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2016年9月20日 (火)

妄想劇場・・漢の韓信-(144) 破局の訪れ

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、
今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー



こうして、こうすりゃ、こうなるものと、知りつつ、こうして、こうなった


メジャーでは無いけど、 こんな小説あっても、
良いかな !!
アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい




Kanshin021111


韓信
紀元前二〇〇年代の
中国大陸。
衰退した秦の末期に
生を受けた韓信は、成長し、
やがて漢の大将軍となる。
「国士無双」「背水の陣」
「四面楚歌」
そんな彼を描いた小説。








漢の韓信-(144) 第四部

破局の訪れ
 
 
  まず最初に跪かないことを宣言した韓信は、問いつめるように
  言葉を継いだ。
  「このたびの襲撃は、いったいどういうことか、ご説明いただきたい……。
  漢は斉に宣戦布告した、ということか。それとも我が斉兵の一部に
  なにか礼を失した行為があり、それを誅罰なさっているのか。
  ……楚が滅び、天下の覇者となり仰せた漢王に対して甚だ不遜ではあるが、
  ご返答によっては、しかるべくの対抗措置を取らざるを得ない。
  お覚悟はよろしいか」
 
  常になく断固とした韓信の物言いであったが、劉邦は
  これに対して反応しない。かわって返答したのは御者の夏侯嬰であった。
  「落ち着け、信。まずは馬から降りて跪くのだ。
  そして今の礼儀を失した言動を詫び、赦しを請え。話はそれからだ」
 
  韓信はしかしこれを黙殺し、なおも劉邦に向き直った。
  「大王、ご返答を」慌てた夏侯嬰が声を荒げた。
  「信!」
  「夏侯嬰っ!車馬を管理する>太僕(たいぼく)(職名)に過ぎぬ
  お前が軽々しく私の名を呼ぶな! 
  今の私は斉王だぞ! お前こそ車を降りて跪くのだ!」 
  韓信は目を怒らせ、夏侯嬰を一喝した。
  これも常にないことである。
 
  「落ち着けったら! 確かに今の君は王で、俺などは
  及びもつかない存在だ。だが、昔のことを忘れたわけではあるまい。
  君の才能を第一に見抜いたのは、この俺なのだぞ。
  その恩を忘れたわけではないだろうな」
 
  「ああ、そのとおりだ。確かに君には感謝している。
  私が今斉王として君臨していられるのは、連座によって
  罪を着せられた私を君が救ってくれたからだ。
  しかし! それを恩に着せて私の前で野放図な態度で振る舞うな。
  君ほどの重鎮がそのような態度を見せると、馬鹿な者の中には
  その形だけを真似ようとする奴が出てくるものなのだ。
  跪け!」「…………!」
 
  二人の間に一触即発の空気が流れた。
  夏侯嬰はそれまで握っていた手綱を離し、腰の剣に手をかけた。
  それを見た韓信も剣を抜き、振り払って構えた。
  剣が空気を切り裂く「ひゅぅ」という音が、あたりの
  静寂をぬってこだまする。
 
  「よさぬか」その静寂を破ったのは、劉邦の声であった。
  「嬰、剣の柄から手を離せ。斉王が話している相手はお前ではなく、
  このわしだ。王同士の話し合いだ」
  「は……」夏侯嬰は結局韓信に跪くことはしなかったが、
  それを機におとなしくなった。
 
  やがて劉邦は車を降り、地に両足をつけて立ち、韓信と向き合う。
  韓信もこれにならい、馬から降りた。最低限の礼儀であった。
  「まずは、大王……。なぜこのようなところにいらっしゃるのか
  お聞きしたい」
  「項羽の葬儀に参加してきたところだ。今は、その帰りよ」
  「ほう……では、灌嬰は見事項王を仕留めたのですな……。
  それはそれで結構。天下はあなたのものになったわけだ。
  その覇者たるあなたが、なぜ私の軍を襲う?」
 
  「信よ」夏侯嬰に向かって軽々しく呼ぶなと怒ってみせた韓信の名を、
  劉邦はさりげなく、しかもぬけぬけと呼んでみせた。
  「単刀直入にいう。お前はつけ上がっているぞ。
  確かにお前の軍功は大きく、指揮能力は余人の追随を許さぬものだが、
  そんなお前でも万能ではない。
  そこでわしはお前の軍を破り、お前から兵を奪った。
  それを証明するために」「! 
 
