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2017年6月11日 (日)

妄想劇場・歴史への訪問

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昨日という日は歴史、今日という日はプレゼント
明日という日はミステリー


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むかしむかし、つるぎ山という、すもう取りがいました。
はじめはガリガリの小さな体でしたが、
いっしょうけんめいけいこをして、ズンズン
大きくなりました。


「はやく大関(むかしは大関が一番強い位でした)になって、
お母さんに喜んでもらうんだ」
つるぎ山は大関になるために、毎日きびしいけいこを
続けました。

ところがある日から、つるぎ山は急に弱くなって
しまいました。自分よりも体の小さい者にも、
コロコロと負かされてしまうのです。
さっきのは、ちょっとゆだんしたからだ。
もうゆだんしないぞ。さあこい!」
でもやっぱり、いくらがんばってもコロコロと
負けてしまいます。

「もうだめだ。残念だが、すもうをやめよう」
そして、お世話になった親方(おやかた)に言いました。。
「わたしは、もう限界です。田舎へ帰ってお母さんの
そばで働くので、ひまをください」

しかし親方は、つるぎ山をはげましました。
「調子の悪い時は、誰にでもある。もう少し、
ガマンするのだ。負けてもけいこを続ければ、
必ず強くなる」

けれどつるぎ山は親方の家を逃げ出して、
お母さんのいる田舎へ帰ったのです。
「お母さん、すもう取りになりましたが、
どうしても大関になれそうもありません。
これからは田舎で働くので、お母さんのそばへ
おいてください」

手をついてあやまるつるぎ山に、お母さんは
きびしく言いました。
「いけません! そんな意気地なしは、お母さんの
子ではありません。もう一度、親方さんのところへ
帰って、しっかりけいこをしてごらんなさい。
大関になるまでは、二度と帰ってはいけません!」

「でも」
「はやく、親方さんのところに帰りなさい!」
「・・・はい」
そこまで言われれば、仕方がありません。
つるぎ山は親方のところへ、帰ることにしました。

その帰る途中に、けわしい山があります。
つるぎ山が山を登っていると、
「おーい、おーい」と、誰かが後ろから呼びました。

それは頭の毛がボウボウとのびていて、
体はやせて骨と皮ばかりの老人です。
「わたしに、何か用かね?」

「さようです。ヘヘヘへ。わたしをおいてきぼりに
しないでくださいよ。今朝はうっかりして
遅れましたが、わたしたちは、いつも一緒でしょう。
さあ、行きましょう」

「・・・? いつも一緒だって? 
お前は一体、誰だ?」
「わたしですか。ヘヘヘへ。わたしは、
貧乏神(びんぼうがみ)です。
いつもあなたに、ついているのですよ」

つるぎ山はビックリして、貧乏神の顔を
にらみつけました。
「わかったぞ! お前がついているから、
わたしはすもうに負けるのだな。そうだろう!」

「ヘヘヘへ。その通りですが、ちょっと違います。
わたしがいるから弱くなったのではなく、
あなたが弱いから、わたしがやって来たのです」

「わたしが弱いだと! なにを言う、わたしは
すもう取りのつるぎ山だぞ!」
「ヘヘヘへ。あなたのどこが強いのですか? 
ちょっと負けが続いたからといって、
親方のところから逃げ出して、
お母さんに泣きつくお人が」

「なっ、なんだと!!」つるぎ山は大声で
怒鳴りましたが、しかし貧乏神の言う事も
間違いではありません。

(確かに、貧乏神の言う通りだ。
わたしが意気地なしだから、貧乏神が
やってきたのだ。よし、元気を出そう。
貧乏神なんかに、負けてたまるか!)

つるぎ山ははだかになってまわしをしめると、
貧乏神に言いました。
「貧乏神! ひとつ、すもうをとろうじゃないか」
「ヘヘへへ。すもうですか? 
まあ、とってもいいですが、でも、
わたしの方が勝ちますよ」

「そんな事はない。勝つのは、このつるぎ山だ!」
「いいえ、意気地なしのあなたでは、
わたしに勝てませんよ」
「勝てないかどうか、ためしてみるがいい!」

つるぎ山は、ドシン、ドシンと、しこをふんでから、
貧乏神に組み付きました。
そして全身に力を込めて、
「えいっ!」と、貧乏神を投げ飛ばしたのです。

「おみごと! あなたはきっと、大関になれますよ」
貧乏神はそう言って、消えてしまいました。
そのとたん、つるぎ山の体に力がわいてきました。

力があふれ出て、自分でも強くなったのがわかります。
つるぎ山は元気いっぱいで、親方の家に帰りました。
そしてつるぎ山はけいこをつんで、それから三年目、
ついに大関になる事が出来たのです。

