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2016年11月25日 (金)

妄想劇場・・(1曲の出会い)言葉のチカラ…

妄想劇場・・(1曲の出会い)言葉のチカラ…

作詞家は、1曲の詞を書くために、言葉を巧みに操り、
その時代を象徴する言葉を探した。
その言葉は多くの老若男女の心を掴んで離さず、
その歌はヒットした。

B1

カスバの女

カスバは、国または都市の域内を意味するアラビア語の
カサバから出た言葉で、軍隊の駐留する城砦、または
城砦をもつ地方の中心都市を指します。
ただし、北アフリカでは、地域により、少しずつ内容が
違います。

1つはラバトやチュニスのように、城壁で囲まれていた
都市の一画、とくに城砦の部分を呼ぶ場合、
もう1つは、地方の小さな砦や地方官の屋敷、または
それらのある町全体を指す場合(とくにモロッコ)、
3つ目は、アルジェのように、ほぼアルジェリア人のみが
居住する旧市街を指す場合などがあります。

大高ひさをのこの歌詞が、戦前から戦後にかけて公開された
北アフリカを舞台とした映画から発想されたことは明らかです。
まず外人部隊を主題とした映画。
外人部隊は、簡単にいえば傭兵部隊で、ヨーロッパの
いくつかの国が金銭的報酬を条件に兵士を集め、
主として植民地の治安維持などに当てました。

とくに有名なのがフランスの外人部隊です。
国籍や前歴などはいっさい問わなかったため、
政治亡命者や犯罪者、食い詰め者、失恋男、
戦争マニアなどのたまり場ともなっていたといわれます。
そうしたところから、外人部隊の生活をテーマとして、
いくつもの映画や小説が作られています。

映画としては、1931年のアメリカ映画の『モロッコ』
(J.スタンバーグ監督)、
1933年のフランス映画『外人部隊』(J.フェデル監督)や
『ボー・ジェスト』、1935年の『地の果てを行く』
(J.デュヴィヴィエ監督)が有名です。

『ボー・ジェスト』は、26・39・66年の3回制作されましたが、
最も有名なのはゲイリー・クーパーが主演した39年の
W.ウェルマン作品です。
『地の果てを行く』はジャン・ギャバン主演で、
パリで殺人を犯してモロッコで外人部隊に入った男が、
彼を追ってきた密偵と争いを続けるが、最後には現地人との
戦いのなかで友情で結ばれて死ぬ、という物語です。

外人部隊映画ではありませんが、大高ひさをのイメージに
最も強い影響を与えたと思われるのが、1937年の
フランス映画『ペペ・ル・モコ』(J.デュヴィヴィエ監督)です。

ジャン・ギャバン主演で、粗筋はだいたいこんなふうです。
パリで銀行を襲ったペペ・ル・モコは、フランス本国から逃れ、
植民地アルジェのカスバに身を隠していました。
アルジェ警察は何とかして彼をつかまえようとしますが、
ペペは、迷路のようなカスバの街並みと仲間に守られて、
いつも巧みに逃れてしまいます。

ある日、彼は、パリから観光にやってきた女性ギャビーと
知り合います。
ぺぺにはイネスという愛人がいますが、ギャビーに
出会った瞬間、一目で恋に落ちてしまいます。
ギャビーもぺぺに魅力を感じ、2人は逢瀬を重ねます。
イネスは怒り、悲しみますが、ペペの心を取り戻すことは
できません。

ペペは、ギャビーの美しさに惹かれただけでなく、
彼女のなかに「パリ」を見いだしたのです。
それを彼は「メトロの匂い」と表現しました。
思い出すのは、なじみのカフェにビストロ、ダンスホール。
ぺぺが楽しい時を過ごした華やかなパリの思い出が、
ギャビーを通して蘇ります。

ある日ギャビーは、ぺぺが射殺されたと刑事から聞かされ、
傷心のまま、帰国するために港に向かいます。
しかし、それはぺぺをカスバからおびき出すための刑事の
策略でした。

それを知ったぺぺは、捕まるのを覚悟でギャビーを追います。
波止場の鉄柵越しに、船上に立つギャビーの姿を見つけた
ペペは、大声で呼びかけます。その瞬間、出航を告げる
船の汽笛が鳴り響き、彼の声は彼女に届きません。
出て行く船を見送るペペの手に手錠がかけられます。

ペペは、隠し持っていたナイフでわが胸を刺します。
最期の瞬間に彼の脳裏に浮かぶのは、あの懐かしい
パリの光景でした。

B26

アメリカ映画は、原題名をそのままカタカナで書く例が
多いようです。
しかし、この映画のように正鵠を得た日本語で表現されると、
その作品がいっそうすばらしく思えます。

二木紘三のうた物語
http://duarbo.air-nifty.com/

作詞:大高ひさを、作曲:久我山明、唄:沢たまき

1 涙じゃないのよ 浮気な雨に
  ちょっぴりこの頬 濡らしただけさ
  ここは地の果て アルジェリヤ
  どうせカスバの 夜に咲く
  酒場の女の うす情け

2 唄ってあげましょ わたしでよけりゃ
  セーヌのたそがれ 瞼の都
  花はマロニエ シャンゼリゼ
  赤い風車の 踊り子の
  今更かえらぬ 身の上を

カスバの女




A51


P R

入れてもらえば 気持ちは良いが、
どこか気兼ねな もらい風呂

Dr1

お風呂物語』が選ばれる理由がここにあります。


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