  意味の分からないことを……。臣下の兵を主君が
  武力をもって奪うという話など、今まで聞いたこともない。
  武勇を自慢し、証明したいのなら敵に対してすればいいではないですか」
  「お前は、敵よりも恐ろしい。今はそのことにお前自身が
  気付いていないだけだ。わからぬか? 
 
  わしがお前なら……迷わず天下の覇者の地位を狙う」
  「馬鹿馬鹿しいことを! 大王は大王のままでも
  天下を狙ったではないですか。
  私は……その手助けをしただけだ。私自身にはそんな気はない」
  「お前がどう思おうと、関係ない。
  重要なのは、お前の意志ではなく、能力なのだ」
  韓信は、あきれた。あきれてものも言う気がしない。
  しかし、だからといってひれ伏すのも嫌だった。
  筋の通らない指示に従うことほど、彼にとって面白くないことはない。
 
  「お言葉ですが」韓信は右手に持ったままの剣を強く握り直し
  劉邦の目を見据えて言った。
  「後方の兵を強奪することで私の勢力を割いたとお考えになるのは、
  間違いです。奪われた兵はせいぜい二、三万に過ぎません。
  それしきの兵力の喪失で私の軍が弱くなることはない
 
  。三十万が二十万、いや、十万でも私がその気になれば……」
  「わしを殺すことができるというのか? 恫喝か、
  それは? 
  だからこそわしはいくらでもお前の兵力を削ぎたいのだ。
  いっそ二度と兵の指揮がとれぬよう、お前の頭脳を破壊してやりたい。
  しかし、それはお前を殺すことだ。わしがそれをしないのは、
  ひとえにお前のこれまでの功績に感謝しているからなのだ」
 
  韓信の顔にますます怒りの色が浮かんできた。 
  ――よくも、ぬけぬけと……。
  「私が大王に殺されるべき存在だというのですか? 
  私は今まで一度たりとも叛逆をほのめかしたことはなく、
  私がこれまでしてきたことは、すべてあなたを利する結果となったはずだ。
  そのような者に対して、いきなり武力を行使して兵を奪うとは
  ……甚だ心外だ。兵が欲しいのなら、差し上げましょう。
  ですが……なぜ口で、言葉にしてそう言ってくれなかったのです?」
 
  「お前は臣下としての自分の立場をわかっておらぬようだな。
  本来臣下というものは、主君に生殺与奪の権を握られているものなのだ。
  そもそも項羽を倒し、天下の覇者となりえた主君たるこのわしが、
  兵を奪うのにわざわざおまえの許可を得る必要があるというのか!」
  劉邦は、主君の権威を自分に植え付けようとしている。
  それが理解できない韓信ではないが、おとなしく従う気には
  どうしてもなれないのであった。 ・・・
 
  つづく
 
  Author :紀之沢直樹
  http://kinozawanaosi.com
 
 
 
愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る 

 

歌は心の走馬灯、歌は世につれ、世は歌につれ、 

     人生、絵模様、万華鏡・・・
 
 
  『 恋月夜』
 どうして忘れられるでしょうか あなたと逢う為 生まれた私
 女の心の 奥ひだに 刻みこまれた 熱い時間(とき)
 深まる闇に 身を隠し 今日も逢いたい ああ恋月夜
 
 
 
 
 
 

時は絶えず流れ、 今、微笑む花も、明日には枯れる


 
 

 

 

P R

カビの生えない・きれいなお風呂

お風呂物語


『お風呂物語』が選ばれる理由がここにあります。


Diy

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