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2017年3月30日 (木)

妄想劇場・漢の韓信-(167) 悪意の絆…

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昨日という日は歴史、今日という日はプレゼント
 明日という日はミステリー



メジャーでは無いけど、 こんな小説あっても、
 良いかな・・・


アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい


Kansin

漢の韓信-(167) 悪意の絆…

灌嬰が自分の見出した武将のひとりで
あったとしたら、陳豨もそうであったのである。
彼のしたことは、自ら将来有望と見込んだ
二人の武将を戦わせ、その一方を死に
追いやることであったのだ。

おまけに結果は彼自身の望まぬ形となった。
決して灌嬰が死ぬことを望んだわけではないが、
二人が戦った結果、生き残ったのが灌嬰の方で
あるということに、韓信は確かに失望を
感じたのであった。

「して、君の使者としての用件は、私にも戦勝報告を
することなのか」
韓信は内心の動揺を灌嬰に悟られまいとして、
やや毅然とした調子で話題を転じた。
「いえ、そうではありません。
あやうく忘れるところでした。

私は相国の使者として参ったのです。……
つまり、陳豨討伐の成功を祝い、宮中にて
呂后主催の祝賀が催される、と。淮陰侯はご病気で
体調が優れないとは思うが、なんとか参内して
祝賀を申されたい、と相国は申しておりました。

諸侯は皆、参内することになるそうです。
ゆえに淮陰侯も、是非にと……」
「蕭相国が……」
ひとしきり考えた韓信は、迷いつつも答えを出した。
蕭何は自分を見出してくれた男であるし、
自分が逃げ出したときは、後を追いかけてまで
来てくれた男であった。
その彼が、自分を陥れるようなことはしない、と。

「……伺おう。明日の昼には長楽宮に赴き、
呂后の御前に参内する」それは、自分自身に
発せられた、呂后襲撃計画の中止宣言であった。

「心底、疲れましたよ」長楽宮に赴いて
呂后に復命し、与えられた居室で相国蕭何と
二人きりになる機会を得た灌嬰は、そのように
本音を漏らした。

彼は蕭何によって戦場から呼び戻され、
本来なら三日程度かかる距離を、
わずか一日で走破したのだった。

「大丈夫なのだろうな。本当に……
淮陰侯は、明日やって来るのだろうな?」
「間違いないと思いますよ。
淮陰侯は、戦略以外で嘘をつくお方ではない」
「様子はどうだった? 

言動などに密告は正しいと感じさせる
なにかがあったか?」
「……陳豨が死んだと聞いたとき、淮陰侯は
激しく動揺なさっているご様子でした。
もともとあまり表情をあらわにしないお方なのですが
……さすがに隠しきれない様子で……
あのとき私は、密告の内容が正しいことを
確信いたしました。……

淮陰侯は確かに陰謀を巡らしております」
灌嬰はそう答えたが、韓信を誹謗している
口調ではない。むしろ憐れんでいるようであった。
「そうか……よくわかった。将軍、君は急いで
前線へ帰れ。今すぐ戻って、陳豨と戦うのだ」

蕭何の言葉には、疲れたと言っている灌嬰に
さらに労働を強いる非情さが現れているが、
その他にもうひとつ重要な意味が込められている。

この時点で陳豨は死んでいなかった。つまり、
彼らは共謀して韓信を騙したのである。
「今すぐって……明日、淮陰侯がいらっしゃるんですよ! 
私がいなければ怪しまれるじゃありませんか」

「後のことは私に任せておけ。君はいない方が
いいのだ。君は淮陰侯に心服している。……
だからきっと助命を請うに違いないのだ…
…だから君はいない方がいい。さあ、すぐ行け」

「助命って……まさか淮陰侯を殺すつもりですか? 
ねえ相国、落ち着きましょうよ。いったい何を
考えているんです!」
蕭何は灌嬰の物言いにあきれ顔をした。
「私に向かって『ねえ』とはなんだ。
よくもそんな言葉遣いであの律儀な韓信のもとで
働いてきたものだな。

彼は他人に対して峻厳な態度で臨むと
聞いていたが、どうもそうではなかったらしい」
灌嬰は反省したが、うまく質問をはぐらかされた
ような気がして、腑に落ちない。

「すみません」謝る態度にも、ふてくされた
調子が残る。灌嬰は、まだ若者であった。
「冗談だよ。そんな顔をするな。しかし君は
本当に韓信のことが好きなのだな」
蕭何はなだめるように言った。

「君の見た、韓信という男の印象を
聞いておこうか」
「はい……」灌嬰は、話し始めた。


つづく

Author :紀之沢直樹 (野沢直樹)
http://kinozawanaosi.com
http://mypage.syosetu.com/273441/


愚人は過去を、賢人は現在を、
 狂人は未来を語る


Photo_2



歌は心の走馬灯、歌は世につれ、
 世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…




「赤色エレジー」


「赤色エレジー」(せきしょくエレジー)は、林静一が
漫画雑誌『ガロ』に連載した劇画。また、
同劇画をモチーフとして発売されたのが
あがた森魚のシングル曲。

『赤色エレジー』が最初にレコードになった時、
作詞作曲あがた森魚となっている。
ところが、次の年違うレコード会社から発売された
時には、作詞あがた森魚で作曲八州秀章と
なっている。
最初にこのレコードが発売されたのは1971年。
幻燈社というところから発売されている。
そして翌年、今度はベルウッドという会社から
発売されている。
一年で作曲者が変わった?
これはどういうことなのか?



P R : 

G・ブラックコート 

黒の復活(黒のコーティング)

G02

未塗装樹脂部分の白くなっている
箇所を→ 黒くします。



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