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2018年8月10日 (金)

妄想劇場・歌物語

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彼ならでは“独特の冷静沈着さ”というか、
そこからこぼれる自然なユーモアも、
実に魅力的だった。
それをアリーナという広い空間でも、
平常心で通していた。

普通、広いところならもっと“演じた”ほうが楽だけど、
彼は闇雲に叫んだりして誤魔化さず、丁寧に
語りかけることをやめなかった。

生で聴いて改めて感じるボーカリストとしての良さは、
全音域、さらにファルセットも含めて繋がりがよく、
声の魅力的なトーンが活かされ、歌全体のまとまりが
すこぶる良い点だ。
それは「ひまわりの約束」一曲からでも
充分に伝わった。

「ひまわり」に与えた新たな“季語”

この作品、タイトルからして夏の歌のようだけど、
冬にこそありがたい歌詞かもしれない。
そもそもヒ・マ・ワ・リという語感からして、なんか
とっても温かい。

ご存知かもしれないが、もともとは映画
『STAND BY MEドラえもん』の主題歌として
書かれた作品である。
その際、本人がインタビューで言ってたのは、
お子さんも観る映画なので、幅広い年齢層に
届く歌を…、ということだった。

アーティストは、時にそんな発言をするものである。
実際は、容易いことじゃない。
意識するあまり、本来の個性がなくなり、
当たり障りのない作品になることだって考えられる。
そんな中、「ひまわりの約束」は、とても成功した
例と言えるだろう。

『STAND BY ME ドラえもん』という作品においては、
ドラえもんとのび太という、二人の別れと再会を
描くストーリーのよき背景として機能していた。

さらにその役割を越え、今度は不特定多数の
人達が思い入れることが出来るJ-POPの
スタンダード曲として育っていった。
一定の時間をかけ、聴き手ひとりひとりの想いに
適っていったからこそ、この歌はそうなった。

歌詞全体を見てみると、「宝物」「優しさ」
「温もり」など、平易な言葉が並んでいるのが
分かる。
これはまさに、幅広い聴き手を意識しての
ことかもしれない。

そして最大のキーワードは、曲タイトルにも
なっている「ひまわり」だろう。
ただし歌詞の中では、〜のような[まっすぐな
その優しさ]という使い方をしていて、実際に
この植物が登場するわけではない。

でも“まっすぐな優しさ”とはどういうものだろうか?
すぐ思い浮かぶのは、打算のない、心からの
優しさ、ということだ。

それを「ひまわり」になぞらえているのだが、
ここは大切な部分なので、もう少し考えてみよう。
おそらく“まっすぐな”というのは、この花の
特性である、素直に太陽のほうへ向かっていく
姿からの連想だろう。

秦基博のこの歌の場合、花そのものもそうだが、
植物全体の“佇まい”にも着目してる気がするのだ。
つまり“まっすぐな”とは、すーっと地面から伸びた
茎の部分のことでもある、と…。

実際に「ひまわり」が登場するわけじゃないし、
また、登場するならセットにしなきゃならない
“真夏の太陽”というのも必要ない。

そうなったら歌から伝わる光線もジリジリと
焼け付くものである必要がありそうだが、
そうじゃないので、この歌には秋から冬の
木洩れ日だって似合う。どんな季節だろうと、
遠くであの花をながめていた記憶さえ
呼び起こせばいいわけだ。

「ひまわり」という言葉の季語である夏を、
こうして越えてみせたのがこの歌なのだ。

冒頭から泣ける歌

歌詞を細かく見ていくと、一行目から、
クギヅケなのである。
[どうして君が泣く…]の冒頭からして、
いきなり涙腺が崩壊しそうである。

しかもこの言葉を追いかけるような、
次のフレーズが効いている。
[僕も泣いていないのに」…。この部分が
耳に届いた時点で、改めて[どうして君が…]の
感動が脳のなかで二度塗りされるというか、
そんな伝わり方をするのである。

「ひまわりの約束」は全体が素晴らしいが、
J-POPの数ある名曲のなかでも、トップクラスの
切なさが伝わる。

サビの遠近法について

[遠くでともる未来]のあとに、[出会えると
信じて]の“受け”が用意されるのも巧みな
歌詞構成である。

いったん別れ別れになった二人は、未来で
出会うことを願うのだけど、その願いのみが
提示されてあとは知らんぷりの放置だとしたら、
なんかちょっと興ざめだ。

そこで効いているのが[遠くでともる未来」
なのである。
つまり、“ともる”(=灯る)ものであるなら、
いまは別々の場所にいる両者であっても、
お互いが同一の目印、再会の場所にすることが
出来る。

[そばにいたいよ]のところ。この言葉を、
ありったけ遠くへと歌い放つかのようなサビと
なっているわけである。
そこに生まれた落差によって、伝わる感情も
よりぶ厚いものになる。

