« 妄想劇場・歌物語 | トップページ | 韓信外伝 -春秋の光と影(呉の興隆) »

2018年9月16日 (日)

韓信外伝 -春秋の光と影(呉の興隆)

Logo13

350_3





アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい



Kensin1


メジャーでは無いけど、 こんな小説あっても、
良いかな・・・



Kansin


春秋末期の楚は、愚者たちによって
統治されていた。
能者は他国へ流れ、賢者はそねまれ死を
強要される。
しかし変革に立ち上がった者たちにも行動に
統一性は見られないのであった。

ある者は祖国を改革しようとし、ある者はあえて
祖国を滅ぼす、と主張する。
彼らはそれぞれに信念があり、正しかった。
誰が間違っていたというのか。 ・・・



韓信外伝 -春秋の光と影(呉の興隆)
:算すくなきは勝たず


舒はすでに陥落していたのである。
「早い! なんという早さよ」
報告を受けた包胥は舌を巻いた。
「蓋余はどうした」

使者に向かい、包胥と奮揚は異口同音に尋ねる。
使者は、思い出すのも恐ろしいというような
表情を浮かべ、それに答えた。

「このたびの侵略には、呉王闔閭が自ら
出征しております。
しかしながら、その編成は三万程度の兵に
過ぎません。
しかし舒はそれよりも守備隊の人数が少なく、
激しい城攻めに遭いました。
蓋余さまはそこで降伏を申し出ましたが、
呉王はそれを許しませんでした。
蓋余さまは……火刑となったのです」

紅花はそれを聞き、思わず顔を覆った。
奮揚は、声も出せない。
「生きたまま焼かれたというのか……
闔閭という男は、よほど僚の一族をうらんでいるな。

急ぎ、王さまと太后さまにご報告をしなければ
ならない。
出征の許可を取り付けるのだ」
包胥は立ち上がってそう言ったが、奮揚はそれに
よい反応を示さなかった。

「しかし……もう間に合わないかもしれない。
蓋余が残虐な方法で殺されたとなると、
次の呉軍の目標は鐘吾だ。

僚のもうひとりの弟、属庸が狙われる」
紅花も同じ反応を示した。
「舒と鐘吾はほど近い位置にあると聞いています。
郢から鐘吾に向かうよりも近くて、私たちが
これから向かったとしても間に合う距離では
ありません」

しかし包胥はこのとき強情を張った。
「そんなことはわかっている。だが、我々は
行かねばならぬ。
見捨ててはならぬのだ。

それに紅花……私たちがこれから向かうと
お前は言ったが、私はお前を戦地に連れて行こう
などとは考えていない!

お前の役目は、私に替わって太后さまを守ることだ!
めずらしく怒声を放った包胥の態度に、
紅花も奮揚も驚いた。

「お兄さま……すみません」
紅花は引き下がらざるを得なかった。それは、
彼女が兄の唱える「道」を真の意味で理解して
いなかったことを痛感したからであった。

「こんなことになるのだったら、王を連れて
くるのではなかった。
楚にいらぬ警戒を与えてしまったではないか」
伍子胥を相手に、孫武は嘆いた。

「まったく呉王は、この私の言うことを理解して
いらっしゃらない。
『その無備なるを攻め、その不意に出いず
(攻其無備、出其不意)』と私は主張して
いるではないか。

戦いにおいては、敵に油断させねばならぬのだ」
伍子胥は付き合いが長くなってきたせいか、
最近ではこの孫武という男の言うことが、いちいち
正しく思える。

しかし、彼はあえて反証を示してみせた。
「以前に君が呉王に対してしたことを思えば、
今回の件も同じようなことだとは言えまいか。

敵将を火刑に処した、ということは、相手に
恐怖心を抱かせることに効果的だ。
君は寵姫ふたりを殺したことで、女たちに恐怖心を
植え付け、その結果彼女たちを意のままに操る
ことができた。そうであろう」

伍子胥にとってはあらかじめわかっていたこと
であったが、孫武はそれを明確に否定した。
「蓋余という男が、楚の国民に死ぬほど愛されていて、
その死が誰にとっても悲しいというものであれば、
効果は確かにあるだろう。

