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2017年2月 7日 (火)

妄想劇場・番外編・「八 音 琴 」

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なぜ、美人はいつもつまらない男と結婚するんだろう?
賢い男は美人と結婚しないからさ。・・・



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「八 音 琴」


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蘭華にとって、見るもの全てが驚きでもあった。
コンビニは、いたるところにあり、周りに何も無い
山の中にも存在し、店の中は新鮮な商品で溢れている。
「道の駅」と言う公衆トイレもいたるところにあり、
どこも中国とは比べ物にならないくらい綺麗である。
ショッピングをしても、店員さんは皆、笑顔だ。
そして親切だ。

生まれて初めて入った露天風呂、生まれて初めて
見る火山。
人間と楽しく対話をしている様に見える海の動物たちの
ショウ。
二十六歳にもなっていた蘭華は、まるで子供の様に
はしゃいでいた。蘭華は移動中、気に入った場所となれば
『もっと居たい』と、行きたい所があれば、
『あそこに行きたい』と、自由にわがままも言える様に
なっていた。

それと、蘭華の日本語は、すっかり流暢に変わっていた。
頭の中では日本語でも物事を考えられ、
すぐに日本語で応える事も出来る様になった。
蘭華は生まれてこの方、これほど楽しそうな表情を
したことはあっただろうか。誰に束縛される事も無く、
自由な国で、自由に旅が出来るなんて、
蘭華にとって、まさに夢の中の出来事となっていた。

西村「これからは、山の中のドライブになるよ。
景色も良くはないから、寝ていてもいいよ。」
西村は、隣の助手席で眠そうにしていた蘭華に声を掛けた。
蘭華「いいの、大丈夫、西村さんこそ、ずっと運転していて、
疲れてるでしょ? はい、これ・・・」  
蘭華は、自分の飲みかけのスポーツドリンクを運転中の
西村の口元に差し出した。

西村は照れながら、蘭華が口を付けたペットボトルを
躊躇なく口にした。 蘭華「はい、これもいかが・・・?」  
蘭華は次に、自分がさっきまで食していたスナック菓子を
摘まみ、西村の口元に持っていった。
運転を続けている西村は、戸惑いながらも
口を大きく開けた。

その西村の唇に、蘭華の小さな細い指が、口付けでも
するかの様に、そっと触れた。
西村「こうやって、お菓子、食べさせてもらうの、
久しぶりだなぁ・・・。
若い頃は、女房もよく、こうしてくれたよ・・・」
蘭華の大きな瞳は、照れながら運転を続ける西村の
横顔を、微笑みながらじっと見つめていた。

西村「うちの女房なんかは、車に乗ったとたん、
すぐ寝ちまうよ。でも、こうやって君と話していると、
運転も楽しいもんだ・・・」
蘭華「西村さんったら、また、奥さんの話・・・。
いつも、いつも、私との会話に、奥さんが出て来る・・・。
今は、西村さん、私とだけなのよ・・・。
少しは奥さんの事、忘れて欲しい・・・」

西村「ごめん、ごめん、分かったよ。君とのデート中は、
君が恋人さ。もう、女房の話、しないからね・・・」  
蘭華は化粧ひとつしない女であったが、
誰もが見とれてしまう程、美しい女であった。
そんな蘭華から、ほのかに漂う女の香りに、西村は
胸のときめきさえも感じていた。

そして二人の旅行はとうとう、最後の日を
迎える日が来た。
蘭華「ねぇ・・、西村さんだったら、仕事と恋と、
どちらを選びますか?」
西村「そうだねぇ・・・、恋の程度にもよるけど、
互いに相手を失いたくなければ自然と仕事を
捨ててしまうだろうね。

