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2018年10月10日 (水)

妄想劇場・特別編

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みんな、私の着ているものを見て笑ったわ。
でもそれが私の成功の鍵。
みんなと同じ格好をしなかったからよ。
・・・(ココ・シャネル )


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「花」と言えば「桜」と言うように、 平安時代の昔から
桜は日本人に最も愛されてきた特別な花である。

そんな桜に魅せられ、人生の全てを賭けて、
桜を植えつづけた男がいた。
彼の名前は佐藤良二。
彼は名古屋から金沢まで、 全長260キロを走る
“名金線”と呼ばれる国鉄バスの車掌であった。

「太平洋と日本海を桜で結ぼう」 彼が夢見たのは、
自分の乗るバスが走る道路沿いに桜を植え、
名古屋から金沢まで続く桜並木を作ることであった。
それは、5万本の桜を植えるという、途方もない
夢でもあった。

家族や周囲の人に非難されながらも、給料をつぎこみ、
暇さえあれば桜を植え続けた良二。
しかし、志半ばにして病のため倒れる。
彼が桜を植え始めた昭和41年から亡くなるまでの
12年間に 植えた桜の木は2000本にもなる。

彼はなぜ、桜を植え続けたのか?
そして彼が、桜に見た夢とは何だったんだろうか?

佐藤良二は昭和4年、長良川の上流、奥美濃の
小さな町、 岐阜県白鳥町に3人兄弟の末っ子として
生まれる。

昭和7年、良二が3歳のとき、母のたきが風邪を
こじらせ 33歳の若さでこの世を去る。
以後、父の仁助が男手一つで3人の子供を育てた。

わずかな田畑を耕しながら、母親がわりに 炊事、
洗濯、針仕事までこなす父は、 3人の子供たちに
いつもこう言って聞かせた。

「人様の喜ぶことをせないかんのや。ぼろを着て
社会に尽くせ。」
この言葉は、父を尊敬していた良二の胸に深く
刻み込まれていったのである。

昭和20年、17歳の良二は国鉄に就職し、
昭和28年正式にバスの車掌となる。
しかし、そんな良二が本当に憧れていたものは
映画俳優であった。

そこで、良二は鼻の整形手術をして俳優試験を
受けるが 書類選考で落とされてしまう。
夢と自尊心を砕かれた良二は、自殺を考えるほど
人生に何の希望も持つことが出来ず、車掌の仕事も
投げやりなものになっていった。

自分は何のために生きているのか・・・
尊敬する作家・武者小路実篤を訪ね、 教えを請うたり
自らの生きる意味を検索していた、
昭和36年、尊敬していた父が亡くなる。

「人様のためになることをせないかん」

いつもそう言っていた父。
良二はこの時、 はじめて父の言葉の意味を理解し、
そのように生きることを誓うのである。
そんな時、良二はその後の人生を大きく変えることとなる、
ある光景を目にする。

昭和35年岐阜県を流れる庄川に東洋一の
ロックフィルダム「御母衣ダム」が完成。

そこにあった360の集落がダムの底に沈む
運命にあった。
その中に樹齢400年をこえる大きな2本の
桜の木があった。

しかし、何とかこの2本の木を救うことが出来ないか
という人々の思いによって2本の木の移植工事が
行われた。
困難を極めた桜の移植は見事成功し、
桜が満開の花を咲かせた3年後の春・・・・

ダムの底に村が沈んで、ばらばらになった村人たちが
桜の木の下に集まり花見をし、再会をよころびあった。
その最中、一人の老婆が立ち上がり桜の幹を
なではじめ、 木にすがりつきながら声を上げて
泣きはじめたのだった。

この光景が、良二の心を大きく揺り動かした。
「桜はええなあ。強くて優しくて、人の心を呼ぶんや」
そして、昭和41年春、 良二はバスの出発点でもある
名古屋の営業所の前に 1本の桜の苗木を
植えるのである。

それ以来、良二は暇さえあれば桜の世話をし、
家族や周囲の非難の中、良二は1人黙々と桜を
植え続けた。
しばらくすると協力してくれる人も出始め、
良二が持っていた人様のためやるんだという
気負いも消えていった。

「かわいらしい桜の苗木を取り囲む人の喜ぶ顔を
見るのが嬉しい…」
車掌としての良二も以前とは別人のように、
客に接するようになりみんなに愛される
名物車掌となっていた。

しかし、桜を植えはじめて5年目の昭和46年秋、
体の不調を訴えた良二は 「血管免疫芽球性
リンパ節症」と呼ばれるガンの1種の難病だと
診断される。

それでも、周囲の心配をよそに、 病気で弱った体で
とりつかれたように桜を植え続けた。
「時間がない。ふるさとを俺は桜の花で飾るのだ。
そして、俺は枯れ木のように死んでもいい…」

