普通の青年のように見えたものだ。
見る者によっては、韓信には覇気が足りなく、
冷めた感情で物事を判断する傾向があり、頼りなく感じたことだろう。
しかし、実際は彼のそのような性格が数々の
武勲を生じさせたのである。

例えば韓信は、勝つためには自尊心など捨て、
平気で負けるふりをした。
劉邦はまだしも、項羽などには絶対あり得ない行動である。
そして韓信は、再三にわたって自分を囮にして、敵将を討ち取った。
常に危地に身を置き、それによって勝利を得ようとする行動は、
項羽はまだしも劉邦にはない。
しかもそれらはいずれも、敵に勝利し、かつ自分が生き残るための
最も有効な手段だったのである。

このように、韓信はすこぶる冷静な判断を下す男であった。
その韓信は、狡猾な敵将を相手に、それ以上の狡猾さを発揮して
撃ち破った。また、偏った知識に凝り固まった敵将を、
それを上回る知識の高さで撃ち破り、傲岸かつ腕力自慢の敵将を、
それをあざ笑うかのような知恵で撃破した。

蒯通はそばでそれを見ていて、そのたびに痛快な思いをしたことを
思い出さずにはいられなかった。楽しかったのである。
この人物であれば、確実に王となれる。私はそれを助け、
天下に絶対的な覇王を生み出すのだ。
蒯通は無意識のうちに、それを自分に義務として
課したに違いない。

しかし、私はどこかで思い違いをしていたのかもしれぬ。
常に現実的な判断を下す韓信は、覇王となって
時流に乗った生き方をすることを拒んでいる。
思えば彼は、将来に夢を馳せるあまり、現実と夢の区別が
つかなくなるような若者ではなかった。
これは韓信より、私の方が夢見がちな性格であった、ということか?
蒯通はそれに気付いたが、それでも韓信の返答に
一縷の望みを託している。藁にもすがる思いであった。
しかし、それも将来に夢を馳せていることに変わりがない。
      
「学者というものは、似たような考え方をするものらしい。
かつて酈生は私に、
『漢の世になっても、それに属さず、独立を保て』と助言を残した」
      韓信は蒯通を前に重い口を開き、話し始めた。
「このことは内密に頼む。酈生は漢の功臣として死んだ。
その彼が私に謀反を唆したという記録を残したくない」
「承知しております」蒯通には、もとより会話の内容を
他言する意志はない。それもそのはず、彼が韓信に訴えているのは、
他ならぬ謀反の勧めであったからだ。
説得に失敗し、ことが曹参や灌嬰などに漏れると、
自分の命が危ない。
「酈生は私に独立したほうが、孤高を保てると遺言を残したが、
思うにそれは私の個人的な性格を考慮した上での発言で、
戦略的なものではない。……彼が私に独立を勧めたのは、
私が基本的に他者との濃密な関係を嫌うことを察しての
ことだと思うのだ。つまり、無理をして人の上に立つよりは、
誰とも関わらず、世捨て人のように生きろと……」
「…………」


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.



愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
歌は世につれ、世は歌につれ、
人生、絵模様、万華鏡…



『北の蛍  』




人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、言えば、……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる



P R

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    お風呂物語

入れてもらえば気持ちは良いが、
  どこか気兼ねなもらい風呂


Moto3

2016年3月24日 (木)

妄想劇場・特別編

妄想劇場・特別編

信じれば真実、疑えば妄想……


Mituo

昨日という日は
歴史、
今日という日は
プレゼント
明日という日は
ミステリー









誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、言えば…



『ある日突然、「ひきこもり」の兄が部屋から出てきた! 
そのとき、妹はどうする!?』


『内閣府の調査』によると、

国内の「ひきこもり」の総数は69.6万人にも及ぶという。
しかし、この社会問題をテレビの向こう側の話だと
捉えている人は少なくないと思う。
身近にそういった存在がいなければ、どこか現実味の薄い、
自分とは関係のないものだと思ってしまうのも
仕方がないかもしれない。けれど、
もしも家族の誰かがひきこもりだったら? 
はたして、その問題と真摯に向き合うことができるのだろうか。

『ふつつか者の兄ですが』
(日暮キノコ/講談社)の主人公、田処志乃は、
今まさにそんな問題と向き合うことを余儀なくされている。
女子高生である志乃には、絶対に誰にも言えない秘密があった。

それは、ひきこもりの兄・保の存在。
保は中学生の頃の部活で挫折感を味わい、
そのまま不登校になった。
そのうち不良たちとつるむようになり、家で暴れるように。
そして両親が別居したのを機に、本格的に
心を閉ざしひきこもりになった。

そんな兄の存在を、決して周囲に知られてはならない。
せっかく転校までして、家庭の事情を知らない人たちの世界に
飛び込んだのだ。
そこで築き上げたものを壊すことなんて、絶対にできない。
だから志乃は、家にひきこもりがいるなんて
口が裂けても言えないのだ。
ところがあるとき、保が「そろそろ部屋を出ようかな」と言い出した。

しかも、バイト先まで志乃を迎えに来たり、お弁当を作ってみたりと、
志乃の生活に少しずつ顔を出し始める。
もちろん、志乃にとっては大迷惑。
必死になって隠してきた保の存在が、まさか本人によって
明るみに出るなんて。
勝手に出てきたくせに、兄貴ヅラしないでよ――。
保がひきこもっていた4年という月日は、兄妹の関係を
いびつに歪めてしまったのだ。

ひきこもっていた人間が社会復帰しようとする。
これは素晴らしいことだと思う。
しかしながら、その家族のなかには、志乃のように
心からそれを喜べない人間もいるのかもしれない。
彼らにとってひきこもりの家族とは、
いなくなってしまった人間も同然。
それがある日突然表に出てこられても、
正直どう対処していいのかわからないのだ。

しかし、少しずつではあるが、志乃と保の関係は変化していく。
保が率先して家事をするようになり、バイトも始めた頃、
志乃は忘れかけていた「兄」という存在を思い出す。
4年間のブランクがあろうと、やはり保は志乃の兄なのだ。

本作が誰の心にも響くのは、ひきこもりである保ではなく、
あくまでも普通に生きている志乃を主役に据えたからだろう。
そして志乃を通して、社会復帰しようとする保の姿を
追いかけることができる。
その姿はときに情けなく、ときにみじめだったりもする。
けれど、ひたむきに生き直そうとする保を見ているうちに、
自然とエールを送りたくなってしまうのだ。
志乃と同じように。

不器用だけど真っ直ぐに歩き始めた、元ひきこもりの保。
そして、これまた不器用で素直になれない志乃。
ふたりが今後どうやって家族の絆を取り戻していくのか、
ぜひ確かめてみてほしい。

Author :五十嵐 大



『新たな家族問題“きょうだいリスク”とは
親が亡くなったらニートの弟を世話するのは私? 
結婚しない姉の面倒は?』


親兄弟がいて、子や孫が生まれる。
従来みられた家族像であるが、ここ最近は
その形も変わりはじめている。多くは、
少子高齢化による核家族の増加や、非婚化による
単身世帯の増加などを理由としているが、
近年、兄弟の面倒をみる「きょうだいリスク」という
側面も指摘されている。

その根底に「ほぼ同世代で生じる『格差問題』」があると唱えるのは、
『きょうだいリスク 無職の弟、非婚の姉の将来は誰が見る?』
(平山 亮・古川雅子/朝日新聞出版)だ。
本書の指摘によれば、想定される問題は以下のとおりである。

1)自分も余裕がないのに兄弟の困窮まで手助けして
 「共倒れ」してしまう
2)生活に余裕がない中、兄弟の生活保護申請を助けて
 後ろめたさや互いの距離が生まれる
3)遠方に住む困窮した兄弟の介護や入院を手助けして、
 時間的、経済的に追い込まれる
4)親の介護で兄弟同士にあつれきが生まれる、
 関係がこじれるか絶たれてしまう

家族とは他人と異なり、切っても切れない存在なのも事実だ。
兄弟がいるならば想像にかたくない問題点ばかりだが、
ではなぜ、ここにきて兄弟間におけるリスクを考えるべきなのか。
その背景のひとつには「親の老い」がある。

ひきこもり支援センター代表によれば、
70代の親が40代のひきこもりの子どもを世話する事例も
珍しくないという。
いったん社会へ出たとしても、ふたたびひきこもりに戻ることを
繰り返し、気がつけば親子ともども高齢化しているというケースも。
そして、親が亡くなったあと、助けを求められるのは
兄弟しかいなくなるという構造がある。

さらに、その根底にあるのは「きょうだい格差」だ。
ただそれは、経済的なものに限らない。
本書ではあえて「身分」という言葉が使われているが、
学歴や職業もしかりで、もっといえば、
どこに住んでいて何を消費して生活しているのか、
社会的に誰と繋がりを持っているのかなど、
細かな生活習慣の食い違いが、やがては
血の繋がる者同士の大きなひずみになりうるということだ。

その先で生じるのは、親の老いや死による兄弟間の
あつれきである。
想定されるパターンは大きくふたつに分けられる。

1)生活のすべてを親に依存していた兄弟から助けを求められる
2)親の介護により時間的、経済的な事情にあえぐ
 兄弟から助けを求められる

どちらも最終的に、受け止める覚悟を迫られる
兄弟への“依存”へたどり着くことになる。
ひとつめは親へ依存している場合、
ふたつめは親から依存されている場合だが、
特に親の介護をきっかけとする場合に、
兄弟へ求められる選択肢は“親と兄弟のふたつを
いっぺんに背負えるか否か”という2択だ。
かりに背負う覚悟を持ったとして、たいへんな重荷となるのは
誰の目に見ても明らかだが、では、その者の負担を
誰が担うべきかという課題も残る。

家族とは究極のセーフティネットであるが、同時に、
その枠内で「家族で支え合う」という意識に縛られると
行き場を失いかねない。
「きょうだいリスク」の根底には貧困や社会保障の
議論も垣間見えるが、年老いていく親の背中を見るにつれて、
身につまされる問題のひとつである。


Author :カネコシュウヘイ




『あきらめないで 』





君は吉野の千本桜、色香よけれど、
気(木)が多い



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる




P R
    カビの生えない・きれいなお風呂
   
    お風呂物語
 
  入れてもらえば気持ちは良いが、
    どこか気兼ねなもらい風呂

 
 
Moto3
 

2016年3月23日 (水)

妄想劇場一考編

妄想劇場一考編

信じれば真実、疑えば妄想……

時は絶えず流れ、今、微笑む花も、明日には枯れる


Mituo










冥談「日常や社会に存在する話」

『ローン返済、2人の子供のため……
「売春格差」に直面する熟年風俗嬢たちの酷すぎる現実』

「女性たちは意に反して性行為を強要、撮影されて、
奴隷のような状況に追い込まれている。深刻な人権侵害だ」

朝日新聞に掲載された伊藤和子弁護士をはじめとするNPO法人
ヒューマンライツ・ナウの調査結果が波紋を広げている。
若い女性らがアダルトビデオへの出演を強制され、
拒否すれば多額の損害賠償を請求されるなどの
被害を訴えているという。

被害女性たちには同情するし、適切な対処を願うばかりだが、
大多数の業者はビジネスとして法令を遵守し、
まっとうな営業活動を行っているのもまた事実である。
近年はテレビ・バラエティでも華々しい活躍を見せる
AV女優は、女性たちの間で「憧れの職業」にもなっている。

実際、AV関係のモデルプロダクションには
応募が殺到しているといい、
面接を突破できるのは若くて容姿端麗で性格に問題がない、
選ばれた一握りの美少女のみという超難関だ。
「奴隷のような状況」で働かされる女性はそれだけの
価値がある証拠で、「SMAP解散騒動」に見られるように、
組織に利益をもたらす売れっ子が辞めたくても
辞められないのは、どの業界にも見られる問題だろう。

女性の供給過多は性風俗でも同じで、今はもう、
性を売れば誰もが稼げる時代ではなくなった。
アダルト求人誌は声高に高収入を煽るが、
その裏には「売りたくても売れない」女性がひしめいている。
とりわけ性サービスに従事する女性にとって
大きな武器といえる「若さ」を失った30代以上の
人妻・熟女は、タレントレベルの美熟女でなければ
売り物にならない、というのが実情である。

