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2018年11月18日 (日)

妄想劇場・特別編

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人生は道路のようなものだ。
一番の近道は、 たいてい一番悪い道だ。
・・・ フランシス・ベーコン

Tokubetu

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結婚して15年もたっているのに「夫のことが
わからない」と言う女性は少なくない。
むしろ15年たったからわからなくなっているとも
言えそうだ。

こんな面があったのかと愕然

「娘が中学生になって、少し父親を疎ましく
思うようになっています。
夫はそのことに焦ったのか、あるいは女性に
なりつつある娘の変化に戸惑っているのか、
やけに娘に厳しい。

先日も部活で遅くなった娘をいきなり
怒鳴り飛ばしたんです。
『どうして遅くなったのか理由くらい聞いてあげて』
と言ったら、『女子どもがとやかく言うな』と。

はあ?って感じでした。
もともとそんなことを言う人ではなかったし、
結婚前は『女性だって働くべきだよ』
とリベラルを気取っていたので」・・・

困惑したように話すのはアカリさん(45歳)だ。

第一子の長男のときは、なんでも好きなことを
やらせていた夫が、娘に関してはやたらと
規制をかけているのが気がかり。
しかも「女子ども」と言われれば、アカリさんも
黙ってはいられない。

「その暴君的な言い方はなによ、と大げんか。
娘はうんざりしたように自室に入って
しまいましたが、私はどうにも夫が許せなかった。

娘が心配なのはわかるけど、言い分も
聞かないでいきなり怒鳴りつけるなんていう
やり方は、彼自身がいちばん嫌っている
行為のはずなのに」

不安が怒りに変わることはある。
それでも、オトナとして言ってはいけない
ことがあるはずだとアカリさんは言う。

「年をとる、親になるって、こういう理不尽な
意見をまき散らしていいということなの?
夫にそう問いかけましたが、夫は無言のまま。

15年の結婚生活が彼をスポイルして
しまったのでしょうか。私たち、何かが
間違ってきたんだろうかと悩んでいます」

人は変化するものではあるが、
こういう変化は女性にとっては悲しい。

ネチネチと陰口を叩く夫に唖然

明るくて前向きなスポーツマンだった夫…
…のはずが、社内の異動を機にネチネチ愚痴を
言う男に変わってしまったと嘆くのは、
トモコさん(43歳)。

「異動は初めてじゃないし、今までだっていろいろ
経験してきているはずなのに、なぜか今回は
やたらと愚痴る。ただ、話を聞いても夫が
愚痴っている上司や同僚は、別にそれほど
ひどいことをしているとは思えないんです。

男の更年期かと思って医者に行くことを勧めると、
『オレを病気扱いしてるのか』と怒り出す始末」

疲れているのかと労っても慰めても励ましても、
どこか拗ねているような感じがする
とトモコさんは言う。

「かといって仕事がつまらないわけでは
ないみたいで……。
マイホームを手に入れたばかりで、ようやく
ほっとしているのに。もうまったく彼のことが
わかりません。だから放ってあります(笑)」

話を聞く時間的余裕がないふりをすると、
ときどきすり寄ってきたりもするらしい。
夫は寂しいのかもしれない。

夫にも話を聞いてみた。

「僕にも覚えはあるんです。マイホームを
手に入れると、自分が死んでも保険でローンが
相殺されるんですよね。
それなら、ああ、もう僕はいなくなっても
いいんだなと、虚しい気がしてしまいました」

部署異動が問題なのではなく、ひょっとしたら
マイホーム取得が夫の気分低下のきっかけかも。
こういうときはやはり一度、ゆっくり話し合って
みたほうがいいかもしれない。
今後の夫婦関係のために。・・・


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「おい!玉ちゃん。まだ返事がないのかよ?」

上司からそう呼ばれたのは、新規事業部の
玉置修治である。
修治は、3年前、都市圏に何店舗か展開する
小規模なスーパーマーケットに就職した。

本音では、こんな会社に入りたくはなかった。
故郷の北海道の両親に、 その名前を言っても
「聞いたことがない会社だけど大丈夫なのか?」
と訊かれた。

大学時代から付き合っていた彼女にさえ、
「わたし、誰にも言えないじゃないの」 と 嫌味を
言われてしまった。

しかし、大手の企業はどこも受からなかった
のだから仕方がない。 そんなこともあって、
気持ちが腐ったまま働き始めた。

ところが、である。これがなかなか面白いのだ。
現場でレジや陳列などの研修を受けた後、
新規事業部に配属になったのだ。

部員は上司とスタッフがたった3人。
「儲かることなら、何をやってもいい」
と言われている。

人は、自由すぎると、その自由を持て余して
しまうものだ。 ある程度、「この範囲で」
と制約された方がアイデアが出る。

でも、修治には、この自由というものが合って
いたらしい。 それは、ネットが大好きで、
暇さえあればパソコンに向かっていた
おかげだった。

人のブログを見ていて、 「流行りの個数限定の
無農薬玄米パンを 試食しました」とか、
「女性だけにしか売らない豆乳使用のケーキ店」
なんていう記事を見ると、すぐにアクセスをして
生産者に会いに出掛けた。

