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2017年7月 7日 (金)

妄想劇場・特別編 (お妻様)

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昨日という日は歴史、今日という日はプレゼント
明日という日はミステリ

過去に起きていることから浮かび上がってくる
真実もある。・・・


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※ 高次脳=脳神経細胞が壊死することで起きる
精神神経的な障害で、
見てわかる身体のマヒなどとは違い人の内面の
精神活動や認知行動に起きる障害。
行動や感情がコントロールできなくなったり、
記憶障害や注意障害、遂行機能障害、
失語などがある

大病後も人生は続く


無数に出てくる病名症例の内で最も符合して感じられたのが、
「スケープゴート型のアダルトチルドレン」だった。

叱られた記憶しかない

アダルトチルドレンは、今ではずいぶんと使い古され
陳腐化された言葉に感じるし、現代的には
「生育環境に問題があったが故の不定形発達と、
それを主因とする心理症状や適応障害」などと
言い換えたくもなる。

だが当時としては、その「大人になってもうまく社会に
適応できずメンタルを病んでしまう理由を
機能不全家庭に求める」とする解釈が、特に当事者にとって
納得できるとして大いに共感をもって語られたものだった。

いくつか分類されるアダルトチルドレンの中でも、
スケープゴート=身代わり型とは、特に機能不全な家族の
問題の原因を、過剰に自分の中に求めてしまうというもの。
家族が壊れてるのは自分のせいであり、自分が犠牲になれば
それが解決すると誤認した子ども時代を過ごした者に
多いという。

特徴として自己否定の強さと自分の存在意義の喪失や、
非所属感や見捨てられ感情が強く、自罰感情や
自傷が多いなどなど。

思い当たる節は山ほどあった。とにかくダメな子として
叱られた記憶しかない彼女だった。
ルーツをたどると、彼女様の育った生家は、なるほど
なかなかに複雑だ。

曾祖父は東京の下町に金属加工業の工場を立てた創業者。
彼女様の父親は、その長女と婿の間の長男だ。
だが、曽祖父も婿で入った祖父も比較的若くして亡くなり、
彼女様の父は工場を継がなかった。

つまり、彼女様が生まれる前にその下町の古く大きな
家に住んでいたのは、創業者の妻だった曽祖母と、
江戸っ子気質で猛烈に癇の強い祖母、
そして家庭に無関心な趣味人でありあまり家に
寄り付かない長男(彼女様の父)、加えて工場を継いだ
大叔父と叔父。

なんだかNHKの朝の連続なんとかみたいな複雑設定だが、
そんな中に嫁として嫁いできたのが、彼女様の母。
嫡流として生まれた一人娘が、彼女様だったというわけだ。

彼女様の母は、どれほど大変だったことだろうか思う。

彼女様が物心つく頃には大姑の介護が始まり、
姑の希望は将来的には彼女様を跡取り娘として
婿を取ること。

ところが当の彼女様はお転婆娘を通り越して
暴れん坊娘。暴れる走る、片っ端からものを壊す。
そんな彼女様をまっとうに育てようと、この複雑な本家を
つつがなく維持しようと、日々娘を怒鳴りつけながら、
家の中を駆けずり回ったのだろう。

開戦のゴング

だがひとまず、僕の家に家出してきてハードな
リストカッターになってしまった彼女様について、
一番わかりやすい「原因」はこの母親、そして
癇の強い祖母であり、積み重ねられた叱責と
否定の記憶だ。

少なくともまずはその強い自己否定感の根源の
根源である家族から一度引き離し、そのあとに
「対峙」させることが、苦しみの緩和と解消への
道なのではないか。

「もうあの家(彼女様の実家)に帰る必要ないよ。
俺の部屋にずっといていい。連絡も取らなくていいし、
必要な連絡は俺がする。彼女様はダメな子じゃないし、
人より優れた部分がたくさんあるじゃないか。

彼女様は生きていていい。だいたいお前が死ぬと
自動的に俺も後追い自殺することになっているので、
できれば彼女様には死なないでほしい。

少し元気が出たら、(彼女様の)お母さんと戦おう。
俺が味方になるから」
そんなことを言ったのが、果たしてどこまで
正しかったのかはわからない。
そして、まさかこの彼女様の母親が、その後
僕の人生を何度も救ってくれる恩人になるとは、
この時点では思ってもいなかった。

母親と対峙せよ! 