そんな熟女たちの「売春格差」を描くのが
『熟年売春 アラフォー女子の貧困の現実』
Author :中村淳彦

50代のベテラン風俗嬢は、加齢とともに30年続けた風俗仕事に
翳りが見えはじめた。
若い頃の月収は50万円ほどもあったが、
もう雇ってくれる風俗店もないという。
現在は「かつての常連客」を相手にセックスを売って得る
月10万円未満の収入で、蒲田の安アパートに一人暮らしている。
「風俗は楽に稼げるから」と自堕落な生活に甘んじ、
貯金はなく、結婚もしなかった。
終わらない不況が日本を変え、彼女の人生設計を狂わせた。

「非正規労働が蔓延したことによる収入減に加え、
婚姻率の低下や家族や地域の崩壊が重なり、
今の日本は本当に誰がカラダを売っているか
わからない状態といえる。(略)

風俗嬢になりたい女性が増えたからと、需要や市場が
拡大するわけではなく、女性が増えれば競争が起こり、
誰かが風俗市場から追いだされることになる」

夫の浮気で離婚したシングルマザーは女手ひとつで
2人の子供を育ててきたが、次第に養育費の支払いが滞るようになり、
あと数万円足りないだけの生活費のために40代にして
初めてのAV出演を決意する。カメラの前でセックスを披露して
わずか数万円のギャラを手にし、「もっと出演したいと思った。
長男の進学費用もあるし……」と撮影の様子を振り返る。

50代の人妻は、住宅ローン返済のために夫に隠れて
鴬谷の熟女デリヘルに勤務する。1日に付く客はせいぜい1人。
1万円に満たない日給を稼ぐためにカラダを売るのは、
ダブルワークしているパートの収入だけじゃ
とても生きていけないからだ。
「結婚したことも家を買ったことも後悔していないけど、
住宅ローンがなければ風俗していない」と、淡々と語る。

普通に働いても普通の生活が送れない、現実。
性産業は女性の最後のセーフティネットとしての
側面が大きかったが、近年は充分に機能していない、と
著者は警告する。
風俗嬢は日本全国に30万人以上いるという。
「カラダを売っても生きられない」としたら、彼女たちに
明るい未来はない。……

Author :谷口京子



【レンタルチャイルド】

手足を切断され、失明させられた子どもたちが、
その姿を「売り」として物乞いさせられているという事実

なんだろう、このもやもやとした感じは。
発展途上国を旅していると、感情に激しく揺り動かされた挙句に
そんなことを思うときがある。
その原因は、道で目にする物乞いたちだ。

私が初めて物乞いを自分の目で見たとき、
かわいそうという同情と、想像を絶する目の前の
現実に恐怖を感じた。
ポケットから少しばかりのお金や文具、お菓子などを手渡し、
少しでも助けになっただろうかとホッと胸をなでおろす。
しかし、その直後に、「私にも」と、何倍にも増えた乞う手を、
恐怖のあまり思わず振り払ってしまった自分に
嫌悪感を抱いたりする。

旅行者の中には、恵みを乞うその手に思わずお金を渡してしまう人、
あまりの不幸な境遇に目を伏せてしまう人もいるだろう。
幼い乳飲み子を抱えて痩せこけた姿で座り込む母親や、
四肢のない姿で道行く人にすがる若い男の光景に、
自分はなんて恵まれた環境で生きているのだろうと
感じる人もいるかもしれない。

「しかし、その境遇が作られたものだったとしたら?」

旅先で、このような場面に遭遇したとき、お金をあげるべきか、
あげざるべきか、と悩んでいた私に、
さらなる深い問いかけをしてきたのが、
石井光太の著書
『レンタルチャイルド・神に弄ばれる貧しき子供たち』
(Author :石井光太)。この作品では、
インドの町に蔓延る物乞いビジネスの、過酷で衝撃的な実情が、
ストーリー仕立てで描かれている。

少しでも同情が集まるようにと、マフィアによって盗まれてきた
乳飲み子が、物乞いの女性たちに有償でレンタルされ、
商売となっている現実。
乳飲み子から成長した子供たちが、手足を切断され、失明させられ、
その姿を「売り」として物乞いがなされているという事実。
レンタルチャイルドとして利用されてきた子供たちは、
やがて、ドラッグ、売春、強姦、裏切りの世界から
脱することができなくなるという重い運命がそこにはある。

それは、日本で生活していると、全く現実味を帯びない、
目を背けたくなるような衝撃的な光景だ。
子供を誘拐するなんてひどい。子供をレンタルするなんて非道だ。
お金を集めるためだけに手足を切断するなんて人間のすることか。
そこには、一見すると、「悪」だけが渦巻いている。
しかし、それで終わらないのがこの作品だ。
善と悪の二元論だけでは割り切れない社会の
さまざまな側面を、こうでもか、と見せつけてくる。

虐待の事実を隠し、親を庇おうとする子供たちのニュースを、
日本でも昨今耳にすることは多いが、
マフィアに意図的に障害を持たされた子供たちもまた、
マフィアを批判されると、彼らを必死に庇う。

その心とは?

レンタルチャイルドと呼ばれる子供をダシに使って
生活をしている女性たちは、一見すると悪にみえるかもしれない。
しかし、貧困の中で精一杯に生き、レンタルしている子供たちに、
我が子のような情を持ち、苦しんでいる人もたくさんいる。

その想いとは?

どす黒く見えるその裏では、表だけでは見えない人生を
それぞれが抱えていたりする。そして、
お金への欲に塗りつぶされたように見える人々の心には、
生と死の狭間で苦しみながら抱き続ける、
仲間や家族への強い愛があったりする。

著者は、『世界の美しさをひとつでも多く見つけたい』
(Author :石井光太)で、全ての作品は、
「人間の美しさを見たい」という衝動がベースになっている。
過激で過酷で人間離れしているように見える
ダークな社会を目にしているのに、なぜか、人間らしい、
とてつもなく深い愛情を見せ付けられているような気持ちになる。

それでも、あなたは、その母親にお金を渡しますか?

善なのか悪なのか、何を信じてよいのか。自分に迷いの出るような
ニュースも多い今。見なければ知らずにいられる事実はある。
知らなければ感じずに済む恐怖もある。
知らぬが仏と言うように、知らずにいれば、
気持ちを無駄に乱されることはない。
しかし、その実に真っ向から向き合い、深く立ち入ることで、
そこに美しい側面があることに気付かされるときもある。
もちろん、それには、もの凄いパワーを要することに
なるかもしれないが。……

Author :Chika Samon


「外国人が選んだ日本の絶景」



一目惚れしたのは、私が先よ、手を出ししたのは、あなたが先よ


昨日という日は歴史、今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

P R

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お風呂物語

入れてもらえば気持ちは良いが、
  どこか気兼ねなもらい風呂


Moto3

2016年3月21日 (月)

チャンネル・掲示板

チャンネル・掲示板

幸せがつづいても、不幸になるとは言えない
 不幸がつづいても、幸せが来るとは限らない


Mousou2
昨日という日は
歴史、
今日という日は
プレゼント
明日という日は
ミステリー






子を持つも持たぬも人の宿命(さだめ)なり
日に日に努めて行かむ
あなたの人生なんだから好きなように
お行きなさい(生きなさい)


『待たせてごめんね~・・・』

桜木鉄也は、子供の頃からの鉄道マニアだった。
最近では、「鉄っちゃん」と呼ぶらしいが、昔はクラスの友達には
「ただの変わり者」「ネクラ」だと思われていた。
それだけに、今の鉄道ブームは誇らしくもある。

それだけではない。 鉄道マニアが高じて、鉄道会社に
就職してしまったのだった。
好きなことを仕事にできる喜びは、何物にも代えがたかった。
就職試験にパスしたときには、「ヤッタゾー!」
大声で叫んでしまったものだ。

ところが・・・。今、鉄也は、入社2年目。
駅の切符売り場の窓口に座っている。 もちろん、
自動券売機は設置されている。しかし、
自販機では、当日利用の切符しか買うことができない。
窓口では、先付のチケット販売のほかにも、
レンタカーやホテルの手配、 イベントチケットの案内もしている。
今までは「お客さん」として楽しんでいた鉄道だったが、
「お客様」をもてなす側に立つと、想像以上に
たいへんなことがわかった。 それは、クレームだ。

この前も、「納得できん! 払い戻しするまで動かんゾー」と、
年配のサラリーマンに10分近くもごねられた。
100%相手が間違っている。
特急の座席指定のチケットを買ったお客さんだった。
駅まで来るのに、道路が渋滞して、その電車に
乗れなかったのだ。 それを全額、払い戻せという。
「お客様、申し訳ございません。電車が発車する前でしたら、  
次の特急に座席指定を振り返るか、
払い戻しさせていただくことができるのですが・・・」と
説明したのだが、

「電車は、俺を乗せてないんだぞ。俺は64キロある。  
それだけ軽いまま、走ってるんだ。
電気代もその分安く済むはずだ。  
お前んところは、俺を乗せないことで儲けてるんだゾ。  
それを返せっていうんだ。わかったか、コノヤロー!」

もうメチャクチャな理屈だ。コノヤローとまで言われて、
大声を出しそうになった。 窓口には社員は鉄也一人。
誰にも助けを求められない。ただ、ただ、同じ説明を繰り返す。
後ろには、三人、四人とお客さんが並び始めた。
すぐ後ろの若い女性はイライラしている様子。

しかし、「危険人物」と察してか、ちょっと後ずさりして
窓口から距離を置いた。
そのうち、あきらめて列から離れてどこかへ行ってしまった。
「いいですか、お客様。もし映画の前売り券を買ったとしましょう。  
何かの都合で見に行けなくなってしまった。  
それでもお客様は、映画館に払い戻しして欲しい、と
頼まれますか?」
「そんなことできるわけないだろう」
「はい、それと同じなんです」

「バカヤロー、子供じゃないんだ。わかってるよそんなこと。  
ダメモトで、言ってみただけだよ」
「へ?」
それまで大声で怒鳴っていたお客は、プイッと窓口を離れて
改札を通って行ってしまった。
気付くと、次の特急がホームに入ってくる時刻だった。
脱力。鉄也は落ち込む暇もなく、次のお客さんの対応に追われた。

その3日後の非番の日のこと。
鉄也は、会社の寮に近いコンビニに昼ごはんを買いに出掛けた。
夜勤明けだったので、目が覚めたのは午前11時過ぎだった。
洗濯を済ませて時計を見ると、12時半になっていた。
お腹がグーとなった。
お店のレジが二つとも、お客さんの列ができている。
それは、目の前の大学の学生たちだとわかった。
午前中の講義が終わって、一斉にやってきたのだ。

鉄也は、チェッと舌打ちした。急いで、棚に行き、
あまり考えることもなく「黒毛牛のピリカラ焼肉弁当」を手に取った。
パッと二つのレジの列を数えた。一つは5人、もう一つは6人。
迷わず、5人の方の列の最後尾に並んだ。
その瞬間だった。前の方から大きな声がした。

「ごめんね~、お待たせしてま~す!」
ふと見ると、レジのおばさんが、
こっちを向いて言ったのだと気付いた。 目が合うと、一瞬、
ニコッとして袋詰めの作業に戻った。
小太りで背の低い、どこにでもいそうな典型的な「おばさん」だった。
鉄也は、おや? と思った。年は60歳くらいだろうか。
コンビニの店員といえば、高校や大学生の
アルバイトだと思い込んでいた。 何しろ、大学の前のコンビニだ。
(なんで、おばさんが・・・)そう首を傾げた瞬間に、
またまた、同じのおばさんの声が店内に響いた。

「みなさ~ん!待たせてごめんね~」
下を向いたり、ボーとしたりして並んでいた全員が
パッと顔を上げた。
「お弁当を温めたい人、先に言ってね~。
今なら電子レンジ空いてるからね~」
すると、鉄也の二人前に並んでいた背の高い男の学生が、
幕の内弁当を右手で高く掲げて言った。
「僕のお願いします」

レジのおばさんが言う。「ラジャー!」
年に似合わぬ、「ラジャー」などという返事に反応してか、
鉄也のすぐ前の女の子がクスリと笑った。
「浅野さ~ん! こっちのお客様のも、次にお願いできますか~」
隣のレジの若い女子店員の声だった。
おばさんの名前は、どうやら「浅野」というらしい。
隣の列に目を向けると、一番後ろに並んでいた、
メガネをかけて色白の気の弱そうな男の子が
弁当をちょっと前に差し出そうとしていたところだった。
そして、「いいですか」と蚊の鳴くような声で言った。

おばさんが言う。「悪い、持って来てくれる?」
おばさんは、色白青年から弁当を受け取り、
電子レンジの上に置いた。「次ね」と微笑む。
また店内隅々にまで聞こえるほどの声で言った。

