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2018年10月12日 (金)

妄想劇場・一考編

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過去に起きていることから浮かび上がってくる
真実もある。・・・


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ただ、生まれた国が違うだけ。
それなのに、どうして与えられた運命はこんなにも
違ってしまうのだろう?

そんな疑問を持ち行動を起こしたのが、
認定NPO法人かものはしプロジェクトの代表、
村田早耶香さん。

2001年、村田さんが大学2年生のとき、国際問題の
授業で配られた新聞記事で、ある少女の悲しい
実話に出会いました。

それは、未成年の少女がだまされて売春宿に
売られる話でした。
少女の名前はミーチャ。東南アジアの貧しい農村で
暮らしていました。
母親は病気で亡くなっており、父親は仕事が
ありませんでした。

彼女にはたくさんの弟、妹がいましたが学校には
行けず、皆お腹をすかせている状況だったそうです。

「私が働きにでれば、家族が助かる」
親孝行な彼女は、働きに出ました。
しかし、その先で彼女はだまされ、売春宿に
売られてしまったのです。

彼女が12歳のときでした。
毎日殴られながら、強制的に働かせられる日々…。
自尊心を傷つけられた挙句、彼女は「エイズ」を
発症してしまいます。

「私には本当は夢があって…
学校へ行って、勉強というものをして
みたかったなあ‥‥
もし勉強をすることができたら、私みたいな
子どもを売る人を捕まえる警察官になれるから…」

彼女はこう話したあと、20歳という若さで
亡くなりました。・・・

ミーチャが売られた金額

今から20年近く前の2001年、ごく一般的な
大学生だった村田さん。
ファッションに興味があり、サークル活動を
楽しむ毎日。

年間およそ100万円を親が出してくれて、
自分は大学へ行っている一方、 生まれた国が
違うだけで、親孝行な彼女は勉強をすることを
夢見ながら亡くなっているという、そんな現実を
知ったのです。

「当時の私と1歳しか違わない人がこんな風に
売られてしまう。
これほど親孝行な子がこんな風に深く傷つけられて
亡くなってしまったのです。」
当時、彼女が売られた金額は日本円で、
たった1万円だったそうです。

「私がそのとき着ていたワンピースは、
ちょうど1万円で買ったばかりのものだったんです。
このワンピース1枚と彼女の命が同じ値段だった
ということ。
そんな、本当に不条理な現状があることを
知りました。」

「こんなひどいことは、絶対になくさなくては
いけない…」
「子どもが未来を奪われて苦しんでいる社会を、
なんとか変えたい」
絶対にこの問題を解決する。
その強い想いを持って、村田さんはその後、
2002年にかものはしプロジェクトを
立ち上げたのです。

年間180万人もの子どもたちが、世界中の
どこかでだまされて売られている現実・・・

実はこの10分間にも、30~40人の子どもが
だまされて売られているのです。
現在特にひどい状況なのが、日本人にも
馴染み深いインド。

人身売買規模は世界最大と言われており、
子どもが売られてしまう値段は1人たった2万円
といわれています。

特に東部の西ベンガル州の周辺に貧しい
村があり、西部の大都市ムンバイまで
約1600Kmのルートを通じて、たくさんの子どもが、
売り飛ばされています。

さらに、インドで人身売買をした業者が逮捕され、
有罪になるのは、たった数パーセントのみなのです。

その主な理由は3点。

・被害者が裁判で自らの体験を語り、証言をする
 精神的なハードル
・被害者だと分かってしまうことに伴う差別
・貧しい家庭は、裁判費用が出せない

この結果、悪徳な人身売買業者が平気な
顔をしてのさばり、今この瞬間も子どもたちを
売春宿へと売り飛ばし続けています。・・・

インドにはいま300万人近い人身売買被害者がいる。
その3人に1人は18歳未満だ。
売春婦にされる被害者も少なくない。

児童買春を取り締まる法律があるため、売人は刑罰を
受けるはず。しかし警察は貧しい少女を相手に
まともに動いてくれない。

証言のみが証拠である裁判で、少女たちは
精神的外傷のため証言する勇気を持てないのが
実情だ。 ・・・



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山越一郎は、 この不景気で、青色吐息。
資金繰りに詰まり、一度は「死んでしまおう」
と覚悟をしたこともある。