大手では扱っていない商品を目玉として スーパーの
棚に並べることができた。
「テーマ」を「スーローフード」に絞った おかげである。
大量生産はできないけれど、他には無い
良い商品に注目した。

小さなスーパーだからこそできる技だ。
上司や社長までもが評価してくれ、今までの
人生で一番生き生きとしていた。
それはすべて、パソコンがもたらしてくれた
ものだと信じていた。

さて、・・・「まだ返事がないのかよ?」 と上司の
八木に訊かれたのは、北海道は 旭川の
小さな牧場で作っているソーセージ のことだった。

これを見つけたのも、ある女性の「さくらの 食
い倒れ日記」というブログだった。
全国あちこちを旅して、「美味しいもの」を見つけては
ブログに「試食体験記」を書くのを 趣味に
しているブロガーだった。

この中から、今までにも3点ほど仕入れる ことに
成功を収めていた。 もちろん、 売上も上々だった。
通販でサンプルを取り寄せて、「美味しい」
と思ったら少しずつ仕入れて様子を見る。

通常は、そんなスタイルを取っていたが、
今回は、特に力を入れていた。
「これだ!」という直感があり、ブログを見た 翌朝、
旭川に飛んでいた。

現地へ行くと、本当に小さな小さな牧場だった。
一応、メールでアポイントメントを取ってはいたが、
「私が社長です」と名乗る青年に会うと、
「みんなオヤジがやってるから、工場へ
行ってくれ」と言う。

そのオヤジ、つまり父親が会長をしており、
会長でないと話がわからないらしい。
事務所の裏の工場へ行くと、今度は従業員が、
「牧場へ行ってくれ」と言う。

会長は、豚舎で、エサやりの最中だった。
「あの~、メールでお知らせしましたスーパーの
玉置ですが・・・」と挨拶すると、 降り返って、
「おお、息子から聞いた。

うちのソーセージ食ったか?」と唐突に訊く。
悪気はないらしいが、強面だ。
「いや、まだです」
「…何で食ってもいないのに、わざわざこんな
田舎まで来るんだ?」

「はい、信頼しているブロガーが美味しいって
書いてたので」
「へ?」
「…へ? って?」会長が首を傾げた。
それに釣られて、修治も首を傾けた。

「ブロなんとかって、何だ?」
「ああ、ごめんなさい。ブロガーです。
ブロガーっていうのは、ネットの日記でして…」

「へ? …ネットって?」
修司は、「これはダメだ」と思った。
まだまだ 年配の人には、インターネットは
遠い存在らしい。

ましてや、この田舎町だ。
それに70歳を越えて いるように見える。
「あのですねぇ、うちのスーパーではですね、  
スーローフードをテーマにして品揃えしてですね」

「へ? …スロー何?」
これは、もういけないと思った。 社長の息子さんと
一緒に話した方がいい。 そう判断して、
エサやりが終わるのを待ち、 一緒に事務所に戻った。

試食させてもらった。美味かった!
本当に美味かった。 こんなに美味しい ソーセージは
食べたことがなかった。

その後、話はトントン拍子に進んだ。
「ぜひに」とお願いをする。
息子の社長に、「じゃあ、条件を出してください」
と言われ、急ぎ会社に戻って提案書を書いた。

仕入れ価格。 そして月当たりの販売予測。
賞味期限の調整などを明記し、その晩のうちに
メールした。

ところが、いっこうに返事がない。 それこそ、一日中
パソコンのメールチェック ばかりしている。

3日目くらいすると、イライラし始めた。
あんなに乗り気そうだったのに。 仕入れ価格が
安過ぎたのか。販売量が少ないからか。

5日目には、我慢ができなくなり、 もう一本
メールを打った。 やはり返事がない。

7日目には、とうとう息子の社長に電話をして、
「メールは届いていますか?」と尋ねた。
「はい、大丈夫です。オヤジに伝えてあります」
と言う。

そのとたん、背中にヒヤリとしたものを感じた。
そうか、会長がすべて決めているんだ。
きっと、会長に嫌われたに違いない。

何が悪かったのか? そうだ。きっと、
「ブログ」とか「スローフード」とか、 知らない言葉を
並べ立てたのが気に障ったのだ。

うん、プライドを傷つけてしまったんだ。
修司は凹んだ。 応接のソファにバタンと
倒れるようにして寝転んだ。

そこへ、総務の由美がやって来た。
「玉置さん、速達が来てるわよ。ハイ!」
そう言われて手渡された一通のハガキの
差出人を見ると、 あの旭川の牧場の会長の
名前が書かれてあった。

裏を向けると、黒い墨で、大きな大きな
「たった一文字」が、 まさにハガキから
はみ出さんばかりに躍っていた。

「諾」
ウワォー! 修司は、寝転がったたまま、絶叫した。
何があったのかと、目をパチクリしている
由美に向かって言った。

「由美ちゃん、ハガキ、ハガキ! ハガキあるよね。
ハガキ1枚頂戴!」
手にしたハガキからは、どことなく糞尿の
匂いがした。・・・

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