「みなさ~ん。待たせてごめんね~。
一番後ろのお客さん、あと、2分37秒フラットお待ちくださ~い」
列に並んでいた全員が、あきれたような顔をして笑った。
みんな常連客なのか。「わかってるよ」という雰囲気が漂っている。
どこかズレている感じ。それが妙におかしい。

その時、鉄也は思った。(何者なんだ、このおばさんは・・・)
コンビニのレジで並んでいて、「待たせてごめんね」なんて、
声を掛けられたのは生まれて初めてだった。
せいぜい、自分の順番が来たときに、「お待たせしました」と
おざなりに言われるくらいだ。
買う前に、先に弁当を温めてくれるコンビニも見たことがない。
たった、それだけのこと。それだけのことが心の琴線に触れた。
そして、さらに心の奥底に、鉄也を突き動かすものが
生まれたことに気付いた。

(俺は、何もしてこなかった。
窓口で、並んで待っていてくれるお客様に、
一度も声さえかけたことがなかった。昨日も・・・)
鉄也は、自分の仕事の中でできることが、
いくらでもありそうな気がした。

鉄也の順番が来た。 ピッピッと、バーコードが読み取られる。
お勘定を済ませるやいなや、鉄也は、
おばさんが「ありがとうございました」と口を開く前に、
目をジッと見つめて言った。「浅野さん、ありがとう」
気が付くと、オバサンの手をギュッと握りしめていた。
ついさっきまで、パワフルで溌剌としていたおばさんは、
キョトンとして鉄也を見つめ返した。
鉄也は、早く会社に出勤したくてたまらない気持ちになった。


Author:志賀内泰弘


『朝顔・チヨちゃん 』

朝子は、ゾッとした。
そして、すぐ隣に座っている息子の誠也の顔を見た。
しかし、当の本人は、「別にそれがとうしたの?」という顔つきをして、
母親をチラッと見返した。
さらに、左手の人差し指で、鼻くそまでほじりくり出した。
「やめなさい!」と小声で言うと、サッと手を引込めて、
太ももの下に敷いた。

飯島朝子は、長男が小学校に上がって初めての
懇談会に臨んでいた。 ちゃんと落ち着いて授業を受けているのか。
友達に迷惑をかけていないか。 学校に来るまで、
いろいろな心配が頭の中を駆け巡った。
親から見ても、特に取り柄のある子供ではない。
でも、「優しいお子さんですね」とか「きちんと
先生の話が聞けますね」など、 一つでもいいから
褒められるといいなぁ、と思っていた。

ところが・・・。朝子と同い年くらいと思われる担任の佐藤先生は、
ちょっと眉をひそめて言った。
「初めてお母さんにお目にかかるのに、  
こんなお話をするのはためらわれたんですが・・・」
「はい・・・何でしょうか?」朝子は、ドキリとして改めて姿勢を正した。

「みんなで、花壇の手入れをしていた時のことなんです。  
そこへね、一匹のモンシロチョウが飛んで来たんです。  
ワーワーって子供たちが追いかけましてね・・・。  
そうしたら、誠也君がつかまえたんです」 「・・・」
「チョウの羽を指で持って、しばらく周りの子たちに見せていました。  
ああ、いい子だなぁ・・・って思っていたら。みんなの見ている前で、  
チョウの羽をちぎってしまったんです」
「え!」
「それを見ていた女の子が泣き出してしまいましてね。
困りました」

朝子は、どう答えたらいいのかわからなかった。
胸が押しつぶされそうになった。
「お母さんにこんなことを申し上げるのは心苦しいのですが、  
誠也君は残酷・・・いいえ、ごめんなさい・・・というか、
いつもそうなんでしょうか」

その日の午後7時。 朝子は、夫の誠一郎が帰宅するなり
2階の寝室に引っ張り込んだ。息子はテレビに夢中の様子。
佐藤先生に言われたことを吐き出すようにしゃべった。
一人では、心に仕舞っておけなかったのだ。
「私ね、そんな残忍な子に育てた覚えはないのよ。  
でもね、間違いじゃないみたいだし・・・」
そこまで言うと、涙が出てきたしまった。

にもかかわらず、夫の誠一郎は平然とした表情をしている。
そして、「大丈夫、大丈夫。そんなに心配しなくてもいいよ」
「なによ、誠也が犯罪者になってもいいと思ってるの!」
「なに言ってるんだよ。俺なんか子供のころに、
チョウやバッタ、トンボの羽なんて何百匹むしったかわからんぞ。
カエルもヘビも遊びながら殺してしまったし」
「え?!」
「子供なんてそんなもんだよ」

「それはあなたが田舎で暮らしたからよ」
「違うよ、田舎とか都会とか関係なんよ。
小さい頃は、残酷なもんだよ。  
じゃあ、そうやって子供の頃に平気で昆虫を殺していた俺が、
今でもそうするかっていうと違うんだな。  
いつからかわからんけど、虫一匹触るのさえ嫌になっちまった。  
ましてや殺すなんてとんでもない。大丈夫、
誠也も今のうちだけだよ。  

それより、腹減った。メシメシ! 頼むよ」そう言うと、
誠一郎は階下のリビングに戻ってしまった。
イライラしながらも、朝子も後を追った。
「お父さ~ん。見て見て!」リビングに行くと、
テレビのアニメを見ていた誠也が、 誠一郎を呼んだ。
手には、鉢植えを持っている。
「あのね、これね、僕が作ったんだよ」
小さな丸い茶色のプランター。そこには、
一本のプラスチックの棒が刺してあり、
クルクルッと青いツルが巻き付いていた。

「おおっ! アサガオだな」
「うん。僕がね、学校でタネを蒔いたんだよ」
誠一郎は懐かしく思った。今でもやっているのかと。
自分も小学生のときにアサガオを育てた記憶がある。
タネを蒔き、水をやる。やがて芽が顔を出し、双葉になる。
ツルがどんどん伸びてアサガオが咲く。
どんなにワクワクしたことか。 たしか観察日記を書いたはずだ。
「お父さんも育てたことがあるんだぞ」
「本当?」 「おおっ」

「どこに置いたらいいかなぁ」 「そうだ、庭に置こうかな。
誠也、お前ちゃんと毎日、水をやれるのか?」
「ウンッ、だって学校でだって、毎日お水をあげてたもん。
だからこんなに大きくなったんだよ」
「よし、絶対忘れるなよ」 「ウンッ」
「ウン、じゃなくてハイだ。約束だぞ!」
「ハイ」朝子は、そんな父と子の会話をそばで聞いて、
ちょっとうらやましくなった。

(男の子の気持ちはわからないなぁ)片方で
チョウの羽を引きちぎり、一方ではアサガオを育てる。
何だか悔しい気がした。
さて、翌日から。誠也は父親との約束を守った。
朝起きると、あんなに寝起きが悪かったにもかかわらず、
パッとベッドから飛び出して、イの一番に
アサガオのプランターに水をやりに行く。

飯島家には、ささやかながら庭がある。
そこに朝子はいくつかの花の咲く木を植えている、
ツツジ、アジサイ、レンギョウ。 家計の足しになればと、
ダイコンやニンジンなどの家庭菜園もやっている。
誠也は、アサガオと一緒に、庭全体の植物や野菜にも
水をやるようになった。

庭の片隅にある蛇口には、いつもホースが取り付けられている。
まず、その脇に置いたアサガオに水をやる。
いつも何か話しかけているようだ。
誠一郎に聞くと、「早く大きくなあれ」と言っているらしい。
その後、不器用にホースを伸ばして、庭中に水を撒く。

そんな毎日が3週間も続いたある日のことだった。
「お父さ~ん、たいへんだよ~」
いつものように水をやりに行った誠也が、父親を呼びに来た。
朝子も、何事かと思い、夫と一緒に庭に行った。
「アサガオがね、蛇口を乗っ取っちゃったんだ」
朝子は、「いつのまに」と思った。
昨日、一昨日と、大雨で庭に出て水をやらなかった。
というより、雨が降っているんだから、水をやる必要がない。
そして今朝は快晴。

2日間のうちに、アサガオのツルがどんどん伸びて、
プランターからはみだし、ホースをつたって
水道の蛇口までも伸びたのだった。
朝子は、思わず口にした。「加賀の千代女ね」
「え? なんだよ、それ」と誠一郎が聞いた。
誠也も、「チヨ・・・って何?」

「あら、知らないの?加賀の千代女っていうのはね、
江戸時代の俳人よ。 俳句を詠む人のこと。
『朝顔に釣瓶(つるべ)とられて貰い(もらい)水』っていう
有名な俳句があるのよ」「有名な・・・」というところに
力を入れて話すと、誠一郎が言う。
「ううん、有名だな、聞いたことあるぞ」

「朝、起きてね、顔を洗おうと思って井戸のところへ行ったら、  
近くに植えてある朝顔のツルがひょろひょろっと伸びてね、
井戸の釣瓶にからまっていたのね。  
普通だったら、それを断ち切って水を汲むんでしょうけど、
千代女はね、『仕方がないなあ』って隣の家の
井戸を借りに行ったというのよね。
優しい気持ちが出てる俳句でしょ」

「わかった!」それを聞いた誠也が言った。
「わかった、わかった!僕も隣のお家でお水を貰ってくるよ」
「何言ってるのよ、この子は。別にお隣の家まで行かなくても、  
うちには他にも水が出るところはいっぱいあるでしょ。
台所も、洗面も・・・」
「あっ、そうか」
「どうする?誠也。巻き付いたツルをそっとはずして、
他の棒に巻きつけ直すって手もあるんだぞ」と誠一郎が聞く。
「そんなことしたら、可哀相だよ。せっかく、一生懸命に伸びたのに。
うん、僕がお風呂場で水を汲んでくるよ」

「でもなぁ、ホースが使えないと、他の花や野菜にも
水をかけられないんだぞ」
「うん、じゃあバケツを貸してよ、お母さん。
僕が全部に水をやるよ」
「そんなこと言ったって、毎日よ」
「うん、やるよ!」そう言うと、誠也はもう風呂場に駈け出していた。

「あなた、どうするのよ、そんなこと言ったって、
どんどんツルが伸びていったら困るでしょ」
そう夫にブヅブツ言いながらも、息子の思わぬ
優しい心根の触れて嬉しかった。
そこへ、誠也がバケツにいっぱいの水を、重そうに運んで来た。
「チヨちゃんに水をやろうっと」
どうやら、誠也は、アサガオに「チヨちゃん」という
名前を付けたらしかった。

Author:志賀内泰弘




『忍冬』
      




時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる


添うて苦労は覚悟だけれど、添わぬ先から、この苦労



P R
    カビの生えない・きれいなお風呂

   
お風呂物語

入れてもらえば気持ちは良いが、
  どこか気兼ねなもらい風呂


Moto3

2016年3月18日 (金)

歴史・履歴への許可証

歴史・履歴への許可証

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


夢はでっかく、根はふかく。
花を支える枝 枝を支える幹 
幹を支える根 根はみえないんだなあ


Kobanasi_3


『もちの好きな山姥(やまんば)』 (百物語)

むかしむかし、あるところに、小さな村がありました。
山あいの村なので、お米がろくにとれません。
それでも村の人たちは、お正月が近くなるとそのお米で
もちをついて、神さまにそなえたり、自分たちで
大事に食べたりしていました。

ところがこの村の山には、もちの大好きな山姥(やまんば)がいて、
もちつきが終わる頃になると、
「もち、食わせろ!」「もちよこさねえと、暴れるぞ!」と、
言いながら山からおりてきて、大きな手を突き出すのです。
村の人たちが、しかたなくやると、
「もっと、食わせろ!」「もっと、よこせ!」と、
何度も何度も催促(さいそく)するのです。

困った村の人たちは、庄屋(しょうや)のところへ
相談をもちかけました。
「何とか、ならんもんじゃろうか?」
「そうだな。うまくいくかどうかわからんが、
わしに考えがある。ひとつ試してみるか」
すると庄屋は、庭でもちを焼きはじめました。
でも本物のもちはひとつだけで、あとは
もちに形のよく似た石です。

本物のもちが焼けてくると、そのにおいをかぎつけた山姥が、
「もち、食わせろ!」と、山からかけおりてきました。
「ああ、今日はいくらでも食っていいぞ。どのもちがいい?」
「どれでもええ。焼けたやつから、はよ食わせろ」
「よしよし。では、一番でっかいのをやろう。
さあ、口をいっぱいに開けてくれ」
「あーん」