僕自身が鳴らした開戦のゴングは、実は僕と彼女様の
戦いのゴングでもあったのだった。
「大介が怖い。怖いけど好き」彼女様に言葉のDVを
してしまった僕

圧倒的「汚部屋力」

子ども時代から「何をやらせてもできない子」という
母や祖母の叱責の中で育った彼女様。
避難的に我がアパートに家出してくるや盛大な
リストカットが始まったが、どうやらそれは「再発」であって、
実は中高時代にもリストカットはあったらしい。
聞いてないよ!

でも、でももう大丈夫。僕の家に来たからには、
来たからには、来たからには……。
彼女様が嵐のように舞い込んできた我がアパートは、
「戦場」になってしまった。

初めは父親の車で家出してきた際に持ち込んだ
小さな折り畳みテーブル周辺が彼女様の
私物置き場だったが、買い足しているのか
俺の知らぬ間に実家から持ち帰っているのか、
みるみる増える私物は、整理されることなく積み上げられ、
見事万有引力に従って雪崩を起こす。

テレビの前に積み重ねられるレトロなファミコンゲームの山と、
流れ出る8ビットのチープなゲームミュージック。
よく見ればどこの怪しい外国人から買ったのか、
数十のゲームが1つのカセットに書き込まれた違法ROMと、
その中に収録されているタイトルのオリジナル
ROMが混在している。

「この怪しい違法ROMがあれば、オリジナルって
要らないんじゃないの?」
そう聞けば、「要るの! 紙の箱が大事なの!」と
むくれ顔。
 
はあそうですか。そんな大事ならしまっておけばいいものを。
床に出しっぱなしで、たまにその上に座ったりもしてる
パッケージの箱は、昭和時代からの歴史を感じさせる
見事なボロボロぶりじゃねえか。ていうか
君はなんでそんなに平気な顔で「物の上に座る」の?

かと思いきや、ステレオ周りにはビジュアル系、
ボサノヴァ、渋谷系、オールディーズと、
時代もジャンルも一切の節操を感じないCDが
積み重ねられ、隙間という隙間にペットボトルの
キャップフィギュアが並べられていく。

服は脱ぎっぱなし。それを僕が黙って洗濯機に
突っ込んでおくと、あれがなくなったこれがなくなったと
部屋中を探し回って余計に散らかしている。

貴重な収納スペースである天袋には、
買うだけ買って組み立てられることのないプラモデルの箱が
押し込められ、トイレに行けば床に日々増えてゆく
トイレットペーパーの芯。

その芯もコレクションか何かですか? 
クラフトアートでも作るんですか?
 違いますか? じゃあ捨てろ! 
ゴミはゴミ箱に!

おかしい。
彼女様が乱入してくるまでの我がアパートは、
2DKの間取りのうち、食事をとるのはダイニングのみ。
1部屋は書架と衣類の入る押し入れと布団のみの寝室。
リビングは天井付近のクリップライトが照らす
淡い照明だけの「音楽と読書の部屋」と、
洒落こんでいた筈だった。

いや、ここでちょっと彼女様の名誉のために
カミングアウトすると、このお洒落部屋は
1つの「反動」だった。この部屋に越してくる前の
18歳から7年近く住んだ6畳1間の日当たりの悪いアパートは、
友人から「産廃小屋」と呼ばれていた気がする。
いやいや、認めよう。気がするじゃなくて、
そう呼ばれていた。

特段、友人の口が悪かったわけではない。
バイクを部屋の中に入れて整備するから「土足」、
友達が来た時に僕が不在だとかわいそうなので
「無施錠」、ユニットバスは「簡易塗装ブース」、
壁際に堆く積んだ大量の雑誌の奇跡的バランスは
芸術的ですらあった。

言わば典型的な男子のゴミ部屋というのか、
最も酷いときには1000ccのバイク2台
(乾燥重量合計490㎏)を室内に入れて床に穴が開き、
「そこが一番平ら」という理由で床に寝かせた
バイクの上に座布団を敷いて寝ていたこともある。

認めたくないが、あれはひとつのトラウマだった。
そして、新たなる部屋は、あの貧乏で寒くて汚くて、
あの解体屋の倉庫と同じ酸化したガソリン臭が
ただよっていた産廃小屋から抜け出して、
ようやく定職に就き、実現した憧れの快適
ハウスだったのだ。

嗚呼夢に見た、布団やバイクのタンクの上とかじゃない、
ダイニングテーブルでのお食事という文化的生活! 
もう二度とあの貧乏カオスには戻るまい!

