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2018年11月29日 (木)

韓信外伝 -春秋の光と影(楚王逃亡)

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アングラ小説です、不快感がある方は、
読むのを中断して下さい


Kensin1

メジャーでは無いけど、 こんな小説あっても、
良いかな・・・



Kansin

春秋末期の楚は、愚者たちによって
統治されていた。
能者は他国へ流れ、賢者はそねまれ死を
強要される。
しかし変革に立ち上がった者たちにも行動に
統一性は見られないのであった。

ある者は祖国を改革しようとし、ある者はあえて
祖国を滅ぼす、と主張する。
彼らはそれぞれに信念があり、正しかった。
誰が間違っていたというのか。 ・・・



韓信外伝 -春秋の光と影(楚王逃亡)

奮揚は返す言葉を見つけることができなかった。
だがしかし、彼にも胸に秘めた思いはある。

かつて伍子胥の兄である伍尚に打ち明けられた言葉
……「私の死後、弟の力になってもらいたい。
我らの恨みを晴らしてほしいのだ」

彼はこの言葉をずっと気にかけてきた。
いままで忘れたことがなかったといって
いいくらいである。

しかし、彼のいまの立場は伍子胥とは正反対の
位置であり、伍家の恨みを晴らすには、
ほど遠い立場であった。

伍尚の思いに応えたいという気持ちはあったが、
その方策がみつからないというのが、
彼の本心である。

包胥は、奮揚のその心の内を見透かしたように
言葉を継いだ。
「伍子胥に復讐を果たさせてはならぬ。
復讐はあらたな復讐を呼び、それは終わる
ところを知らないのだ。

つまり伍子胥が復讐を果たせば、それが
新たな恨みを生み出し、今度は伍子胥自身が
復讐される。この憎しみの連鎖を、我々は
止めなければならない。

それが、伍子胥を救うことにもなるのだ」
包胥らしい意見であった。しかし、
これは陣頭に包胥自身が立つことになる最大の
理由とはなり得ない。

奮揚は、その点を質した。
「紅花がいる。王さまや太后さまとともに、
妹も守ってほしい。私が頼れるのは、君だけだ」

「道」の探求者として、大きな人間愛を建前
としていた包胥が、はじめて個人的な感情を
示した瞬間であった。

それだけに奮揚は、その思いに応えなければ
ならないことを実感した。
「……わかり申した」

秋が深まった十一月の末、呉軍は郢に肉迫した。
奮揚は嬴喜と軫、そして紅花を連れて国都を脱出した。
「お兄さまは、戦いに勝つことができましょうか」
揺れる馬車の上で、次第に視界から遠ざかっていく
郢の城壁を眺めながら、紅花は奮揚に問うた。

「まず、難しい。……呉軍の兵力は三万程度で
我々に比べれば少ないが、非常に効果的だ。
二十万の兵力を擁す楚軍を各地の防衛に
分散させ、郢に残る軍勢は、五千に過ぎない。
包胥どのがいくら頑張っても、太刀打ち
できない数だ」

「では、兄上は……この戦いで死を覚悟して
いるというのですか?」
紅花は涙目でそう聞き返した。奮揚の言い様が、
やや感情に欠けた冷たいものだと感じたのだろう。

「確かにそのつもりであることは間違いないだろうが
…かつて包胥どのは、私に打ち明けたことがある。
最後の最後、彼にはとるべき秘策がある、と。

その内容までは話してくれなかったが……。
そういう意味では勝算がないとは言えない。
とにかくこうなった以上、彼を信じるしかない。

ほかにどうしろと言うのだ」彼らは郢の東北にある
雲夢うんぼうという地にある沼沢に向かった。
そこで身を隠そうというのである。

呉軍が郢に入城したのは、その日の夕刻であった。
彼らがそれに遭遇しなかったのは、
幸運というほかない。

しかしそれは、すべて包胥の判断に基づいた
行動であって、決して偶然のなせる業では
なかったのだ。

このとき逃避行に入ったのは、楚王軫と
太后嬴喜のほか、軫の異母兄である子啓、
同じく子西、また同じく子期の三名がいた。
そして太后の世話役である紅花がいる。

彼らを守るのが、奮揚の役目であった。
目立つ行動は避けねばならぬので、
引き連れる軍勢は皆無であった。

奮揚の危機における判断力が、
試されようとしている。
雲夢の沼沢に身を隠した彼らであったが、
そこは野営するには危険な場所であった。

「篝火かがりびが見える」紅花は、沼の対岸に
またたく光の明滅を、見逃さなかった。

「呉軍の追手かしら」奮揚も目を凝らして、
その様子をうかがった。
「いや……軍勢にしては篝火の数が少ないようだ。
おそらく……あれは盗賊に違いない。
見つかると厄介なことになる。