庄屋は熱く焼けた石を火ばしではさむと、
山姥の口に放り込みました。すると、
「ギャーーーーー!」口を大やけどした山姥は泣きながら
山へ逃げ帰り、二度と村へ来ることはありませんでした。
「さすがは、庄屋さんじゃ」
「めでたい、めでたい」村の人たちは、大喜びです。

さて、次の年の春。
庄屋の屋敷で働いている娘が屋敷の前の川で
洗い物をしていると、山姥が住んでいた山の方から
珍しい形の種が流れてきました。
「あら、庄屋さま。これは何の種でしょうか?」
「さあ、見たこともない種だな。よし、ためしに育ててみよう」

庄屋はその種を庭にうめて、せっせと水をやりました。
すると可愛い芽が出てきて、だんだんに茎を伸ばし、
青々とした葉っぱを広げて、夏のある夕方、
朝顔のような形の赤い大きな花を咲かせました。
「こりゃあ、見事じゃ。これほどの花は見たことがない」

喜んだ庄屋が花に顔を近づけてながめていると、
その花はたちまち山姥の恐ろしい顔になって、
「パクリ!」と、庄屋を飲み込んでしまったのです。

おしまい



『 コウノトリの恩がえし』 鹿児島県の民話

むかしむかし、ある村の橋の下に、
ほったて小屋で暮らしている母と息子がいました。
息子は毎日、少しばかりの塩を仕入れては、
それを売り歩いていました。

ある年の暮れの事です。
息子が塩を仕入れて町からもどってくると、
田んぼで殿さまが仕掛けたかすみアミに
コウノトリがかかっていました。
「なんと、コウノトリじゃないか。年の暮れだというのに、
かわいそうに」息子は、コウノトリをはなしてやりました。

そして橋のところまで帰ってきたとき、
土手(どて)の石につまずいて、塩をばらまいてしまったのです。
橋の下からそれを見ていた母親は、
「また、けつまずいたのか。ああ、塩がもったいない。
あの石はあぶないから足元に気をつけろって、
何度もいっておったのに」と、あきれ顔でいいました。

これで、今日は仕事に行けません。
仕事に行けないので食べる物が買えず、母と息子はだまって、
お湯ばかり飲んでいました。

ところがしばらくすると、ほったて小屋へ
美しい娘がたずねてきたのです。
「おや? あんたみたいな美しい娘さんが、
わしら貧乏人(びんぼうにん)に何の用だね?」
母親がたずねると、娘はまじめな顔で、
「はい。嫁にしてもらおうと思ってきました」と、いうのです。

「な、なにをいう。うちには金も食う物もねえ。だから、
お前のような娘を嫁にはもらえねえ。
わるいが、帰っておくれ」母親は断りましたが、
「お金なら、少しは持っております。お願いですから、
嫁にしてください」と、美しい娘は、ふところから
お金を出しました。

「・・・しかし」
「お願いです。嫁にしてください」
「・・・だけれど」
「お願いです。嫁にしてください」
「・・・・・・」
母親は断り切れなくなって、娘を息子の嫁にしました。
すると次の日の朝早く、いかめしい侍
(さむらい)たちがやってきました。
そして、殿さまが捕らえようとしていたコウノトリを
逃がした罪として、十両(じゅうりょう→約七十万円)の
罰金(ばっきん)を払わなければ息子の命はないと、
きびしく言ってきたのです。

「お前がコウノトリを逃がしたなんて、知らんかった。
なんという事をしたんじゃ。十両もの大金は、
一生かかっても出来んぞ。ああ、どうしたらいいんじゃ」
嫁さんは泣き崩れる母親をなぐさめると、
夫にむかっていいました。

「あなたが何度もつまずいて塩をばらまいた石を、
どけてみなされ」
息子はすぐに土手の石のところへ走っていくと、
土をほって石をどけてみました。
すると大きな石はふたになっていて、その下には
大判小判がいっぱいうまっていたのです。

そのお金で、息子はすぐに罰金を払いました。
ところが晴れて息子の命がすくわれると、嫁さんは
町へ買い物に行くといったまま、姿を消してしまったのです。
「あの娘は、お前が助けたコウノトリだったんだな。
恩を返しに嫁にきたんだな」
母と息子は、うなずきあいました。

こうして大金持ちになったこの親子が、のちに大阪へ出てきて、
『難波(なにわ)の大長者(だいちょうじゃ)』と、いわれた大商人、
鴻池(こうのいけ)のはじまりになったという事です。

おしまい



『二本のロウソク』)(アンデルセン童話
      



誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば、言い訳になるから……。


Mituo

人の為 と
書いて、
いつわり(偽) と
読むんだねぇ







時は絶えず流れ、 
  今、微笑む花も、明日には枯れる 



鬼が餅つきゃ、閻魔が捏ねる、
  そばで地蔵が食べたがる 

 
 
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2016年3月12日 (土)

妄想劇場・番外編(18禁)

妄想劇場・番外編(18禁)

信じれば真実、疑えば妄想……


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18歳未満の方は
ご遠慮下さい。






メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!
アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい。

枕出せとは、つれない言葉、そばにある膝、知りながら
よその夢見る浮気なあなた、貸して口惜しい、膝枕



春画を極めた本当の男の心意気と、艶やかな女達を描いた
・・初編


勿論、浮丸ほどの高名な絵描きなら弟子は沢山いた。
彼は出かけるときに数名の弟子達に言った。
「私は思うところあって しばらく、どこかでのんびりと
絵でも描いてこようと思う 故に、
だれもわしを詮索しないようにな、弟子達や・・
いずれ戻ってくる その間のことはお前達、よろしく頼む」
一度こうと言ったらその信念を曲げない主人のことでもあり
弟子達は理解した。

「分かりました、お師匠様・・出来るだけ早くお帰りを
お待ちしております
そして素晴らしい絵が描けることをお祈りしております」
浮丸は何処へ行くとは誰にも告げず、連れに一人だけ
若い弟子を選んだ。 若者の名を浮太郎といい、
浮丸が彼の一字を与えるほど可愛がっていた若者である。
浮太郎は、真面目であり熱心で有望な絵描きだった。
「絵を上手くなりたい」という一心で 家出をしてまでして
浮丸の門を叩いたのである。 彼は色白の美男でもあった。

浮丸が、浮太郎を選んだのには理由がある、
それも後で分かってくる。
実は浮丸の住む家と、吉原とはそう遠い場所ではなかったが
吉原遊郭は大きな社交場であり、男達の最高の遊び場でもあった。
浮丸の名前は著名であり知られている と言っても、
本物の浮丸の顔を知っている者は少なく
自分さえ名前を明かさなければ、知られることはなかった。
勿論、懇意にしている者に出会わなければの話だが。

浮丸は、いきなり吉原へ足を運ぼうとせず、
まずは、女郎達が多く住んでいるという街で家を借りた。
そこは一戸建ちであり安くはないが、浮丸にとっては都合が良い。
浮丸ほどの人物なら、直接に遊郭へ出かけ、そこで
本当の女郎を描いたり 抱いたりすることはできるのだが、
彼はそうはしなかった。

当時の江戸幕府の決まりとして
吉原では客を泊めるのは一晩だけ許されているが、
連泊は禁じられていた。
それを許すと、だらだらと世が乱れるのを幕府が怖れたのだろう。
故に浮丸が遊女を描くのに、一晩で描けることなど出来なかった。
絵を描くのに、浮丸は線の一本一本にも集中していたからであり
まして心を込めて女を描くには、一晩ではとても無理だった。

仮に次の日に出かけても
同じ女が買えるとは限らないからである。
それ故に、吉原からほど近い場所に一軒家を借りて
そこで女を好きなだけ観察し、描くと言うことを思いついたのである。
又、絵を描くのに疲れたときには、遊郭へでかけ女を抱いたり
酒を飲んだりすれば好都合だからでもある。
浮丸は、浮太郎にはよくそのことを言い含めていた。

「私は、しばらく絵の為に女を極めたいのだ
お前を私は誰よりも信用している
だからお前はまだ若いが、私と一緒に女をとことん学んで
良い浮世絵を描く絵描きになるのだぞ、これも修行だと思いなさい」
「はい、私は尊敬するお師匠様にお名前の一字をいただきました
どんなことでも致しますので、お言いつけ下さい」
「そうか、頼むぞ、浮太郎・・ところでだ」
「はい、お師匠様」

「私はここでは北川浮丸ではなく、元の名前の
市太郎と言うことにしよう 今は私の浮丸という名前を、
今は誰にも知られたくないのだ だからこれからは、
私をお師匠様という言い方を止めて先生と言いなさい
それからお前も本名の弥介にしなさい、
いいな・・弥介」
「はい、先生」
「よし、それでいい・・・ところで弥介や」
「はい、先生、何でしょう?」

「お前は、おなごを知っているかな」
「あの、どういう意味でしょうか?」
「おなごの身体をしっているか、という意味だ」
「いえ・・あまり」
「では、まだおなごと交わったことなど無いというのだな」
「あ、はい・・先生、お恥ずかしいです」

「いや、そのほうが良いのだよ、これからはお前にも
そのおなごをたっぷりと分からせてやるぞ
おなごとは気持ちが良いものだぞ、弥介や」
「はぁ、そうですか、私にはよくはわかりませんが」
「あはは、そのうちに、その良さがお前にもわかるだろうよ」
「はい、先生」
弥介は顔を赤らめた。

ここで、弥介の浮太郎は、ようやく自分が師匠の浮丸が
自分を指名して 連れてきたことを、何やら悟ったようである。
浮丸は、この若く色白な美男子を見て
彼にまだ見ぬ女を抱かせることの興奮を憶えるのである。

その一軒家は賑やかな街中から少し離れ
家から少し歩くと近くには女郎屋や、風呂屋があり
湯場では、よく男達は湯女に背中を流して貰っていたし、
話がまとまれば、客は別の場所でその女を抱くことも出来た。
そこには様々な老いも若きも、そんな女達が
生活していたのである。

そこは浮丸が女を探求するのには、都合の良い場所だった。
早速、浮丸は活動を始めた。
まず手始めに借りた家で、女を買うことにした。
それには事前に調べ上げていた、或る男の紹介である。
その男は女郎屋を運営しているやり手の男だった。
浮丸は、その男に或る依頼をしてあった、それとは
女の紹介である。 その男は浮丸に言った。
「旦那、そんな女なら高く付きますよ」
「いいさ、本当にそういう女ならいくらでも金は出す」

つづく

Author :官能小説家
http://syosetu.net/pc/



これほど惚れた素振りをしても、ほんとに悟りの悪い人



夢のつづき/ photo.by『多部未華子』




Tinko_2
人の為(ため)と
書いて
いつわり(偽)と
読むんだねぇ






子を持つも持たぬも人の宿命(さだめ)なり
日に日に努めて行かむ
あなたの人生なんだから好きなように
お行きなさい(生きなさい)
 


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2016年3月11日 (金)

漢の韓信

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


こうして、こうすりゃ、こうなるものと、
  知りつつ、こうして、こうなった


メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!
アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい.