そんな決意のもとで作り上げられ維持されてきた
我がお洒落部屋が、彼女様の圧倒的「汚部屋力」によって
蹂躙され、あのジャンク部屋以上のカオスに戻っていく。

この当時、僕が彼女様に書いた手紙を発掘すると、
いくつかのお願い事リストが書いてあった。

・出かけたときに限らず、毎日お風呂は沸かそう。
・フリカケだけでご飯食べないで。
・ダイニングやリビングの机の上を物で
 いっぱいにしないで。ご飯食べれない。
・洗い物の食器には水を張ろう。
・食材が全部なくなる前に買い出しに行こう。
 せめて納豆と卵は常備したいです。
・食材を買いに行くときは買い物メモを書いて行こう。
・缶ゴミ溜めんな!ラスト半ば切れ気味。

裏読み・深読みができない

だが何よりも彼女様と一緒に暮らしていて
苦しかったのが、彼女様が「朝に起きてくれない」
ことだった。
同棲を始め、仲良く一緒に会社に通っていたのは
ほんの少しの間のこと。

すぐに僕は彼女様を置いて先に出勤し、
彼女様はその後自力で起きて会社に向かうという
方針に変更した。

毎朝忙しい中、焦りつつ彼女様を起こし続けることに、
僕の方から音を上げたわけだ。
結局その後、彼女様は通い始めた精神科の
薬の強い副作用で一層朝に起きれなくなり、
会社にたどり着いても仕事机で大口あけて大爆睡。
あえなく解雇となったというのが、その後の流れだ。

だが、彼女様が会社をやめたら僕らが
一緒にいる時間はそれまで以上に減る。
朝に起きて少しでも一緒に食事や会話をしてから
出勤したいものだが、やっぱり何をしても
起きてくれない彼女様。

じゃあ昼には起きるのかと言えば、「ごめんなさい
今起きた」のメールが来るのは、僕が会社に行って
ひと仕事もふた仕事も終えた夕方頃だ。

おかしい。そもそも実家から会社に行っていたときは、
どうやって起きていたのか。
遅刻がちだったけど、少なくとも午前中には
出勤していたはず。

「前はどうしてたの?」
「起きるまで死ぬほどモーニングコールしてもらってた」
「誰に?」
「たかちゅーに」

悪びれない顔で言う彼女様。だがそのたかちゅーなる
人物は、会社の編集長様じゃねえかよ。
呼び方以前に、所属する職場の職長クラスに
毎朝モーニングコールをかけさせるその心臓の毛を、
僕は剃りたい。

せめて昼には起きて欲しい、今日はいい天気だから
洗濯日和だよ。せめて昼に起きないと夕方までに
洗濯物乾かないよ。起きれなかったならしょうがない。
じゃあ、せめて帰った時にご飯を作って
待っていて欲しいな。

せめて、せめて、あらゆる「せめて」が全て
彼女様に打ち負かされて行く日々。

疲れ果てて家に帰っても、お米は炊けていないし、
大量の料理本を買い込んでダイニングに
積み重ねているにもかかわらず、作る料理は
いつも火を通しすぎてカチカチか、焦げついている。

「せめてご飯と塩鮭だけでいいからお弁当
作って欲しい」と言えば、本当に白米のど真ん中に
塩鮭を1本乗せただけの男子力マックスな
お弁当が毎日続く。

その後気付いたが、彼女様は「物事を、
言った言葉の通りの意味でしか理解できない
(裏読み・深読みはできない)」のであった。

・・・

次回へ続く

こうして、こうすりゃ、こうなるものと、
  知りつつ、 こうして、こうなった



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歌は心の走馬灯、歌は世につれ、
 世は歌につれ、
  人生、絵模様、万華鏡…






P R :

Bu

隙間産業(ニッチ市場)


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