それでも思いとどまったのは、
「もう明日のことを憂うのはやめよう」
「今日のことだけ考えよう」
と思ったからだった。

そういえば・・・。 「あの頃」は輝いていたし、
無茶もした。久し振りにそんな学生時代のことを
考えていたら、電車を乗り越してしまった。

「いけね!」
慌てて車両から飛び降りた。 そこは、学生時代に
よく通ったバーのある駅だった。

一瞬、反対方向の電車に乗り換えるため、階段を
上りかけて止めた。
そのまま外へ出て、一駅歩くことにした。
改札から人がドッと吐き出される。

そんな雑踏の中に、どこか見覚えのある後姿を
見かけた。 考える間もなく、声を出していた。

「シュン!」
呼ばれた男が振り返った。やっぱり。 それは、
一郎が大学時代を共にした大谷俊太郎だった。
頭には、ところどころ白いものが混じっている。

「おおっ、いっちゃん」
俊太郎は、人の波の中で笑顔を向けた。
急に立ち止まったので、次々と人がぶつかってきたが、
体育会系の大柄な身体は揺れることもなかった。

一郎は近づくなり、俊太郎の頬を殴りつけた。
やさしく、やさしく。
俊太郎も、拳を作って、 一郎の鳩尾にパンチを
食らわせた。 こちらも、柔らかく。

「元気か?」と訊かれ、一郎は、
「おおっ」と応えた。なにしろ、会社は火の車だ。
心の底から「元気だぜ!」とは返事できなかった。

「急ぐか?」と俊太郎に訊かれ、「いいや」と答える。
今度は、一郎が「ちょっと行くか?」と右手を
口元近くで傾ける仕草をした。

「そう言えば、この近くだったな」
「うん、まだやってるらしいぜ」
金も無いくせに、当時は週に3回は通っていたバー
「ジェットプレーン」へ 二人は足を向けた。

店の前に来ると、ちょうどマスターがゴミを出しに
外へ出てきたところだった。
マスターも彼らと同じように歳を重ねていた。
もう、とうに六十を越えているはずだ。

「おや、懐かしい。二人とも生きてござったか」

あいかわらずに皮肉屋だ。
「懐かしいね」という言葉もなく、 開店前だが、
クイッと顔を横に振って、店の中へと招いてくれた。

一郎は、俊太郎の名前を呼んではみたものの、
少し複雑な思いがした。
自分は今、とても誇れるような生活にない。
今日のことだけ考えて、ギリギリで生きている。

話をすれば、自ずと「今、どうしてる?」
と訊かれることになる。
大手の広告代理店を飛び出して独立したのは
バブル華やかりし頃のことだ。

「あの頃」なら、きっと「オレの行き着けの店へ」
と高級クラブでおごっていたに違いない。

マスターが、一番安い銘柄のボトルを差し出した。
「おお、コレコレ」
一郎は、氷の入った二人のグラスに、琥珀の液体を
注ぎ込んだ。

(そういえば・・・)
いつのことか。俊太郎のうわさ話を耳にしたことを
思い出した。 離婚して、同時に仕事も
失ったというのだ。

俊太郎は、大学を卒業して3年目に結婚した。
一郎も披露宴に招かれた。
奥さんは、食品卸をしている中小企業の社長の
娘だった。跡継ぎとしての入り婿だった。
みんなで、「逆玉だ」とさんざん冷やかしたものだ。

一郎が、どこからともなく聞いたのは、何か義父の
逆鱗に触れることがあり、 家を追い出された
という話だった。耳にしたのは、10年くらい
前のことだった。

そこまで思い出して、ハッとした。
平日の昼間にもかかわらず、 タートルネックの
セーターにブルゾンを羽織っている。
下は、ベージュのジーンズだ。
それに、薄汚れたスニーカー。

(今、何をしてるんだろう)

一郎は、聞きたい気持ちを抑えてグラスに
ウイスキーを注ぎ足してやった。
俊太郎が壁のポスターを見て言った。
それは、ずいぶんと黄ばんでいた。

「オレさ、この映画さ、リツコと一緒に見に
行ったことがあるんだぜ」 「ええ、リツコだって!?」

安西律子。それは、同じクラスのマドンナだった。
なんとか口説きたいと思っていた。
もちろん、二人だけではない。
みんながそう思っていた。

しかし、男に興味がないのか、とうとうリツコは
大学時代、誰とも付き合うことなく卒業した。

「おいおい、オマエ抜け駆けしたのかよ!」
「おおっ、そうだ」
「コノヤロー」
「もっとも、ただ映画観て、お茶飲んだだけだけどな」
「当たり前だ」 「いい娘だったよなあ」
「うん、可愛かったなあ」

やがて酔いが回ってきた。二人とも口にするのは、
同じことばかりだった。
「リツコ~」 「好きだよ~」 「リッちゃん、
好きだったよお~」
そんな中でも、一郎はどこか覚めていた。

(シュンは何をしてるんだろう)
しかし、彼が困っていても、今の一郎には何も力に
なってやれることはできなかった。

「オレ、そろそろ行くわ」と俊太郎が言い、
立ち上がった。
「おお、オレも」 「また来るよ」
と、あてのない挨拶をして店を出た。
さっきの駅前まで行って、

「じゃあ」と言い、手を軽く振って別れた。
その時、「ひょっとすると」と思った。
俊太郎も同じ気持ちだったんじゃないかと。

「今、何してるんだ?」

その一言を口にしたくても、じっと我慢して、
ただただ飲み続けていたのではないかと。
一郎は、凍てつく風の中で、ふわっと心に
温かいものを感じた。

「ひょっとしてアイツ、オレのウワサも、誰かから
聞いたのかもしれないな」
一人、駅のホームに立って電車を待ちながら、
アイツの今の住所も電話番号さえも聞くのを
忘れたことに気づいた。

・・・the end


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