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2017年3月 8日 (水)

妄想劇場・漢の韓信-(164)策略…

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昨日という日は歴史、今日という日はプレゼント
 明日という日はミステリー


メジャーでは無いけど、 こんな小説あっても、
 良いかな・・・

アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい

Kansin

漢の韓信-(164)策略…

その昔、あのお方は臣下の額の汗を拭き、
同じ食事を勧め、同じ車に乗せるほど、厚く遇した。
それがあのお方の度量の深さであったのだが…
今やあのお方は過去の自分の度量を悔いておられる。

臣下に与えた領地を取りあげ、ことあるごとに
約束を違える。人として許されるべき行為ではない」
韓信がそう言って座を外したところで、側近たちは
互いに小声で語り合った。

我らが主君は、お若いのに落ち着きのある方であると
思っていたが…意外に青臭いことも言うものだな!と。  
しかし、彼らの多くは主君たる韓信を敬愛していたし、
彼の言うことならば疑わずに従う者が多かった。

親衛隊として以前から韓信に従っていた者たちは、
特にそうである。
だが、一部にはそうでない者も存在した。  
新参者の中には直接に韓信の武勇を目にしたことがなく、
過去の劉邦と韓信の関係についても知らない者が
何人かいたのである。

つまり、側近たちの中には韓信が好きで従っている者と、
ただ運命の流れのままに従っている者とが混在していた。
このため彼らの忠誠の度合いもさまざまであり、
その結果、一枚岩となれなかったのである。

皇帝が親征を開始し、函谷関を出たことを確認すると、
韓信は行動を起こした。夜中に獄を訪れると、
彼は強い口調で獄吏に通達した。

「勅令である」獄吏はその言葉を聞くと、跪いて畏まった。  
韓信は兵を強奪するにあたって、皇帝の権威を
利用したのである。

「皇帝陛下は親征なされたが、斥候の情報によると
謀反人陳豨の勢力は八十万に達することが判明した。
陛下の軍は精鋭であるが、数においては陳豨の
軍がやや勝る……。

そこで陛下は私に、諸官庁の囚人労務者を
解放して兵となし、しかるのち参軍せよ、と命じられた」

「ははっ!」この種の論調で韓信たちは市中にある
いくつかの獄から囚人を駆り集め、急造の軍とした。  
次いで武器庫に侵入し、同様の論調で倉庫番の
小役人を説き伏せ、武器を調達した。

「武器の携帯は必要最低限にとどめよ。
戟や鉾をいくつも集めたとて、訓練もしていない
囚人たちには、うまく扱えぬ。
彼らには、弩を用意するのだ!」

弩は引き金を引くだけで発射できる。
さほど腕力がいらず、命中精度を高めることも
弓に比べると容易であった。  

韓信が得た兵はほとんど軍事的には素人
同然だったので、この種の武器が入手できたことは
幸運であった。
兵たちに武器を与え、かつ鎧や甲などの装備品を
支給すると、韓信は囚人たちに恩賞を約束した。

「私がこれからやろうとしていることは、いわゆる謀反だ。
しかし、謀反は成功すれば謀反ではなくなり、
革命と呼ばれるようになる。だからくれぐれも
悪事を働くような意識では臨まないでほしい。
君たちは、半ば強制的に私に協力するはめになった。

もちろん成功後の報奨は十分にする。生涯にわたって
賦役を免じ、能力のある者には政治にも関与させよう。
金品も存分につかませる。……
だがそれは、すべて終わってからの話だ」

囚人たちは自分たちがどのような立場に立たされているか、
即座には理解できなかった。
しかしやがて、 「名に聞こえし淮陰侯様と行動を
共にできることは、我々には望外の幸運。

道を誤り罪人として獄につながれた我々ですが、
まっとうな道に戻れる機会をお与えくださったことを
感謝いたします」という内容のことを口々に言い、
韓信への臣従の態度を明らかにした、という。

「うむ。心強い言葉だ……。
君たちが過去にどのような罪を犯したのか、私は知らない。
君たちがどの程度私に忠誠を捧げてくれるのか、
私にはわからない。だが、ことは急を要する。

私は君たちを信用し、恩賞を約束した。
君たちは恩賞につられて謀反に加担する形になるが…
自信を持って行動してほしい。

決して利を追及することを気に病むな。
君たちが生き延びて恩賞に授かりたいと望む心こそが、
私を勝利に導く。生き延びて瀟洒な暮らしをしろ。

豪勢な食事にありつけ。飽きるほどの贅沢三昧をせよ。
無欲な者は生き残ることができぬ。
そして生き残る者が少なければ、我々は敗れるのだ」

韓信は心ならずも、囚人たちにそう訴えた。
当てにならない忠誠心よりは、短期的には欲を
喚起した方が効果的だと考えたのである。  

韓信は囚人たちを要所に配置し、時期を待った。
皇帝の軍が陳豨の軍と戦端を開くのを待ったのである。
対外的には四日後に長安を出発し、皇帝の軍に
合流する、とした。

朝廷もそれを疑わず、計画は成功するように思われた。
韓信が長く抱えていた問題が解決したのは
ちょうどその頃であった。・・・


つづく

Author :紀之沢直樹 (野沢直樹)
http://kinozawanaosi.com
http://mypage.syosetu.com/273441/


愚人は過去を、賢人は現在を、
 狂人は未来を語る


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歌は心の走馬灯、歌は世につれ、
 世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…




「あまり突然だから」


   


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