Kanshin021111
韓信
紀元前二〇〇年代の中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
「国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。







漢の韓信-(124)

「よし。よくやった……あとで褒美を」
項羽の後ろに隠れていた兵が、劉邦めがけて
弩を放ったのである。
これが劉邦転倒の原因であった。
弩から発射された矢は、劉邦の胸板に命中していた。
無理を押して関中の父老の前に姿を現したのが
功を奏したのか、広武山に陣する劉邦の軍に関中から
多くの子弟が兵として補充された。その模様は
谷向こうに陣する項羽の目にも留まる。
首領が矢に倒されたにも関わらず、
漢が軍行動を止めようとしないことに項羽は苛立ち、
対応に苦慮した。
      
漢との戦いはひとまずおき、後背の韓信や彭越を
先に処理すべきだ。項羽はそう思ったが、
どうしても行動に移せない。
劉邦に傷を負わせ、漢を追いつめている自分が、
相手に停戦を求めるなど不自然だと考えたのである。
自身の矜持が許さないのであった。
      
しかし、項羽にとって幸運であったのは、漢が兵力を
増強したにもかかわらず、和睦の意志を楚に示したことである。
項羽にとっては渡りに船であったことは確かだが、
もちろんこれは偶然ではなく、楚がそれほどまでに
漢を追いつめた結果であった。
行為の善悪は抜きにして、項羽としては努力が
実ったことに違いはない。
      
だが問題は、このとき漢側の使者として項羽のもとに
派遣された人物が、陸賈(りくか)という人物であった。
しかし項羽は「出直してこい」
項羽の口から発せられたのは、たったそのひと言のみである。
             
示した停戦の条件は、楚側が人質としている
劉太公と呂氏を解放することであった。
今にして思い返してみると、実に虫のいい話である。
実質的に有利な状態にあった楚に対して、
敗色濃厚な漢が一方的に条件を示すなど、
後世の物笑いの種になりそうな話である。
      
当時の使者の最大の役目は、威厳を保つことにあった。
たとえ漢が滅亡寸前であったとしても、そのことを
楚に悟らせるわけにはいかなかったのである。
相手に媚びるような態度を示すなど、もってのほかであった。
次に漢が使者として選んだのは、
侯公(こうこう)という人物であった。
この男が鴻溝(こうこう)という広武山よりわずか東の土地を境に
天下を二分することを提案し、受け入れられることになった。

鴻溝より東が楚であり、西が漢である。
これにより項羽は領地として梁を保有し、
漢は関中・巴蜀のほか韓や西魏は保有するものの、
それ以上の東進は阻まれたことになる。
しかし、この和睦により劉太公と呂氏は解放され、
漢兵はみなこれを歓迎し、万歳を唱えた。
長く続いた対陣は終わりを告げたのである。
      
このとき使者として実績をあげた侯公は、その褒美として
財物や封地を与えられ、平国君という尊称を送られた。が、
実をいうとこの人物は、周囲からあまり信用を得ていたわけではない。
彼は「行く先々で国を傾ける」と、警戒されていたのである。
彼に送られた「平国」君という尊称は、
「傾国」の反対語であることから、この人物に対する劉邦や
漢の首脳部の警戒感がよほどのものだったことがうかがわれよう。
      
彼は与えられた褒美のうち、財物だけを手にすると
封地に赴くこともなく、行方をくらました。逐電したのである。
侯公は、漢のためを思って交渉の席についたのではなく、
財宝と、自身の能力の誇示だけが目当てだったのだ。
彼の内には、忠誠心のかけらもなかった。
しかし侯公の交渉が成功したことは確かである。
項羽は広武山の陣営を払い、東に向けて退却を開始した。
何はともあれ、楚・漢の和睦は成立したのであった。
      
この和睦を誰よりも喜んだのは項羽であっただろう。
一様に万歳を唱える漢軍に対し、撤退する楚軍の姿の方が
全体的に消耗しているように見えたことは、
それを象徴するかのようであった。
去り行く楚兵たちの姿を眺め、劉邦は安堵の溜息を漏らした。
      
これで、しばらくは……。疲れていた。
毎日のように続く緊張が体力を消耗し、
胸の傷はなかなか完治しようとしない。
劉邦にとって地獄のような日々であった。
しかし、それも終わりを告げようとしている。
      
だが、寝所に入ってひと休みしようと考えた劉邦の前に、
表情をこわばらせた張良が立ちはだかった。
劉邦はなにか予想していなかった事態でも発生したのかと
心配し、立ち止まった。
「子房……」
「大王……機会は今しかありません。楚軍を追い、
後ろから討つのです」
      
「なに! ……しかし、和睦が」
張良のもともと青白かった顔が紅潮している。
どうやら自分の策に興奮の色を抑えきれないらしかった。
「ええ、ええ! 和睦は確かに成りました。
しかし、そんなことはもうどうでもよろしい。
これを逃せば、漢は滅びます! 
あるいはこれを裏切りだと評する者もおりましょうが、
そのときは私ひとりが責任を持ちましょう。
とにかく討つのです。今! 楚を討つ機会は今しかありません!」
      
張良は感情的な男ではないが、このときは激しく主張し、
劉邦はその勢いにのまれ、この策を容れた。
漢軍は広武山からひそかに出撃し、楚軍の追撃を
開始することになる。
陳勝・呉広の蜂起から端を発し、長く続いた楚・漢の抗争は、
この時点より最終局面に入った。
      
灌嬰は漢の歴戦の武将であったが、年は若い。
もともと諸国を渡り歩いて絹を売り歩く商人で、
そのおかげか馬の扱いに慣れ、商売人上がりらしく、
機を見て判断を素早く下す技術に長けていた。
の戦は速戦即決、疾風の如き速さが特徴である。
京・索の戦いを機に、旧秦の名高い騎士たちを従えることとなり、
彼の軍はその速度にさらに磨きをかけた。
このころから彼は「騎将灌嬰」と敬意をこめて呼ばれることとなる。
      
そのような灌嬰であったので、当然ながら劉邦を始めとする
漢の首脳部の信用はあつい。
しかし残念ながら彼には政治的影響力がなかった。
自己顕示欲が少なかったのかもしれず、
あるいは生来政治的なものの考え方が苦手だったのかもしれないが、
いずれにしても彼が尊重されるのは軍事の面に限ってのことである。
このことから、灌嬰は非常に実務に長けた人物で、
構想力を自慢としていたとはいえず、その点では
韓信に似ていなくもない、と言えそうである。
      
その灌嬰は韓信が斉を制圧すると、もっぱら楚との
国境付近の防衛にあたり、斉の残党や混乱に乗じて
侵入をはかる楚軍を相手に粉骨砕身の働きぶりをみせた。
その戦いぶりに韓信が信用をおいたことはいうまでもない。
      
しかし、最近は様相が少し変わってきている。
これまでは防御が主な任務だったのに対し、
近ごろは小規模ながら積極的に楚の補給路を断つような
命令を受けるのである。
さらには命令を発する韓信が自ら姿を現し、
共に戦うことも多くなった。
      
斉王の心の迷いが、晴れたのだ。灌嬰はそう思い、
この事態を歓迎した。それもそのはず、
彼は戦略上、韓信配下の斉軍に所属してはいるが、
もともと漢の将軍なのである。
それも重鎮であるといって差し支えない立場であった。
その彼にとって韓信が楚の使者を迎え入れたり、
幕僚の意見を真に受けて自立を企むことは、
望むべき事態ではない。
      
灌嬰将軍。そろそろ大規模な遠征があるかもしれぬ。
心構えをしっかりとしておけよ。もっとも……
君なら大丈夫なことと思っているが」
このとき、韓信は灌嬰に向かってこのような内容のことを言った。
灌嬰はこれに対し、「大規模な遠征……それは、
どの国を相手にするのでしょうか?」と質問したという。
      
捉えようによってはきわどい内容であったかもしれないが、
灌嬰には嫌味を言ったつもりはない。
むしろ冗談めかして近ごろの韓信の気の迷いを茶化したのである。
彼にとって韓信は王としては話しやすい相手だったのである。
      
「そういじめるな。もちろん相手は楚だ。……
しかも今度は項王と直接相対することになるだろう。
だから心しろ、といっているのだ」
「そうですか。いよいよ……。いや、私は相手が漢だとしても、
戦いますぞ。斉王とともに」
韓信はこの言葉を聞いて笑いながら言ったという。
「君のその言葉はうれしい。しかし、くれぐれも
他人のいる前でそんなことを言ってくれるなよ。
君も知っていることと思うが……私の立場は依然、
微妙なままなのだ」

灌嬰はそれを聞き、苦笑いしながら答えた。
「ええ、知っています。しかし、斉王様。
あなたが楚を討つとお決めになられたことに、
私は内心ほっとしているんです。
仮に自立するとして……私はあなたと行動を
共にするつもりではおりますが……ことが成功すればよいが、
失敗したら私どもは逆賊の汚名を着ることになる。
できることなら、そんなことは避けたいですから」

灌嬰の言葉は、この当時の忠誠心というものがどういうものか、
如実に示している。
人は国や制度ではなく、人に対してのみ忠節を尽くす。
美しい精神である。しかし、結果的にこの精神が延々と続く
無秩序を生んだと言えるだろう。
理念より憧れでこの時代の人々は行動したのだ。
      
「漢王の忠実なる臣下たる君が、軽々しくそんなことを
言うべきではない。
……君に妙な気をおこさせないためにも、
私はここで断言しておくべきだろうな。斉王韓信も、
やはり漢王の忠実なる臣下である、と」
この時の韓信の表情には、曇りがなかった。
灌嬰はそれを認め、「よかった。これで前面の敵に意識を
集中できる、というものです」と心から安堵したような顔で答えた。
      
韓信の軍は、常勝の軍である。彼らは、負けたことがなかった。
ただし、それがゆえに負けるのは想像できないほどに
      恐ろしいのである。そのため、韓信に従う兵たちは、
自分たちの首領が無用な、意味のない戦いをすることを
望まなかった。
灌嬰はそのような兵たちの気持ちを代表して述べたと同時に、
自分自身の強い思いを言い表したようである。
韓信には、それが痛いほどよくわかったのである。
自らの気の迷いが、恥ずかしくなるほどであった。


つづく

Author :紀之沢直
http://kinozawanaosi.com.



愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


歌は心の走馬灯、
歌は世につれ、世は歌につれ、
人生、絵模様、万華鏡…



『わかれうた / 中島みゆき 』
      



人の為(ため)と書いて
いつわり(偽)と読むんだねぇ

誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、言えば、……



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる



P R

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入れてもらえば気持ちは良いが、
  どこか気兼ねなもらい風呂


Moto3


2016年3月 8日 (火)

妄想劇場・特別編

妄想劇場・特別編

信じれば真実、疑えば妄想……


Mituo

昨日という日は
歴史、
今日という日は
プレゼント
明日という日は
ミステリー









誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、言えば…



『東芝解体へのカウントダウン』
~ついに東京地検特捜部が粉飾事件の捜査に動き出す!
       
『内部告発が相次ぎ、特捜が動いた』
       
日本が世界に誇った電機業界が崩壊している。
東芝は、2016年3月期決算で7100億円の赤字を計上、
1万人のリストラに踏み切る。
シャープは、台湾の15兆円企業「鴻海精密工業」への身売りを決めた。
そんな惨状に追い打ちをかけるように、東京地検特捜部と
証券取引等監視委員会による東芝粉飾決算事件の捜査が始まる。

特捜部は、2月29日、東北地方の高速道路復旧工事談合に絡んだ
舗装10社11人を在宅起訴。次のターゲットは東芝粉飾事件となる。
売上高6兆円の大企業だけに、当初、証券監視委は慎重な姿勢だった。
2000億円の利益水増しだが、「赤字」を「黒字」とする
赤黒転換の悪質さはない。従って、当初は、行政処分が適当だとして
課徴金処分に踏み切り、約73億円の納付命令を出した。
本来ならこれで終結だが、東芝からの内部告発が相次ぎ、
証券監視委の独自調査のなかでも、歴代経営陣が
不正につながることを承知で利益のかさ上げをしていたことが判明した。

これを検察への告発を前提とした「特別調査課案件」としたのは、
昨年7月、証券監視委事務局長に就任した佐々木清隆氏。
特別調査課の課長時代、カネボウやライブドアの大型粉飾事件を
特捜部とともに積極的に摘発。
上場企業に色濃く残る「粉飾の土壌」に、改めて切り込む
覚悟を固めたという。
それを後押ししたのが佐渡賢一委員長だ。年内に3期9年の
任期を終える佐渡氏は、「課徴金処分でスピーディな処理」は
確立したものの、その分、告発案件が減って、
証券監視委は「市場の番人の迫力が薄れた」と批判されることが増えた。
佐渡氏は、“汚名”を挽回するように、東芝事件の経過を聞き、
「やれる」と、自ら判断を下したという。
       
『個人株主も決起』

東芝経営陣に対する逆風は、捜査・調査機関だけではない。
身から出たさびとはいえ、後始末を求める外部からの
波状攻撃が止まない。
粉飾決算で株価が下がり損害を受けたとして、関西地方の
個人株主45人が東芝と歴代3社長を含む旧経営陣5人に
計約1億7300万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が
2月19日、大阪地裁であった。

東芝と旧経営陣は責任を否定し、請求の棄却を求めたが、
同様の訴訟は東京、福岡両地裁でも個人株主計56人が
計約3億3500万円の損害賠償を求めて始まっており、
訴訟の長期化と泥沼化は避けられない。
              
500円台を維持していた東芝株は、粉飾決算発覚後に急落、
昨年11月には300円台に下がり、その後も、
膿は出し切っていない」とみた投資家は、安定株と言われた
同社株を売り続け、今年2月には155円まで下落。その後、
174円(3月1日終値)まで持ち直したが、それでも回復にほど遠い。

捜査着手は、株価や再生に悪影響を与えよう。だが、
特捜部や証券監視委が、そうした日本経済や産業界に及ぼす
影響を考えず、官邸や経産省などへの根回しなしに
捜査を行うとは思えない。