でも、片想いだったら、それも出来ないよね。
僕の妻は結婚前、東京で教師をしていたよ。
公務員という、なかなかなれない職業だったけど、
彼女はそれを捨てて、僕のいる北海道に来てしまったよ。
お互いに熱くなると、冷静さを失う事もあるんだ。
その時の妻は冷静さを失っていたのかもしれないね。
でも、その様な時には、近くに必ず助言をしてくれる
人がいるもんだ。」

蘭華「奥さん、西村さんのこと、今でも愛してる?」
西村「さあね・・・。家庭を持つと愛だけでは
生きられなくなるもんだ。金銭的なこと、
互いの親類のこと、いろいろ複雑さが出て来るよ。
心が離れ、義務だけで夫婦でいる家庭もあれば、
歳をとっても愛し合っている夫婦もいる。」

蘭華「西村さんは、どっちなの?」
西村「・・・、まだ、お互いに話し合った訳でも無いけど・・・、
僕自身、別れるつもりで家出した時もあったよ。
それも、一度だけじゃない・・・ 家を出る度に、
何日かしたら僕は家に戻ったけどね・・・。
別に好きな女性がいた訳でもなく、
別れる勇気が無かったね・・・。 」

蘭華「何故、奥さんと別れなかったの?」
西村「子供たちが心配だったから・・・、
子供たちと別れ別れになりたくなかったからね・・・。
その子供たちが、皆、独立して一人前になったら、
僕も妻も、もう一度、新しい人生を探すかもしれないなぁ・・・。
いわゆ熟年離婚かもしれないなぁ・・・」

蘭華「私も今、迷っているの・・・」
西村「あぁ・・、解っているよ。
蘭華、恋をするってことは、辛いことだね。
僕も今まで、たくさんの恋をしたよ。」  
蘭華「えっ、奥さんがいても、男の人って恋をするの?」
西村「そりゃそうさ。人間だもん・・・。
でも、妻がいればどこかで諦めなければいけない。 
これがまた、辛いんだよね・・・」

蘭華「私、まだ、仕事捨てられない・・・。
家族の面倒も見なければならないし・・・。
でも、大阪の彼、私を好きだと言ってくれた。」  
西村「でも蘭華? その彼は、君を大切にして
くれているの? 
福田さんから君を奪い取る覚悟はあるのかな?」

蘭華「・・・・・」
西村「女は愛するより愛されないと、幸せになれないよ。
男は愛する女の為ならば、自分の命までも
犠牲に出来るんだ。それが家族であっても愛していれば、
自分自身を犠牲に出来るもんだよ。」
蘭華「私、結婚したい。早く結婚したい。
結婚出来るかなぁ・・・?」

西村「結婚を人生の目標にするべきじゃないと思うよ。
人生の過程と考えるのも、ひとつの考え方だと
思って欲しいな。そうしないと出合った男がどんな
男であろうと、結婚が前提になってしまう。
でも、年頃の女性にとっては、難しい問題だろうね・・・」

蘭華「私、もう、年齢、若くない・・・」
西村「何を言っているんだよ。まだまだ若いじゃないか・・・。
もし、君が四十歳になっても独身で、僕が熟年離婚でも
していたら、僕、君にプロポーズするかもよ・・・」

蘭華「えっ? やだ・・・、私、四十歳までには結婚したい・・・。
でも西村さん、それ、約束よ?」
西村「ははは・・・、君が四十歳の時は、僕は六十三歳だ。
結婚したら、すぐに介護が始まるぞ・・・」
蘭華「でも、私、自由が無いの・・・。
誰かを好きになっても、誰かが私を好きになってくれても、
必ず福田さんがそれを邪魔するの・・・。
私、自由になりたい・・・」

西村「君は間違った道を歩いてしまったね。
知らないで入ってしまった道だけど、間違いに気付いたら、
方向を変えなければいけないよ。
早く、穴から抜け出さないと・・・」
蘭華「でも、どうすればいいの?」

・・・
つづく

Author :夢庵壇次郎
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歌は心の走馬灯、歌は世につれ、
 世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…



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