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2017年2月21日 (火)

妄想劇場・漢の韓信-(162)策略…

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昨日という日は歴史、今日という日はプレゼント
 明日という日はミステリー


メジャーでは無いけど、 こんな小説あっても、
 良いかな・・・

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい


Kansin

漢の韓信-(162)策略…

「私は常に負けない戦いをしてきたつもりだ。
諸君が心配するのも無理はないが、今度の戦いも
今までの私の戦いとなんら変わるところはない。
十分に成算はあるし、根回しもすでにしてある」  
韓信は淡々と説明を始め、手始めに側近たちに
質問をした。

「皇帝は趙の地へ親征するが、その目的はなんだと思う」 「
謀反を起こした陳豨を討つためです」
「うむ。その通りだ。ではなぜ陳豨が叛旗を翻したか、
わかる者はいるか」
「いいえ……」  側近たちは一様に首を傾げた。

彼らには韓信がなにを言いたいのかがよくわからなかった。
「陳豨はもともと皇帝の信頼が厚い男であったが、
ひそかに現状に不満を持っていた。
私はとあるきっかけで彼と知り合うことになり、
彼に策を授けた。叛乱を使嗾したのだ」
「……!」
「陳豨が鉅鹿の太守に任命されたことは私にとって
僥倖ぎょうこうであった。かつて私のもとで弁士を
つとめていた蒯通は常に私に口酸っぱく言ったものだった。

『機会、機会。機会をとり逃しては大事を成すことは
出来ない』と。……私は彼の言葉に従い、
陳豨を造反に引きずり込んだ。
鉅鹿で私的勢力を作れ、匈奴に亡命した韓王信と結べ、
代王を僭称せよ、と……。陳豨の叛乱はすべて、
私の指示に基づいて行われている。

その結果、皇帝は首都の長安をもぬけのからにして、
戦地へ向かおうとしている。今のところ、状勢は
私の思うとおりに動いているのだ」
「……さすがは淮陰侯。その深慮遠謀には、
我らなどとても及びませぬ」

「お世辞を言うのは早い……問題はこれから先だ。
私は陛下の留守を狙い、長楽宮を襲おうとしているが、
君たち全員の協力を得たとしても、兵の数が
まったく足りない」  

韓信の側近は、この時点で二十名に満たなかった。  
そのうち、かつて韓信が彭城で項羽の追撃を
阻止したときに初めて結成されたいわゆる親衛隊に
由来する者が七割、残りの三割は韓信が楚王就任後に
仕えるようになった者たちである。  
よって三割は個人的な武勇も、あまりあてにできない。

「長安は城市として造営の途中であり、城壁も
未だ半分くらいしか完成していない状態だが、
都市としてはすでに機能を果たしている。
市中には居住区もあれば市場もあり、
幾多の人民がここに成功と繁栄を求め、
流入してきている。……

このことは良い面もあるが、悪い面もある。
市中には勤勉な良民が溢れているが、逆に
遊民や無頼の徒も溢れているのだ。……
西にある獄はすでに囚人でいっぱいだとの噂だ。
……だが私は、あえてそれを利用しようと思う」
「……囚人を兵として使う、とおっしゃるのですか?」
「そうだ。もちろん忠誠はあてにできない。しかし、
ものは考えようだ。人が罪を犯すのはなぜか。
……いろいろな状況があるが、共通して言えることは、
利に目が眩むからだ。

罪人として捕らえられている者は、その欲求に
打ち勝てない者たちなのだ。つまり、こちらが
利をつかませることを約束すれば、彼らから
忠誠も買える」

「あまり……気持ちのいい話ではありませんな」
「そうか? しかし人の道に反する、とまでは言えまい。
事実、秦の末期には地方の徴税官に過ぎなかった
章邯が囚人を兵として編成し、それを当時最強の
軍隊に仕上げた例もある。

私はひそかに軍人として章邯を尊敬しているので、
今回はその例にならいたいのだ。……
他に方策がない、ということもあるが」
「…………」

「囚人たちも生まれ変わる機会を得ることに
なるかもしれない。彼らは確かに悪人かもしれぬが……
私はかつて人から聞いたことがある。

人の性は、本来は悪だと。そして人生における
数々の経験が、それを善に導くのだ、と。
だから私も君たちも、人としての根源が悪であることは、
囚人たちと変わらない。

ただ彼らの人生には、善に導かれるきっかけが
なかっただけのことだ。我々がそれを与えると考えればよい」

「……淮陰侯がそれでよろしければ、我々には
反対すべき理由はございません」  
側近たちは口々にそう言った。  

しかし、誰もが「自分は善である」と言い切れる自信が
あったわけではない。だが韓信を含め、彼らは皆、
そのことを考えないようにした。

「兵の件は、それでいいとしても……最終的には
皇帝と戦うことになるのです。大義名分が必要です」
「うむ。……考えるところはある」  
韓信は、自分の頭の中を整理するかのように、
しばらく沈思すると、やがて話し始めた。
・・・

つづく

Author :紀之沢直樹 (野沢直樹)
http://kinozawanaosi.com
http://mypage.syosetu.com/273441/


愚人は過去を、賢人は現在を、
 狂人は未来を語る


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歌は心の走馬灯、歌は世につれ、
 世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…




「秘恋」



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