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2016年9月14日 (水)

妄想劇場・番外編

妄想劇場・番外編

信じれば真実、疑えば妄想……



1810


 メジャーでは無いけど、
 こんな小説あっても、
 良いかな !!
 アングラ小説です、
 不快感がある方は、
 読むのを中断して下さい






子を持つも持たぬも人の宿命(さだめ)なり
日に日に努めて行かむ
あなたの人生なんだから好きなように
お行きなさい(生きなさい)



『☆今日香さん☆』

今日香(きょうか)さんの作る味噌汁は美味しい。
手の中にあるお椀を傾けながら、僕はそんなことを
ぼんやり考えていた。
煮干しを出汁にして、具は豆腐と揚げとわかめという
シンプルな味噌汁。
だけど、今日香さんが作ったものはどれも美味しく感じる。

台所を見ると、タートルネックのワンピースの上から
エプロンを着けた彼女のうしろ姿が見える。
セミロングの茶髪はまとめてあって、そこから覗くうなじに
不意にどきっとした。

ときどき一オクターブずれる鼻歌を奏でながら、
今日香さんは楽しげに包丁のリズムを刻む。
彼女は、たまにこうやって料理を作りに来てくれる。
一人アパートで暮らしている身にはありがたいことだし、
何より今日香さんの台所での立ち姿を見ることが、
僕はたまらなく好きだった。

「できたよー、淳一くん」たくあんの乗った小皿を手に
振り返った彼女は、やっぱりきれいだと思った。
「ありがとう、今日香さん」「また『さん』づけ?」「ま、いっか」と
笑いながら、今日香さんは小皿をテーブルに置く。

指でぴんと弾いたら、ハープのように澄んだ音が
鳴りそうなまつ毛に思わず目を取られる。

つき合い始めて三年も経つが、いまだに彼女のしぐさは
どれも新鮮に映る。
今日香さんとは大学のときに知り合って、当時先輩だった
彼女に、僕の方からつき合ってくださいと申し込んだ。
それに対して、あっさり「いいよー」と返事してくれたときの
彼女の笑顔は、今でも僕の脳内の宝物だ。

けれど、あれから三年も経つのに、なかなか結婚の話へ
進まない。
僕も社会人になり、今日香さんも夢だった小学校の
教師になっている。
お互い、そろそろいい頃合いなんじゃないだろうか。
「今日香さん」僕はお椀と箸を置き、なるべく
焦らないように努め、自分で思い浮かべる限りの
真剣な表情を作る。

「ん? 何?」彼女も僕にならって箸を置き、まっすぐこちらを
見つめ返した。
「……僕のために、毎朝味噌汁を作ってくれませんか?」 
決死の覚悟で、それだけ告げる。プロポーズの言葉としては
かなり古臭いけど、今日香さんが相手ならしっくりくる気がした。

さっき味噌汁で潤したはずの喉が、もう乾いてきている。
僕は飲み込みづらい唾を喉に押し込んで、返事を待つ。
今日香さんは一回だけまばたきをしたあと、「じゃあ、
作り方教えようか?」にっかり笑ってそう言うのだった。

からかっているわけでもない、
ストレートな笑顔。そのあまりの清々しさに、緊張で固まった心が
ほぐされていく。「さすがに毎朝は来られないからねー。
淳一くんが自分でも作れるように、作り方を教えるよ」

違う。そうじゃないんだ……。
「まず煮干しと昆布で出汁を取るんだけど、そのときに
火にかけないのがコツでね? 
水出しにした方が――」得意げに味噌汁のレシピを語りだす
今日香さん。
それは知ってます。いや、出汁に昆布も使ってるというのは
知らなかったけど。

この人はいつもそうだ。僕のプロポーズを、プロポーズだと
思っていない。
去年の冬に「一緒になってください」と言ったら、
何を勘違いしたのか、ペアルックを買うはめになった。
そのときのセーターは、いまだにタンスの中に入っている。

今年の夏に給料三ヶ月分の指輪を渡したら、
「ありがとう、大事にするね」なんてほほ笑みながら、
プレゼントとして受け取られた。
その指輪は、今日香さんの右手の薬指で今も輝いている。
できれば左手の方に付けてもらいたかった。

今日香さんの笑顔は、ずるい。何も言えなくなってしまう。
天然なのか、狙ってやっているのか、とにかく今日香さんは
笑顔で僕の決心を和らげる。
結局今日もだめだったなと思いつつ、僕は味噌汁をすすった。
秋の朝の味噌汁は、やっぱり美味しかった。

当たり前だけど、今年も冬がやってきた。
今日香さんとつき合い始めてから、四回目の冬。
珍しく休日が重なって、今日香さんと久しぶりのデートになった。
僕は約束の時間の三十分前には待ち合わせ場所で待機していた。
と言っても、待ち合わせ場所は僕のアパート前の駅。
そわそわしながら待っていると、約束時間十分前に
今日香さんがやってきた。

「お待たせ」淡いブラウンのカーディガンを羽織って、
黒いスキニーパンツとパンプスを履いている。
ニット帽から覗く、細い飴細工のような茶髪がふわりとなびく。
カーディガンの下には、いつぞや二人で買ったペアルックの
セーターが見えた。

せっかく早めに準備していたけど、少し恥ずかしさをこらえ、
僕もいったん家に戻ってお揃いのセーターに着替える。
気合いを入れたおしゃれコートはタンスの中へ帰っていった。
出発したときには、ちょうど約束の時間になっていた。