検察関係者が説明する。「東芝にはエネルギー政策に深く関与する
原子力部門があり、日本経済の根幹でもある半導体部門があり、
これからの成長分野である医療機器部門がある。
それらを、どう処理するかの道筋がついたところで着手が決まった」

東芝が、最初に処理を決めたのは医療機器部門だった。
画像診断装置などを手がける100%子会社の
東芝メディカルシステムズの売却を決断した。
1月29日締め切りの同社の入札には、キヤノンなど複数の
大手が名乗りを上げ、激しい争奪戦を繰り広げている。
最終的な売却額は5千億円とも試算され、市場からの
高評価がうかがえる。

東芝のアキレス腱のひとつに、子会社の原子力大手
「ウエスチングハウス(WH)」の「のれん代償却」がある。
原発事故以降、WHの資産価値が急落、WH自体が1600億円の
減損処理をしていたのに、親会社の東芝がそうしなかったのは、
資金手当てのメドがつかなかったためだ。
東芝メディカルの売却でWHの価値を見直し、東芝は柱の
原子力部門を維持できる。
       
『本格着手は近い』
       
        捜査着手の背景に、原子力部門の見通しが立ったことが
あげられており、であれば、この部門の粉飾を問う可能性は薄いだろう。
それは同時に、もうひとつの柱である半導体での立件をうかがわせる。
歴代経営陣は、パソコン事業などでの不正の仕組みを認識したうえで、
利益のかさ上げを求めていたのではないか。
既に、第三者委員会の報告書には、西田厚聰、佐々木則夫、
田中久雄の3元社長が、「チャレンジ」の名のもと、部下に強く迫った様子が
描かれている。「3日で120億円の利益をなんとかしろ」
「事業を死守したいなら最低、100億円は(利益を)出せ」

「会社が苦しい時に、(不正会計を)ノーマルにするのは良くない」
こうした恫喝が無理な益出しにつながったとしても、問題は
それをチェックする体制がなかったことだろう。
社外取締役、監査役、監査法人も同罪だ。なかでも指摘されているのは、
オリンパス事件に関与し、批判された新日本監査法人が東芝でも監査を
担当していたこと。課徴金命令に加えて、新規契約停止の
行政処分を受けた。だが、東芝同様、それだけでは終わらず、
「粉飾の土壌」を企業とともに築いた責任を問われる。

「粉飾の土壌」が、東芝に固有のものだと思っている人はいない。
商社、鉄鋼、金融、流通の著名な大企業で、
「不良債権の飛ばしや益出しのための利益の水増しを行っている」と、
指摘されている企業は少なくない。その状況を、
内部告発などを通じて知悉しているのが証券監視委で、
東芝は、一罰百戒のまたとないケースであり、証券監視委はいま、
人と時を得た。既に、任意での東芝関係者からの事情聴取は
始まっており、特捜部と証券監視委が一体となった本格着手も近そうだ。
…        

Author :伊藤博敏「ニュースの深層」




『長渕剛 順子 』

      




君は吉野の千本桜、色香よけれど、
気(木)が多い



時は絶えず流れ、
今、微笑む花も、明日には枯れる




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2016年3月 6日 (日)

妄想物語

信じれば真実、疑えば妄想

時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


Mousou2

日本最大の組織
(山口組)

創設100周年を迎えた
山口組。 
その知名度とは裏腹に
内情はあまり
知られていない。




その組織はいつどのように誕生し、
過去から現在までどのように膨張し、
巨大化してきたのか・・・
そしてなぜ今衰退傾向にあるのか・・・

今なお日本最大組織であり続ける
山口組とはどういう組織なのか。…



『山口組VS神戸山口組の小競り合いがついに始まった 』

銃撃、車突入、流血沙汰…交渉を許さない「ヤクザの掟」とは
捜査関係者は「当初は暴力の伴わないにらみ合いが続いてきたが、
最近になって急激に衝突が増え始めた」と分析する。

国内最大の指定暴力団「山口組」が分裂してから半年が過ぎ、
全国各地で暴力団事務所が銃撃されたり車が突っ込んだりするなど、
トラブルが顕在化し始めた。河野太郎国家公安委員長は
「抗争と言わざるをえない」として情報収集や警戒強化を指示。
警察当局は、一般人が巻き込まれる本格抗争に発展する
最悪の事態に備え、両組織をより活動の制限される
「特定抗争指定団体」への指定も可能性に置いて
情報収集を進める。

全国10カ所以上で衝突発生27日午後9時20分ごろ、
埼玉県八潮市にある一軒家に複数の銃声が響いた。
ここは東京を拠点とする神戸山口組系組幹部の自宅。
その2時間半後には東京都足立区内の路上で
この組の組員が何者かに刃物で刺され、重傷を負った。

捜査関係者によると、2月下旬、この組幹部の自宅を
六代目山口組最大の2次団体「弘道会」の関係者数十人以上が包囲。
さらに27日午前、包囲に参加したとみられる弘道会系組の事務所に
トラックが突っ込んでいる。
捜査関係者は「神戸山口組と山口組の間で応酬が続いた」とみている。

関東だけではない。2月23日には福井県にある神戸山口組最高幹部の
事務所を六代目山口組3次団体の組員が銃撃して逮捕。
今年に入ってからは、北海道から福岡県まで全国で
10以上の都道府県の暴力団事務所や関係先に車が突入したり、
火炎瓶が投げ込まれるなどした。

「かけこみ暴発」?

なぜ分裂から半年を経てトラブルが顕在化し始めたのか。
捜査幹部は「指定暴力団への指定を前にした神戸山口組側の
『かけこみ暴発』の可能性がある」と指摘する。

神戸山口組は現在、暴力団対策法上の指定暴力団に指定されていない。
警察当局は6月にも指定する方針だが、
それまでは対立抗争と認定される事態が発生しても、
事務所の使用制限など、抗争を抑止する有効な手立てが限られる。
「その前に山口組側にダメージを与えようとしているのではないか」と
捜査幹部は分析する。

一方、指定暴力団関係者が指摘するのは、暴力団特有の事情だ。
「山口組側は、神戸山口組側を『ヤクザ=暴力団』とは認めていない。
だが、交渉の席についてしまえば相手をヤクザと
認めることになってしまう」という。そのため、「小さなトラブルでも
“手打ち”のための交渉の席が設けられず、
トラブルが拡大することが多いのではないか」と分析する。

「仁義なき戦い」に発展する可能性は?

今後、死傷者が出るような本格的な対立抗争に
発展する可能性はあるのか。
警察当局は一連のトラブルが暴対法上の「対立抗争」に
あたるかどうかについては慎重な見方を崩していないが、
神戸山口組を指定暴力団に指定後に対立抗争が確認されれば、
さらに活動を制限する「特定抗争指定暴力団」に
指定することも検討している。

暴力団に詳しい捜査関係者は「暴対法や組織犯罪処罰法などの法整備で、
末端組員がうかつに本格的な襲撃すれば、
警察当局に組ごとつぶされるのを暴力団側は警戒している」と指摘する。
ただ、「お互いにキーマンを殺害して主導権を握ろうとするのが
暴力団の習性」であるとも指摘する。
「『犯人がばれなければ』と言って暗殺し合う可能性は十分ある。
目的達成のため一般人を巻き込むことを暴力団は
躊躇(ちゅうちょ)しない」と不穏な見通しを口にしている。

6代目ボディ―ガード?逮捕 

組長自宅と出身母体・弘道会本部を捜索 愛知県警捜査4課は5日、
詐欺事件の関係先として、国内最大の指定暴力団山口組の
篠田建市(通称司忍)組長(73)の出身母体、弘道会本部
(名古屋市中村区)と近くにある篠田組長の自宅を家宅捜索した。
8月下旬の山口組分裂騒動以降、弘道会本部や篠田組長の
自宅を捜索するのは初めて。

県警によると、弘道会は山口組の有力団体で、
昨年12月段階の構成員、準構成員は計約3千人。
分裂の背景には篠田組長や弘道会出身幹部への反発があるとされ、
県警は抗争への警戒を強めている。

県警捜査4課は1日、職業を偽ってクレジットカードの発行を受けたとして、
詐欺の疑いで弘道会系組幹部有馬直哉容疑者(45)を逮捕した。
有馬容疑者は篠田組長のボディーガードを務めていたとみられる。

愛知県警の捜査員約50人が午前10時ごろ、住宅街にある
弘道会本部に到着。インターホン越しにやりとりをした後、
玄関から次々と入っていった。
建物周辺は防弾チョッキなどに身を包んだ警察官が取り囲み、
物々しい雰囲気に包まれた。

じわり拡大する神戸山口組 「関ケ原」直前のような
多数派工作に飛び交う現金
「橋本の姿が見えないぞ」。
12月1日、国内最大の指定暴力団山口組(総本部・神戸市、6代目組長、
篠田建市=通称・司忍)の5代目組長、渡辺芳則の命日にあたるこの日、
同市内で行われた最高幹部たちの墓参りの様子を監視していた
警察当局は一瞬にして色めきだった。
8月下旬に国内最大の山口組が分裂し、離脱グループが
暴力団神戸山口組(組長・井上邦雄)を結成して3カ月が経過した
この時期だけに、情報収集にあたっている警察当局には
極度の緊張感が走った。

山口組ナンバー3離脱騒動の内幕…ささやかれる求心力低下 


表向きは体調不良、実はトップ最右翼と“対立”?
全国最大の指定暴力団山口組(総本部・神戸市灘区)で12月上旬、
組織のナンバー3に当たる統括委員長が山口組を
離脱しようとする動きが表面化した。
先代組長の墓参り後に突然行方をくらませ、実際に引退や独立を
周囲に示唆したのだ。しかし3日後、一転して残留の意向を伝えて
「元の鞘」に収まったとみられる。

「神戸山口組」との分裂騒動で揺れる山口組は、離脱の動き自体を
「無かったこと」にしている模様だが、関係者は
「離脱の動きがあったのは間違いない」と口をそろえる。
幹部同士の確執、分裂の責任問題…。
背景について取材を進めると、現在の山口組を取り巻く
混沌とした内情が浮かび上がった。

予定外の事態

12月1日午前、神戸市内の霊園に、篠田建市(通称・司忍)6代目組長ら
山口組の最高幹部が勢ぞろいした。
この日は、3年前に死去した渡辺芳則5代目組長の命日。
篠田組長らは歴代組長の名が刻まれた組碑の前で頭を垂れた後、
車に乗り込み、法要が営まれる総本部へ向かった。

ここで予定外の事態が起きる。篠田組長、高山清司若頭に次ぐ
ナンバー3の統括委員長を務める直系団体「極心連合会」
(大阪府東大阪市)の姜(きょう)弘文(通称・橋本弘文)会長が
乗った車だけが車列を外れ、総本部とは別の方向へ走り去ったのだ。

携帯電話もつながらず、「連絡がつかない」と総本部では
蜂の巣をつついたような騒ぎになった。
やがて姜会長が、拠点の東大阪市内に戻っていることが判明。
すぐさま複数の直系組長が駆けつけ、総本部へ戻るよう説得したという。
だが捜査関係者によると、姜会長は頑として首を縦に振らなかった。
そればかりか、統括委員長のポストを辞めることや、
山口組から抜けて独立組織として極心連合会を率いていくことなどを
示唆したという。

入れ替わり立ち替わり慰留

山口組は現在、高山若頭が恐喝事件で実刑判決を受けて服役中。
姜会長は実質的にナンバー2として、組織をとりまとめる立場だった。
そんな重要人物が万が一離脱するとなれば、他の直系団体や
傘下組員が雪崩を打って山口組を離れる可能性も考えられる。
内部崩壊を防ぐために、絶対に思いとどまらせなければならない。
幹部らは入れ替わり立ち替わり姜会長の元を訪れ、
翻意を促すと同時に断続的に会合を開くなど、必死の慰留工作を続けた。

再び事態が動いたのは3日後の4日。
捜査関係者によると、姜会長は午前中に名古屋市内で
篠田組長に面会し、その足で新幹線に乗って総本部での
最高幹部の会合に出席した。
墓参り後からの一連の出来事について「体調不良によるものだった」と説明し、
改めて残留を表明したという。