[いつも君に][ずっと君に]の、あえて重複
させているところも、とっても感情が伝わる。
さらに、ワン・コーラス目の[そばにいたいよ]
のあと、ツー・コーラス目では[そばにいること]に
変化させているのも見逃せない。

最初はまだこの別れに対して、感情が高ぶった
ままだったのが、二度目では、ある程度それも
整理され、現実を受け入れつつあるのかな…、
というニュアンスにも響くのだ。・・・


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子どもは白血病で、助かる見込みはなく、
死を目前にしていた。
母親の胸は悲しさで張り裂けそうだった。

親ならば、わが子が無事成人して、小さいときからの
夢を果たして欲しいと願うものだが、もうそんな
望みも消えていた。
でも何とかして、息子の夢を一つでも叶えて
やりたかった。

母親は息子の手を取って優しく話しかけた。
「ねぇ、大きくなったら何になりたいの?」
「ぼく、消防士になりたいんだ」
「じゃ、どうしたら消防士になれるか、
ママと一緒に考えようね」と母親は微笑んだ。

その日彼女は、早速地元、アリゾナ州フェニックスに
ある消防署に出かけ、消防士のボブに会った。
母親はボブに6歳のボプシーが、病気で
死にかかっていること、最後の望みが消防士に
なることを話し、ボプシーを消防車に乗せて、
近所を走ってもらえないかと頼んだ。

消防士ボブは言った。

「もっといい考えがあります。水曜日の朝7時までに、
ボプシー君のしたくを済ませておいてください。
彼を一日名誉消防士にしましょう。

消防署に来てもらい、僕たちとご飯を食べて、
もし火事の通報が入れば、一緒に消防車で
消火に駆けつけます。
消防士の一日を、そっくりそのまま、ボプシー君に
経験してもらうのです。

ボプシー君の洋服と靴のサイズはいくつですか?
消防士のユニフォームを作らせますから。
もちろん、防火用のヘルメットもね。
おもちゃなんかじゃなくて、フェニックス消防署の
記章が入った本物ですよ。

僕たちの着る黄色のレインコートと長靴も
用意します。
すべて地元で作っているので、急いで
仕立てさせますよ」

3日後、いよいよボプシーの夢が叶う日が来た。

ボブは病院にやってくると、ボプシーを
ユニフォームに着替えさせ、外に待機する
消防車に案内した。
高層ビルにも届く長いはしごを備え、前後に
ハンドルがついた、車体の長い消防車だった。

ボプシーは、後ろのハンドルを握らせてもらい、
消防署まで車を走らせた。

天にも昇るような心地だった。

その日、火事の通報は3回入り、そのたびに
ボプシーは、いろいろな消防車や、救急車や、
署長の車に乗り込んだ。
まさに消防士としての醍醐味をフルコースで
味わった。

地元のテレビ局もニュースの取材に来ると、
ボプシーの立派な消防士ぶりを撮影していった。

ボプシーが医師の予告より、3ヶ月も長く
生きることができたのは、この日の喜びと
みんなからの愛情のおかげだったのだろう。

ある夜、ボプシーの容態が急変した。

この病院の看護師長は、誰も独りぼっちで
死を迎えるものではない、というホスピス精神に
もとづき、すぐに家族に連絡をとった。
それから、消防署長にも電話を入れた。

消防士ボプシーの、あの晴れの日の活動を
思い出したからだった。
「ユニフォームをつけた消防士の方に、
ボプシーの最期をみとっていただけないでしょうか?」

看護師長の話を署長は黙って聞いていたが、
やがて素晴らしい考えを話し出した。
「今から5分でそこに着きます」
消防車のサイレンが聞こえたら、すぐに、
火事ではないことを病院の皆さんにアナウンス
してください。

消防署始まって以来の、優秀な消防士ボプシーに、
署を上げてもう一度、会いに行くんです。
それから、ボプシー君の病室の窓を開けて
おいてください」

間もなく、消防車がサイレンを鳴らして病院に
到着した。
長いはしごがスルスルと伸びて、3階にある
ボプシーの病室に届いた。

署長と13人の男性消防士、そして二人の
女性消防士が窓から入ってきた。

彼らは一人ずつボプシーを抱きしめ、
「愛してるよ」と口々に耳元でささやいた。
署長を見上げたボプシーは、弱い息の下から
やっと聞きとれる声で言った。

「署長さん、ぼく、ほんものの消防士に
なれたんだね?」
「ああ、本物の消防士だよ、ボプシー」

署長の言葉に、ボプシーはニッコリ笑みを
浮かべたが、その小さなまぶたは、やがて
静かに閉じた。・・・


人生に失敗がないと、人生を失敗する。
(斎藤茂太)
努力する者は希望を語り、怠け者は不満を語る。




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