すでに夕刻を過ぎているが、
出立することにしよう」「これから、ですか?」
すでに空が星々で埋め尽くされた時刻である。
彼らには休息の時間も与えられない、
というのか。

「呉から逃れたはいいものの、盗賊によって
滅んだとなっては、後世の笑いの種だ」
奮揚はそう言うと、全員に出発の準備をさせた。

・・・つづく

愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る・・

A511


Suiheisen211_2

名古屋駅近くの、友人の会社を訪ねた帰り道のことです。
歩道を歩いていると、前方から白い杖をついている人が
やってきました。

黄色い点字ブロックの上を、左右に杖を軽く叩きながら
歩いて来られました。

すれ違いざまに、「お手伝いしましょうか?」
と声を掛けました。40代の快活そうな男性でした。
今までの経験ではおおよそ、「お願いします」
と言われるのが7割、「大丈夫です」「いいです」
と言われるのが3割です。

しかし、今回は、そのどちらでもなく、
「バス停はどこですか?」と尋ねられました。
私はキョロキョロと辺りを見回しました。なんと、
それはすぐ目の前にありました。

「ここです、ここです」と言いつつも、
相手には「ここ」がどこだかわかるはずもありません。

「目の前です」と言い直すと、
「あっ! わかりました。ありがとう」と、
バス停に誘導するために分岐された点字ブロックに
従って方向転換されました。

「どちらへ行かれるんですか?」と尋ねると、
「名大(名古屋大学)行きに乗りたいんです」
とのこと。時刻表を見ると、路線は4つ。

そこから、「名大行き」を探して、
「ちょっと待ってくださいね・・・ええっと・・・
次の名大行きは5時32分です。
今が、16分ですから15分ほど待っていて下さい。

あっ、今、バスが来ましたがこれではありませんから
乗らないでくださいね」
すると、大きな声で、
「ありがとうございます。ありがとうございます。
助かりました~!」と言われました。

それがもう、嬉しくて仕方がないということが
バッチリ伝わる口調なのです。オーバーアクション付き。
舞台俳優かなと思うほど、大袈裟でした。

そんなに喜んでもらえて、私は嬉しくなりました。
嬉しくなったので、もう一つ「おせっかい」をしました。

「ここに、椅子がありますが座られますか?」
「あ!はい」
私が、「こっちです」と声で誘導すると、
すぐに椅子に腰かけることができ、

またまた、「ありがとうございます! 助かります~」
と言われました。あまり大声なので、
ちょっと照れて恥ずかしくなるくらいでした。

「じゃあ、お気をつけて」と言って私も家路に着きました。
帰りの電車の中で、私はたいへん幸せな
気分になりました。
最初は、困っている人に親切をしたからだ
と思いました。

しかし、ふと、心に疑問が湧きました。
いや、違う・・・親切をしたからではない。
あの「ありがとうございます!助かります~」
の言葉が嬉しかったからだということに気づきました。

さらに思ったこと。

あの男性は、お礼の達人に違いない。
同じ「ありがとうございます」でも、喜びの気持ちを
心を込めて言うと、相手の心の奥にまで伝わる。

ただの「ありがとうございます」だけでなく、
「助かります~」と付け加える、もっともっと
相手は喜ぶ。

そのことを知っていて、助けてくれた人にはいつも
「全身全霊」で「ありがとうございます」を言って
いるのではないか。

人に親切をすると、人はそれだけで幸せな
気分になれます。
さらに、お礼を言われると、もっと幸せになれます。
すると、親切をした人は、もっともっと、親切を
しようと思います。

この目の不自由な男性は、ひょっとすると、
不自由な生活を送る中で、このことに気づいたの
かもしれません。

別に計算ずくでお礼を言っているというのでは
ありません。
知らぬ間に、どうしたら相手が喜んでくれるのか
という「お礼の言い方」を身に着けたのでは
ないだろうか。そんなことを考えました。

私も、人から親切にされることがあります。
そんな時、ぶっきらぼうに「ありがとう」と言っては
いないか。これからは、全力で(笑)「ありがとう!」
を言ってみようと思いました。


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