最高幹部の離脱情報

橋本とは、山口組ナンバー3の統括委員長、橋本弘文。
ナンバー2の山口組若頭、高山清司が恐喝事件で収監されて服役中で
不在の現在、実質的に篠田組長に次ぐ地位にあり、
まさに文字通り組織を統轄する地位にある。
橋本については、かねてから分裂の責任を取っての引退説などが
取りざたされていたが、11月に配布された機関誌の山口組新報で、
橋本は「盃をないがしろにするこということは任侠界自体を
冒涜するもの」などと執筆、離脱組を非難していた。
さらに、「新たな改革に取り組み、皆様の先頭に立ち、
今日までの反省と決意と覚悟を新たにしております」と
決意を表明していた。

芸能界などに人脈

一躍「渦中の人」となった姜会長とは、一体どんな人物なのか。
山口組の名門組織で、現在は神戸山口組の中核団体・山健組の出身。
山健組傘下だった極心連合会を率いて同組の幹部を務めた後、
平成17年に内部昇格する形で山口組の直参(直系組長)となり、
24年からは新設された統括委員長のポストに就任した。

その名が一般に広く知られるようになったのは約4年前、
テレビ番組の司会などで活躍していた有名男性タレントが
暴力団関係者との親密交際を理由に芸能界を引退した騒動だ。
この暴力団関係者が姜会長で、芸能界やスポーツ関係に
太い人脈を持っていることなども取りざたされた。

今年8月下旬、山健組の井上邦雄組長ら複数の有力直系組長が
山口組を離脱し、神戸山口組を結成すると、
姜会長は分裂後に初めて発行された山口組の機関紙
「山口組新報」(11月1日号)に巻頭文を寄せた。
離脱組への憤りや山口組に残った組員への激励とともに、
こうつづっていた。

Author :産経WEST





『夢は夜ひらく/一青窈・三上寛  』




人の為(ため)と書いていつわり(偽)と読むんだねぇ
誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、言えば、……
 


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Moto3

2016年3月 2日 (水)

チャンネル・掲示板

チャンネル・掲示板

幸せがつづいても、不幸になるとは言えない
 不幸がつづいても、幸せが来るとは限らない


Mousou2

昨日という日は
歴史、
今日という日は
プレゼント
明日という日は
ミステリー






子を持つも持たぬも人の宿命(さだめ)なり
日に日に努めて行かむ
あなたの人生なんだから好きなように
お行きなさい(生きなさい)


『子猫のリボン』

「ねぇ、ねぇ、お母さ~ん」
杉田良子が洗濯物をたたんでいると、 玄関から
娘の葵の声がした。
「なに、なに?」 「来て来て、お母さん」
今度は、弟の翼の声。小学3年と2年だ。
二人とも、 ちょっと甘えた声がする。
(こういうときは、何かねだろうとしているに違いない)

そう思いつつ、良子は玄関へ行った。(やっぱり)
葵と翼の両手には、子猫が抱かれていた。
「ねえねえ、かわいいでしょ」
葵の腕の中には、茶色のトボケ顔と、真っ黒な二匹の子猫。
翼は、茶色だが鼻に黒の大きな点々がある、
ちょっと不細工な子猫を抱いていた。
「だめよ、うちは飼わないからね」
「ええ~」子猫を拾ってきたのは、これが初めてではない。
「うちでは飼わない」と言い聞かせてあるのに、まただ。
こういうことは、最初が肝心と、良子はビシャリと言った。

「さあ、行くわよ。拾った場所を案内しないさい!」
「ええ~いやだよぉ」そう言う二人を置いて、
サンダルに履き替えて表に出た。
二人は、子猫を抱えて渋々付いてくる。
そこは、角のマンションのゴミ置き場だった。
(やだ、こんな所に)良子は少し腹が立った。
猫を捨てるにしても、 ゴミ扱いとはどういうことだ。

しかし、子猫が入っていた段ボールの箱を見て、
その憤りも和んだ。
テープで、はがきサイズのこんな張り紙がしてあった。
「すみません。どうしても飼えない事情があり、
どなたか育てていただけないでしょうか。
保健所に持っていくわけにもいかず困っております」

「ねえねえ、お母さん。これなんて読むの?」と翼が聞く。
「あっ、私読める。ホケンジョだよね」
「ねえねえ、ホケンジョがどうしたの?」
そう訊く翼に、良子は言葉が詰まった。
まさか、殺処分されるとは言えない。それを無視して言う。
「ここに戻しておきなさい。きっと、誰かが拾ってくれるわ」
葵がすがるように訊く。「どうしてうちでは飼っちゃいけないの?」
「お父さんが猫は苦手なのよ!いいからそこに置いておきなさい」
二人は、三匹の子猫を段ボールに戻した。
中には、捨てた人のやむをえない気持ちを表してか、
真新しいフリースが敷いてあった。

本当のことを言うと、良子も猫が好きだった。
しかし、子供の頃の体験が、心に辛く残ったていた。
葵と翼と同じくらいの頃、近所の公園に捨てられていた
子猫を拾って帰った。 真っ白な猫だった。
母親は反対したが、 父親の「ちゃんと世話できるか」の一言で
飼うことが決まった。

真っ白だから、シロと名前を付けた。
喜んで、風呂場で体を洗ってやった。
ミルクを飲ませる。ところが、一口も飲もうとしない。
晩秋のことで、体が衰弱していたのだ。
拾った箱の中には、 最初は何匹もいたに違いない。
残された一匹。 ほんの1日、いや数時間のことが
子猫たちの運命を変えたのだった。

何も口にしないまま、翌朝には冷たくなっていた。
良子は泣いた。どこからこんなに涙が出てくるのか、
不思議なくらいに泣いた。庭の片隅にお墓を作った。
父親が穴を掘り、丁寧に埋めてくれた。
良子は以来、一度も生き物を飼ったことがない。

夕方、子供たちの部屋を覗くと、二人でなにやら作っている。
「何してるの?」 「あのね、子猫のね、リボンを作ってるの」
「それ、大事にしてたやつじゃないの?」
葵が手にしているのは、この前、 お誕生会で友達からもらった
プレゼントに結んであったピンクのリボンだった。

「お姉ちゃん、これ結んだら拾ってくれるの?」
「きっと誰か拾ってくれるわ」 「ほんと?」
「うん。でも、鈴があるともっといいんだけどな

良子は、二人がしようとしていることを察して胸が痛くなった。
子猫の首にリボンを巻こうというのだ。 そうすれば、
より可愛くなって、誰かが拾ってくれるに違いないと。
「よし、できた。つばさ、行こう!」 「うん」
「お母さんも付いていくわ」

3人は、先ほどのマンションの前まで駆けた。
ところが・・・。子猫の姿も、あの段ボールも無くなっていた。
(え!? まさか保健所?)
そう思うと背筋がゾクッとした。

(おや?)ゴミ置き場の壁に、新聞の折込チラシの裏面を使って、
走り書きが貼り付けてあった。
「この近くの家の者です。ここにいた子猫ちゃんたちは、  
わが家で育てることにしました。どうぞ、ご安心ください」
良子は、思わず、「よかったね~」と屈んで
二人の子を両の腕に抱きしめた。

Author:志賀内泰弘



『もう二度と行かない! 』

浅倉セツコは、夫の忠臣がトイレに行っている間に、
ボソッと呟いた。「もう二度と行かない!」
こうなることは予期していた。でも、夫の方から、
久し振りに「旅行に行こう」と言われて、ついつい
、「いいわね、私も腰が痛いから温泉にでも
入りたいと思っていたのよ」と答えてしまったのだった。

忠臣は昨年、自動車部品メーカーを退職した。
二人の息子も結婚して家を出て行った。
セツコ自身は、子育ての手が離れた頃から始めた
地域のボランティア活動で毎日が忙しい。
しかし、仕事が無くなって暇になった夫は、一日中、家にいる。
どこか寂しそうだ。その同情が間違いの元だった。

とにかく、忠臣は愚痴っぽい。何を見ても
人の批判・非難ばかりするのだ。
今回の旅行は、そのオンパレードだった。
タクシーに乗ると、「運転手の態度がなっとらん!」と怒る。
行き先を告げると、 「チェッ、そんな近いところ・・・」と…
それに忠臣がムカッとして、「何だって!」と口にする。

慌ててセツコが、「すみませんね~、近くて。
荷物を持つと膝が痛くてねえ」と取り成す。
レストランに入っても大変だった。 注文したものが、
なかなか出てこない。と
「お~い、あっちのお客さんより先に注文したじゃないか」と
店員に大きな声で言う。
セツコはその度に、 顔から火が出そうな思いをする。

それだけではない。店を出た後も、ずっと、
「さっきのレストランの経営者は、いったいどんな
教育をしてるんだ!」
「ウエイトレスが茶髪とは何事だ!」
「よっぽど言ってやろうかと思ってたが、
置いてあった雑誌が1年も前のもんだった」などと、
ブツブツ批判ばかりするのだ。

駅のホームで電車を待っていれば、「にタバコの吸殻が落ちてる。
駅員は掃除してるのか!」ベンチの脇に空缶が
転がっているのを見ると、「どうせ学生が捨てたんだろう」と、
ずっと愚痴ばかり。
セツコは、それを耳にするだけで、ぐったり疲れ果てていた。

特急がホームに入って来た。 指定席に二人並んで座り、
駅で買った弁当を広げた。カニがびっしりと乗っている。
セツコには、見本よりも美味しそうに見えた。
また忠臣が何かケチでも付けるといけない。先手を取って
、「まあ、美味しそう。いただきます」と言い、口に運んだ。

忠臣は、何か言いたそうな素振りだったが、
お腹が空いているせいか、黙々と食べ始めた。
食事を終えて、ふと、通路をはさんだ横の席を見ると、
出張らしき二人の中年サラリーマンも、
セツコたちと同じ弁当を食べ終えたところだった。
椅子の中に格納できる小さなテーブルの上には、
それぞれ二本ずつの缶ビールが置かれてあった。
きっと、商談が上手くいったか。乾杯したい気分だったに違いない。

「あとは納入時期だけですね・・・」などと、上機嫌な声が
漏れ聞こえてくる。 しばらくして、その二人のサラリーマンは、
酔いが回ったのかウトウトし始めた。
つられたわけではないが、セツコも眠ってしまった。

車掌の「まもなく到着します。乗り換えのお客様は、
早めにお支度ください」 というアナウンスの声で目が覚めた
。二人のサラリーマンのうちの一人が、「いけない、
部長!もうすぐ着きます」と言って、まだ眠っていた
窓側の男性に声を掛けた。
「いかん、いかん」二人は慌てて、荷物棚から
大きなカバンを降ろし始めた。 列車がホームに滑り込む。
まだ停車していないが、慌しくデッキへ走って言った。

「私たちも行きましょうか」と忠臣に声を掛けたとたん、
「なっとらん!」と眉をひそめて怒り出した。
セツコにはまったく何のことかわからなかった。
首を傾げると、「あれを見て見ろ!あいつら、弁当のカラと
空缶をそのままにして行っちまった!  
その上、座席のリクライニングも倒したままだ。  
降りたらホームで捕まえて言ってやる」
セツコは、「困ったことになった」と思った。

以前にも似たようなことがあったのだ。
電車の中で床に車座になって座って騒いでいた
高校生のカバンを、 これ見よがしにわざと踏みつけて
大騒ぎになったのだった。

「あなた・・・せっかくの旅行なんだから・・・」と言いかけた、
その時だった。セツコたちの斜め前に座っていた青年が、
二人のサラリーマンが座っていた席に入り込んだ。
そして、座席の前の網ポケットに突っ込んであった
カラの弁当と空缶をサッと取った。
そして、手にしていたスーパーの大きなレジ袋に詰め込んだのだった。
さらに、リクライニングを元の位置に戻した。
背中にはリュックを背負っており、 どうやら一人旅をしているらしい。
あまりにも自然で、あまりにもさりげない動作だったので、
セツコはあっけに取られてしまった。

人の批判や非難ばかりする夫と、雲泥の差である。
「あなた、見ましたか?」と振り向いて忠臣を見た。
ついさっき「ホームで捕まえてやる」などと叫んでいた怒りが、
その顔から消えていた。
いつも腹を立てるばかりで、何もしない夫。
それに比べて・・・。青年の姿がキラキラと眩しく見えた。
セツコが、「立派ですね」と忠臣に言うと、ポツリ。
「ああ、そうだな」セツコは、心の中で呟いた。
(あなたも、少しは反省しなさい!)

