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2017年1月22日 (日)

妄想劇場・漢の韓信-(158)追いつめられて…

昨日という日は歴史、今日という日はプレゼント
 明日という日はミステリー

メジャーでは無いけど、 こんな小説あっても、
 
良いかな・・・

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい


Kansin

漢の韓信-(158)追いつめられて… 

韓信が彼のことを粘り強いと評したのはこのことであった。
しかし、当然蛮族と対峙するには生き残る能力があるだけでは
駄目で、軍を率いて勝利に結びつける能力がなければ、
あてにすることは出来ない。

「かつて秦の蒙恬将軍は匈奴に睨みをきかし、その進出を
封じてきた。 信、お前はその蒙恬の役目を担おうというのか。
聞くが……その役目はお前でなければ駄目なのか。
他の将軍では……」 「項王ならば、その鋭い気迫で匈奴を
封じることが可能でしょう。彼の気迫は彼を取巻く兵にも
伝染する…… 彼に率いられることによって、兵たちは
強くなった気持ちになるのです。

かつての楚が戦場で恐れられた所以が、そこにあります」
「しかし項羽は既に死んでいる。仮に生きていたとしても
あの男がわしの為に働くはずがない」
「では、章邯などはどうでしょう。章邯は単なる地方の
徴税官に過ぎない男でしたが、 ひとたび将軍の座を得ると、
瞬く間に烏合の衆だった秦軍を再編成し、当代最強の
軍を作り上げました。

なぜか。統率力に優れていたからです。彼にかかっては、
罪を犯した囚人も一人前の兵士と仕立て上げられる」
「死人ばかりを例に挙げるな。それほど漢は人材が
払底しているというのか。生きている人物を挙げろ。
もちろん、お前以外にだ」

「……では、私は陳豨を推薦いたします」
「ふむ。なぜだ」
「陳豨の軍事的な指導力や統率力については……
実はよく知りません。しかし、私にはわかるのです。
戦場で力を発揮する者と、そうでない者との区別は、
ここ数年の経験で感覚的にわかるのです。

彼なら、兵たちの能力を存分に引き出し、匈奴と対等に
わたり合える程度に戦えるでしょう」  
ここで韓信は「勝てる」とは言わなかった。
彼のこれまでの論理では、生者のうちで匈奴に
勝てるのは自分だけなのである。

他者に勝たれてしまっては、論理が崩壊する。
「他でもない、お前が言うのだから間違いないのだろう。
しかし、 当面は韓王信をあたらせてからだ。
それで駄目ならば陳豨を遣わそう。やはり勝てねば、
わしが行く。親征するのだ」

「陛下が……?」  韓信はこのとき表情を崩した。
幸いにして悟られることはなかったが、実はこのとき
彼は失笑をこらえたのであった。
「わしが自ら率いれば、兵たちの意気は上がり、
敗れることもあるまい。

問題はわしの指揮官としての能力だが……
信、お前はどう思う?」  
韓信はこの問いに断言するように答えた。
「失礼ながら陛下の指揮官としての能力は、
せいぜい十万人の兵を統率するくらいのものに過ぎません」

「嫌なほどはっきり言いよる……気に入らぬ。
そういうお前はどうなのだ?」
「私などは……兵が多ければ多いほど統率できましょう」  
皇帝はこれを聞き、笑い出した。
「おかしなことを言う。兵が多ければ多いほど力を
発揮するお前が、わしに捕らえられたのはなぜだ」 「

……さあ、ひと言で説明するのは難しい問題です。
強いて言えば、陛下は兵を指揮することよりも、
将軍を指揮することがうまかった、ということでしょう」  
善ク將ヲ將ス、…… この韓信の発言は、劉邦の
特徴をよく示した言葉として後世にまで伝わっている。

「まさに天授の才能、とでも言えましょうか」  
そう付け加えた韓信の態度は、 一見追従を
示したかのようにも見える。しかし、
実は彼の言いたいことは逆であった。

前線で兵を指揮する能力がないのだから、
邪魔にならぬよう後方に留まっていろ、
暗にそう言いたかったのである。  
つまり彼は皇帝を賞したのではなく、嫌みを
言ったのだった。  

国情は混迷を極め、匈奴にまつわる劉邦の施策は
ことごとく裏目に出た。
まず第一に、 匈奴と戦端を発した韓王信が
冒頓単于率いる軍に包囲された後、降伏して
寝返ってしまう。

韓王信は匈奴の将軍となったのだった。
これが紀元前二〇一年秋のことである。  
年が明けた冬に劉邦はこれを鎮めようと親征し、
逆に匈奴に包囲された。包囲はまる一週間続いたが、
漢の朝廷が冒頓単于の妻に大量の贈り物を送った結果、
劉邦はようやく解放され、講和が成ったという。  

この救出策は陳平の案によるものであった。
しかし漢が冒頓単于の妻に何をどのように送ったのかは
当時から機密扱いになっており、 現代に至るまで
明らかにされていない。  

韓王信が期待どおりの働きをしなかったこと、
劉邦の親征が失敗に終わったこと、これらはすべて
韓信が予期していたことである。・・・
・・・

つづく

Author :紀之沢直樹 (野沢直樹)
http://kinozawanaosi.com
http://mypage.syosetu.com/273441/

愚人は過去を、賢人は現在を、
 狂人は未来を語る

歌は心の走馬灯、歌は世につれ、
 世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…

夢は夜ひらく




Ongaku


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