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2016年11月 1日 (火)

信じれば真実、疑えば妄想……漢の韓信- 皇帝と楚王

信じれば真実、疑えば妄想……

昨日という日は歴史、今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー

こうして、こうすりゃ、こうなるものと、知りつつ、こうして、こうなった

メジャーでは無いけど、 こんな小説あっても、
良いかな !!


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい


Kanshin021111 

 韓信

 紀元前二〇〇年代の
 中国大陸。
 衰退した秦の末期に
 生を受けた韓信は、成長し、
 やがて漢の大将軍となる。

 「国士無双」「背水の陣」
 「四面楚歌」
 そんな彼を描いた小説。





漢の韓信-(148) 皇帝と楚王

韓信と鍾離眛の間に交わされた最後の会話は、余人には理解し難い。
想像できることは、幼き日から積み重ねられた数多くの思いが
複雑に入り交じっていた、ということぐらいである。
鍾離眛に限らず、この大陸に住む男には、面子めんつを重視する
傾向がある。
当時の状況からいって、鍾離眛を庇護できる人物は、韓信しかいなかった。
だが、鍾離眛にとってその状況こそが、逆に屈辱であったに違いない。
眛にとって、韓信は決して負けたくない相手であったのだ。
しかし韓信の口から不用意に放たれた言葉は、そのような彼の思いを
否定するものであった。
つまり、鍾離眛は相手に比して自分が小さな存在であることに
耐えられなかったのである。たとえそれが事実であるにしても。

陳平という人物は、数々の奇策で敗勢だった漢を救った。
その功績が認められて後々まで権勢をふるい、
最後には丞相の地位まで登り詰めた男である。  
ただしこの時点での彼の肩書きは、范増を死に至らしめたとき以来の
護軍中尉のままであった。  
その陳平は、これより以前、諸将の意見が韓信誅罰に
傾いていることを知り、事前に皇帝劉邦と話し合っている。
「……諸将の意見はどのようなものでしたか?」  
陳平がそう質問したとき、劉邦の態度はまだ定まっていなかった。
「韓信を滅ぼそうというのが大勢のようだ。……

しかし、それも無理のないことだ。あいつらにとって韓信は
最大の競争相手だからな。
樊噲や夏侯嬰、周勃などの古参の将軍たちは、古参であるが故に、
韓信には負けたくなかろう」 「陛下のお気持ちは、どうなのです? 
その……誰が最大の功臣か、という点ですが」
「本人の前では増長するだろうから言えないが……
武勲の大きさから言って、文句なく韓信だ。
諸将どもは口では韓信を穴埋めにするべきだ、などと言ったりするが、
現実的にそれを実行できる能力はない。
自分らの手の届かないところで、韓信が勝手に滅び、
自分たちの出世を阻む存在がひとりでに消えてなくなることを
望んでいるのだ」

「難しい問題ですな、それは。私も人ごとのようには思えませぬ。
新参者の私を周勃どのや灌嬰どのはあまりいい目で
見ておられぬようですからな」
「……わしはどうしたらよいのだろう」 「まずは問題を整理しましょう。
第一に楚王が叛いたと誰かが告げた、とのことですが……
その叛乱の事実を知っている者はいるのでしょうか」
「誰もおらぬ。あるいは根も葉もない噂に過ぎぬかもしれん」
「なるほど……では楚王韓信はそのような上書が陛下に
届けられたことを知っているのでしょうか」

「まだ知らぬはずだ。確証はないが」
「そうですか」 「敵情を探るのは、そもそもお前の領分だろう。
わしに質問すること自体、間違っているのではないか?」
「いやいや、ひとくちに敵情とおっしゃりますが、まだ楚王が
敵と決まったわけではありませんぞ……。
しかし、仮に楚王を敵に回すとして……陛下の兵は、
その精鋭さにおいて、楚兵と比べてどうでしょう」
「及ばぬ。楚兵は伝統的に強いと言われているからな」

「では、将軍の質は? 楚王韓信に指揮力、統率力において
まさる将軍が陛下の配下におりますでしょうか?」
「いや、おらぬ。韓信を上回る用兵家がいると言うのなら、
連れてきてもらいたいくらいだ」
「では、おそれながら陛下が韓信と戦うことは無謀であるとしか
言いようがございません」

「だから聞いておるのだ。わしはいったいどうしたら、と……」
「考えがございます」  陳平は、その場で劉邦に一計を授けたのだった。  
そして、会議の席である。姿を現した陳平は、控えめな咳払いとともに
話し始めた。
「……将軍方の意見は、上書の内容を信じ、楚王を誅罰する方向に
傾いているようですが、どうやって誅罰するかが問題です
。楚王の兵は強く、現時点で用兵力をもって楚王を凌ぐ者もいない。
誅罰しようとした者が、返り討ちに遭う危険が高い、と言えましょう」
 陳平は蕭何と灌嬰が誅罰に反対であることを知っていたが、
あえてそれを無視して話を進めた。

「楚王を誅するにあたって、陛下の威を借りて我々が楚国内に入って
行動することは出来ません。楚は韓信の庭のようなものであり、
彼が兵にひと言指示を与えれば、我々はあっという間に
包囲されてしまうでしょう」 「…………」
「また、上書の内容を明らかにし、楚王の罪を声高々に
問責することもできません。
あまり追いつめすぎると、楚王は本当に叛くしか道がなくなります。