Author:志賀内泰弘




『置き忘れた喜び』
      



時は絶えず流れ、
 今、微笑む花も、明日には枯れる


添うて苦労は覚悟だけれど、添わぬ先から、この苦労



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歴史・履歴への許可証

歴史・履歴への許可証

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


夢はでっかく、根はふかく。
花を支える枝 枝を支える幹 
幹を支える根 根はみえないんだなあ


Kobanasi_3


『狩人とネコまた』 百物語

むかしむかし、あるところに、とても腕のいい狩人
(かりゅうど)がいました。
狩人は毎日、犬をつれては山に入って、えものをとっていました。
ところが、ある日のこと。「おかしいな。きょうは、
ちっともえものがおらん」

狩人はえものをもとめて、いつしか山奥に入りこんでいきました。
すると、日がくれてしまいました。
「これは困ったぞ。どこぞに、とめてもらえる家がないだろうか」と、
思っていると、むこうにあかりが見えました。
「よし。あそこにいって、とめてもらうか」

狩人が、あかりをたよりにいくと、そこには小さなあばら家があって、
一人のおばあさんが住んでいました。
「すみません、日がくれて困っています。どうか、
一晩とめてもらえませんか?」
狩人が犬をつれてあばら家のしきいをまたぐと、
おばあさんが犬をにらんで、
「食う物もねえが、それでいいならとまれや。
ただし、犬は外につないでおいてくれ。
でないと、おらの家のネコに食われてしまうでな。いっひひひひ」と、
不気味な笑いを浮かべました。

狩人が家の中を見まわすと、かまどのそばに一匹のネコがいて、
うつらうつらと、いねむりをしています。
「ネコが犬を食う? なにをばかな。だいたいおらの犬は、
相手がクマでもイノシシでも倒すほどだ。ネコごときに
食われるはずがなかろう」
「いいや、おらとこのネコは、なみの強さでねえ。
うそと思うなら、けんかさせてみるか?」
おばあさんがいうと、かまどのそばのネコがのびをして、
ピカピカした金色の目を開きました。

なにやら強そうですが、しょせんはネコです。
「おおっ、のぞむところだ」
狩人は犬をけしかけてネコとたたかわせましたが、
驚いたことに犬はたちまち殺されてしまいました。
「・・・そっ、そんなばかな」狩人はくやしくて、
夜があけると同時に村へとんでかえりました。

そして、もっと強い犬をつれてきました。ところがまたも、
おばあさんのネコに殺されてしまったのです。
「あのネコに勝つには、よほど強い犬でないとだめだ」
狩人がとぼとぼあるいていくと、村はずれのお墓に、
のら犬がたむろしています。

強い犬はいないものかと、狩人が木のかげからながめていると、
そこに旅のアメ売りが笛をふきながら通りかかって、
犬たちに近づいていきました。

「はて? 不思議なことをするわい」
狩人が見ていると、アメ売りはくるっとトンボ返りをして、
大きな犬の姿になりました。
のら犬たちはその姿にしっぽをまいて、逃げてしまいました。
「おおっ、この犬なら大丈夫だ。ばあさまのネコに勝てるぞ。
この犬にたのんで、おらの二匹の犬のかたきをうとう」
狩人はアメ売りのあとをつけていくと、アメ売りが
一件の宿屋にとまりました。

そこで狩人がアメ売りに、これまでのわけをはなして、
かたきうちをたのむと、
「なるほど。お前さんの犬を二匹も殺したそのネコは、
ふつうのネコではあるまい。
おそらく、『ネコまた』に間違いなかろう。
ネコまたはしっぽの先が、ふたまたにわかれている化け物ネコだ。
犬が負けても不思議はない。だが、わしなら勝てるぞ」
アメ売りは、たのもしくいいました。

「しかしネコを負かしても、ばあさまがおこっておそってくる。
ばあさまの正体は、年をとったサルじゃ。化け物のサルだから、
たやすくは退治できん。わしがすきをみて、ばあさまの手をあげる。
そこをのがさず、お前さんが鉄砲でわきの下をうってくれ。
ほかをうっても、きかんからな」
「よし、わかった」

狩人はアメ売りが化けた大きな犬と、おばあさんの家に
乗り込んでいって、犬とネコをたたかわせました。
犬がネコをうちまかすと、さあ、おばあさんの怒ったのなんの。
「ウキーッ! よくもネコまたを殺してくれたな!」
おばあさんはサルの正体をあらわして、猟師に
おそいかかってきました。

「くらえ、化け物め!」ズドーン!
猟師が化け物ザルを鉄砲でうちましたが、鉄砲の玉は
化け物ザルには通用しません。
(そうだ、わきの下をうたねば)
その時、アメ売りの化けた犬がかみついて、化け物ザルの
手をあげさせました。(いまだ!)
ズドーン!狩人のうった鉄砲の玉は、見事に化け物ザルの
わきの下に命中して、化け物ザルを退治することができたのです。

おしまい



『 弟切草』 山形県の民話

むかしむかし、あるところに、とても仲の良い
二人の兄弟がいました。
この兄弟は、顔も性格も食べ物の好みもそっくりです。
ある日の事、二人は一人の女の人を同時に好きになってしまい、
その女の人と結婚したいと思いました。

食べ物なら二人で分ける事も出来ますが、
女の人ではそうはいきません。
その為に二人の仲はこの日から悪くなり、
ある日とうとう、女の人をめぐって殺し合いを始めたのです。

殺し合いの結果、わずかに力が勝っていた兄が弟を
刀で斬り殺したのですが、兄は血を流して倒れている弟を見て、
自分がとんでもない間違いを犯した事に気がつきました。

ああ、なんて事を。おれは女にうつつをぬかして、
弟を殺してしまった
兄は弟の為に立派なお墓を建てると、あれほど好きだった
女の人と結婚する事もなく、毎日弟の墓参りをして暮らしていました。

ある日の事、弟のお墓に、見た事がない
黄色い花の咲く草が生えて来たのです。
その草の葉を日に透かしてみると、
まるで血をたらしたような黒い点が付いていました。
「黄色は、弟が好きだった色、そしてこの黒い点は、
弟の血を吸ったのだな。弟は、まだおれを恨んでいるのか」
この話を知った人々は、この草を弟切草(おとぎりそう)と
名付けたそうです。

さて、この悲しい名前の弟切草ですが、
この弟切草は傷の妙薬で、この草を煎じて傷を洗えば、
傷はたちどころに治ると言われています。
これは仏さまが悲しい出来事をあわれんで、
この草に霊力を授けたのだという事です。

おしまい



「3びきのこぶた」




誰にだってあるんだよ、人には言えない苦しみが。
誰にだってあるんだよ、人には言えない悲しみが。
ただ、黙っているだけなんだよ、
言えば、言い訳になるから……。


Mituo

人の為 と
書いて、
いつわり(偽) と
読むんだねぇ







時は絶えず流れ、 
  今、微笑む花も、明日には枯れる 



鬼が餅つきゃ、閻魔が捏ねる、
  そばで地蔵が食べたがる 

 
 
  P R

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    お風呂物語
 
 
入れてもらえば気持ちは良いが、
  どこか気兼ねなもらい風呂


Moto3

2016年3月 1日 (火)

妄想劇場・番外編(18禁)

妄想劇場・番外編(18禁)

信じれば真実、疑えば妄想……


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18歳未満禁止の内容が
含まれています
18歳未満の方は
ご遠慮下さい。






メジャーでは無いけど、
こんな小説あっても、良いかな !!
アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい。

枕出せとは、つれない言葉、そばにある膝、知りながら
よその夢見る浮気なあなた、貸して口惜しい、膝枕



春画を極めた本当の男の心意気と、艶やかな女達を描いた
・・初編


このところ、この男には様々なるところから浮世絵の依頼が来ていた。
彼の名声は留まることがない。
もともと絵が好きで、器用な彼はどんな絵も得意としていた。
幼い頃から絵を描かせれば天才と言われていて、
彼の描く多くの絵は、草花や鳥獣虫魚が主であり、何を書いても
それが生きているようであり
彼の描く絵は、どの絵も、いつでも飛ぶように売れていた。

或る絵は、居間に掲げた絵で それは世にも珍しい鳥が、
妖しくも奇妙で美しい声を発しながら彼方へ飛んでいったし
別の鯉を描いた絵は、或る日吹いてきた風で彼方へ飛び、
その紙が小さな池の上に落ちた。
すると、絵は池の中に吸いこまれたと思うと、
絵から抜け出た鯉が、スイスイと泳いで逃げたこともあったと言う。

更には、彼がたまたま描いた恐ろしい鬼毛迫る幽霊の絵を描いて
それを見た物好きな男が気に入りその絵を買ったのである。
男は、その夜からうなされ
気が付いて眼が覚めたときには、男の頭上に絵に描いた幽霊が
佇んでいて、 男は恐怖で朝まで気を失ったと言う。
それが頻繁に起こったので、その絵を寺に納めたという噂もあった。

それ程に絵描きの描いた絵は半端でなく凄かったので、
その名前は広まっていった。
今の彼は江戸で当代一流の絵師と言っても良いだろう。
高名な彼のその名前は、(北川浮丸)という絵描きである。

だが、その浮丸をしても、この世界でも安閑としていられないのだ。
それは、自分意外にも浮世絵を描く名人が最近増えてきており、
安閑としていられないのである。
彼等のその台頭が、浮丸の自尊心に火を点けたからである。

しかし、今彼が悩み、無性に拘っているのに春画の存在があった。
花鳥風月も良いのだが、描き飽きていた頃でもあり、
或る女を描くことに悩み、どん欲になっていた。
それには理由があった。

その浮丸が、或るところから噂を聞いたからである。
「あの浮丸の絵はどれも素晴らしい
美人画は、まるでその美人が絵から出てきそうだが
ただ綺麗だけで、本当の女を感じない
それにあの春画は、あまり燃えないし・・いまいちだな、
葛飾北斎や、鈴木春信の絡み絵に比べたら雲泥の差だ・・」

「浮丸の絵からは女と情交を結びたいとは感じない、綺麗なだけさ」
「絵を見ても、こんな女と寝てみたい、こんな格好で交わってみたい、
という気が起きない」
・・等という噂がどこからか入り、
気位が高い浮丸の気持ちを傷つけていた。

今までに描いてきた浮丸の美人画は、着物を着た流し目の女だったり、
煙管を吸って、いかにも涼しげな粋な女が多かった。
それはすこぶる評判なのだが、粗野で好色な者達にとっては、
それが不満だったのである。

浮丸自身も最近描いた自分の春画を見ながら、
何か物足りなさを感じていたのだった。
だからその噂が余計に気になるのである。
浮丸は、本当は生身の女を描きたかったのである。
あまり、露骨な絵を描けば、お上から罰せられるし、
酷いときは絵が描けないどころか、世間を騒がせた罪で
島流しにもなる・・ という噂も聞いていた。

女の裸を描いていても、薄着をきて乳を出していたり
艶めかしいという、どちらかというと上品な絵が多かった。
そんなことで、いまいち躊躇していたのだが、
それは建前であり、巷では実際にはそれが
緩いものであると知ったとき、 浮丸は俄然として、
その意欲に目覚めたのである。

「女を描くにはまずは、生身の女を知らなければならない」
「もっと本当の女を知ろう、とことん知ろう、
そうしなければ女は描けない」
「その上で、男と女が絡んだ本当の情交の絵を描けばいい」

そう思った浮丸は、矢も楯もたまらず、
一大決心をして、当代盛んで様々な吉原の女達を描こうと思った。
勿論、浮丸は吉原を知らないわけではなく、
何度か遊女と遊んだことはある。

しかし、今は絵を描く目的で本当の女を知りたい。
そう思うと、彼の気持ちはいたたまれずに、
或る決心をした。

今まで描いた絵で、沢山の金を稼いでいる浮丸は
金には不自由しない。
その金を使い、思うままに女を知り、本当の絵を描いてみたい。
優男と絡んだ情交している濡れた本当の女を描きたい。
その思いは益々彼の心の中で大きくなっていった。

しかし、自尊心の高い浮丸は、今は身分も名前も伏して、
誰にも知られず、
その花街へ繰り出したいと思ったのである。
本当の女の身体と心を知り、それを生々しく
まるで生きているように、これぞ愛憎の絵だと言わせたい。
描いてあっと世間を言わせたい、と思うのであった。

つづく

Author :官能小説家
http://syosetu.net/pc/



これほど惚れた素振りをしても、ほんとに悟りの悪い人



初恋/photo.by『堀北真希』




Tinko_2
人の為(ため)と
書いて
いつわり(偽)と
読むんだねぇ






子を持つも持たぬも人の宿命(さだめ)なり
日に日に努めて行かむ
あなたの人生なんだから好きなように
お行きなさい(生きなさい)



入れてもらえば気持ちは良いが、
  どこか気兼ねなもらい風呂





P R
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