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2017年4月21日 (金)

妄想劇場・歴史への訪問

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昨日という日は歴史、今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


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むかしむかし、芝居(しばい)がさかんな
村がありました。
少しでも時間があると、大人も子どももみんな
芝居の練習をしています。

ある年の事、この村で一番芝居の上手な権十
(ごんじゅう)おじいさんが、ポックリと死んで
しまいました。
おじいさんはあの世へつながる暗い道
を一人ぼっちでトボトボと歩いていると、
むこうから金ぴかの服を着たえんま大王が
のっしのっしとやって来ました。

「こら、そこの亡者(もうじゃ→死んだ人)」
「へえ」
「へえではない。返事は『はい』ともうせ。
それに何じゃ、お前のすわりようは」
「へえ。その、腰がぬけましたので」
「ふん、だらしない。・・・

ところでお前、確かしゃば(→人間の住む世界)では、
芝居をやっておったそうだな」
「へえ、よくご存じで。しかしわたしのは
芝居ともうしても、にわか芝(→しろうとの芝居)でして」
「そうか。そのにわか芝居とやらでかまわんから、
ここでやってみせろ」

「あの、えんまさまは、芝居がお好きでございますか?」
「いや、見た事がない。しかし、しゃばの者は
芝居を見て楽しんでおると聞く。
そこで、芝居をしておったお前が来ると聞いて、
わざわざここまで来たのじゃ。
さあ、芝居とはどのようなものか、やってみい」

「へえ、やってみいとおっしゃいましても、
わしはこの通りの亡者でして、衣装も何もございません」
「衣装がなくては、芝居が出来ぬのか?」
「へえ、出来ませぬ。

もし、あなたさまが衣装を貸してくだされば、
地獄(じごく)の芝居をやってごらんにいれますが」
そこでえんま大王は、自分の衣装をぬいで
貸してやりました。

こうして、えんま大王がおじいさんの衣装を着て
亡者となり、おじいさんがえんま大王の衣装を着て
えんま大王になりました。

「では、芝居をはじめろ」
「へえ。さっそく、はじめましょう」
おじいさんはすっかり元気になって、すっくと
立ちあがりました。
「まずは、えんまのおどりでござい」

おじいさんがえんま大王の服を着ておどっていると、
そこへ赤鬼と青鬼がやって来ました。
「もし、えんま大王さま」
鬼たちはおじいさんの前に両手をついて、
ペコペコ頭を下げました。

「えんま大王さま。そろそろ、お戻りくだされ」
「ただいま亡者どもが団体でまいりまして、
地獄は大忙しでござります」

その時、亡者の衣装を着たえんま大王が、
あわてて言いました。
「このたわけめ! えんま大王は、このおれだぞ」
すると赤鬼と青鬼が、えんま大王を
にらみつけました。

「こらっ! 亡者のくせに何をぬかす。
お前は、はよう地獄へまいれ」
「いや、だから、おれがえんまだ。
おれが、本物の大王だ」
「無礼者!」

赤鬼は持っていた金棒で本物のえんま大王を
バシッバシッと打ちのめして、地獄へ
引きずって行きました。

「さあ、えんま大王さま、お急ぎください」
こうしてえんま大王の服を着た権十おじいさんは
青鬼に連れて行かれ、そのまま本当の
えんま大王になったという事です。・・・

おしまい


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むかしむかし、ある北国の川に、
太助(たすけ)とよばれる大きなサケが
住んでいました。

毎年、冬が近づくと、太助がたくさんのサケを
道案内して、川上の卵を産む場所へ
サケたちを連れて行くのでした。

「おお、今年もたくさんのサケが来たな」
「間違っても、大助だけはアミにかけるでないぞ」
「そうそう、毎年たくさんのサケが来るのは、
太助のおかげだからな」

漁師たちはそう言って、道案内の大助が
通り過ぎてからサケをとりはじめるのです。
太助は、とても大事にされていました。

ところがこの川の近くにサケ好きの長者
(ちょうじゃ)がいて、以前からサケの太助を
食べたいと思っていたのです。

ある日の事、この長者が、長者の家で
働いている大勢の人たちに言いました。
「サケの大助を、食ってみたい。
そこでみなの衆、大きなアミを作れ。
よいか、川幅いっぱいの大アミを作るのじゃ」

「えっ、あの太助をとるのですか?」
「そうじゃ。さあ、はやくアミを作れ」
「・・・・・・」
長者の言いつけなので、みんなは仕方なく
長い長い大アミを作りました。

さていよいよ、大アミが出来上がった
晩の事です。長者が眠っていると、
まくらもとに白いひげの仙人(せんにん)のような
おじいさんが現れました。

「これ、長者よ。明日の朝、大助がサケを連れて
川をのぼる。サケは、いくらでもとるがよい。
ただし大助だけは、アミにかけないでくれ。
たのんだぞ」
そう言い残して、おじいさんは消えました。

次の朝、長者は夜が明けないうちから、
家の者をたたき起こして川に行きました。
やがて海から波をたてて、数え切れないほど
たくさんのサケがのぼってきました。

サケのむれの一番先頭には、特別大きい
大助の姿が見えます。
それを見た長者は、大声でさけびました。
「それ、今だ! アミをはれ! 
大助を逃がすなでないぞ!」

川幅いっぱいに大アミがはられて、たくさんの
サケがアミにひっかかりました。
サケのうろこが朝日をあびて、キラキラと
輝いています。
今日は、今までにない大漁でした。

でもその中に、大助の姿はありませんでした。
「太助はどうした?! 太助を探し出すんじゃ!」
大声を上げる長者の前に、昨日のおじいさんが
姿を現しました。

おじいさんは長者に、悲しそうな顔で頼みました。
「長者よ、大助をとってしまったら、たくさんの
サケたちの道案内がなくなってしまう。
道案内がなくなれば、サケたちは川を
のぼる事が出来ん。どうか太助を、
見逃してやってくれ」

しかし長者は、首を横に振っておじいさんを
怒鳴りつけました。
「いやじゃ! わしは太助を食うんじゃ! 
ほかのサケがどうなろうが、わしは知らん!」

するとおじいさんの姿がスーッと消えて、
気がつくと長者の足下に特別大きなサケが
一匹、横たわっていました。
そのサケこそが、太助です。

「やったぞ! ついに太助を手入れたぞ」
長者は手をたたいて喜びましたが、
その日から長者は不運続きで、
やがてひどい貧乏になってしまいました。

そして次の年から、この川にはサケが
一匹も来なくなったそうです。・・・

おしまい


鬼が餅つきゃ、閻魔が捏ねる、そばで
  地蔵が食べたがる


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素顔






P R : 

G・ブラックコート  

黒の復活
(黒のコーティング)

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