「今日香さんは、何が観たい?」
「んー、どれでもいいかな」
二人で映画館に来たあと、上映スケジュールを眺めながらの
話し合い。
結果は、今日香さんが「どれにしようかな」で選んだ
サスペンスアクションの洋画を観ることになった。

画面だけが明るいシアターの中、僕はさりげなく今日香さんの
手を握ろうとした。が、硬くて冷たい指輪に指先が触れただけで
あっさりと手を引いてしまう。
その手を、柔らかい温もりが包んだ。驚いて目をやると、
僕の手の上に今日香さんの手が重なって、指輪が明かりを
反射していた。

指輪の中で映画の登場人物が動き回っている。
暗くて見えないけど、彼女は今も笑っているのだろう。
ほんと、かなわないな。苦笑して、僕も画面に視線を戻す。
シアター内の空調が、左手と耳だけに効きすぎた。
映画の終わったあとは、適当に見つけたふりをして、
予約しておいたレストランで夕食にする。だが、そこで
失敗に気づく。

僕たちはペアルックのセーターを着ている。どう考えても
高級な店にはそぐわない。久しぶりのデートで浮かれて、
そんなことにすら気が回らなかったのか。
「すみません、あの、やっぱり予約はキャンセルで――」
僕が受付のウェイターさんに小声でそう伝えていると、

今日香さんはいつの間にか店内に入ってしまっていた。
「何してるの? 早くおいでよ」
別のウェイターに案内されて席に座っている彼女を見たら、
なんだかもう自分の恰好なんてどうでもよくなって、
僕も席に着いた。

「美味しいねー、ここの料理」んー、と今日香さんは満足げに
口を動かす。
つられて僕も笑う。「僕は、今日香さんの料理の方が
好きだけどね」
「そう言ってくれるのは嬉しいけど、それじゃあ店の人たちが
かわいそうじゃない?」
困ったように笑って料理を口に運ぶ今日香さん。

それもそうか。少し背伸びしたことを言おうと思ったが、
そもそも高級フレンチ店の中でセーター姿な時点で、
何を言っても決まらないだろう。
「でも、ありがとね」デザートのオペラを口に含んだ彼女は、
心なしか幸せそうだった。

ディナーを済ませた僕たちは、いつもの僕のアパートで、
こたつを挟んで向かい合う。こたつの上には、みかん。
僕と今日香さんは、二人して黙々とみかんの皮を剥いていた。
この時間が、今日の中で一番自分たちに似合っている気がする。

結局、今日のデートはいいとこなしだったな。というより、
いいところは全部今日香さんに持っていかれたと思う。
一つしか違わないのに、彼女は僕よりもずっと大人に見える。
これからも振り回されていくんだろうなと、ふっと思った。

それも、悪くないか。無理して自分のペースに引き込もうとしたのが
間違いだったのかもしれない。
今日香さんは、今日香さんのペースでいいんだ。
僕は、そんな彼女に惹かれたのだから。

「今日香さん」
「ん? 何?」
みかんを剥きつつ、僕はするりと口にする。「結婚してください」
彼女はみかんの白い筋を取りながら、「いいよー」と、
いつもの笑顔で言った。

なんでもないことのように。これまでの僕の苦労が
馬鹿らしく思えるほどに、あっさりと。
「ありがとう、今日香さん」
「こちらこそ」

タイミング、雰囲気、言葉、シチュエーション……
どれが良かったのかなんて分からない。分からないけど、
きっと、これで良かったんだろう。
みかんの剥きすぎで黄色くなった指で、ひょいと一房つまんで
口に入れる。まだ熟れきってなかったらしく、少し酸っぱい味がした。

今日香さんも、黄色い指でみかんをつまむ。
あっちは熟していたようで、彼女は「幸せー」と言って
机に突っ伏した。
ここでも美味しいとこどり、か。今日香さんらしいな。
窓の外では、ちらりと初雪が通り過ぎるのが見えた。・・・

終わり

Author :投稿小説
http://syosetu.net/pc/book.php?pid=catlist&mode=4



ラッキーサイン☆ジンクスってご存じでしょうか…?

ジンクスというのは元々、縁起の悪い事を
表す言葉だったみたいですが…。日本では
『ラッキージンクス』という言葉があります。

てんとう虫が体にとまる

てんとう虫は下から上へと移動する習性を持つ虫で、
太陽に向かって飛んでいく様に見えるその姿から、
幸運を運んでくれると言われております。

てんとう虫が手にとまると結婚が近いとか、
身体に止まりそして飛び去る時に、
災いも一緒に持っていってくれるとも言います。




歌は心の走馬灯、歌は世につれ、世は歌につれ、
人生、絵模様、万華鏡…


「神楽坂」
毘沙門天の おみくじを 坂の途中で 引いたのは
待ち人はもう いないけど 恋の証しを 結ぶだけ
お世話になった 店に寄り 挨拶済ませ 坂道を
鞄ひとつで 下りてゆく・・・






これほど惚れた素振りをしても、ほんとに悟りの悪い人。・・・


Tinko_2

 人の為(ため)と
 書いて
 いつわり(偽)と
 読むんだねぇ  






俺とおまえは、玉子の仲よ、俺が白身で黄身を抱く





『お風呂物語』が選ばれる理由がここにあります。

Diy_2


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