・・・

おしまい




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今から四百年ほどむかし。
あるボロ寺に、天極秀道(てんごくしゅうどう)という
お坊さんが住んでいました。
本当にボロ寺で、屋根は傾き、くずれた土塀
(どべい)の穴から中が丸見えでした。
それでも秀道はまったく気にせず、迷い込んだ
一匹のネコとのんびり暮らしていました。

ある年の春、秀道は寺の緑側(えんがわ)に座って、
ひざの上のネコの頭をなでながら何気なく言いました。
「『ネコの子ほども、役立たず』、という言葉があるが、
お前もそろそろ役に立つネコになってはどうじゃ?」

そのとたん、ネコはひざからピョンと飛び降りて、
「ニャーオ」と、鳴きました。
「おや、怒ったのかい? あははははは。
気にするな。今のは冗談じゃ。

お前は今のまま、役立たずでけっこう」
秀道はふたたびネコをひざに抱き上げて、
一日中ネコと一緒にひなたぼっこをしました。

それから数日後、表の方からにぎやかな
ウマのひづめの音が聞こえてきました。
「おや? 客かな?」
秀道が庭(にわ)に出てみると、七、八人の狩装束
(かりしょうぞく→狩りの時の服装)をつけた侍が、
次々とウマをおりて境内(けいだい)に入ってきました。

「何か、ご用かな?」
秀道が声をかけると、その中の主人らしい侍が
ていねいに頭を下げて言いました。
「わしは、彦根(ひこね→滋賀県)城主の井伊直孝
(いいなおたか)と申す。この地方を新しく将軍さまから
拝領(はいりょう→主人からいただくこと)することに
なったので、遠乗りのついでに土地を見に来た。

そしてたまたま寺の前を通りかかると、
ネコがわしに手招きをする。そこでつい、
立ちよったのじゃ」

「それはそれは。こんな破れ寺→荒れ果てた寺に、
よく立ち寄ってくださいました。
わたしはこの寺の住職で、天極秀道と申します。
ごらんの通りの貧乏暮らしで何もさしあげるものは
ございませんが、せめてお茶なりともいっぷくしてください」

秀道は一行(いっこう)を居間(いま)に案内して、
お茶の用意を始めました。
すると急に空がくもりだし、はげしい雷鳴(らいめい)と
ともに滝のような雨が降ってきたのです。

この寺に立ち寄らなければ、今頃はずぶぬれに
なっていたところです。
直孝(なおたか)は、とても喜んで、
「助かった。あのネコに招かれたおかげで、
運よく雨やどりが出来た。これも何かの
巡り合わせであろう」と、言いました。

「おそれいります。役立たずのネコにしては、
上出来でした。どうぞ雨があがりますまで、
ゆっくりしていってください」

城主だというのに、とても親しみやすい直孝の態度に
秀道はすっかり感心して、心からもてなしました。
直孝の方も、貧乏寺の住職とは思えない秀道の
人柄(ひとがら)にほれこみました。

やがて雨もあがり、直孝の一行は晴れ晴れとした
気分で寺を出ていきました。
一行を見送った秀道は、すぐにネコを抱きあげて
頭をなでました。
「人助けをするとは、大したやつ。おかげでわしも、
久しぶりに立派なお方と話すことが出来たぞ」

「ニャー」
ネコはうれしそうに、秀道の胸に顔をうめました。

この事がきっかけで、直孝はちょくちょくこの寺を
たずねるようになりました。
そしてその度に、秀道は直孝に仏の道について
語って聞かせました。

そのすぐれた秀道の知識に、直孝はとても感心して、
「これぞ、まことの高僧(こうそう)である」と、この寺を
井伊家の菩提寺(一家の先祖を代だいをまつってある寺)と
したのです。

こうして今までは荒れるにまかせていた寺は、
井伊家によって改築(かいちく)され、各地から次々と
修行僧も集まり寺は栄えていきました。

さて、あのネコは寺が立派になって間もなく
死んでしまいました。
秀道はネコのために石碑(はかいしのこと)を建てて、
命日には必ず訪れたそうです。

そして直孝もネコの事が忘れられず、秀道に言いました。
「あのネコは、観音菩薩(かんのんぼさつ)の化身(けしん
→仏が、人間や動物の姿に変身したもの)にちがいない。

わしはネコに招かれたおかげでそなたに会い、
仏の道のすばらしさを学び、寺を復興(ふっこう)させる
喜びまで与えてもらった。

どうだろうか、あのネコを招き観音として本堂のそばに
まつってあげては」
「はい。ネコにとっても、わたしにとっても、この上なく
ありがたいお言葉です」

この話しがたちまち広まり、『幸運を招くネコ』として、
お寺にお参りに来る人がますます増えたということです。

・・・
おしまい




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鬼が餅つきゃ、閻魔が捏ねる、そばで
  地蔵が食べたがる




「一度見ると忘れられない 動物たち」






P R :

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隙間産業(ニッチ市場

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