だが、実際はそうではない。蓋余はもともと
呉の人間であったし、楚の国民の多くは、
彼のことを知らぬ。

彼らはただ、自国の将が火刑に処されたことを知り、
憤慨するだけだ。
反発を生み、警戒される。防御を固めるだろう。
とても『無備を攻める』ことにはならない」

「……その通りだな」
しかし闔閭は、また同じことをやるだろう。
それは伍子胥にも、孫武にも止められないことであった。
「胸がすく思いだ」闔閭がそう言うのには、理由が
ないわけではない。

彼は忠実なる臣下、専諸を失っていた。
客観的に見れば、その原因は闔閭自身にある。
しかし闔閭本人にとっては、もともと正統な継承権の
ある自分を差し置いて王位に就いた僚にすべての
原因が帰されるのであった。

・・・つづく


愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る・・


A511


Jhg111

在宅でのいのちの看取り、在宅ホスピスケアを
二十年続けているN先生の手記の一部を
ご紹介します。

事業で成功を収めたある六十五歳の男性は、
がんを二年前に発症され、治療を続けてきました。

しかし、積極的治療がもうできないと宣告されました。
それからは、お金に糸目をつけず代替医療を
何でも試しました。

残念ながら、どれも効果がなく、とうとう体力も
落ちて車いす生活になってしまいました。
私の往診が始まりました。

豪華な家から眺める絶景も、奥さんの心の
こもった料理も、子どもたちの優しい声掛けも、
ナースの助けも、この男性の救いにはならず、
無反応になり、人生を呪う言葉さえ吐くように
なりました。

夏でした。
この土地では時に四十度近くの猛暑になります。
私や看護師は吹き出る汗をぬぐいながら
往診しました。

クーラーのきいた病室に入ると、その男性は突然
「先生、僕はもう死にそうだよ」
と真顔で、大声で私に言いました。

それは何か私への試験のようでした。
その男性は本当にもう余命短く、死にそうなのです。
そこに居た家族も看護師も、全員凍りつきました。

私はすぐに答えました
「そうですか?私たちもですよ。
この暑さで死にそうです」

その男性は「確かにそうだ」と言うと、
ワハハと大声で笑いました。
久しぶりの笑いでした。

その日から、心のうちを少しずつ
話してくれるようになったのです。

自分がどんなに一生懸命働いて成功したのか、
どんなに家族や従業員を愛しているのか、
どんなにもっと生きて働きたいのか——。

「少し前まで、世の中は灰色だった。
でも昨日の夕焼けが美しかった。
以前見た富士山も星空もきれいだった。
僕は死んでしまうのに、世の中はこんなに
美しいんだ。

心が少し戻ってきて、色々とこれまでのことを
振り返ることもできましたよ。
僕の人生合格点だったかなぁ」
そして、好きな音楽を聴くようになりました。

ある日、妻に危篤になったら耳元で、
「さだまさし」をずっとかけてくれと頼んだそうです。

実際に危篤になった時、
妻は約束通り歌声を聴かせ続けました。
唇に笑みが浮かび、口ずさんだように思えた
最期のひと時でした。

≪中略≫

私は在宅で看取りの仕事をやり遂げると、
万感の思いで死亡診断書を書きます。

それは今世での宿題をやり遂げた方への
卒業証書なのだと自分では思えるからです。

誇らしい思いとともに、困難に立ち向かい合う姿から、
私たちに多くのことを教えて下さったことに
感謝の思いでいっぱいになるのです。
 


00241

« 妄想劇場・歌物語 | トップページ | 韓信外伝 -春秋の光と影(呉の興隆) »

妄想劇場」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1772781/74219462

この記事へのトラックバック一覧です: 韓信外伝 -春秋の光と影(呉の興隆):

« 妄想劇場・歌物語 | トップページ | 韓信外伝 -春秋の光と影(呉の興隆) »

最近のトラックバック

最近のコメント

ウェブページ

2018年11月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
フォト
無料ブログはココログ

流れ雲(^o^)