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2017年2月20日 (月)

妄想劇場・妄想物語

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信じれば真実、疑えば妄想・・


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青森に赴任している息子からの宅配便を開けて、
まだ朝露のかおりのするトウモロコシとリンゴを
手にした時、私は20年前の、もう一つの小包を
思い出しました。・・・

その冬、東京に初めての雪が降った夜でした。

カーテンを開け、道を隔てた小さな公園のほうを
見ていた5歳になったばかりの息子が、
「あの、おじちゃん寒いだろうね」とひとり言の
ように言って、しばらく経ってから、
インスタントラーメンの器を持ってきました。

「お湯を入れて持っていってあげる」
「いけません!」家内は、強い口調で器を
取り上げようとしましたが、息子は、
「おじちゃん、こごえ死んじゃうもん」と、
言うことを聞きません。

おじちゃんというのは、去年の秋口から
公園のあずまやに住みついた中年の男のことです。

いつまでも器を離さない息子に、家内はとうとう
根負けしたのか、熱湯を注ぎ、セロハンテープで
とめ、ビニール袋に入れて持たせました。

「横にしないのよ。渡したらすぐ帰るのよ」

真っ赤なヤッケを着て長靴をはいた息子が、
雪の降りしきる灯りのなかを通り、あずまやの
中に入っていくのを私はじっと窓から
見送っていました。

帰ってきた息子は、
「名前を聞いたから教えてあげたよ」と、
とても満足そうでした。

それから間もなく、男の姿は見かけなくなり、
息子もすっかり忘れた様子のまま、
季節は秋になっていました。

月曜日の朝のことです。

「こちら〇〇交番の者ですが……」
との電話に、私は一瞬ギクッとなって、
すでに遊びに出かけた息子の身に何か
あったのかと、あわてて受話器を持ちかえました

「お宅に、Yちゃんという坊ちゃん、
 いらっしゃいませんか?」

私はますます動転し、
「はい、おりますが、Yに何か……?」
と言う私に、電話の主は続けました。

「そうですか。それはよかった。実はですね、
 そのYちゃんに小包が届いているんです」

「小包?交番にですか?」
ほっとした私に、電話の主はなぜか嬉しそうに
話しました。
昨日交番あてに小包が届いたが、
差出人は青森県住人としか書いていない。

中にトウモロコシとリンゴ、それに一通の封書が
入っていた、ということでした。

「『私は、この冬まで〇〇公園の住人でした』
という書き出しなんです。その男がです。
もう一度やり直そうと青森に帰った、そのきっかけは、
Yちゃんという男の子なんだそうです。

名前は分かっても住所は分からない。
何とか探して小包を渡してほしいと、そういう
ことなんです。
何か心あたりありませんか?」・・・

息子からのトウモロコシとリンゴも、20年前の
味と同じように、何かほろりとしたものがありました。

・・・



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文中、「私」とあるのは、その先生 Hさんのことです。
わが家の3軒隣に若い30代前半の奥さんが住んでいました。
並んだ塀の内側はそれぞれ植木が成長し、
秋になると落ち葉が道路に飛び交い、毎朝誰かが
掃除していました。

3軒隣の若いかわいい奥さんも時々私と一緒になると、
「Hさんの奥様、おはようございます」
「あら、寒くなりましたね」と私。
「ウチの人、今日からコート着て出勤ですの」とニッコリ。
これが毎度、お会いする度に
「ウチの人、今日は私のプレゼントのベルトをしめて
出勤ですの」。
一言目は挨拶、二言目はご主人の報告。

私には、彼女のご主人が上着を脱ごうが着ようが
どっちでもいい。
でもこんなかわいい奥さんが、こうまで話している
ご主人って、どんなすてきな人だろう、と
その度に思っていました。

ある朝、彼女に誘われました。

「Hさんの奥様、私『有名な宗教団体の名前』に
通っていますの。月に一度経験談を発表するんですけど、
今晩ははじめてウチの人の番なんです。
是非いらしてください」

「今晩9時から? 喜んで参加させていただくわ」
”ウチの人”に会えると私も期待して出席しました。
二人の男性の話が15分ずつ位あり、20人位の
男女が座っていました。
最後が”ウチの人”でした。

はじめの10分間で私はイライラしてきました。
どこで誰が何をしたか、さっぱり分からない。
私はそのころ、小学校の教師。生徒がそんな
話し方をしたら、すぐ注意するところです。

周囲をそっと見るとみんないい方ばかり。
目をつぶって柱にもたれておられました。
私もその姿勢になり、奥さんを見ると、
彼女はご主人の前で、一言一言うなずいて
聴いていました。

あっ、これはすぐには終わらない、と私も居眠り体勢。
50分過ぎて、「短いですがこれで終わります」。
皆ザワザワと座り直し、お二人は私の横の席に
戻ってこられました。
驚いたのは奥さんの言葉です。

奥さんのそんな反応は想像もしていませんでした

「お父さん、今晩のお話、とってもすばらしかったわ」
奥さんは目を輝かせてそう言います。
ウソ偽りのない澄んだ眼差しです。
「うん」とご主人の笑顔。
それを見た時、私は体がふるえました。
なんというエライ奥さんだろう。

私だったら、主人がこんな話をしたら、
夫婦ではない顔をして、サッサと先に帰ったろうに。
夫婦とは夫が才能があるから、または仕事が
できるから尊敬するんじゃない。
夫そのものをすべて愛する、それが妻なんだ! 

私はなんて悪い妻だったろう。
かわいげもなく、口には出さなくても、
主人の採点をしていた自分だった、とぞっとしました。
その日から私は変わりました。

主人の行動を全部受け入れようと。
それが結局は二人の子供たちにもいい影響を
与えました。

ところで私も教育者のはしくれ、今日までに
何年もかかって、愛とは何か、孔子の「仁」から、
プラトン、釈迦、結局はキリストの「神の愛」
「汝の敵を愛せよ」に辿りつきましたが、
愛の表現語として、日本語の「惚れ込む」が
あったことに気付きました。

作家・三浦綾子さんが、
「私は夫、光世さんに惚れ込みました!」と
講演会で言われたことがあります。

彼女が結核で北海道の病院にいた時、
クリスチャン青年の三浦氏がお見舞いに。
何回目かに「治ったら結婚したい」と言われ、
「治らなかったら?」
「それなら誰とも結婚しない」。
その言葉に彼女は感激しました。

幸い新薬も開発されて退院し、何の迷いもなく
お二人は結婚。
お互いに「惚れ込む」間柄になったそうです。

夫婦は欠陥をさがし合ってはいけない。
「愛(ラブ)」という言葉は世界共通ですが、
「惚れ込む」は日本語にしかない。

真の家庭は惚れ込む夫婦から
始まるのではないか、そう思うのです。・・・

Author :ゆるゆる倶楽部
http://yuru2club.com/wp/?p=9899




こうして、こうすりゃ、こうなるものと、 知りつつ、
  こうして、こうなった



Photo



歌は心の走馬灯、歌は世につれ、
 世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



「別離 」




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