昭和51年、良二は47年の生涯を閉じた。
しかし、良二が思い描いていた桜街道の夢は
同僚や家族に受け継がれた。

そして、現在、教科書や映画で紹介された良二と
桜のことを知った多くの人によって、良二の夢は
続いている・・・。

自分の生きる意味を真撃に問いかけ、夢に向かって
懸命に生きた佐藤良二。
その生涯は私たちに多くのことを語りかけて
くれることと思う。・・・



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前日の夜、飼い犬のシロが死んだ。
私が生まれる前から我が家にいた大きな真っ白の
雌犬だった。
優しい性格で、私にとっては姉のような存在だった。

学校に行く道すがら、ずっと涙がこぼれていた。
二年生の教室に着いて椅子に座っても
心の中はシロのことで一杯だった。

先生が入ってきた。
笑い声が大きい、とびきり明るくて、
どこか私の母に面影が似ているS先生だ。

先生は私の顔を見るなり、「どうしたの?」と
聞いた。
私はしかめ面に涙をいっぱい浮かべていた。

答えようとしたけれど「シロが…、シロが死んで…」
と言うのが精一杯だった。
先生は、「そうかぁ、今日は悲しい日やな。
思う存分、泣いてもええで」

涙が次から次へとこぼれた。
そこが教室でも止まらなかった。
先生は、普通に授業を進めた。
友達も先生も、それきり何も言わなかった。

私は何ものにも邪魔されずに、
枯れるまで涙を流すことが出来た。

私たちが通う山間の小学校は、人数が少なく、
二クラスしかなかった。
私は、一年生から六年生まで、
変わらずS先生が担任だった。

母に似ている先生が私は大好きで
何かと甘えたり、ひっついたりしていた。
うちは母子家庭だったので、
母は働きに出ていて不在気味だった。

そのせいもあって、
先生は「お母さん」のような存在でもあった。

実際、私は先生のことを何度も、
「お母さん」と言い間違えたが、
先生は「お母さんちゃうでぇ」
と笑いながら頭を撫でてくれた。

夏休みや冬休みになると、
先生に会えないのが寂しくて、
学校に行ったり、先生の家に遊びに行ったりした。

先生は、私が一人で突然訪れても
迷惑な素振りも見せず、
いつも優しく受け入れてくれた。

皆の先生なのだけど、私にとって
特別な人だった。

6年生になって
冬を越した頃、先生は病気になった。
丸くて艶々した顔が、見る間に細くなっていった。
私たちは心配で、何度も
「先生、早く元気になってやぁ」と言った。

2月に、先生はとうとう学校を休むことになった。
担任は臨時で、教頭先生が兼ねた。

卒業式の前日、
先生から家に電話がかかってきた。

「卒業おめでとう!
6年間、よく頑張ったなぁ、
先生、卒業式に行けんでゴメンなぁ」

私はその声を聞いて、すぐに涙があふれた。
涙声で、「先生、卒業式にはこれへんの?」と聞いた。

先生は、「一足先に電話で卒業式やね。
声だけやけど、顔が目に浮かぶで。
また泣いてるんか?

小さい時から変わらへん泣き虫やなぁ。
でもそれは、アナタの良いところやな。
優しい証拠の涙やな」

卒業式でS先生の電話のことを、
クラスメートに話したら、
一人一人、みんなの家に電話があったらしい。

先生は、私たち皆を心から可愛がってくれた。
卒業まで担任が出来なくて残念だっただろう。

それから私たちは山を降りて
マンモス校の中学生になり、
部活や新しい友人との毎日に埋没していった。

高校に入り、大学生になり、
その頃、初めて先生が亡くなったと聞いた。

卒業式のすぐ後だったという。
なぜ知らせてくれなかったのか…
今からでも先生のお墓にお参りしたい、
そう思って、私は先生のご実家に
電話をかけた。

先生のお母さんが出られて、
先生の生前のご意志で、子供たちには
その死が知らされなかったのだと聞いた。

「優しくて大好きな子供たち、
その門出を力いっぱい元気に祝ってあげたい。

先生の死を悲しまないで。
先生はいつも皆のことを見守っています」
お母さんは、それだけ告げて電話を切られた。

先生…
私は涙をこらえることも出来るようになったよ。
悲しくても、
それを乗り越える力も身につけたよ。
2年生だったあの時、
先生が思いっきり泣かせてくれたから…。

今の私は、悲しくてたまらなくても、
先生の笑顔を思って、笑うこともできる。
でもやっぱり、涙が少し頬を伝った。

『優しい証拠の涙やね』
先生、ありがとう。先生、大好き…。


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