彼が兵を引き連れて関中に押し寄せたら、我々には
対抗できる手段も、人もいないのです」
「要点を早く言ったらどうだ」  もともと陳平のことを快く思っていない
周勃は、嫌味な口調で話を遮った。

「……では、言いましょう。韓信を捕らえるには彼を単独の状態で
国外におびき出し、口実を設けて逮捕する、これしかございません。
すなわち、このたび陛下には陳の雲夢沢うんぼうたくという名勝地に
物見遊山に出かけてもらいます。そこに饗宴を開く名目で諸侯を招待し、
その場で捕らえる……軍兵を従えた韓信を捕らえることは
至難の業ですが、平和な出遊にその身ひとつで拝謁にきた
彼を捕らえることは、一人ないし二人の力士がいれば済むことです」  

「それは、騙し討ちではないか。あまりに楚王に失礼であろう」
「そんな恥知らずな行為を、陛下や我々にしろというのか」  
諸将はそのようなことを次々に口に出して言った。
陳平はこれにむかっ腹を立てて反論する。
「あなたがたは、どうもお覚悟が足りないようだ。

そもそも上書があったからといって、楚王に本当に叛逆の
事実があったかどうかは、定かではない。
にもかかわらずあなたがたは、揃って楚王の失脚を望んでいる。
私がこうして提案しているのは、ひとえにあなたがたが
それを望むからだ! 諸君が、
韓信より下位の地位に甘んずることをよしとしないからなのだ」

「生意気な口をきくな! だいたいお前の作戦は、
どうしていつもそのように人を騙すことを前提にしているのだ! 
陰謀でしか物事を解決しようとしないのは何故だ!」
「決まっているではないか! あなたがたでは、
韓信に勝てないからだ。
それとも敗れて死ぬのを承知で、武人としての美意識を
尊重して正々堂々と戦う、とでもいうのか。
やめたまえ!とても勝ち目はない。私から言わせてもらえば、
これから滅ぼそうとする相手に礼節をもって
遇するなどというのは、偽善でしかない。

この際だからはっきり言っておくが、十中八九、韓信は無実だ。
彼を滅ぼすのは、彼が罪を犯したからではない。
あなたがたのために彼に罪を着せるのだ! 
後になってから知らなかった、とは言わせないぞ」
「この……ふざけるな!」  周勃が食って掛かった。
普段は朴訥で、まっすぐな性格の彼は、陳平の奇術めいた
施策を常々不満に思っていたのである。  

会議の場はあわや爆発寸前の様相となった。
「もうよさぬか。……お前たちの気持ちはわからないでもないが、
基本的に朕は韓信を捕らえることを、すでに決めている。
なぜかというと……」  
部下たちの争いを仲裁した劉邦は、そう言いながら
玉座から身を起こした。

「朕も年老いた。だから、自分が死んだ後のことを考えざるを得ない。
思うに韓信は……お前らと実力差がありすぎる。
このままわしが死ぬことになれば、天下は韓信のものになり、
それに不服を抱いたお前らは、叛乱を起こすだろう。
そうなれば、漢は終わりだ……。

わしとしては、生きているうちにお前らの不満の種を
除いておかねばならない」  
劉邦のこのときの発言は、諸将に衝撃を与えた。
皇帝が自分の死期を悟り、自分亡き後の天下を行く末を
案じた上での策略だとまでは、誰も想像していなかったのである。  
しかし、劉邦の韓信に対する警戒は、彼らには
極端すぎるようにも思えた。
特に灌嬰にとっては。 「楚王は、そのようなお方ではありませぬ」  
発言しにくい雰囲気の中、灌嬰はただそのひと言だけを発し、
なんとか意思表示をしてみせた。

「うむ。わしとて、引っかかるものはある。ここにいる誰もが
認めていることとは思うが、
韓信は王朝建国の最大の功臣であり、性格も安定した男だ。
だが……現実的に韓信が国家を転覆させる能力を有する限り、
不安は取り除かねばならぬ。たとえ
武人として恥ずべき方法をとらざるを得ない、としてもだ」  
皇帝のその言葉を最後に、会議はあっけなく終わった。
既に皇帝の意志が決定している限り、彼らがいくら議論しても
無駄なのである。 ・・・

つづく

Author :紀之沢直樹 (野沢直樹)
http://kinozawanaosi.com
http://mypage.syosetu.com/273441/


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る


作者不明
心が変われば、  態度が変わる
態度が変われば、行動が変わる
行動が変われば、習慣が変わる
人格が変われば、運命が変わる
運命が変われば、人生が変わる


A8_2


歌は心の走馬灯、歌は世につれ、世は歌につれ、

  人生、絵模様、万華鏡…




あんた




時は絶えず流れ、 今、微笑む花も、明日には枯れる


P R

カビの生えない・きれいなお風呂

お風呂物語

入れてもらえば 気持ちは良いが、
 どこか気兼ねな もらい風呂


Set11

『お風呂物語』が選ばれる理由がここにあります。

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